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アークザラッド機神復活のストーリーあらすじネタバレ!結末までチェック

500年後の未来は、意外にも洗濯機が自動折りたたみ機能を搭載し始めるどころか、人類そのものが地下生活を強いられているほどの末期的状況――という、衝撃の幕開けで始まる『アークザラッド 機神復活』。

地上を牛耳るのは、機械兵を従えた機神グロルガルデなる恐怖の権化です。

これを何とかせんと、タイムマシンで過去に送り込まれた少女フィニアが、ちょっとばかりドジっ子っぽく空からバタンと降ってきたのを受け止めるのが、過去作の英雄エルク――という、なんだかもう世界の危機とドタバタが同居したストーリーとなっています。

「子どもを学校に送り出すだけで精一杯」

なんて言っていられないスケール感で、500年先の未来が滅亡寸前。

そんなフィニアの壮大な使命と、彼女が未来を救うために選んだ“過去への干渉”が、本作でどう結末を迎えるのか。

本記事では、本作のストーリーを濃密にまとめつつ、魅力的なキャラクターや切なすぎるエンディングまでをしっかり解説していきます。

ネタバレたっぷりなので、未プレイの方はご注意を。

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未来が滅亡寸前?レジスタンスの最後の手

「機神グロルガルデ」が牛耳る500年後の地上

物語は、シリーズ既存の世界から数えて実に500年後。

普通なら人類が火星あたりに移住しているとか、AIが家事を全部代行してくれるとか、もうちょっと未来っぽい進歩を連想するところですが、本作では全然違います。

どころか地上は完全にズタボロ状態。人間は地下へ追いやられ、まるでダンゴムシが木陰に逃げ込むかのごとく怯えながら日々を生き延びています。

なぜそんなハメになったかといえば、「グロルガルデ」という名の機神が地上を支配し、膨大な機械兵を操って人類をことごとく撃破したから。

で、このグロルガルデはただのオーバーテクノロジーではなく、シリーズの歴史の中で

何度か倒されたはずなのにしぶとく復活しちゃう厄介者

というポジションなのです。

本作の時代では、その機神が圧倒的な制圧力を見せて、人間を地下に押し込めているという最悪の状況からスタート。

歴史に介入し、過去から未来を守るレジスタンスの計画

地下に集っている生存者の中には、まだ諦めずに戦う「レジスタンス」がいます。

とはいえ大軍の機械兵に正面から立ち向かう体力はもはやほぼ残されていない。

このままでは近い将来、本当に人類が滅びてしまう……

って感じです。

そこで苦肉の策として導き出されたのがタイムマシン。

つまり

「グロルガルデが力をつける前の時代で、根本から機神の息の根を止めてしまおう」

という荒っぽくもドラマチックな作戦です。

問題は、

「誰を過去に送るのか」

あるいは

「どんな方法で成功させるのか」

この時代では魔力を扱える人間がとても希少で、加えてレジスタンスの人数もジリ貧。

そんな中で白羽の矢が立ったのがフィニア・アル・ワイトという少女。

フィニアは“巫女”の血統を引き継ぐ家系であり、代々の魔力やペンダントなどを受け継いでいる。

かつ若くて(まだ15歳くらい)体力もそこそこある。

そんなわけで、タイムマシンに乗って過去へ飛べるのは彼女しかいない状態です。

未来から過去へフィニアの悲劇的出立

両親を目の前で喪失…ショッキングなスタート

タイムワープ決行日、フィニアは愛する両親の励ましを受け

「行ってきます!」

と意気込む……

はずが、唐突な裏切り者の通報により、グロルガルデ軍が地下基地を襲撃してきました。

もう機械兵だらけ。

私も昔、朝から子どもにドリルを忘れたと騒がれて、書類仕事もしなくちゃいけないのに弁当を急いで詰めて……

なんて修羅場はよくあるけど、それをさらに1万倍くらい殺伐にした絵面がこの侵攻シーンでしょう。

フィニアの両親は最後まで娘を守ろうとして、命を落としてしまいます。

お父さんは爆弾抱えて特攻するも、グロルガルデにはダメージを与え切れず、残された母も銃撃で倒れる。

