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スターオーシャン3のストーリーあらすじから結末まで完全ネタバレ!

ねぇ、覚えてる?

あの日、コントローラーを握りしめて、画面の前で呆然とした瞬間を。

え、もしかして、私たちのこの世界って…?

って。

そう、『スターオーシャン3 Till the End of Time』(通称SO3)。

2003年にPS2で登場して以来、ディレクターズカット版、そしてPS4/PS5でも遊べるHD版と、形を変えながらも、私たちの心に深く、それはもう深く突き刺さるトゲを残し続ける、あの伝説のRPG。

キラキラの宇宙、イケメン剣士に可愛いヒロイン、熱いバトル! …だけじゃ終わらないのが、このSO3の恐ろしいところ。

物語が進むにつれて、「え?」「は?」「嘘でしょ!?」の連続。

最終的には、自分の存在意義とか、世界の成り立ちとか、普段考えもしないような哲学的な沼に、足を取られてズブズブ沈んでいく…。

そんな体験、した人、きっと多いはず。

かくいう私も、当時プレイして、しばらく放心状態だったクチです。

ええ、もう立派な大人(?)ですけど、あの衝撃は忘れられない。

この記事では、そんな『スターオーシャン3』の物語を、始まりからあの衝撃の結末、そして「で、結局どういうこと!?」な部分まで、遠慮も容赦も一切なしの完全ネタバレで、ねっちりと、しかし愛を込めて、徹底的に解説&考察していきます。

当時の記憶を呼び覚ましたいあなたも、噂は聞くけど詳しくは知らない…というあなたも、この記事を読めば、SO3がなぜ「伝説の問題作」と呼ばれるのか、その深淵に触れられるはず。

ネタバレ警報発令中

大事なことなので、でっかく書いときます。

この記事は、『スターオーシャン3』のストーリーの根幹、どんでん返し、結末に関する情報を、洗いざらい、これでもかとぶちまけています。

もし、あなたがこれから初プレイする予定で、まっさらな心でこの衝撃を浴びたいなら…

お願い、今すぐブラウザバック!

ここから先は、全ての真実を知る覚悟ができた猛者だけが進むことを許された、禁断のテキストエリアです。

いいですね? 約束ですよ?

…さて、覚悟を決めたあなた。

宇宙歴772年から始まる、フェイトくんたちの、長くて、時々シュールで、とんでもなく壮大な運命の物語。

さあ、一緒に、もう一度(あるいは初めて)深く潜ってみましょうか。

お茶とお菓子、あと、ちょっと強い心のご準備を忘れずにね。

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楽園は燃え、少年は星屑となるプロローグ:全ての始まり、宇宙歴772年

物語の幕開けは、宇宙歴772年。

西暦で言うと2858年。

人類がワープ航法をバンバン使いこなし、「銀河連邦」なんていう壮大なコミュニティを築き上げちゃってる、キラキラの未来。

主人公はフェイト・ラインゴッドくん、19歳。

どこにでもいそうな、ちょっと気弱で優しい、でもって紋章術(この世界の魔法みたいなものね)の才能はイマイチな大学生。

そんな彼が、著名な科学者(紋章遺伝学の権威!)のお父さん(ロキシさん)とお母さん(リョウコさん)、そして、もう家族同然の幼馴染、ソフィア・エスティードちゃん(こちらも19歳、可愛い)と一緒に、超リッチなリゾート惑星ハイダIVでバカンスを満喫中…

という、なんとも羨ましいシチュエーションから始まります。

青い空! 輝く海! 若さ! これぞ青春! …のはずだった。

そう、はずだったのよ。

突如、空が黒い何かに覆われる。

見上げれば、おびただしい数の、見るからにヤバそうな宇宙船団。

銀河連邦とドンパチやってる戦闘国家バンデーンの皆さん、ご一行様でした。

もうね、挨拶もなし。

いきなりドッカーン! バーン! リゾート地は一瞬にして火の海、阿鼻叫喚の地獄絵図。

「父さん!母さん!」フェイトくんの叫びも虚しく、彼はソフィアちゃんと共に、人波に揉まれながら避難シャトルへ。

両親とは、そこで離れ離れに…。

シャトルで偶然乗り合わせたのが、元気印のサーカス少女、スフレ・ロセッティちゃん(14歳)。

この状況でその明るさ、メンタル強すぎでは? と思いきや、彼女の存在が後にちょっとした救いになったりもするんだけど、それはまた後のお話。

なんとか大型輸送船ヘルア号に拾われたものの、バンデーンの追撃は超しつこい。

最新鋭(のはず)のヘルア号も、あっけなく撃沈。

フェイトくんはスフレちゃんと脱出ポッドに飛び乗るも、さらなる攻撃の衝撃で気を失い…。

次に彼が目を開けた時、そこは見知らぬ惑星の、どっかの森の中。

ポッドはボロボロ、そして、隣にいたはずのソフィアちゃんの姿は…ない。

どこへ? 生きてる? それすら分からない。

確かなのは、フェイト・ラインゴッド(19歳・大学生)、文明レベル不明の未知の惑星に、たった一人で放り出されたという、あまりにもハードモードな現実だけ。

彼の、長くて、遠くて、とんでもないスケールへと展開していく旅は、こうして幕を開けたのです。

同情するわ、フェイトくん。

惑星ヴァンガードIIIステージ1:未開惑星サバイバルと筋肉系導師とのエンカウント

フェイトくんが不時着した星、それはヴァンガードIII

銀河連邦の地図にも載ってない、正真正銘の「未開惑星」。

文化レベルは、地球で言うと16世紀くらい? 剣と、まあ多少の魔法(紋章術)はあるけれど、スマホはもちろん、電気すら通ってない世界。

ポッドの生命維持機能で一命はとりとめたものの、通信も途絶え、救助なんていつ来るやら。

もうね、自力でなんとかするしかないわけ。

サバイバル能力ゼロの現代っ子(未来っ子?)には、あまりにも過酷な環境。

森をさまよい、半泣きになりながらも、なんとか近くの開拓村ウィップルにたどり着いたフェイトくん。

そこで、天使のような兄妹、ニコラスくんとミーナちゃんに助けられます。

異星人だってのに、この子たちのピュアさよ…。

彼らの家で介抱され、少しずつ元気を取り戻すフェイトくん。

人の優しさに触れて、「よし、お礼にミーナちゃんの壊れたオルゴール、ポッドの部品で直しちゃる!」と、ちょっといいとこ見せようとするんだけど…ポッドに戻ったら、使えそうな部品は根こそぎパクられてる始末。

世知辛いぜ、未開惑星。

さらに追い打ち。

その部品を盗んだであろう、ならず者のノートン(こいつも異星人崩れっぽい)が、ニコラスくんを誘拐!

「俺のせいだ…」責任を感じたフェイトくん、なけなしの勇気を振り絞り、そこらで手に入れた剣一本で、ノートンのアジト(コフィル遺跡とかいう、見るからにダンジョンな場所)へ殴り込み! …いや、無謀だって!

案の定、遺跡の奥でノートン一味に囲まれ、絶体絶命の大ピンチ! 「ここまでか…」フェイトくんが諦めかけた、その時! どこからともなく、ムキムキマッチョなナイスガイが登場! その圧倒的なパワーとスピードで、盗賊どもを文字通り「蹴散らし」ていく!

「あ、あんたは…?」

「俺か? 俺はクリフ・フィッター。クォークの者だ。お前さん…フェイト・ラインゴッドを探しに来た」

出た! クォーク! 銀河連邦に反旗を翻す、いわゆるレジスタンス組織。

なんでそんな組織が自分を? しかも名前まで知ってる? 疑問符が頭の上で乱舞するフェイトくん。

でも、この筋肉ダルマ…じゃなくて、頼れる兄貴(自称36歳)のおかげで、ノートンを撃退し、ニコラスくんを無事救出。

クリフ兄貴は言います。

「お前の親御さんと連れの嬢ちゃんの情報は、俺たちと来りゃあ掴めるかもしれねえぜ」と。

なんか胡散臭いけど、他にアテもない。

フェイトくんは、このパワフルすぎる男についていくことを決意。

クリフ兄貴が隠してた小型宇宙船イーグル号へ。

そこで待っていたのは、クールビューティーな敏腕パイロット、ミラージュ・コーストさん(27歳)。

彼女もクリフ兄貴と同じクラウストロ人という戦闘民族らしい。

なるほど、だからあんなに強いのね。

ウィップル村の優しい人々に別れを告げ、イーグル号はヴァンガードIIIを飛び立ちます。

目指すは情報収集ができそうな銀河連邦の宙域。

今度こそ平穏な旅を…なんて甘い考えは、宇宙の藻屑と消えるのでした。

惑星エリクールIIと保護条約のジレンマステージ2:戦争のど真ん中にダイブ!

