ねぇ、聞いてくれます?
東京砂漠の片隅で、今日も満員電車に揺られながらフルタイムで働き、家に帰れば小学生男子と夫と、ついでに(?)夫のご両親との六重奏(カオスとも言う)な毎日を送るワタシ。
そんな日常に、一筋の、いや、極太のレーザービーム級の非日常をもたらしてくれたのが、何を隠そう『スーパーロボット大戦X』、通称スパロボXなのでございます。
「え、スパロボ? ロボットがわちゃわちゃ戦うやつでしょ?」と思ったそこのアナタ、半分正解、でも半分は、もったいない!
スパロボXが我々に見せてくれたのは、ただのロボット大戦じゃなかった。
それは、剣と魔法がガチで存在するファンタジー異世界「アル・ワース」に、ある日突然ポイッと召喚されちゃったロボットと英雄たちの、涙と笑い(主にワタシの)と、ちょっぴりの絶望と、山盛りの希望が詰まった、壮大な異世界転生(?)クロスオーバー叙事詩だったのです。
この記事では、そんなスパロボXの物語を、始まりの「え、ここどこ?」から、衝撃の「マジか…」な結末、そして「もう一周いっとく?」なIFルートまで、洗いざらい、これでもかと完全ネタバレでお届けします。
しかも、ただのあらすじじゃありません。
日々、締め切りと息子の宿題と義母の小言(愛ゆえ、愛!)に揉まれるワタシの、妙に冴えわたる(かもしれない)超論理的かつ超俯瞰的、そしてちょっぴりシュールな考察もマシマシで!
「スパロボX、クリアしたけど、あの話って結局どういうこと?」「エンデって結局何者?」「IFルートって何が違うの?」そんなあなたのモヤモヤを、長崎ちゃんぽんの如く、具沢山かつ濃厚に解決してみせますわ!
※注意! この先は、スパロボXのストーリーに関するネタバレのフルコースです。
ラスボス? 結末? IFルート? 全部しゃべります! 未プレイの方、ネタバレは勘弁!という方は、今すぐブラウザバック推奨! スマホをそっと閉じて、まずはアル・ワースの世界へ旅立つことを強く、強くオススメします。
準備はいいですか? では、ワタシと一緒に、アル・ワースの深淵を覗きに行きましょうぞ!
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序章異世界アル・ワース観光(ただし強制参加&戦闘付き)
物語はね、もうホントに突然始まるんですよ。
ガンダムたちがビュンビュン飛び交う宇宙世紀、ワタルが「おもしろかっこいいぜ!」って冒険してる創界山、ルルーシュがギアスで世界征服(?)しようとしてるエリア11…
そんな、それぞれの世界で一生懸命生きてたロボットとパイロットたちが、ある日突然、ピカッと光ったと思ったら、知らない場所にポイッ。
そこが、今回の舞台「アル・ワース」。
このアル・ワースってのが、またクセが強い。
剣と魔法が当たり前で、ドラゴンとかも普通に飛んでる感じの、いわゆるファンタジー世界。
でも、ただのファンタジーじゃない。
この世界、どういうわけか「戦争の世界」「革命の世界」「生(ファンタジー)の世界」っていう、本来なら水と油、いや、豚骨ラーメンとショートケーキくらい相容れないはずの、複数の異世界がごちゃ混ぜになって存在してるんですって。
まるで、誰かが意図的に「異世界ちゃんぽん」を作ったみたいな? しかも、この世界には「智の神エンデ」なる神様がいるって話だけど、姿を見た者はいないらしい。
うさん臭い…神様って大体そういうもんですよね(偏見)。
そんなワケわからん世界に放り込まれた英雄たち。
アムロもワタルもアンジュも、みんな「え、ここどこ?」「元の世界に帰りたいんですけど!」状態。
そりゃそうだ。
そこに現れるのが、アル・ワースでデカい顔してる「魔従教団」って連中。
「お前ら、異世界からの侵入者な! アル・ワースの秩序を乱す害虫め!」とか言って、いきなり攻撃してくるんですよ。
ひどくない? 観光案内くらいしてくれたっていいじゃないのさ。
で、この騒動のど真ん中にいるのが、我らが主人公。
魔術師の家系に生まれた「イオリ・アイオライト(男の子)」か「アマリ・アクアマリン(女の子)」を選べるんだけど、彼ら、なんと魔従教団に所属してるんです。
でも、記憶が曖昧。
「あれ、なんでワタシここにいるんだっけ?」みたいな。
しかも、なんかヤバい力「破壊の意思」ってのを持ってるらしくて、教団に利用されつつも警戒されてるっていう、板挟み状態。
中間管理職みたいなもんかしらね?(違う)
主人公の隣には、いつもマスコット的な魔法生物「ホープス」がいます。
これがまた謎多き存在で。
見た目は可愛いけど、時々、ドキッとするような真理を突いてきたりする。
主人公とは一心同体っぽいけど、その正体は? なぜ一緒にいるの? このコンビの謎が、物語の縦軸になっていくんですねぇ。
さて、主人公は上司の導師キールディン(胡散臭さMAX)と法師セルリック(真面目そうだけどヤバそう)に「侵入者どもを排除せよ!」って命令されるわけです。
でもね、戦う相手はワタルとかアンジュとか、どう見ても悪人じゃないヒーローたち。
命令とはいえ、なんかおかしいぞ? 教団のやり方もなんかキナ臭いし…。
「こ、これでいいのか…?」って悩む主人公。
わかる、わかるよその気持ち! ワタシも会社で理不尽な指示に「はぁ?」ってなること、日常茶飯事だもんね!