フィニアが泣き叫ぶも、両親は

「お前こそ…この作戦を成功させろ」

と言い残し、そのまま破壊の嵐に飲み込まれていく。

このシーンは本作最初の大きな衝撃ポイント。

あまりの凄惨さにフィニアは心に大ダメージを負いつつも、最後の手段としてタイムマシンに乗り込み、カプセルごと過去へと飛ばされていきます。

記憶喪失でスタートダッシュ

舞台は一転、「アークザラッドII」「III」で描かれた世界から数年後あたりの時代。

まだ地上がそこまで絶望していない平和に見えるシーンに切り替わります。

ここで突如空に眩しい閃光が走り、フィニアがダムーンと落ちてきたのは、ハンター業をしていたエルク=コワラピュールの目の前。

落下のショックでフィニアは記憶を失い、自分の名前以外何も思い出せない状態。

エルクは困惑しながらも放っておけず、意識不明のフィニアを借宿まで運んで介抱します。

この展開、ある意味ファンタジーRPGお馴染みの「気づいたら記憶喪失の美少女」シチュエーションなんですが、背景には500年後の崩壊世界が詰まっているという事実が重い。

当のフィニア自身は落っこちたショックで

「私は…フィニア?」

くらいしか思い出せない。

エルクは

「えーと、君はいったいどこから降ってきたの?」

と面食らってしまいます。

懐かしのヒーローが少し大人にエルクとの出会い

21歳、落ち着いたハンターエルク=コワラピュール

エルクは『アークザラッドII』の主人公として知られ、当時は18歳の血気盛んな若者でしたが、今や21歳の大人。

無鉄砲な口癖

「わけがわからないぜ!」

で暴走した頃から、3年の歳月を経て成長した様子が伺えます。

ハンターとしてそこそこ名を馳せ、ギルドの依頼をこなし、比較的安定した生活を送っているようです。

人助けを何より大事にしつつも、かつて抱えた復讐心や闇といった要素を克服した、そんな「落ち着きのある青年像」が魅力。

フィニアの不思議な出自や記憶喪失を聞いても、ただひたすら否定したり騒いだりせず、むしろ

「困っているなら手を貸す」

と快く引き受ける。

彼がこの時代の主人公格として物語を牽引することになり、その優しさがフィニアの運命を大きく変えていきます。

誘拐事件のギルド依頼とフィニアの怪力

記憶を取り戻す手がかりも無く途方に暮れるエルクとフィニア。

そこでハンターズギルドから

「誘拐された子どもを救出せよ」

という依頼が入り、事件現場へ向かう。

フィニアは自分を守ってくれたエルクに少し恩返しできたら、くらいの気持ちで同行を申し出ます。

すると犯人たちと対峙した際、フィニアが予想外に強い力を見せ、腕の一本や二本ひねっちゃう勢いで誘拐犯を振り払ってしまうんですね。

これは彼女が未来世界で巫女の資質+地下でのサバイバルを身につけていたからかもしれません。

思わず犯人の方が

「えっ、なんだ今の女の怪力…」

となる。

私も電車通勤中に満員のプレスに耐えて腕力だけは多少ついたと思いますが、流石に誘拐犯を軽々と投げ飛ばす芸当はできません。

これを機にフィニアは

「自分にもやれることがあるんだ」

と感じ、エルクと共にハンター活動をこなしながら自分の正体を探す旅を続けることに。

最初は無意識の怪力で犯罪者をビビらせちゃった彼女ですが、後にそれが魔力や巫女としての潜在力に繋がっていると分かっていくわけです。

記憶回復フィニアは500年後からの刺客(?)

エルクを庇った衝撃が引き金に洞窟での危機

エルクとフィニアはシュウ(エルクの育ての親的存在)にも相談しつつ、ギスレムや近隣のギルド依頼を色々こなしていました。

あるダンジョンの奥深くで、巨大モンスターに不意を突かれた際、フィニアが背後から襲われそうになるところをエルクが身体を張って庇う。

エルクが血を流す姿を見た瞬間、フィニアの脳裏に自分の両親が必死に守ってくれた“あの未来での最期”がフラッシュバックするのです。

途端に記憶が一気に甦り、

「私……私は500年後の世界から来たんだ」

とエルクに打ち明けます。

彼女のいた未来で人類が追い詰められていること、両親をグロルガルデに殺されたこと、レジスタンスが最後の望みを賭けて彼女を過去へ送り出したことなど、涙ながらに語られる衝撃の事実。