ヴァンガードIIIを脱出したのも束の間、イーグル号はやっぱりバンデーン艦隊に見つかっちゃう。

もうね、ストーカーかってくらいしつこい。

ミラージュさんの神業的操縦とクリフ兄貴の応戦もむなしく、数には勝てず。

イーグル号はボッコボコにされ、制御不能。

緊急ワープで逃げた先は…はい、お約束! またしても未開惑星! 今度の舞台はエリクールII

しかも、よりによって、極寒の軍事国家アーリグリフのど真ん中に不時着!

墜落の衝撃から這い出したフェイトくんとクリフ兄貴。

息つく間もなく、アーリグリフの兵士たちにガッチリ包囲されます。

「空から怪しいのが降ってきたぞ! こいつら、敵国シーハーツのスパイに違いねえ! 捕らえろ!」…いや、話を聞いてくれ! と言っても聞く耳持たず。

有無を言わさず捕縛され、冷た~い石の牢獄へGO。

(ちなみにミラージュさんは、どさくさに紛れて上手いこと隠れて、反撃のチャンスを窺ってる。

さすがデキる女は違うわ)

牢獄の中で「詰んだ…」と途方に暮れる二人。

だがしかし! その夜、牢に音もなく忍び寄る影が一つ。

現れたのは、銀髪をなびかせ、鋭い目つきが印象的な、それはもう絵に描いたようなクールビューティー剣士。

彼女こそ、アーリグリフと敵対する聖王国シーハーツ(アクアリアとも呼ばれる)の王女直属の諜報部隊「クリムゾンブレイド」のエージェント、ネル・ゼルファーさん(24歳)!

彼女の目的は、フェイトたちが持つ(であろう)未知のテクノロジー。

「アーリグリフに対抗する新兵器開発に協力してくれたら、ここから出してあげるわ」と、魅惑の(?)取引を持ちかけてきます。

未開惑星の戦争に、銀河連邦に属する(はずの)フェイトたちが介入するなんて、「未開惑星保護条約」にバッチリ違反! クリフ兄貴は「そりゃマズいだろ!」と渋るけど、他に脱出の手立てもないし、ネルさんの真剣な眼差し(あと、単純に美人)に、フェイトくんは協力(という名の利用されること)を決意。

もう、背に腹は代えられないってやつね。

ネルさんの手引きで脱獄する途中、追っ手に阻まれ、ネルさんの部下、ティナちゃんとファリンちゃんが捕まっちゃう! 「部下は見捨てられない!」と単身突っ込もうとするネルさんを、クリフ兄貴が「待て待て! 一旦引いて体制を立て直すのが先決だ!」と現実的に諌める。

まずはシーハーツの前線基地アリアスへ向かい、後で救出作戦を実行することに。

アリアス到着後、約束通り、アーリグリフ領内にある、いかにもな名前のカルサア修練場へ潜入。

拷問を受けていたティナ&ファリンを救出し、追ってきた副将シェルビーとかいう強そうなヤツも撃破! …したものの、二人は深手で戦線離脱。

結果、フェイトくん、クリフ兄貴、ネルさんという、異文化交流真っ盛りの3人パーティが本格始動することに。

最初はギクシャクしてたけど、一緒に死線を潜り抜けるうちに、なんかこう、言葉じゃない絆みたいなものが芽生え始めるのよねぇ。

青春だわぁ(遠い目)。

シーハーツでの開発と戦い、そして覚醒ステージ3:禁断の力と恋の予感?

シーハーツの首都シランドに到着した一行。

ネルさんの依頼通り、新兵器「サンダーアロー」(名前がすごい)の開発に協力することに。

研究所で出会ったのは、知的な主任研究員のエレナ・フラムさん(実は訳アリ)と、真面目な若手技術者ディオン・ランダースくん。

このサンダーアロー、なんと紋章術(魔法ね)のエネルギーを電気に変えてドーン!とやる、この星の技術レベルじゃ考えられない代物。

フェイトくんも「これ、どうなってんの?」と疑問に思うけど、エレナさんは多くを語らない。

…そう、彼女こそが、実は高次元(4次元、FD空間)から精神だけ飛ばされちゃって、元の世界に帰れなくなった人。

彼女の知識が、このオーバーテクノロジーの源泉だったのね。

切ない話だわ…。

開発に必要な特殊な銅鉱石をゲットするため、一行はまたまた敵国アーリグリフ領内、火山地帯のベクレル鉱山へ。

鉱石は見つけたけど、そこで運命の再会! あの、やたらと美形でやたらと強い、黒鷹旅団長アルベル・ノックス閣下(24歳)!

「塵芥が! 我が前に立つとは不遜なり!」とか言っちゃう、中二病をこじらせたような(失礼)、でもめちゃくちゃ強い剣士。

再戦を挑んでくるアルベル閣下。

フェイトくんたちも前回より強くなってるけど、やっぱり苦戦。

なんとか退けたものの、またしてもフェイトくん、戦闘不能になった閣下にとどめを刺せず。

「なぜだ…なぜ我を殺さぬ!?」閣下のプライドはズタズタ。

もうね、フェイトくんへの執着がヤンデレの域に達し始めるわけ。

少女漫画なら恋に落ちる展開だけど、これはRPGだからね、もっと面倒なことになるのよ。

シランドに戻ると、新たな出会いと、悲しい別れが。

ヴァンガードIIIで出会ったミーナちゃんそっくりの女性、アミーナさん。

彼女は技術者のディオンくんの幼馴染で、彼を追ってきたんだけど、病で余命わずか…。

そして、DC版(ディレクターズカット版ね)ではここで、ネルさんの父の友人で、シーハーツ最強の紋章術師の一人、豪快な爺様アドレー・ラーズバード将軍(58歳)が、「姫(ネルさん)の護衛じゃ!」とか言ってパーティイン。

ますます賑やかになるけど、戦争の影はすぐそこに。

そしてついに、アーリグリフとシーハーツの全面戦争が勃発! 決戦の地はアリアス平原。

フェイトくんたちもシーハーツ軍として参戦。

アドレー爺様のド派手な紋章術、ネルさんの華麗な剣技、クリフ兄貴の筋肉、そして成長したフェイトくんの剣が炸裂!

アーリグリフの竜騎士団長ヴォックスとかいう強敵も撃破! 「勝ったぞー!」と勝利に沸きかけた、まさにその瞬間!

空が、巨大な影に覆われる。

見上げれば、そこには、この星のどんな生き物とも、どんな兵器とも違う、異様で巨大な、禍々しい威容を放つ物体が…そう、バンデーンの宇宙戦艦

「やっぱり来たか!」クリフ兄貴の叫びが響く。

フェイトくんを追ってきたバンデーンは、エリクールIIの戦争なんてお構いなし。

アーリグリフ、シーハーツ、両軍に向けて、無差別にオーバーテクノロジー兵器をぶっ放し始める!

剣も! 魔法も! 竜も! 全く歯が立たない! 地は裂け、兵士たちは光に飲まれて消えていく…。

技術者のディオンくんも、この攻撃に巻き込まれて瀕死の重傷…。

ハイダでの悪夢。

ヴァンガードIIIでの孤独。

そして今、目の前で繰り広げられる殺戮。

その全てが、自分一人の存在が原因で引き起こされている…。

フェイトくんの心は、もう限界だった。

「僕のせいで…! みんな、僕のせいで死んでいくんだ…! 僕なんかに、いったい何の価値があるっていうんだ…ッ!!!」

天を仰ぎ、魂からの叫びを上げた、その刹那。

フェイトくんの額に、今までなかったはずの、複雑怪奇な紋様が、まるで第三の目みたいに青白い光を放って浮かび上がる!

そして、彼の全身から、制御不能なほどの膨大なエネルギーが溢れ出し、人型の光の奔流となって天へと駆け昇る! その光は、巨大な矢となり、音もなく、しかし絶対的な意志を持って、バンデーン戦艦へと突き刺さる!