そんな葛藤の末、主人公は決断します。
「こんな教団、やってられるかー!」って感じで、命令に背いてワタルやアンジュたちと共闘! 専用機「ゼルガード」に乗って、魔従教団に反旗を翻すのです!
いやー、熱い! 若いって素晴らしい! ワタシも人生で一回くらい、会社に反旗を翻してみたいもんだわ(無理)。
こうして、追われる身となった主人公と、異世界からの召喚組。
彼らは、同じようにアル・ワースに飛ばされて困惑したり、戦ったりしてた他の英雄たち――メガノイドと戦う破嵐万丈(ダイターン3)、定刻破りの悪党を許さない旋風寺舞人(マイトガイン)、記憶喪失から復活する仮面の男ゼロ(ルルーシュ・ランペルージ)、任務遂行に命を懸けるヒイロ・ユイ(ガンダムW)、宿敵シャアの影を追うアムロ・レイ(逆襲のシャア)、その他もろもろのガンダムパイロットたち、海の冒険者ナディアとネモ船長、聖戦士ショウ・ザマ(ダンバイン)、時空を超える渡瀬青葉と隼鷹・ディオ・ウェインバーグ(バディ・コンプレックス)――と出会い、なんだかんだで「元の世界に帰る」「この世界の謎を解く」「困ってる人は助ける」っていう共通目的のために、「エクスクロス」っていうチームを結成するわけです。
考えてみてくださいよ。
宇宙世紀のニュータイプと、創界山の救世主と、ミスルギ皇国の元皇女と、黒の騎士団の総帥と、勇者特急の社長が、一緒に戦うんですよ?
もう、この時点で「混ぜるな危険」どころか「混ぜたら化学反応でとんでもないものが出来上がった」状態。
このカオスこそがスパロボの醍醐味であり、スパロボXの序盤のワクワク感の源泉なんですよね。
でも、もちろん楽しいだけじゃない。
魔従教団は執拗に追いかけてくるし、アル・ワース自体がなんかヤバい秘密を抱えてるっぽい。
ナディアの持つ「ブルーウォーター」とか、アル・ワースの古代遺跡とか、どうもこの世界の成り立ちに関わる重大なキーアイテムらしい。
しかも、それぞれの作品の宿敵――ガーゴイル(ナディア)、ドアクダー(ワタル)、ショット・ウェポン(ダンバイン)、ゾギリア共和国(バディコン)、ミスルギ皇国(クロスアンジュ)、マリーメイア軍(ガンダムW)、ティターンズ残党(Ζ)、ネオ・ジオン残党(ΖΖ、CCA)――なんかも、ちゃっかりアル・ワースに来てて、状況はまさにカオス。
そして、主人公自身の謎も深まります。
戦闘中に突然、現代日本っぽい場所に飛ばされたりして、「あれ? ワタシ、もしかして異世界人じゃなくて、こっち(プレイヤーの世界)の人間だったんじゃ…?」疑惑が急浮上。
となると、「破壊の意思」って何? ホープスって何者? 魔従教団はなんでワタシを? 疑問符が頭の上でサンバを踊りだすわけです。
序盤は、そんな感じで、怒涛の出会いと、山積みの謎と、迫りくる脅威に翻弄されながらも、エクスクロスが形作られ、アル・ワースの真実へと足を踏み入れていく、まさに「嵐の前の静けさ」(いや、全然静かじゃないけど)って感じですね。
ここから物語は、ジェットコースターみたいに、急加速していくんですよ!