エルクの決断「未来を救う協力をする」

聞いた瞬間、エルクは普通なら「いやいや信じられない」と混乱してもおかしくないところ。

しかし過去に闇の王やグロルガルデを倒す冒険を体験しているエルクだからこそ、フィニアのSF級の告白を受け止められます。

さらに「グロルガルデ」という単語を聞き、かつて自分が仲間と一緒に破壊したはずの機神と繋がるヤバい事件だと確信。

エルクは

「あの時ちゃんと破壊できてなかったのか……でも今度こそ絶対に止めるしかない」

と決意し、フィニアの「未来を救いたい」という意志を尊重し協力を誓います。

このあたりのエルクの度量の大きさは頼もしい。

私だったら息子の宿題さえ片付いてないのに500年後の世界なんてスケールがデカすぎて処理落ちしそうですが、エルクはさすがに世界を何度も救っている猛者です。

新たな脅威「MMM」との邂逅

アレクを探して神の塔へ

巨大な機神を再度倒すとなると、やはり仲間が必要。

そこでエルクたちは『アークザラッドIII』の主人公アレクを頼ろうと考えます。

どうやらアレクは現在もハンターとして各地を飛び回り、「神の塔」での異変を調査しているらしいと判明。

しかし幼馴染アンリエッタいわく、アレクは行方不明状態。

神の塔といえば、アークザラッドシリーズでは空高くそびえる謎多き巨大構造物で、以前にもアークたちが封印を施した経緯があった場所。

エルクとフィニアは飛空挺ヒエンを修理して空の旅へ。

途中で燃料切れが発生し、ジハータ大陸へ緊急着陸する等のトラブルに見舞われながらも、ギルドで依頼をこなし、腕を磨きつつ塔を目指します。

ラ・サラの花に象徴される勇気マーシアのエピソード

ジハータでのサブイベントとしては、シリーズでお馴染みのマーシアと再会する流れが挙げられます。

マーシアは治癒士として難病の少女を救おうと尽力中。

しかし少女の心が折れて治療拒否しているため、「ラ・サラ」という花を届けることで希望を取り戻させたい……

というストーリーが展開。

エルク・フィニアがモンスターを退け、花を入手して少女に届けると、見事に手術は成功。

マーシア自身も

「あなたたちから勇気をもらった」

と感謝し、世界を救うフィニアの旅を陰ながらサポートする姿勢を見せます。

ここで“勇気”というキーワードが繰り返されるのは本作全体のテーマとも通じるポイント。

私も日常で

「ちょっとお高めのプリンを買おう」

という些細な勇気が必要ですが、フィニアの旅の勇気はケタ違いに大きいです。

MMMの幹部ロゴスの不穏な気配アレク救出

燃料補給を済ませ、神の塔の最上部へ行くと、ボロボロのアレクを発見。

何者かに襲われた痕跡があり、聞けば“MMM(スリーエム)”と名乗る組織の「爆炎のロゴス」という男が怪しい動きをしていたという。

アレクは命からがら逃れたらしいものの、謎の人物ロゴスに塔から吹き飛ばされる大怪我を負ったらしく、やたらと恐ろしい雰囲気を感じさせます。

MMM……

フィニアのいた未来にはそんな組織名は存在していなかったので、彼女も

「聞いたことがない」

と首をかしげるばかり。

エルクたちはアレクを保護し、ひとまず神の塔を後にする。

直後、シュウが別行動を宣言して旅立ち、ここからパーティ構成はエルク+フィニア+アレクが基本セットになる人が多いです(ゲーム的には自由もあるが)。

古代エネルギー争奪戦と仲間たち

究極兵器復活の布石?MMMの目的

エルクたちはギルドの情報を頼りに、MMMが各地の古代遺跡で何やら大規模な発掘・調査をしている形跡をつかみます。

どうやら彼らは

「古代の究極兵器を蘇らせようとしているらしい」

と判明。

究極兵器と言えば聞こえは物騒で、普通なら戦争ゲームか某巨大ロボットアニメの話みたいですが、本作の世界観ではガチの人類破滅が現実味を帯びてしまう要素です。

エルクたちは

「これはグロルガルデ復活とも関係あるかも」

と読み、MMMより先に手を打とうと決める。

未来を崩壊させた元凶が

「この時代で準備を整えている」

なんて事態を見過ごせるはずもありません。

リーザとの再会やちょこのイタズラ

遺跡調査の合間に、エルクの旧友リーザや小悪魔ちょこなど、シリーズの顔とも言えるキャラが再登場。