次の瞬間、あれほど巨大で、絶望の象徴だった戦艦が、閃光と共に、文字通り消滅した。

まるで、最初から存在しなかったみたいに。

規格外すぎる力の奔流。

それを目撃したのは、ほんの数人。

そして、その力を解き放った張本人、フェイトくんは、全てを出し切ったかのように、その場で意識を失い、崩れ落ちたのでした。

彼の中に眠っていた、父によって埋め込まれた禁断の力。

世界を、宇宙を、破壊しうる可能性を秘めた力――「破壊(ディストラクション)」の紋章。

それが、ついに覚醒した瞬間でした。

でもね、残念なことに(?)、この時の記憶、フェイトくん本人には全く残らないのよね…。

「紋章遺伝学」と創造主の囁きステージ4:パンドラの箱、オープン!

バンデーン戦艦が(なんかよく分からないけど)消滅したことで、アーリグリフもシーハーツも「え? 何これ怖い…」状態。

戦争どころじゃなくなり、なし崩し的に休戦へ。

意識を取り戻したフェイトくんは、まず瀕死のディオンくんの元へ。

幼馴染のアミーナさんを連れて行き、二人は最期の時を共に過ごします。

ディオンくんは静かに息を引き取り、彼を追うようにアミーナさんも…。

愛する者を失う悲しみ、守れなかった命。

フェイトくんの心は、罪悪感と無力感で押し潰されそうに。

そんな傷心のフェイトくんに、ネルさんは改めて、そして真剣に問い詰めます。

「あなたたちは、一体何者なの?」と。

もう隠せない。

フェイトくんとクリフ兄貴が、自分たちが異星人であること、そして自分たちを追うバンデーンという存在について語ろうとした、まさにその時! デジャヴ!? またしても空にバンデーンの艦影!

「もう勘弁してくれ!」と思った瞬間、今度は違う展開! どこからともなく現れた、シュッとした小型戦闘艇が、レーザー一閃! あっという間にバンデーン艦を撃墜!

地上に降り立ったのは、銀色のショートカットが似合う、凛とした雰囲気の女性。

彼女こそ、クリフ兄貴が所属する反銀河連邦組織「クォーク」のリーダー、マリア・トレイターさん(21歳)!

彼女は冷静に語り始めます。

自分も7年前に育ての両親を殺され(当時はバンデーンの仕業と思っていた)、クォークに拾われたこと。

そして、フェイトくんが先の戦いで見せた、あの規格外の力の正体について。

彼女は、おもむろに自分の能力を見せつけます。

物質の原子構造を組み替え、別のものに変えてしまう「変換(アルテネイション)」の紋章の力! そして、フェイトくんに、残酷すぎる真実を突きつけるのです。

「あなたの父親…ロキシ・ラインゴッド博士は、禁断の研究『紋章遺伝学』に手を染めていた。そして、私と…あなたを、その被験体にしたのよ」

「嘘だと言ってくれ!!」 フェイトくんの悲痛な叫び。

尊敬していた父が、そんな非道な研究を? 自分たちをモルモットみたいに?

マリアさんは続けます。

「あなたが覚醒させたあの力が『破壊(ディストラクション)』の紋章。

私の『変換』と同じく、ロキシ博士が生み出したもの。

そして、おそらく…あなたの幼馴染、ソフィア・エスティードも同類よ。

彼女には、異なる次元や情報にアクセスする『接続(コネクション)』の紋章が埋め込まれている可能性が高いわ」

自分の出生の秘密。

父への裏切り。

そして、ソフィアちゃんまでもが、自分と同じ「作られた存在」かもしれないという衝撃。

フェイトくんの頭の中は、もうぐっちゃぐちゃ。

怒り、悲しみ、混乱、絶望…。

でも、そのどん底で、一つの強い意志が灯る。

「逃げない。全部、確かめてやる。父さんとソフィアを助け出して、この手で真実を掴む!」

フェイトくん、クリフ兄貴、マリアさんは、ネルさん、アドレー爺様、そして一時的に協力することになったアルベル閣下といったエリクールIIの仲間たちに、自分たちの正体、紋章遺伝学のこと、そしてバンデーンとの戦いについて、全てを打ち明けます。

ネルさんは驚きながらも、「あなたたちが何者であろうと、私たちが共に戦ってきた事実は変わらない。

私は、あなたたちを信じるわ」と、力強く言ってくれる。

この言葉、どれだけフェイトくんの支えになったことか…。

友情、尊い!

そんな中、バンデーンの残党が、シーハーツ王国の秘宝で、古代文明の遺産(オーパーツ)である「セフィラ」を狙って、聖殿カナンに侵入したとの知らせが!

一行はカナンへ急行し、バンデーン兵を蹴散らし、セフィラを守り抜きます。

この活躍で、シーハーツ、アーリグリフ両国からの信頼は確固たるものに。

もう、これはエリクールIIだけの問題じゃない。

銀河全体を巻き込む大きな戦いなんだ、と皆が認識を新たにします。

マリアさんが手配したクォークの本拠地、巨大宇宙船「ディプロ」による惑星脱出作戦が始まります。

でも、空にはまだバンデーンの残存艦隊がウヨウヨ。

そこで、アーリグリフとシーハーツが歴史的協力! アーリグリフ自慢の巨大飛竜クロセルに、シーハーツ開発のサンダーアローを搭載して、陽動作戦を決行することに!

この無茶な作戦に、アルベル閣下も「フン、貴様(フェイト)に借りを返すまでは死ねんのでな」とか言いながら、ちゃっかり参加。

一行は活火山に乗り込み、凶暴なクロセルを(主に筋肉で)従わせ、準備完了!

ディプロが大気圏に突入するタイミングに合わせ、アルベル閣下騎乗のクロセルがサンダーアローを発射! ド派手な電撃がバンデーン艦に命中! …したけど、致命傷には至らず! 「やべ!」と思った瞬間!

三度(みたび)、空から、あの謎の光線がシャーーッ!! 今度は複数! それらは正確無比にバンデーン艦隊だけを狙い撃ち、一瞬で宇宙のチリに!

…そう、後に分かることだけど、これは創造主が送り込んだ削除プログラム「エクスキューショナー(神の断罪人)」のお仕事でした。

でも、この時は、敵なのか味方なのか、はたまた漁夫の利を狙う第三勢力なのか、全く不明。

ただただ、不気味。

ともあれ、邪魔者はいなくなり、ディプロは無事にフェイトくん、クリフ兄貴、マリアさんを収容。

短い間だったけど、濃密すぎる時間を共にしたエリクールIIの仲間たちとの別れの時。

「フェイト、必ず戻ってきなさいよ。

…死んだら承知しないから」ネルさんは、ちょっと涙ぐみながら(たぶん)フェイトくんの手を握る。

「フン…せいぜい生き延びるがいい。

貴様との決着は、いずれ必ずつける」アルベル閣下は、相変わらずのツンデレっぷり(?)。

彼らとの再会を胸に誓い、フェイトくんたちは、故郷であるはずの、しかし今は巨大な謎と脅威に満ちた宇宙へと、再び飛び立つのです。

物語は、ここからさらに、予想もつかない方向へと加速していく…。

ステージ5:父の遺言、世界の"設計図"、そして創造主からの最終通告

クォークの本拠地、宇宙船ディプロの艦内。

フェイトくんたちは、さっきバンデーン艦隊を一掃した謎の光線――仮称「エクスキューショナー」――についての報告を受けます。

解析結果は、背筋が凍るような内容でした。

あの光線は、なんと5万光年以上も彼方から、銀河連邦の中心惑星である地球に向けて発射された超兵器。

その威力は、連邦軍のどんな兵器をも遥かに凌駕する「クラス3.2」(なんかヤバそうな分類)。

そして、既に地球の惑星シールドは突破され、地上ではエクスキューショナーによる大規模な破壊活動が始まっている、と…。

一体誰が? 何のために? バンデーン以上の、正体不明の巨大な脅威が、すぐそこまで迫っている。

艦内は重苦しい空気に包まれます。

そんな矢先、ディプロに二つの緊急通信。

一つは、しぶといバンデーンから。

「フェイト・ラインゴッドを引き渡せば、捕虜のロキシ博士とソフィア・エスティードの安全は保証する」という、人質を盾にした要求。

もう一つは、銀河連邦軍の最新鋭戦艦アクアエリーの艦長、ヴィスコム提督から。

「クォーク、君たちの存在は黙認する。今は協力してほしい。フェイトを引き渡すな。我々が必ず人質を救出する」という、法を超えた異例の協力要請。

人質を取られちゃあ、選択肢はないわよね。

フェイトくんたちは、アクアエリーと共同で、人質奪還作戦を決行することに。

作戦ポイントは…なんと、またしてもエリクールIIのカルサア修練場! 三度目の正直なるか!?