中盤~アル・ワースの秘密と深まる絆~英雄たちの狂想曲(カプリッチョ)
さて、エクスクロスとして結束を固めた我らが英雄たち。
しかし、アル・ワースはそんな彼らを温かく迎え入れてくれるほど甘くはありませんでした。
むしろ、「ようこそ、更なる混沌へ!」とばかりに、次から次へと新たな刺客、新たな謎、そして新たな仲間(これが救い!)を送り込んできます。
中盤は、各作品のストーリーが本格的に交差し、アル・ワースという世界の根幹に迫っていく、まさに物語のエンジンがフルスロットルになるパートですわ。
まず、未来世紀からは『ガンダム Gのレコンギスタ』のベルリ・ゼナムくんたちがメガファウナごとご来訪。
彼らが持つ高性能MS「G-セルフ」と、アル・ワースで見つかった謎のエネルギー資源「Gメタル」(…Gレコだけに?)を巡って、キャピタル・アーミィのマスク部隊だの、宇宙海賊だの、ジット団だの、もうワケわかんないくらいの勢力が入り乱れての大混戦。
ベルリくんは「戦争なんてやめましょうよ!」って純粋に叫ぶんだけど、周りが好戦的すぎてなかなか通じない。
でもね、その真っ直ぐさが、戦争に疲れ切ったアムロやカミーユみたいな先輩パイロットたちの心に、何かを思い出させるキッカケになったりするんですよ。
こういう世代間の交流も、スパロボのいいところよねぇ。
そして、忘れてはいけないのが、あの「鉄の城」! 『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』から、兜甲児とマジンガーZが満を持して本格参戦! これにはテンション上がったわー! …と思ったら、喜びも束の間、地獄のミケーネ帝国、暗黒大将軍と七大将軍が「待ってました!」とばかりに総攻撃。
さらに、甲児くんの中には、世界を滅ぼしかねないヤバすぎる力、「マジンガーZERO」が眠っていた! 強大な敵を前に、守りたい一心でZEROの力を解放しちゃうんだけど、これがもう暴走特急。
敵も味方も関係なく破壊の限りを尽くそうとするZERO。
仲間たちの「甲児くーん!」っていう悲痛な叫びでギリギリ正気に戻るんだけど、この「力との向き合い方」っていうテーマは、スパロボX全体を貫く重要な要素になっていくんですね。
甲児くんの苦悩、ワタシも胸が痛んだわ…。
力を持ちすぎるってのも、考えもんなのねぇ。
(ワタシの力は、せいぜい夕飯の献立を決める力くらいだけど…)
各作品のストーリーもクライマックスを迎えます。
- クロスアンジュ編: 遂に黒幕エンブリヲ登場! 神を名乗るこのナルシスト野郎(失礼)、元仲間を洗脳して差し向けてきたり、もうやりたい放題。でも、アンジュは仲間との絆と「歌」の力、そして相棒ヴィルキスの覚醒でこれを撃退! 「あたしの人生、あんたなんかに決めさせない!」って啖呵を切る姿は、マジで痺れたわ。でも、エンブリヲは余裕綽々で退場。こいつ、絶対また出てくるやつだ…。
そして、ヴィルキスと関係があるらしい始祖の竜アウラの存在が、アル・ワース創生の謎に繋がっていくことを予感させます。 - バディ・コンプレックス編: 青葉への歪んだ愛(?)を拗らせたビゾンが、時空を超えてストーカーまがいの攻撃を仕掛けてくる! 可哀想なのは、板挟みになるヒナちゃんよ…。青葉とディオの「ナイスカップリング!」な連携も、時空を操る相手には決定打を与えきれず、因縁は深まるばかり。切ないわねぇ…。
- ガンダムW編&コードギアス編: 囚われのリリーナ様救出作戦! ゼロの完璧な作戦指揮と、ガンダムチームの実行力が光る名場面。でも、その後に現れたデキム・バートンが、エンブリヲとの繋がりを匂わせて撤退。どうやら、アル・ワースの悪党ども、裏で結構ガッツリ繋がってるみたいね。一枚岩じゃないのが救いだけど。
- ナディア編&ワタル編: 世界征服を企むガーゴイルが、古代遺跡「バベルの塔」を起動! それを阻止しようとするナディアたち。時を同じくして、創界山の秘宝を求めてたワタルたちもバベルの塔へ。敵の敵は味方…じゃなくて、敵と敵が手を組んで、エクスクロスは大ピンチ! でも、ここでワタルの龍神丸が「龍王丸」に超パワーアップ! ガーゴイルの野望を打ち砕きます。敗れたガーゴイルが「真の黒幕は…エン…」って言い残すのが、また意味深。
そして、ナディアの持つブルーウォーターとバベルの塔、アトランティス文明の謎が、アル・ワースの成り立ちの核心に迫る重要な鍵であることが判明します。 - ダンバイン編: バイストン・ウェルの技術を悪用しようとするショット・ウェポンとの決着。オーラ力がアル・ワースのマナとどう関係してるのか、その辺の考察も捗りますわね。
- ダイターン3編&マイトガイン編: メガノイド残党や巨大犯罪組織との戦いの中で、全ての悪意の根源とも言える「ブラックノワール」の存在が明らかに。姿形を持たない「概念」としての悪って、どうやって倒すのよ…? っていう、これまた厄介な問題が浮上。正義のヒーローたちの苦悩が垣間見えます。
そして、物語はついに魔従教団との直接対決へ。
実権を握った法師セルリックは、もう完全に狂信者。
「神(エンデ)の器」として主人公を狙い、邪魔するエクスクロスを排除しようとします。
なんと、師である導師キールディンまで手にかける始末! こいつ、ヤバすぎる…!