リーザはエルクの成長した姿に心ときめかせつつ、フィニアを見て

「兄妹のように仲良しだけど、まさか恋の発展もある?」

とソワソワ。

プレイヤー的には「フィニアとエルクのコンビか、リーザとエルクか」という三角関係チックなムードを楽しめるイベントが挟まれます。

ちょこは赤い靴を履いた魔族少女として、相変わらず周囲を振り回すキャラクター。

図書館や遺跡でイタズラ三昧し、プレイヤーにバトルを仕掛けてきたりしますが、最終的には仲間になるルートもある。

ちょこは攻撃力が高く、ゲーム的に超便利な隠しキャラ枠。

ただしストーリー的にはちょっとしたコメディリリーフにもなります。

フィニアのペンダントとピュア・エナジー

遺跡を巡っていると、古代文明の産物として「ピュア・エナジー」を生成する装置を発見。

これは膨大な魔力エネルギーを生み出すシステムで、どうやらグロルガルデ復活にも絡む重要物質と推測されます。

フィニアが持つペンダントはこのピュア・エナジーを吸収・蓄積できるらしく、相当レアな機能。

もしMMMが先に装置から大量のエネルギーを集めてしまったら、グロルガルデが最強状態で甦るかもしれない。

なのでエルクたちは先回りしてペンダントにエネルギーを取り込むことに躍起になるわけです。

シュウの裏切り?ラスト直前の衝撃展開

割って入るシュウ幹部イデアと衝突

MMMにはロゴス以外に“蒼光のイデア”という幹部が存在し、遺跡で先回りしてエルクたちと対決するシーンが生じます。

エルク・フィニアが苦労してイデア配下の兵を退けた直後、シュウが現れ、何やら大事そうなカプセルや装置を強奪してテレポートで立ち去る展開が。

フィニアは

「シュウさん、一体どうして?」

とパニック。

エルクも

「まさかシュウが敵に寝返った?」

と動揺を隠せません。

その後も同様の事件が何度か起こり、シュウはMMM幹部イデアやロゴスとも接触しつつ「ピュア・エナジーを横取りしている」ように見える。

不確定要素は多いが、どうにも裏切ったかのような挙動で、長年の師匠だった彼に対する信頼が揺らぐ場面が続きます。

ドンゲル岬での師弟対決

最終的に、氷の回廊やクタオの迷宮を経て集めたピュア・エナジーを巡り、シュウはエルクを誘い出して決闘を申し込む。

「お前からそのエネルギーをもらう。力ずくでね」

とか、これまでのクールなシュウ像からすると真逆の台詞をぶつけてきて、エルクは完全に翻弄されます。

場所はかつてシュウがエルクを鍛えた思い出深いドンゲル岬。

ここでプレイヤー的には一騎討ち。

エルクとシュウの戦闘は熱いものがあり、ゲーム的にもストーリー的にもクライマックス級の見せ場。

シュウにとって、エルクはかつて弟子のような存在だったのに、本気で斬り合うことになるのか……

悲しいながらも熱いシチュエーションです。

しかも決着後の展開は分岐があり、

仲間をどれだけ集めているかでシュウの生死が分かれる

という衝撃設定。

(A)仲間ゼロならシュウが生存

仲間キャラを誰も勧誘していない、つまりエルクが比較的孤立気味である場合、シュウは最後に正気に戻ってエルクに合流。

「お前が一人で頑張ってたなら俺が助けなくちゃダメだろう」

という感じで収束するパターンがあります。

(B)仲間多数ならシュウが崖から転落

リーザやマーシア、ちょこなど複数仲間を加えていると、

「お前にはもう十分仲間がいる。甘い考えのままでもやっていけるだろう」

と突き放し、崖から身を投げて姿を消す形。

こうなるとシュウは事実上退場し、後半で再登場しません。

いずれにせよ、シュウはエルクに対し最後まで“情けをかけずに戦え”という軍師的スタンスを取り、ピュア・エナジーの入ったカプセルをエルクに託します。

まるで

「お前が持ってけ、それが一番世界を守る手段だから」

と言わんばかり。

すなわちシュウの裏切り行為はある種の潜入工作か、あるいはエルクを鍛えるための鬼教官スタイルだった可能性が濃厚です。

いまさら

「師匠って本当に厳しい人だわ」

と思っても遅いですが、エルクは複雑な感情の中でピュア・エナジーを手に入れます。

MMMボスのアトモス、フィニアを連れ去る

師弟対決が終わるや否や、MMMの黒幕らしき仮面の老人が現れ、フィニアを誘拐してテレポートで姿を消します。