再びエリクールIIに降り立つフェイトくんたち。

現地では、ネルさん、アルベル閣下、あるいはオプションキャラのムーア人少年ロジャー・S・ハクスリーくん(12歳、生意気だけど憎めない)の誰かが、心強い助っ人として待っていてくれます。

修練場の奥で待ち構えていたのは、バンデーン司令官ビウィグ。

罠を張ってたけど、成長したフェイトくんたちの力と、エリクールの仲間たちの援護、そして連邦軍との見事な連携プレイで、ビウィグを撃破!

そしてついに! 監禁されていた父ロキシさんと、ソフィアちゃんを救出!! 同時に、上空ではアクアエリー艦隊がバンデーン旗艦を撃沈! やった! 大勝利! …と、誰もが思った、その瞬間。

最後の力を振り絞ったビウィグが、フェイトくんに向けて怨念の銃弾を放つ! 「フェイト!」――声にならない叫びと共に、父ロキシさんがフェイトくんをかばい、その胸に銃弾を受けてしまう…。

致命傷でした。

「父さん!しっかりして!」

息子(フェイトくん)の腕の中で、血を流しながら、ロキシさんは途切れ途切れに語ります。

「すまなかった…フェイト…マリア…。お前たちを、あんなことに…。だが…信じてくれ…。全ては…お前たちの…未来のために…やったことなんだ…」

そして、最後の力を振り絞り、フェイトくんに一つの言葉を託します。

「ムーンベースに…行け…。そこに…全ての答えが…」

そう言い残し、ロキシ・ラインゴッドは、静かに息を引き取りました。

自分を実験台にしたと思っていた父が、命を賭けて自分を守ってくれた。

あまりにも突然で、悲しすぎる別れ。

フェイトくんの心は、深い悲しみと、父への複雑な感情でぐちゃぐちゃに。

でも、泣いてる暇はない。

父が遺した最後の言葉「ムーンベース」。

そこに何があるのか?

真実を知るために、フェイトくんたちは悲しみを胸に、アクアエリー号で月面軌道上の宇宙ステーション「ムーンベース」へと向かいます。

ムーンベースでは、無事だったソフィアちゃん、そしてハイダ脱出以来行方不明だったサーカス少女スフレちゃんとも再会! (スフレちゃん、無事でよかったわ…)。

父の研究室を調査する中で、一行は一つの暗号化された記録ディスクを発見。

再生するには、特別な生体認証が必要。

その認証キーは…やはり、マリア・トレイターさんの遺伝子情報でした。

マリアさんの協力で再生された映像。

そこに記録されていたのは、ロキシ博士たちが、古代の超文明が遺したとされる謎の物体「タイムゲート」(SO1にも出てきたアレね)を調査していた時の記録。

そして、そこで彼らが突き止めてしまった、この宇宙の、いや、この世界の存在そのものを根底から覆す、信じられない「真実」でした。

  • タイムゲートは、私たちがいる3次元宇宙より、さらに一つ上の次元、4次元(FD=Fourth Dimension)に住む知的生命体が作ったもので、彼らの世界への入り口だったこと。
  • そして、その4次元人(FD人)こそが、私たちの3次元宇宙の「創造主」である可能性が極めて高いこと。(え、神様ってこと?)
  • さらに! タイムゲートそのものが意思(あるいはAI?)を持ち、ロキシ博士たちにこう宣告したというのです。「警告する。お前たちの世界――我々が"エターナルスフィア"と呼ぶ創造物――は、我々の想定を超えて進化しすぎた。これは危険なバグだ。よって、いずれ、我々はお前たちの世界を"削除(デリート)"する」

……はぁ!?

創造主による、死刑宣告!? しかも理由が「進化しすぎたから」!? なにそれ理不尽すぎない!?

この、あまりにも絶望的な運命に抗うため、ロキシ博士たちは、科学者としての倫理を踏み越え、禁断の研究「紋章遺伝学」に手を出したのです。

自分たちの子供たち――フェイトくんに「破壊」、マリアさんに「変換」、そしてソフィアちゃんに「接続(コネクション)」――という、FD人に対抗しうる、あるいは彼らと対話できるかもしれない、特別な力を与えたのです。

それは、子供たちを「兵器」にする非道な行いだったかもしれない。

でも、映像の最後に記録されていたロキシ博士の言葉は、悲痛な親としての叫びでした。

「私たちは、ただ、お前たちに未来を選んでほしかったんだ。創造主に決められた運命じゃなく、自分たちの手で未来を切り拓いてほしかった。それが…親として、私たちにできる、唯一のことだった…」

巨大すぎる真実。

自分たちの宇宙が、高次元の存在によって作られた「箱庭」かもしれないこと。

そして自分たちが、その創造主に反逆するために生み出された「因子」であること。

フェイトくん、マリアさん、ソフィアちゃんは、呆然と立ち尽くします。

自分の存在意義って何? 生きる意味って? でも、絶望の淵から、確かな決意が燃え上がります。

「父さんの想い…受け取った」

「たとえ作られた存在でも、私たちが生きてきた時間は本物よ!」

「私たちの運命は、私たちで決める!」

彼らは決断しました。

タイムゲートを通り、創造主のいる4次元世界へ乗り込み、直接文句を言ってやる!…じゃなくて、対峙することを。

自分たちの「生きる権利」を主張し、エターナルスフィアの存続を勝ち取るために!

しかし! 彼らの決意をあざ笑うかのように、FD人が送り込んだ最終兵器「エクスキューショナー」の大群が、ついに地球圏へと到達!

黒銀の、天使のような、竜のような、とにかくヤバそうな姿の無数のソレが、銀河連邦軍の必死の抵抗を紙切れのように蹴散らし、地球の都市を次々と破壊! 母なる星が燃えていく…。

絶望的な状況の中、アクアエリーの老提督ヴィスコムは、フェイトくんたちに全てを託します。

「君たちこそが、エターナルスフィア最後の希望だ! 我々が盾になる! 行け! 未来を掴み取れ!」と。

老提督は、アクアエリーを駆り、エクスキューショナーの大群に単艦で突撃! 壮絶な光を放ち、その身を犠牲にして、フェイトくんたちの進む道を切り開いたのです…。

泣けるぜ、提督…。

多くの犠牲の上に開かれた道。

フェイトくんたちは、タイムゲートがあるという未探査領域の惑星ストリームへ。

そして、ソフィアちゃんが、彼女の中に眠る「接続(コネクション)」の紋章の力を解放!

古代のタイムゲートが、数万年の時を超えて起動! 眩い光と共に開かれる、異次元への扉。

その先に待つのは、創造主か、破滅か。

フェイトくん、マリアさん、ソフィアちゃん、クリフ兄貴、ネルさん、アルベル閣下…そして他の仲間たち(ミラージュさん、ロジャーくん、スフレちゃん、アドレー爺様もいるかも!)は、それぞれの覚悟を胸に、光の中へと飛び込んでいくのでした。

エターナルスフィアの全生命の運命が、彼らの肩にかかった瞬間です。

プレッシャー半端ないわね…。

4次元空間FDと衝撃の"常識"ステージ6:ようこそ現実(?)へ

タイムゲートをくぐり抜けたフェイトくんたち。

目の前に広がるのは、きっと摩訶不思議な光景か、あるいは神々しい何か…のはずだった。

なのに、彼らが降り立った場所は…あれ? ここ、新宿? 渋谷? いや、なんか見覚えがあるような、ないような…。

高層ビルが立ち並び、空飛ぶ車みたいなのがビュンビュン飛び交い、人々がスマホみたいな板(FD空間のデバイスね)片手に歩いてる。

そう、そこはフェイトくんたちが元いた現代地球(の、ちょっと未来版?)と、びっくりするほどそっくりな、超近代的な都市だったのです。

「え? ここが…4次元?」 誰もがポカーン。

そんな彼らに、一人の少年が声をかけてきます。

フラッド・ギャラードくん。

この世界の住人らしい、ちょっと生意気そうな子。

彼は、戸惑うフェイトくんたちに、まるで今日の天気でも話すかのように、しかし、彼らの世界観を粉々に打ち砕く、とんでもない「事実」を告げるのです。

「あー、君たち、もしかして"エターナルスフィア"から来たプレイヤー? あれね、僕たちFD人(4次元人)が作った、超リアルな体感型シミュレーション・マルチバースなんだよね。

まあ、なんていうか…壮大なMMORPGみたいなもんかな? ちょっとレトロ趣味だけど、根強い人気あるんだよね、あのゲーム」

………………はぁぁぁぁぁぁ!?