このセルリックとの戦いの中で、衝撃の事実が次々と明らかになります。
- 主人公の出自: やっぱり主人公は、我々の世界(に近いどこか)から「破壊の意思」を持つ者として召喚されたっぽい。
- 魔従教団の真の目的: いろんな世界からヤバい力を持つ者を集めて、「智の神エンデ」を完全復活させるための生贄か器にするつもりだった。
- ホープスの正体(のヒント): エンデの「生命力」とか「希望」とか、そういう概念と対になる、めちゃくちゃ重要な存在らしい。
- アル・ワース創生の秘密: この世界は、もしかしたらエンデ自身が、ある目的のために創り出した人工的な世界なんじゃないか…?
エクスクロスは、仲間との絆と、それぞれの正義を胸に、狂気のセルリックを打ち破ります。
でも、瀕死のセルリックが遺した言葉は、まさに絶望そのものでした。
「アル・ワースは…初めから絶望を糧とし、それを永遠に循環させるために作られた箱庭なのだ…」「智の神エンデとは…人々の嘆き、苦しみ、憎しみ…その負の感情を喰らい、力とする存在…!」
なんですとー!? じゃあ、私たちが汗水たらして働いて、満員電車に揺られて、上司に怒られて、子供に振り回されて感じる日々のストレスや絶望も、全部エンデ様の栄養になってたってこと!?
ちょっと、神様だか魔獣だか知らないけど、ふざけんじゃないわよ! 人の不幸をメシの種にするなんて、悪徳業者よりタチが悪いわ!
…と、ワタシ個人の怒りはさておき。
この「絶望を糧とする神」と「そのための箱庭世界」という設定、これがスパロボXの物語の根幹であり、終盤のテーマへと繋がっていくわけです。
セルリックは倒したけど、それは中間管理職を倒しただけ(また言ってる)。
真のラスボス、諸悪の根源であるエンデが、いよいよ本格的に目覚めようとしている…!
崩壊する教団本拠地から、ホープスの不思議な力で脱出したエクスクロス。
彼らの目の前には、アル・ワース全土を覆い尽くすような、巨大な絶望の気配が広がっていました。
さあ、ここからが本当の最終決戦。
絶望の神に、人間の、いや、次元を超えて集った英雄たちの「希望」は、果たして届くのでしょうか? ドキドキが止まらないわ!
転換点~箱庭世界の残酷な真実~絶望神エンデ降臨
セルリックが遺した言葉は、呪いのようにエクスクロスの心に重くのしかかります。
「アル・ワースは絶望を糧とする箱庭」「智の神エンデは負の感情を喰らう存在」。
…つまり、この世界で起きる悲劇や争い、人々の苦しみや嘆きは、全てエンデのエネルギー源であり、世界を維持するためのシステムの一部だった、と。
ひどい話もあったもんだわ。
まるで、私たちが毎日コツコツ働いて納めた税金が、いつの間にか変な銅像とか作るのに使われてた、みたいな?(例えが微妙かしら?)
考えてみれば、辻褄が合うんですよ。
なぜ、わざわざ異なる世界の、しかも戦争や革命といった「争い」に満ちた世界の住人を召喚したのか?
なぜ、ガーゴイルやミケーネ、ドアクダーといった、混乱と破壊をもたらす存在がアル・ワースにはびこっていたのか?
それは全て、アル・ワースに「絶望」という名の燃料を供給し続け、エンデという名のエンジンを回し続けるためだった…そう考えると、全ての点と点が、恐ろしくも残酷な線で繋がってしまう。
これまでエクスクロスが戦ってきた敵――魔従教団も、エンブリヲも、ガーゴイルも、暗黒大将軍も、ブラックノワールも、ドアクダーも――彼らはエンデの直接の手下だったのかもしれないし、あるいはエンデのシステムによって無意識のうちに「絶望を増幅させる役割」を担わされていたのかもしれない。
どちらにせよ、彼らとの戦いそのものが、皮肉にもエンデの力を増大させる結果に繋がっていた可能性があるわけです。
戦えば戦うほど、敵が強くなる…って、それなんて無理ゲー?