彼こそアトモス。

どうやらダークノアという空中戦艦を操り、世界粛清を企む人物らしい。

まるで

「さあ来るがいい、ダークノアへ」

と言わんばかりに挑発され、エルクは激怒。

「フィニアを返してもらうぞ!」

と飛空挺ヒエンで追いかける流れです。

空中戦艦ダークノア潜入とアトモスとの対決

ダークノア号強行突入

ダークノア号は大空に浮かぶ巨大な飛行要塞。

ハイジャックや強引な戦闘を辞さないエルクたちは、ヒエンからワイヤーを打ち込んで無理やり乗り込む作戦を敢行。

艦内には機械兵やMMM兵がゴロゴロしていて、フィニアの姿は奥の制御室に囚われていると推測されます。

エルクは歯を食いしばって突き進み、ついに制御室へ辿り着くと、そこにいたのはまさに仮面の男アトモスと拘束されたフィニア。

アトモスは

「世界を滅ぼすのが目的さ。人間なんぞ醜いだけだ」

と叫び、人類粛清を正義のように語ってきます。

なぜこんな極端な主張をするのか――後に明かされる彼の過去には、家族を理不尽に奪われた悲劇があり、それゆえに人間世界に絶望し、グロルガルデ復活による破壊を望むようになったとのこと。

アトモス戦2連戦とダークノア大破

フィニアを人質に取られたエルクたちは一瞬手が出せない状況に追い込まれますが、シュウが生存ルートなら劇的に乱入してフィニアを解放するイベントがあるなど、燃える展開。

アトモスと連戦をこなし、最終的に勝利すると、ダークノアは制御不能に陥って墜落を始めます。

エルクたちはヒエンに戻って脱出し、巨大戦艦が空中で炎上・墜落する様を後に見届けます。

この瞬間MMMは壊滅、アトモスも倒れ、

「人間を滅ぼすんじゃなかったのか…」

と呟きながら息絶える。

世界征服が未遂に終わったわけですが、まだ本作のメインテーマであるグロルガルデの復活は阻止しきれていません。

神の塔地下とグロルガルデ降臨最終決戦

神の塔の“地下”へと向かう

フィニアは

「ダークノアを落としただけじゃ足りない。肝心のグロルガルデの所在がわからない」

と不安を吐露します。

そこへ、アトモスが最後に呟いた言葉を手がかりに、神の塔には実は地下構造が隠されていると気づく。

地上から見える塔だけでなく、地面の下へ深く潜ったもう一つの塔。

こここそグロルガルデ本体が眠る場所だという仮説が浮上。

エルクたちは神の塔へ戻り、今度は封印を解除して地下に降りていきます。

そこは迷路状のトラップや転送床があったりしてゲーム的にも攻略が大変なゾーン。

そして最深部で待っていたのは――ロゴス。

MMM幹部でありながら重傷を負いつつも執念で「エネルギーカプセルを起動装置にセット」。

その時、凄まじい機械音とともにグロルガルデが目を覚ます。

グロルガルデ復活、前半戦

ロゴスは息絶える間際に

「目覚めろ、古の究極兵器よ……」

と笑い、エルクたちは

「今度こそ二度と蘇らせない」

と壮絶な戦いに突入。

機神は圧倒的火力を誇り、エルクやフィニアは苦戦しながらも何とか撃破します。

フィニアにとっては「両親の仇」の最たる存在ですから、リベンジを果たして泣き崩れるシーンもある。

ところが、

「やっと倒した!」

と安堵した瞬間、グロルガルデが再び起き上がる最終形態的な演出を見せる。

エルクに追撃が迫ったところでフィニアが咄嗟に庇い、彼女のペンダントがまばゆい光を放ち、次元の裂け目が発生する。

もう日常生活で経験する規模の「朝から子が発熱」レベルと違いすぎて目まぐるしい展開です。

アーク&ククルの魂が登場する白い亜空間

裂け目に巻き込まれた一行が飛ばされたのは白く無機質な異空間。

ここで姿を見せるのが初代主人公アークとククルの魂。

彼らは「ずっと見守っていた」と言い、倒れていたエルクたちを癒やす。

さらにククルはフィニアを「フィニア・アル・ワイト」とフルネームで呼び、

「あなたは私たちの…」

と言いかける。

が、最後までは語られず時間切れとなり、2人の霊体は消えてしまいます。

ここで暗示されるのは

フィニアがククルの血を継ぐ巫女

という設定。

事実、ワイト家=ククルの家系である以上、フィニアは古のヒロインの“ひ孫のひ孫のひ孫”かもしれず、ペンダントや時空を超える能力は彼女にとって宿命的資質だったわけですね。