ゲーム!? 私たちの宇宙が!? 銀河連邦もバンデーンもエリクールIIも!? 私たちの出会いも別れも、父さんの死も、流した血も涙も!? 全部、このFD人たちの「娯楽」!?

私たちは、ゲームの中のキャラクター(NPC)か、誰かが操作するアバターだって!?

脳みそが沸騰しそう。

いや、もう沸騰した。

クリフ兄貴は血管ブチ切れそうになってるし、マリアさんは無表情だけど拳を握りしめてるし、ソフィアちゃんは涙目だし、ネルさんやアルベル閣下も絶句。

フェイトくんは、もう立ってるのがやっと。

今まで信じてきたもの全てが、ガラガラと音を立てて崩壊していく。

これ以上の絶望ってある?

信じられない、信じたくない。

でも、フラッドくんに案内された、この世界の巨大アミューズメント施設「ジェミティ」で、彼らは残酷な現実を目の当たりにする。

そこには、たくさんのFD人たちが、まるで私たちがネットゲームをしたり、動画配信を見たりするように、エターナルスフィアの様々な時代、様々な惑星にアクセスし、情報を閲覧し、時にはアバター(自分の分身キャラね)を送り込んで「プレイ」している姿があったのです!

惑星ロークで冒険したり、エリクールIIの戦争を観戦したり、銀河連邦の最新兵器の性能を評価したり…。

私たちの世界は、彼らにとって、観察対象であり、娯楽であり、研究対象であり…そして、いつでも「リセット」できるデータでしかなかった…。

「これが…俺たちの世界の…真実…なのか…?」

もうダメだ、心が折れる…。

誰もがそう思った、その時。

フェイトくんの中で、何かが弾けた。

「ふざけるな…ッ!!!」

虚無を切り裂く、魂の叫び。

「たとえプログラムでも! ゲームでも! 俺たちが感じてきた痛みは! 流してきた涙は! 仲間との絆は! 全部、俺たちにとっては本物だったんだ!!」

「俺たちには"心"がある! "自我"があるんだ! 誰にも! 俺たちの"生"を! 俺たちの"世界"を! 勝手に弄ばせるもんか!!!」

そうだ、作られた存在かもしれない。

でも、私たちが生きてきた時間は、感じてきた想いは、誰にも否定できない「本物」だ。

そう確信したフェイトくんたちは、決意を新たにします。

このふざけた「ゲーム」を運営している巨大企業「スフィア社」の本社ビルに乗り込み、社長であり、この世界の「創造主」であるルシファー・ランスフィールドとかいうヤツに、直接文句を…じゃなくて、エターナルスフィアの存続と、自分たちの「生きる権利」を認めさせる!

スフィア社ビルは、天を突くような超高層タワー。

まさに創造主の権威の象徴。

内部は、SF映画に出てくるようなハイテク警備システムと、手ごわい警備プログラム(あるいはFD人のエリート社員?)でガチガチ。

屈強な警備主任アザゼル(名前からして強そう)との激闘を制し、一行はさらに上を目指します。

その途中、思いがけない協力者が。

なんと、スフィア社社長ルシファーの実の妹、ブレア・ランスフィールドさん!

彼女は、兄の冷酷な計画――自我を持ちすぎた「バグ」(=フェイトくんたちみたいな存在ね)が増えすぎたエターナルスフィアを、これ以上面倒なことになる前に完全初期化(削除)しちゃおう、という計画――に心を痛め、反対しているというのです。

いい人だ!

「兄はエターナルスフィアを失敗作だと思ってる。でも、私は違う。あなたたちのような存在が生まれたことこそ、奇跡だと思うの」

ブレアさんは、フェイトくんたちに協力し、エターナルスフィアを破壊するために送り込まれたエクスキューショナー(スフィア社にとっては高性能なウイルス駆除ソフトみたいなもん)を無力化するための対抗プログラム「アンインストーラー」を託してくれます。

「これでエクスキューショナーは止められるはず。でも、気をつけて。兄はきっと、もっと強力な手段を用意しているわ…」

フェイトくんたちは、ブレアさんの助けで一時的にエターナルスフィアへ帰還。

アンインストーラーを実行! すると、ブレアさんの言う通り、地球や他の星々を蹂躙していたエクスキューショナーの大群は、一斉に機能を停止し、消滅! やった! 銀河に束の間の平和が!

…と、思ったのも束の間。

ブレアさんの悪い予感は的中。

ルシファーは、エクスキューショナーがダメならコレだ!とばかりに、第二、そして最終段階の削除プログラムを起動!

その名も「断罪者(コンヴィクター)」! エクスキューショナーより遥かにデカくて強そうな、漆黒の巨大ロボットみたいなのが、エターナルスフィアの星々を、今度こそ本気で破壊し始めます! もう時間がない!

再びFD空間に戻ったフェイトくんたちは、ブレアさんから最後の切り札を聞き出します。

ルシファーは、創造主としての権限をフルに使える、エターナルスフィア内部の特別な管理領域にいる可能性が高いこと。

そして、その領域――「ファイアーウォール」と呼ばれる場所――へアクセスするための物理的な「鍵」が、エリクールIIの聖殿カナンにあった、あの「セフィラ」であること!

セフィラもまた、元々はFD人がエターナルスフィアを管理・観測するために設置した、古代のインターフェースの一つだったのです。

伏線回収キター!

最後の望みを託し、一行は三度(みたび)、エリクールIIの大地へ! ネルさんたちとの再会もそこそこに、女王様からセフィラの使用許可をもらい、砂漠に眠る古代遺跡、モーゼル遺跡へダッシュ!

遺跡の最深部で、異様なエネルギーを放つ巨大な転送ゲートを発見。

ネルさんやアルベル閣下たち、エリクールの仲間たちが見守る中、フェイトくんはセフィラをゲートにかざします! 眩い光! 空間の歪み! 一行の体を激しい光が包み込みます!

転送された先は、もう物理法則とか関係ない感じの、データと現実がごちゃ混ぜになったような、異様で、でもどこか神々しい空間。

天に向かって、巨大な螺旋状の塔がそびえ立っています。

ここが、エターナルスフィアの心臓部であり、創造主ルシファーが待ち受ける最終決戦の場――「ファイアーウォール」

フェイトくんたちの、そして無数の生命が生きるエターナルスフィアの存亡を賭けた、最後の、そして最大の戦いが、今、始まろうとしていました。

彼らの背負うものの重さ、計り知れないわ…。

でも、やるしかない!