この事実は、エクスクロスの存在意義そのものを揺るがしかねません。
「俺たちが正義のために戦ってきたことは、結局、エンデを喜ばせていただけなのか…?」そんな虚無感が、英雄たちの心を蝕もうとします。
しかし、ここで立ち上がるのが、やっぱり我らが主人公と、そしてホープス。
主人公は、自らの「破壊の意思」について、新たな解釈に至ります。
「この力が世界を壊すものだとしても、壊すべきは、この歪んだ絶望のシステムそのものだ!」と。
それは、破壊の先にある「再生」を見据えた、力強い決意表明。
そしてホープスは、「大丈夫だよ。
絶望があるなら、希望だってきっとあるはずだから!」と、純粋な、しかし何よりも強い光で、仲間たちの心を照らします。
そう、絶望のシステムがあるならば、それを打ち破る「希望」の力だって、きっとこの世界のどこかに、あるいは自分たちの心の中に存在するはず。
エンデが負の感情を糧とするなら、愛や友情、勇気といった「正の感情」は、エンデにとっての毒、あるいは対抗手段になりうるのではないか?
この「絶望 vs 希望」という構図こそが、スパロボXの最終局面の核心です。
そして、その鍵を握るのが、主人公の「破壊(そして再生)の意思」と、ホープスの持つ「希望」の力。
ここで、少し超論理的(?)な考察をしてみましょうか。
エンデという存在を、単なる「悪の神」として捉えるのではなく、ある種の「宇宙的法則」あるいは「情報集合体」として考えてみるとどうでしょう?
宇宙には、エントロピーが増大する法則(物事が無秩序・均一化へ向かう力)があると言われますが、エンデはこの「負の側面」、つまり「無秩序」「停滞」「絶望」といった概念が具現化した存在なのかもしれません。
そして、アル・ワースという「箱庭」は、そのエネルギーを効率よく集めるための装置。
対して、ホープスは「負のエントロピー」、つまり「秩序」「生成」「生命」「希望」といった概念の象徴。
そして、主人公やエクスクロスの英雄たちが持つ「強い意志」や「絆」は、この「希望」の力を増幅させる触媒。
そう考えると、スパロボXの最終決戦は、単なる善悪の戦いではなく、宇宙の根源的な二つの力――「絶望へと向かう力」と「希望を生み出す力」――のぶつかり合い、という壮大なスケールで見ることができるんじゃないかしら。
…なんて、ちょっと難しい話になっちゃったかしら? ま、要するに、めちゃくちゃデカい話になってきたってことですわ!
そして、ついにその時が訪れます。
アル・ワース全土から集められた膨大な絶望エネルギーが臨界点に達し、空間そのものが悲鳴を上げる中、異次元の彼方から、想像を絶する存在が降臨します。
魔獣エンデ。
それは、もはや神々しいとか、恐ろしいとか、そういう次元を超えた何か。
光と闇が混濁し、形を定めず蠢き、ただそこに存在するだけで、世界の法則を捻じ曲げ、希望という概念そのものを消し去ろうとするような、絶対的な「絶望」の化身。
言葉を持たず、ただ圧倒的な存在感で、全てを無に帰そうとする存在。
さあ、舞台は整いました。
絶望の神エンデに対して、次元を超えて集った希望の英雄たち、エクスクロスが最後の戦いを挑みます。
果たして、彼らの声は、彼らの想いは、この絶対的な絶望に届くのか? 息をのんで、その瞬間を見守りましょう!
終盤~エンデ最終決戦~刮目せよ!これが希望のフルパワーだ!
絶望の化身、魔獣エンデ降臨。
その姿は、もはや生物とか機械とか、そういうカテゴリーを超越した、概念そのものが形になったような異様な存在。
ただそこにいるだけで、周りの景色が色褪せ、空気が重くなり、希望なんて言葉が辞書から消えちゃうんじゃないかってくらいのプレッシャー。
こりゃあ、ラスボスに相応しい威圧感だわ…。
エンデとの最終決戦は、これまでの戦いとはレベルが違いました。
なんせ相手は、アル・ワースっていう世界そのものと繋がってるような存在。
物理攻撃が効きにくいのはもちろん、精神攻撃まで仕掛けてくる。
「お前たちの存在が無意味だ」「争いこそがお前たちの本質だ」みたいな感じで、直接心に囁きかけてくるんですよ。
やめてよね、そういうの! こちとら、日々の生活でメンタル削られてるんだから!