500年後の未来での真のラストバトル

再びフィニアの故郷へ

アークとククルの魂の介入により、エルクたちとグロルガルデはそっくりそのままフィニアの時代、つまり500年後の荒廃した世界へ飛ばされてしまいます。

そこはかつての殺伐とした大地が広がる地下施設の崩壊跡で、グロルガルデは廃材を取り込んで完全体へアップグレード。

こっちは

「やっと1回倒したのに、まだ進化するのかよ……!」

と声を上げたいほど過酷。

フィニアにとって、変えたかったはずの未来に戻ってきた形だけれど、これは最後のチャンスでもあります。

もしここでグロルガルデを完全粉砕できれば、未来は書き換えられるはず。

エルクも

「何度でもぶっ壊してやる」

と拳を握り、仲間がいるなら全員で総力戦に挑みます。

完全体グロルガルデとの最終決戦

ラストバトルは、機神が醜い巨大キメラのようにスクラップをくっつけ、外見がさらに禍々しくなった状態。

各キャラの特殊技や支援を駆使し、ようやく撃破に成功。

最終的にグロルガルデは破片すら残さないほど粉々に砕け散り、2度と復活できない確証を得られます。

フィニアは両親の仇討ちを果たし、エルクも

「これで本当に世界を救えたはずだ」

と確信。

フィニアの帰還と切ない別れエンディング

ペンダントの最後の輝き

勝利後、フィニアのペンダントが再び輝き始め、次元の裂け目が開きます。

エルクたちは

「よし、元の時代に戻れる」

とホッとするが、フィニアだけは動かない。

彼女は

「私はここに残る」

と言い出す。

えっ、ちょっと待って?

と思いますが、彼女には

「未来を直接見届けたい」

という強い動機がありました。

両親が今度は生き残っているかもしれないし、ここが自分の本来の時代だという自覚もある。

エルクは焦りながらも最終的にフィニアの意志を尊重。

「じゃあ、これはお守りだ」

と言って自分の赤いバンダナをほどき、彼女に手渡します。

普段ずっと頭に巻いていたトレードマークを取るなんて、エルクとしてはかなり特別な行為。

フィニアは涙目で

「エルク……私は……」

と告白めいた言葉を投げかけるが、裂け目が閉じかけて最後まで伝わらない。

結果、エルク+仲間たちは裂け目を通って過去の世界へ帰還。

フィニアは500年後の未来に残され、二人は時空を隔てて離れ離れ。

すごく切ないシーンです。

私がもしこの場にいたら、夫に向かって

「2万年後か知らんけど一人で行くから」

みたいな選択をするのは想像もつきません。

フィニアは15歳ながら立派です。

未来がハッピーエンドに書き換わる

エンディングではスタッフロール後、フィニアが海辺の崖に立っているシーンが描かれます。

そこはゴミ山だらけの荒地だったはずなのに、美しい夕日が差し込み、遠くに海が広がる静かな光景。

フィニアはエルクのバンダナを胸に抱いて

「ありがとう…」

とつぶやき、その背後から両親が

「フィニア!」

と声をかけ元気に登場。

やはり歴史改変で

両親が死なない未来

になったのです。

結局、フィニアの行動で最悪の未来はなかったことになり、家族を取り戻した姿がハッキリ示される。

プレイヤーは安心する一方、

「じゃあエルクたちはもう出会えないのか……」

と物悲しい余韻に浸る。

作中で相思相愛っぽく描かれただけに、この別れは相当グッとくるものがあります。

物語のテーマ・キャラクター考察

巫女の血を引く“未来を変える”少女フィニア

本作のヒロインかつ実質的な主人公枠とも言えるのがフィニアです。

15歳ながら家族を失い、未来世界の命運を背負う。

性格面では優しさと行動力を兼ね備えており、途中でエルクをかばって自身が危険にさらされることもしばしば。

巫女の血筋ということで、ククルの子孫かもしれない設定がファンの心をくすぐります。

彼女の最大の魅力は

「諦めずに立ち向かう真っ直ぐさ」

と、物語終盤の自己犠牲的な決断。

「未来を守る」ためなら時空を超えてまで戦おうとする姿は、シリーズ通じて描かれる“希望”や“人間の可能性”を象徴しています。

結末で両親と再会するシーンは感動的ですが、同時にエルクとの別れの痛切さが最後まで尾を引く要素でもあり、本作のエモーショナルなクライマックスを形作っているわけです。