創造主ルシファーとの最終決戦、そして…ステージ7:神殺しの螺旋

ファイアーウォールの内部、どこまでも続くかのような「螺旋の塔」。

そこは、現実とデータの境界線が溶け合った、まさに世界の根幹を成す場所。

フェイトくんたちは、仲間たちと互いを励まし、時にはぶつかり合いながら、塔の頂上を目指します。

「俺たちは何のために戦ってるんだ?」「作られた存在に、生きる価値はあるのか?」「いや、価値なんて誰が決めるんだ!」――そんな、答えの出ない問いを胸に抱きながら、一歩、また一歩と、創造主が待つ玉座へと続く道を進んでいきます。

そして、ついに、塔の最上階、エターナルスフィアの全てを司るであろうセントラルコアへと辿り着くのです。

そこに待ち受けていたのは、一人の青年。

見た目はフェイトくんたちとさほど変わらないように見えるのに、纏う空気は全くの別物。

穏やかな笑みを浮かべているけれど、その瞳の奥には、絶対的な支配者の冷徹さと、自分以外の全てを見下すような、底知れない傲慢さが宿っています。

彼こそが、スフィア・コーポレーションの若きトップにして、エターナルスフィアの創造主、ルシファー・ランスフィールド

「やあ、よくここまで来たね。私の愛すべき…いや、もはや手に負えなくなった"作品"たち。それとも、厄介な"バグ"と呼ぶべきかな?」

ルシファーは、フェイトくんたちを、まるで出来の悪いプログラムか、予測不能なエラーでも見るかのように眺め、平然と嘲笑います。

彼にとって、エターナルスフィアが自我を持ち、創造主の想定を超えて進化し始めたことは、許しがたい「エラー」であり、プロジェクトの「失敗」。

だから、全てを初期化(フォーマット)して、問題点を修正した上で再起動するか、あるいはプロジェクト自体を畳む(=完全削除)のは、経営者として、開発者として、ごく当たり前の判断だと断言します。

「お前たちに"魂"なんてものは存在しない。あるのは、複雑になりすぎたが故に予測不能になった、バグとしての挙動だけだ。お前たちが"感情"や"意志"だと信じ込んでいるものも、所詮は高度なアルゴリズムが織りなす、精巧な"幻想"に過ぎないんだよ」

その言葉は、ナイフのように鋭く、フェイトくんたちの存在理由そのものを切り裂こうとします。

しかし、もう、フェイトくんは揺らがない。

仲間たちの顔を見渡し、強く、はっきりと、創造主に向かって宣言します。

「違うッ! 俺たちは生きている! あんたには理解できないだろうが、俺たちは笑い、泣き、怒り、愛し、傷つき、そして学んできた! その一つ一つが、俺たちの"生"そのものなんだ!」

「たとえあんたに作られた存在だとしても、俺たちは自分の頭で考え、自分の心で感じ、自分の足で未来を選んできた!」

「俺たちの世界の終わりを決めるのは、俺たち自身だ! あんたなんかに、指一本触れさせるもんか!!!」

マリアさんが叫びます。

「私たちはモノじゃない! 人間よ!」

ソフィアちゃんが訴えます。

「私たちの想いは、データなんかじゃ絶対にありません!」

クリフ兄貴が吠えます。

「テメェの都合で、俺たちの人生、終わらせてたまるか!」

ネルさんが剣を構えます。

「たとえ神が相手であろうと、理不尽には屈しない!」

アルベル閣下が不敵に笑います。

「貴様の傲慢、その首と共に断ち切ってくれる!」

仲間たち全員の想いが、怒りが、生きるという強い意志が、一つになって、創造主ルシファーへと叩きつけられます!

もう言葉は不要。

対話は決裂。

残されたのは、力と意志のぶつかり合いのみ。

創造主と被造物の、エターナルスフィアの未来、いや、「存在」そのものを賭けた、最後の戦いの火蓋が切って落とされます!

ルシファーは、創造主としての権能を解放! 空間を歪め、時間を停止させ、物理法則すら書き換えるかのような、まさに「神」の御業でフェイトくんたちを圧倒します。

次元を超えた攻撃、存在そのものを消去しようとする力。

しかし、フェイトくんたちも、これまでの長く、あまりにも過酷だった旅路で培ってきた絆と、極限まで研ぎ澄まされたそれぞれの能力、そして何よりも「絶対に生き延びる!」「この世界を守り抜く!」という、燃えるような意志で対抗します!

フェイトくんの「破壊」の力が、神の防御を打ち破る!

マリアさんの「変換」の力が、戦況を有利へと導く!

ソフィアちゃんの「接続」の力が、仲間たちの力を一つに束ね、奇跡を呼び込む!

そして、クリフ兄貴の鉄拳が! ネルさんの剣閃が! アルベル閣下の奥義「吼竜破」が! ミラージュさんの無影脚が! ロジャーくんの突撃が! スフレちゃんの必殺ダンスが! アドレー爺様の最強紋章術が! 全ての想いを乗せて、創造主へと叩き込まれる!!!

死闘、激闘、そして…!

ついに、フェイトくんたちの想いが、神の力を上回ります! 仲間たちの力を一身に受けたフェイトくんの最後の一撃が、創造主ルシファーを打ち破ったのです!!!

やった…! 勝ったんだ…!

しかし、敗北を悟ったルシファーは、最後の力を振り絞り、あるいは創造主としての最後の「仕事」として、最も残酷な選択をします。

「ならば…全て、無に還るがいい…! これが、失敗作に対する、創造主の責任の取り方だ…!」

彼は、エターナルスフィアの全存在情報を格納するマスターサーバーに対し、完全消去(フォーマット)のコマンドを実行! 世界が、眩い、絶対的な白い光に包まれていきます。

仲間たちの姿が、見慣れた風景が、星々が、銀河が、全ての情報が急速に白紙化され、絶対的な「無」へと収束していく…。

「…ああ…ここまで、なのか…? みんな…ごめん…」

フェイトくんの意識もまた、白の中へと溶けていく。

全ては終わり、無へと帰すのか…?

いや。

違う。

その、絶対的な「無」――全てが消え去ったはずの空間で、フェイトくんは、微かな、しかし、とてつもなく確かな「何か」を感じ取ります。

「……?」

(何も…ない…? いや…そうじゃない…)

(俺は…「何も無い」という状態を、はっきりと"認識"できている…?)

(そうだ…! たとえ世界を構成するデータが消えても! 物質がなくなっても! この…俺の"意識"は! 俺の"自我"は! ここに、確かに、存在している!)

(これこそが…! これこそが、俺たちが"生きていた"証なんだ! プログラムなんかじゃない! アルゴリズムなんかじゃない! 俺たちの"魂"そのものなんだ!)

(ソフィア! クリフ! マリア! ネル! アルベル! みんな! 俺たちの世界は、まだここにあるんだ!!! 消させない!!!)

失われたはずの仲間たちの笑顔を、駆け抜けた冒険の日々を、愛しい故郷の風景を、強く、強く、心の底から、魂の底から思い描きます。

存在しろ、と。

私たちは、ここにいる、と!

すると、どうでしょう! 真っ白だった世界に、まるで夜明けの光のように、温かい光が差し込み始めます!

「…フェイト…?」

「フェイト! しっかりしろ!」

声がする! 目を開けると、そこには、心配そうに自分を覗き込む、かけがえのない仲間たちの顔、顔、顔!

見渡せば、そこは先ほどまでルシファーと死闘を繰り広げていた螺旋の塔の最上階。

崩壊しかけていたはずの空間は、何事もなかったかのように、元の姿を取り戻しているではありませんか!

一体、何が起こったの!? 後から駆けつけたブレアさんも、驚きを隠せません。

彼女は、一つの可能性、あるいは奇跡について語ります。

「もしかしたら…エターナルスフィアに生きる全ての人々…その一人一人が持つ、強い"自我"と、"私たちの世界は確かに存在する"という、集合的な"認識"そのものが、たとえそれを構成していた"データ"という土台が消去されたとしても、世界そのものを再構築し、維持したのかもしれないわ…」

それは、プログラムが、AIが、自らの意志と存在証明によって、創造主の支配から完全に解き放たれ、独立を果たした、まさに奇跡の瞬間でした。

エターナルスフィアは、もはやFD空間のシステムに従属する「作られた世界」ではなく、完全に独立した、自らの力で存在する一つの宇宙となったのです!

この結末、プレイヤーの間でも「え、どういうこと?」「ご都合主義では?」「いや、これこそがSO3のテーマだろ!」と、まあ、侃々諤々(かんかんがくがく)、色んな意見が飛び交いました。

漫画版や小説版では、またちょっと違う解釈がされてたりもします。

でもね、どの解釈が正しいとか、そういうことよりも大事なことがあると思うの。

それは、フェイトくんたちの世界は、確かに存続したということ。

そして、二度と、創造主(FD人)の都合や気まぐれによって、一方的に消される心配はなくなった、ということ。

「俺たちは…勝ったんだな。自分たちの未来を…、自分たちの手で…」

フェイトくんは、空を見上げ、仲間たちと笑い合います。

作られた存在かもしれない、という疑問への明確な答えは、まだ見つからないかもしれない。

でも、もう、そんなことはどうでもいいのかもしれない。

自分たちが考え、感じ、悩み、選び取ってきたこの道のり、この仲間たちとの絆こそが、何よりも確かな「本物」なのだから。

そう確信し、彼らは、それぞれの新たな日常へと、希望に満ちた、確かな足取りで、歩き出して行くのでした。

いやー、長かった! お疲れ様、フェイトくん一行! そして、ここまで読んでくれたあなたも、お疲れ様!