しかも、エンデは単一の敵じゃない。
分析によると、大きく分けて「心(精神的な本体)」、「肉体(物理的な顕現)」、「生命(絶望エネルギーの源泉)」っていう、三位一体みたいな構造になってるらしい。
これを全部同時に叩かないと、無限に再生しちゃうっていう、まさに鬼畜仕様。
でも、エクスクロスだって伊達じゃない! ここで、彼らが培ってきた絆と、それぞれの作品の最強形態&最強技が炸裂するんですよ!
- エンデの心(精神攻撃)には… 主人公が「破壊の意思」を「希望の意志」に昇華させて対抗! 「うるさーい! 私たちの心は、あんたなんかに汚させない!」って感じで、ゼルガードの力で仲間たちのメンタルをガード! まさに、チームの精神的支柱!
- エンデの肉体(物理的なカタマリ)には… エクスクロスの全戦力が一点集中! νガンダムのフィン・ファンネル! 龍王丸の登龍剣! マジンガーZEROのブレストファイヤー・インフェルノ! ダイターン3のサン・アタック! マイトガインのジョイントドラゴンファイヤー! ヴィルキスの次元共鳴! G-セルフのフォトン・トルピード! ビルバインのオーラシュート! Ζガンダムのウェイブライダー突撃! その他、もう画面がエフェクトで埋め尽くされるくらいの必殺技の嵐! これぞスパロボの醍醐味! 目がチカチカするわ!
- エンデの生命(絶望エネルギー供給源)には… 我らがマスコット、ホープスが立ち向かいます! ホープスは、エンデとは対極の「希望」のエネルギーを操れるらしく、エンデの力の源泉に直接干渉して、弱体化させようと頑張るんです。健気だわ…!
まさに、総力戦! 知略! 勇気! 愛! 友情! これまで積み重ねてきた全ての力が、エンデという巨大な壁にぶつけられます。
ルルーシュの的確な指揮、アムロの超絶技巧、ワタルの純粋な正義、アンジュの不屈の魂、甲児の制御された力…みんなが、それぞれの持ち味を最大限に発揮して戦う姿は、もう涙なしには見られません!
でもね、やっぱりエンデは強い。
どれだけ攻撃しても、アル・ワース中、いや、繋がってる他の次元からも絶望エネルギーを吸い上げて、すぐに再生しちゃう。
「も、もうダメか…?」誰もが膝をつきかけ、絶望が再び心を覆いそうになった、その時!
「僕に、任せて!」
声の主は、ホープス! なんと、彼は自らの存在を賭けた、最後の作戦を敢行しようとしてたんです!
それは、エンデの力の源泉である、絶望エネルギーのコアに自ら飛び込んで、そのエネルギーを内側から「希望」の力で浄化・変質させるっていう、超ウルトラC級の荒業! 下手したら、ホープス自身が消滅しかねない、あまりにも危険な賭け!
「ダメだ、ホープス!」主人公は叫びます。
でも、ホープスの決意は固い。
「大丈夫だよ。僕の中には、みんなからもらった希望がたくさんあるから!」
そう言うと、仲間たちの援護を受けながら、光の矢のようにエンデのコアへと突っ込んでいくホープス! うわーん、行かないでホープス! マスコット枠がいなくなったら、誰がワタシを癒してくれるのー!?
エンデのコア内部。
想像を絶する絶望の奔流がホープスを襲います。
でも、ホープスは耐える! そして、最後の力を振り絞って叫ぶ!
「みんなの…希望の力を、僕に!!」
その声に、奇跡が応えます。
エクスクロスのメンバーから、アル・ワースの人々から、そして、もしかしたら、このゲームをプレイしている私たちプレイヤーからも…?
無数の温かい光、すなわち「希望」「愛」「友情」「勇気」といった「正の感情」が、ホープスのもとへと集束していく! それは、絶望の闇夜に輝く、満天の星空のよう!
そして、光が最高潮に達した瞬間、ホープスは覚醒します! 絶望のエネルギーを完全に内包し、それを希望の力へと昇華させ、神々しい光を放つ巨大な姿――「魔獣ホープス」とでも呼ぶべき、希望の化身へと!