落ち着いた青年へと成長エルク

『アークザラッドII』時代に比べ、本作でのエルクは3歳分だけ大人。

若い頃は勢いまかせに

「わけがわからないぜ!」

と叫んで突進するキャラでしたが、今はどこかクールかつ責任感が増している。

シュウとの確執やフィニアとの絆を通じ、人間として一回り大きく成長しているのが見どころ。

彼はフィニアに対して、兄貴分的に寄り添う一方で、感情が恋愛に発展する兆しも。

最終的にバンダナを託すシーンなんて、本人は言葉少なめでも“愛の証”みたいな重みが滲みます。

エルクがフィニアを止めず「行かせてあげる」と受け止める度量の深さが、彼の人間性を際立たせ、プレイヤーの涙腺を刺激するラストになっています。

偽装協力か真の裏切りか?シュウ

シュウは序盤からエルクを導いてきた師匠でありながら、中盤以降は「MMMに与するかのようにピュア・エナジーを集める謎行動」で物語に波乱を起こします。

実のところ、公式シナリオでも明確に“こうだった”とは断言されておらず、プレイヤーが推測する余地を残している。

考えられる説としては

  • 敵組織にスパイ潜入して計画を探っていた
  • エルクを本当の意味で独り立ちさせるため、あえて厳しい行動に出た
  • 自分の何らかの目的を優先しようとしたが、最後にエルクへ全て託した

いずれにせよ、彼が最後にエネルギーカプセルをエルクへ放り投げるシーンやフィニア救出に関与するかどうかの分岐などから、「最終的には味方として描かれる」展開になっています。

狂気に染まった科学者アトモス

本作の“人間の闇”を体現するのがアトモスです。

家族を失い、絶望に駆られ、

「人間そのものが憎い、世界を粛清する」

という極論に至った男。

かつては優秀な科学者だったとも言われるが、理不尽な裏切りや金銭欲に巻き込まれ破滅した経緯を持ち、結果的にグロルガルデを復活させようとする。

負のメンタリティを抱えるヴィランとしてシリーズに度々登場した「人類否定」の系譜に位置し、最後にはエルクたちの協力や仲間を思う絆に敗北して

「間違っていたのか…」

と息絶えます。

ある意味で、アークザラッドが繰り返し強調してきた

人間の可能性vs人間の醜さ

というテーマを象徴するラスボス像です。

ゲームシステムとプレイ感

最大3人パーティー、エルク&フィニア固定

戦闘面では、ワンダースワンカラー向けという制約ゆえか、パーティー人数は最大3人。

エルク&フィニアは外せず、残り1枠をリーザやアレク、マーシア、ちょこ等から選択する形式。

自由度は低めですが、選択肢を絞ることで携帯機でもサクサク進められるメリットはある。

一方で

「せっかく過去作キャラが勢揃いなのに3人しか出せないのはもったいない」

と思うユーザーも多いでしょう。

私も、折角なら

「大家族みたいに大勢でわいわい戦えたらもっと楽しいのに」

と考えがち。

けれど本作のシナリオはわりとスリムにまとまっているため、少人数でも最終決戦までテンポ良く進める狙いなのかもしれません。

ラッシュモードやAI制御の特徴

戦闘システムには「ラッシュモード」という、ダメージを受けるとゲージが溜まり発動できる一種の必殺技みたいな要素があり、短いバトルにちょっとした戦術性を加えています。