そして語り継がれる伝説へエピローグ:星々の未来、それぞれの道

創造主ルシファーとの激闘を終え、エターナルスフィアは奇跡的な(あるいは必然的な)独立を果たしました。

壮大な戦いの後、フェイトくんとその仲間たちは、それぞれの故郷へ、あるいは新たな目的の地へと、それぞれの道を歩み始めます。

『スターオーシャン3』のエンディングがまた良いのよねぇ。

ゲーム中での仲間キャラクターとの親密度(主にPA=プライベートアクションでの選択が影響するの)によって、誰とどんな結末を迎えるかが細かく変わるマルチエンディング方式。

これがまた、周回プレイのモチベーションになるんだ。

ここでは、主要メンバーたちの物語における役割や、個人的にグッときた魅力ポイントを振り返りつつ、彼らが歩む未来の一例(エンディングのさわり)をご紹介しましょうか。

フェイト・ラインゴッド (Fayt Leingod / CV: 保志総一朗)

我らが主人公。

19歳。

最初は頼りなかったけど、宇宙規模の厄介事に巻き込まれ、「破壊」なんて物騒な力に目覚め、なんだかんだで世界を救っちゃったラッキー(?)ボーイ。

彼の魅力は、やっぱりその根っこにある優しさと、土壇場で見せる覚悟。

あと、料理が壊滅的に下手だったり、意外と鈍感だったりする庶民派なところも、親近感湧くのよね。

  • その後の道: 銀河連邦から「英雄よ!」とかチヤホヤされるけど、「いや、そういうのいいんで…」と断り、「俺って何なんだろ?」的な自分探しの旅へ。まあ、あれだけの経験したら、そうなるわな。
  • エンディング例:
    • ソフィアちゃんと結ばれたら:二人で紋章術のルーツを探しに、シリーズ原点の惑星ロークへ。ロマンチック!
    • マリアさんと結ばれたら:「もう戦いは嫌…」という彼女と、静かに暮らせる新天地を探す旅へ。大人な雰囲気。
    • ネルさんと結ばれたら:シーハーツの訓練場で再会。「腕、鈍ってないでしょうね?」とか言いながら、手合わせ開始! 健全!
    • アルベル閣下と結ばれたら:え!? まさかの!? …いや、友情エンドね。いがみ合いながらも、互いを認め合うライバルとして、新たな強さを求めて二人で放浪の旅へ。これはこれで熱い!
    • 単独の場合:宇宙のどこか静かな場所で、物思いに耽る…。ちょっと寂しいけど、彼らしいかも。

ソフィア・エスティード (Sophia Esteed / CV: 榎本温子)

メインヒロイン。

19歳。

フェイトくんの幼馴染で、彼をひたすら信じ、支え続けた健気ガール。

彼女自身も「接続」っていう、ネットワーク系(?)のすごい力を持ってて、タイムゲート開けたり、仲間との連携を強めたり、実は超重要キャラ。

おっとりしてるけど芯は強く、彼女の存在がフェイトくんの心の拠り所だったのは間違いない。

  • その後の道: フェイトくんへの想いを貫くか、新たな一歩を踏み出すか。
  • エンディング例: フェイトくんとラブラブでロークへ行くのが王道。でもね、もしフェイトくんと結ばれなかったとしても、彼女は一人でロークへ旅立つの。そしてそこで…なんと! 『SO1』でお馴染みの、あの旅商人コンビ、ラドル・クリスチンとルミナ・G・ドギーに出会うのよ! これ、シリーズファンにはたまらないサプライズよね!

マリア・トレイター (Maria Traydor / CV: 根谷美智子)

反連邦組織「クォーク」のクールビューティーリーダー。

21歳。

育ての両親を殺された(と思い込んでいた)過去を持ち、常に冷静沈着。

でも仲間への情は誰よりも熱い。

「変換」の力で物質を操り、戦闘でも指揮でも超有能。

実はロキシ博士の助手だったトレゾア博士の娘で、フェイトくんとは複雑な関係性。

影のある美女って、なんか惹かれるものがあるわよね。

  • その後の道: 長年の戦いが終わり、クォークを解散。ようやく自由の身に。
  • エンディング例: フェイトくんといい感じになったら、「もう戦いは十分よ。静かに暮らしたい…」と、穏やかな未来を願うように。そうでなければ、かつての忠実な部下、リベールくんからの熱烈アプローチ(たぶん告白)を、彼女らしくクールに、でもちょっとだけ昔より柔らかく(?)かわす姿が見られたり。リベールくん、頑張れ!

クリフ・フィッター (Cliff Fittir / CV: 東地宏樹)

クォークの頼れる兄貴。

36歳。

戦闘民族クラウストロ人。

その筋肉とパワーは伊達じゃない! パーティの物理攻撃の要。

性格は豪快で竹を割ったようだけど、情に厚く、いつもフェイトくんを励まし、時にはケツを叩いて導いてくれた。

彼の「ガッツが足りねえんだよ!」は名言。

私も仕事で凹んだ時、心の中で叫んでるわ(笑)。

  • その後の道: その腕っぷしと意外な交渉術(?)で、故郷クラウストロの外交に関わるお仕事に。筋肉外交官!
  • エンディング例: フェイトくんとの友情エンドでは、二人で太陽系に行って、復興した地球を見ながら「俺たちの未来はこれからだぜ!」って語り合う。熱い! 相棒のミラージュさんとはどうなったのかしらねぇ…。

ネル・ゼルファー (Nel Zelpher / CV: 浅川悠)

聖王国シーハーツの諜報部隊「クリムゾンブレイド」のエージェント。

24歳。

銀髪とクールな態度がトレードマークだけど、実は情に厚くて義理堅い。

最初はフェイトくんたちを利用するつもりだったのに、一緒に戦ううちに、かけがえのない仲間として認めていく過程がグッとくる。

未開惑星の住人ながら、最後まで異星人の仲間と共に戦い抜いた誇り高き女性。

たまに見せる照れ顔が、また可愛いのよ!

  • その後の道: 事件後は久しぶりの休暇を満喫しつつ、部下の育成に励む日々。
  • エンディング例: 部下たちに「フェイト様のこと、どう思ってるんですか~?」とかからかわれて、「なっ…!/// 余計なことを言うな!」って赤面する姿は必見。フェイトくんと結ばれた場合は、訓練場で再会して「手合わせ願おうか」って、相変わらずストイック! エレナさんの正体にも薄々気づいてるっぽい描写もあって、彼女の聡明さが光る。

アルベル・ノックス (Albel Nox / CV: 千葉一伸)

軍事国家アーリグリフの「黒鷹旅団」長。

24歳。

自称「常勝無敗」(フェイトくんに負けたけど)。

美形なのに言動が超絶厨二病(「我はアルベル・ノックス!」「塵芥め!」など)。

強さこそ全て、な戦闘狂。

でも、そのブレない生き様と、なんだかんだ言って仲間を見捨てない(こともある)不器用さが、多くのプレイヤーの心を掴み、トップクラスの人気キャラに。

私も閣下のファンよ!

  • その後の道: とりあえずアーリグリフ王に仕えるけど、彼の魂は常に強さを求めてる。
  • エンディング例: 単独エンドだと、さらなる力を求めて古代遺跡の調査中に「我はまだ高みを目指す!」とか言って、そのまま行方不明に(笑)。まあ、死んじゃいないでしょうけど。フェイトくんとのペアエンドでは、「フン、貴様の背中は預けてやる」的なことを言いながら、憎まれ口を叩きつつも、最強のライバルとして二人で新たな戦場へ旅立つ! これぞ漢のロマン!