でも、それはエンデを倒して取って代わるんじゃなくて、エンデという存在そのものを、絶望から希望へと「書き換える」ような、もっと大きな奇跡の始まりでした。
「これが、僕たちの…いや、全ての世界の希望の力だ!」
覚醒したホープスの力と、エクスクロス全員の最後の想いを乗せた一撃が、エンデを貫きます。
それは、破壊ではなく、浄化の光。
絶望の神エンデは、苦しむことなく、ただ静かに、光の粒子となって消えていきました。
まるで、長い悪夢から解放されたかのように…。
エンデが消滅すると、アル・ワースを覆っていた暗雲は消え、世界には温かな光が満ち溢れます。
歪んだ法則は正され、大地には緑が蘇る。
絶望の循環は終わり、アル・ワースは真の意味で「再生」を果たしたのです。
やったー! これでワタシたちのストレスも、もうエンデ様の栄養にはならないのね! (まだ言ってる)
そして、光の中心にいたホープスは…元の可愛い姿に戻っていました。
でも、その瞳には、以前よりもずっと深い知恵と慈愛が宿っている。
彼は、アル・ワースの、そして繋がる全ての未来を照らす、「希望の象徴」として、永遠の存在になったのです。
ああ、ホープス、無事でよかった…! これからもワタシの癒しでいてね!
最終話のタイトルは「永遠のアル・ワースへ」。
絶望の物語は終わり、ここから、希望に満ちた新しい物語が始まる…そんな感動的なフィナーレでした。
いやー、泣いた泣いた。
隣で夫がドン引きしてたけど、気にしない!
結末~IFルートという名の「沼」~それぞれのネクストステージ
長かった戦いは終わり、アル・ワースには平和が訪れました。
まるで、大型プロジェクトが無事に完了して、達成感と若干の虚脱感に包まれる、ワタシの仕事終わりのような感じかしら?(スケールが違いすぎる)
エクスクロスのメンバーたちは、それぞれの未来へと歩み出します。
通常ルートのエピローグでは、彼らの「その後」が描かれます。
- 故郷へ「ただいま!」組: アムロやカミーユ、ジュドー、シャア(!)たち宇宙世紀組、ヒイロたちガンダムW組、ベルリたちGレコ組、青葉とディオのバディコン組など、多くのメンバーは、開かれた次元の道を通って、それぞれの故郷へと帰還します。アル・ワースでの経験を胸に、自分たちの世界で新たな未来を築いていくことでしょう。達者でなー! 君たちのことは忘れないよ!
- アル・ワースに「いってきます!」組: 一方、この再生した美しい世界に残ることを選んだメンバーもいます。ワタルは、この世界で新たな冒険へ! アンジュは、ノーマたちの新しい国づくり! ルルーシュ(ゼロ)は、その知略で新世界の秩序構築のお手伝い! マイトガインやダイターン3も、きっとこの世界の平和を守り続けてくれるはず。彼らにとって、アル・ワースは第二の故郷になったんですねぇ。
- そして主人公とホープスは… もちろん、アル・ワースに残ります! かけがえのない相棒ホープスと共に、この希望に満ちた世界で、新たな人生を歩み始めるのです。過去の記憶は完全じゃなくても、もう迷いはない。その晴れやかな表情が、全てを物語っていました。よかったねぇ…(涙)。
こうして、スパロボXの物語は、感動的な大団円を迎えるわけです。
めでたし、めでたし…
…で、終わると思ったら大間違いなんだな、これが!
スパロボプレイヤーならご存知の通り、この手のゲームには大抵「隠し要素」ってもんがあるんですよ。
そして、スパロボXにおける最大の隠し要素、それが「IFルート」の存在!
IFルートとは、特定の条件を満たすことで突入できる、通常ルートとは異なる展開と結末が用意された、いわば「真の物語」とも言えるルートのこと。
このIFルートに入るための条件ってのが、また厄介でね…。
- SRポイント(熟練度)をたくさん取る: 各ステージの難しい課題をクリアするってことね。ワタシみたいな凡人にはキツい!
- エースパイロットをたくさん育てる: たくさん敵を倒して、パイロットを一流にする。愛が必要ね、愛が!
- 特定の敵を特定のキャラで説得したり、倒したりする: これがまた、攻略情報見ないと分かんなかったりするのよ…。
- 隠しユニットやパイロットを全部仲間にする: 見逃しやすいのよねぇ、これがまた。
- 選択肢で「いい人」ぶる: 基本的に、希望を信じて、仲間を大切にする選択を選ぶのが大事っぽい。ワタシみたいに、つい皮肉を言っちゃうタイプは要注意ね!
これらの条件を、まるで高難度のパズルみたいにクリアしていくと、終盤で「ピコーン!」って感じでIFルートへの扉が開くんですわ。
苦労して辿り着いただけに、その先の物語への期待感はハンパない!
じゃあ、IFルートでは何が違うのか? ネタバレしちゃうとね…
- ホープスの真意がもっと深く描かれる: 通常ルートでも頑張ってたけど、IFルートでは、ホープスがもっと早い段階から「エンデさえも救済しうる希望の力」を信じて、エクスクロスを導いていたことが明らかに! 彼、ただのマスコットじゃなかったのよ…! むしろ、超絶有能なプロデューサーだった!?