また味方のうち操作しないキャラをAIに任せることも可能で、携帯機らしくテンポ優先の設計も特徴。

ただ、当時の携帯機スペックではAIB(=AIのバカさ加減)もつきもので、

勝手に危険地帯に突っ込むNPC

とか、ちょっとストレスになる場面もありました。

私なら思わず

「そこ行ったら返り討ちに遭うでしょ!」

とツッコミを入れる。

総じて、携帯機RPGという観点で見るとほどよい難易度ですが、据え置き機レベルの充実感を期待すると若干物足りない印象はあるかもしれません。

戦闘BGMが少ない音楽面の制約

本作は

「戦闘BGMが基本1曲しかなく、変化が乏しい」

というのが有名な弱点。

そのため長時間プレイしていると作業感が出やすいのは否めません。

しかしストーリーBGMやイベント演出はしっかりメリハリがあり、最終決戦での盛り上がりを盛大に損なうほどではない。

あくまで携帯機の限界内で頑張っている印象があります。

シリーズ全体の中での意義

4作目のスピンオフ的立ち位置

『アークザラッド 機神復活』はシリーズ第4作目ながら、本編というよりは携帯機向けのスピンオフ扱いです。

時系列は『III』の3年後かつ、500年後の未来まで視野に入れているため、非常に飛躍した構成。

一方で過去作キャラ(エルク、リーザ、アレク、マーシア、ちょこ、そして霊体アーク&ククル)を多数登場させ、ファンへのサービス満点。

言わば

ファミリー集合で小規模ながらおいしいところを詰め込んだ作品

という評価が多い。

さらに携帯機らしい短編構造でもあるので、レトロRPGとしてはコンパクトにまとまっており、

「短い中に泣けるドラマが詰まってる」

と好意的に見る向きも。

私自身、集中してやれば数十時間かからずクリアできるボリューム感はありがたいと思うことがある。

大作RPGだと時間をとるのが難しいライフスタイルでも、本作なら週末中心にプレイできるのがポイント。

過去作を知っているほど楽しめるが、単独でも完結

本作の大筋は

「未来から来た少女が時空を跨いでグロルガルデを滅ぼし、未来を救う」

というもので、非常に明快。

そのため、シリーズ未プレイでも基本的なストーリーは分かるように作られています。

ただし、エルクが過去にグロルガルデと戦った経緯や、マーシア・リーザ・アレクらの関係などは旧作をやっていた方が“懐かしい”感動が強い。

初代アーク&ククルの魂登場に対する

「うわあああ来たぁ!」

という興奮は、やはりシリーズファンにこそ深く刺さる展開。

仮に初見であっても

「伝説の先人キャラが助けにきてくれたんだな」

と理解はできるが、シリーズの長い歴史を踏まえると感慨が倍増すること請け合いです。

時空を越えて繋がる希望と別れまとめ

『アークザラッド 機神復活』は、ワンダースワンカラー向けというハードの制約もあって全体的にコンパクトながら、物語面ではファンの胸を打つ要素が盛り沢山。特に

  • フィニアが背負う未来の絶望と、過去での記憶喪失からの奮闘
  • エルクら旧キャラたちが多数参戦し、短時間で怒涛の展開を繰り広げる
  • 師匠シュウの謎行動による裏切り騒動
  • アーク&ククルの魂の奇跡的な救済
  • フィニアが未来を改変して両親を取り戻すハッピーエンドだが、エルクとは時空を隔てて別れる切なさ

といったポイントが合わさり、小粒でも濃厚なドラマになっています。

まさに「人類の希望は捨てられない」というテーマを、ここまで鮮やかに描き切った作品は、シリーズの中でも独特の輝きを放っていると言えるでしょう。

もしストーリーだけ知って

「こんな展開なの!?」

と興味が湧いたなら、入手難があるかもしれませんがプレイに挑戦してみるのもオススメ。

実際のゲームでは細かい会話のやり取りやキャラの成長演出が凝っており、携帯機にしては意外なほど感動を味わえます。

私自身、日々の生活で家事・仕事・子育てに追われながら、

「未来を変えるほどの大冒険か…」

と考えると想像絶する壮絶さを感じますが、その分クリアしたときのカタルシスも大きいはず。

フィニアがエルクへの想いを飲み込みつつ家族を取り戻すラストシーンは、ぜひ多くの人に味わってほしい感動です。

 

以上が、『アークザラッド 機神復活』に関するストーリーの詳細解説、および主要なキャラクター・テーマ考察です。

携帯機ならではの短編RPGながら、時空を超えて未来を救うスケール感と、シリーズらしい切ない別れの余韻が見事に詰まっています。

興味があればぜひプレイし、フィニアやエルク、そしてかつての仲間たちの物語を実際に体感してみてください。

きっと数十年後、あるいは500年後まで記憶に残る作品になるかもしれませんよ。

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