- エンデとの決着が違う: 通常ルートではエンデは消滅(浄化)したけど、IFルートでは、エクスクロスの極限まで高まった希望の力が、エンデという存在そのものを「変質」させる! 絶望の神が、希望を理解する可能性を得る…みたいな、もっとスケールのでかい、ある意味「救済」に近い結末を迎えるんです。深すぎる…!
- トゥルーエンディングが最高にハッピー: アル・ワースは完全な再生を遂げ、キャラクターたちの未来も、通常ルート以上に希望に満ちたものに! 苦労してIFルートに来た甲斐があったー!って、心から思える、最高のエンディングが待ってるんです。まさに、ご褒美!
ただし、IFルートに入っても、選択を間違えたりすると、最悪の場合、ホープスが絶望に飲まれて世界が破滅…みたいなバッドエンドもありうるらしいから、油断は禁物! プレイヤーの選択が、マジで世界の運命を左右するんですわ。
このIFルートの存在が、スパロボXをただの「1回クリアしたら終わり」のゲームじゃない、何度も繰り返しプレイしたくなる「沼」へと昇華させている要因の一つなんですよねぇ。
通常ルートの感動も素晴らしいけど、IFルートの達成感と深いカタルシスは、また格別! もし、あなたがまだIFルート未体験なら、ぜひチャレンジしてみてほしい! きっと、スパロボXの世界が、もっともっと好きになるはずだから!
異世界ちゃんぽんが教えてくれた、希望の味総括
さて、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
『スーパーロボット大戦X』の物語、いかがでしたでしょうか?
異世界に召喚されたロボットと英雄たちが、絶望的な状況の中で出会い、ぶつかり合い、それでも手を取り合って、巨大な悪意…いや、絶望そのものに立ち向かっていく。
王道にして、しかし、スパロボならではのクロスオーバーが生み出す予測不能な化学反応が、この物語を唯一無二のものにしています。
ワタシなりに、このスパロボXの物語を超俯瞰的に(?)まとめると、これは「システムへの反逆と、希望による世界の再定義」の物語だったんじゃないかと思うんです。
エンデが創り出した「絶望を糧とするシステム」。
それは、ある意味、非常に合理的で、安定した(?)世界だったのかもしれません。
でも、そこに生きる個々の存在の「心」や「尊厳」は完全に無視されていた。
その閉塞したシステムに対して、異なる価値観を持つ「異物」であるエクスクロスが「NO!」を突きつけ、絆や愛、勇気といった、システムの外にある「希望」という名のエネルギーで、世界そのものをハッキングし、上書きしてしまった…そんな風にも解釈できるんじゃないかしら。
それは、私たちが生きる現実世界にも、ちょっとだけ通じる部分があるかもしれません。
社会のシステム、会社のルール、家庭の常識…そういったものにがんじがらめになって、「どうせ変わらないよ」って諦めてしまいそうになる時。
でも、スパロボXの英雄たちは教えてくれます。
「諦めなければ道は開ける」「一人じゃ無理でも、仲間がいれば奇跡だって起こせる」って。
まあ、現実でいきなりロボットに乗って戦うわけにはいかないけど(当たり前)、その「希望を捨てない心」っていうのは、日々の生活の中でも、きっと大切な武器になるはずですわ。
そして、何よりホープスの存在! 最初は可愛いマスコットくらいにしか思ってなかったけど、彼(?)こそが、この物語の真の主役であり、希望そのものだった。
絶望の対極にある、純粋で、無償の愛にも似た力。
それこそが、どんな強大なシステムや悪意をも打ち破る、究極のエネルギーなのかもしれませんねぇ。
ああ、ホープス、我が家にも一匹ほしいわ…。
息子より言うこと聞きそうだし…(コラ)。
ユーモアあり、涙あり、熱いバトルあり、そして深いテーマ性あり。
『スーパーロボット大戦X』は、まさに、いろんな味が楽しめる極上の「異世界ちゃんぽん」でした。
まだ未体験の方はもちろん、クリア済みの方も、この記事を読んで「もう一周してみるか!」なんて思ってくれたら、ライター冥利に尽きるってもんです。
さあ、あなたもエクスクロスの一員になったつもりで、アル・ワースの未来を、そして希望の力を、その手で掴み取ってみませんか? きっと、忘れられない冒険が待っていますよ!
(さて、ワタシはそろそろ夕飯の献立を考えなきゃ…。今日の我が家の食卓にも、希望の光が差しますように…!)