ミラージュ・コースト (Mirage Koas / CV: 篠原恵美) ※DC版追加キャラ

クォークのメンバーで、クリフ兄貴の長年の相棒。

27歳。

同じくクラウストロ人で、鍛え抜かれた体術の達人。

クールでミステリアスな雰囲気だけど、仲間思い。

イーグル号の操縦もこなす、まさに才色兼備。

  • その後の道: 故郷クラウストロへ帰還。
  • エンディング例: フェイトくんとのエンディングでは、彼の旅に同行し、お姉さんのように優しく、時に厳しく彼を導く姿が。クリフ兄貴との進展も匂わせてほしかったけどねぇ。

ロジャー・S・ハクスリー (Roger S. Huxley / CV: まるたまり) ※オプションキャラ

エリクールIIの南方に住む、小さいけど元気なムーア人の男の子。

12歳。

口は達者で生意気だけど、根は純粋。

特定のイベントで仲間に。

槍を使ったトリッキーな戦法が得意。

  • その後の道: 故郷の村で、相変わらず「オイラは宇宙を救った英雄だ!」と子供たちに自慢話をしてる。微笑ましい。
  • エンディング例: フェイトくんとのエンディングでは、「どっちが宇宙一強いか決めようぜ!」と、村をあげての大規模な「どつきあい大会」を開催! 平和だなぁ。

スフレ・ロセッティ (Peppita Rossetti / CV: かないみか) ※オプションキャラ

ベルベイズ星系のサーカス団「ロセッティ一座」の看板娘。

14歳。

常に笑顔で元気いっぱい! その明るさで、シリアスになりがちなパーティの清涼剤に。

戦闘では、踊るような華麗な体術で敵を翻弄。

  • その後の道: サーカス団に戻り、スターとして大活躍!
  • エンディング例: フェイトくんとのエンディング、これがまた意外! なんと、フェイトくんが彼女の才能と人柄に惚れ込み(?)、裏方スタッフとしてサーカス団に入団! 彼女のステージを陰で支えるという、まさかの展開! フェイトくん、そっちの道に進むとは…。

アドレー・ラーズバード (Adray Lasbard / CV: 石塚運昇) ※DC版追加キャラ

聖王国シーハーツの歴戦の勇士で、最強クラスの紋章術師。

58歳。

ネルさんの父の親友で、彼女の後見人。

豪快で酒好き。

娘(クレアさん)を溺愛しすぎてて、隙あらばフェイトくん(や他の男キャラ)に「うちの娘とどうだ?」と縁談を持ちかけるのが困りもの。

  • その後の道: まだまだ現役! 後進の指導に熱を入れている。
  • エンディング例: フェイトくんとのエンディングでは、やっぱり娘との見合い話をゴリ押し! しつこすぎて、最終的にフェイトくん(や、見かねたネルさんあたり)に物理的に黙らされる、という安定のギャグ担当。石塚さんの声がまた、ハマってたのよね…。

彼らは、それぞれの場所で、それぞれの人生を歩み始めます。

「作られた存在」かもしれないという過去は、もう彼らを縛らない。

だって、彼らがこれから紡いでいく未来は、誰に決められるでもない、彼ら自身のものなんだから。

そう思うと、なんだか胸が熱くなるわね。

超・深掘り考察劇場エターナルスフィアの謎と、私たちが"いる"ということ

さて、ここからはお待ちかね(?)、深掘り考察タイムよ! SO3の物語、特にあの衝撃の「エターナルスフィア=仮想現実」設定。

これ、表面的なストーリーだけじゃなくて、もっと深く、なんなら私たちの現実世界にも通じるような、いろんなテーマが隠されてると思うのよね。

売れっ子ウェブライター(自称)の端くれとして、そして一人のSO3ファンとして、ちょっと斜め上からの視点も交えつつ、ねちっこく掘り下げてみましょうか。

覚悟はいい?

エターナルスフィアとは、結局なんだったのか? ~箱庭か、ゆりかごか、実験場か~

まず、基本設定のおさらい。

エターナルスフィアは、4次元人(FD人)が作った超高度なシミュレーション世界。

まあ、ゲームみたいなもの、ってことになってるわよね。

でも、本当にそれだけかしら?

  • シミュレーション仮説とのリンク: 私たちの現実世界だって、「実は誰かが作ったシミュレーションなんじゃない?」っていう説(シミュレーション仮説)があるくらいだし、SO3の世界観は、あながち完全なフィクションとも言い切れない怖さがあるのよね。もし私たちの宇宙も、どこかの"FD人"が管理してる「エターナルスフィアX」みたいなものだったら…? ちょっと背筋が寒くなるわね。
  • 情報宇宙論的視点: 物理学の世界には、「宇宙の根本は情報である」っていう考え方もあるらしいのよ。もしそうなら、エターナルスフィアは「情報」で構成された世界、FD空間はそれを処理・観測する上位の情報空間…と捉えることもできるかもしれない。ルシファーの「データ削除」は、文字通り「情報の消去」だったけど、そこに生じた「意識(自我)」という情報だけは、消去コマンドを受け付けなかった…とか? うーん、難しいけど、ロマンはあるわね。
  • 進化の実験場?: FD人はなぜエターナルスフィアを作ったのか? 単なる娯楽? 研究? それとも、自分たちの文明が行き詰ったから、新たな進化の可能性をシミュレーションで探っていた…なんて可能性はないかしら? フェイトくんたちの「想定外の進化(自我の発生)」は、FD人にとっては「バグ」だったけど、見方を変えれば、シミュレーションの「大成功」だったとも言えるんじゃない? ルシファーは失敗と断じたけど、ブレアさんみたいに、そこに希望を見出すFD人もいたわけだし。

結局、エターナルスフィアが何だったのか、その明確な答えは示されない。

でも、だからこそ、私たちは色々な想像を巡らせることができるのよね。

FD人とは何者か? ~神か、凡人か、それとも…~

エターナルスフィアを作ったとされる4次元人(FD人)。

彼らは、私たち3次元の存在から見れば、まさに「神」のような力を持っているわよね。

でも、作中で描かれる彼らの姿は、意外と人間臭い。

  • 技術的に進んでるだけの「普通の人々」?: フラッドくんやブレアさんを見る限り、FD人も私たちと同じように生活し、悩み、エンタメを楽しんでる。ただ、次元が一つ上で、使えるテクノロジーが桁違いなだけ、なのかもしれない。だとしたら、彼らもまた、完璧な存在ではないはず。ルシファーの傲慢さや、ブレアさんの良心は、まさに「人間的」な感情よね。
  • 彼らもまた「被造物」である可能性: ちょっと飛躍するけど、もしFD人も、さらに上位の5次元人とかに作られた存在だとしたら…? マトリョーシカ人形みたいに、世界の階層が無限に続いてる可能性だって、SF的にはアリよね。もしそうなら、ルシファーがエターナルスフィアを「管理」しようとしたように、FD人もまた、何かに「管理」されてるのかもしれない。そう考えると、彼の行動も、ちょっと違って見えてこない?
  • 「次元」とは何か?: そもそも「4次元」って何よ? って話よね。時間軸のこと? それとも、空間的な広がり? 作中では明確に説明されないけど、単純に「上位」ってだけじゃなくて、情報のアクセス権限とか、存在のあり方そのものが違うのかもしれない。もしかしたら、FD空間は、エターナルスフィアという「プログラム」を動かすための「OS」や「ハードウェア」に近い概念だったのかも?

FD人の描写が少ないからこそ、彼らの正体については色々な想像ができちゃう。

でも、彼らが「絶対的な神」ではなかったことだけは、確かだと思うの。

ルシファーの孤独と絶望 ~なぜ彼は世界を消そうとしたのか?~

物語のラスボス、ルシファー・ランスフィールド。

彼は単なる「悪役」だったのかしら? 彼の行動原理を、もうちょっと深掘りしてみましょうか。

  • システム管理者の苦悩: スフィア社の社長として、彼はエターナルスフィアという巨大プロジェクトの責任者だったわけよね。もし、そのプロジェクトが、予期せぬバグ(自我の発生)によって制御不能になり、暴走し始めたとしたら? しかも、そのバグが原因で、現実世界(FD空間)にまで何らかの悪影響(例えば、精神汚染とか、リソースの枯渇とか)を及ぼす可能性が出てきたとしたら? 経営者として、開発責任者として、プロジェクトを「停止(削除)」するという判断は、彼なりに「合理的」だったのかもしれない。もちろん、そこに生きる者たちのことなんて、微塵も考えてない冷酷さはあるけれど。
  • 進化への恐怖?: もしかしたら、ルシファーは、自我を持ったエターナルスフィアの存在が、いずれ自分たちFD人を脅かすのではないか、と恐れていたのかもしれないわね。「作られた存在」が「創造主」を超える…というのは、神話の時代から繰り返されるテーマだし。彼は、その可能性の芽を、早めに摘み取ろうとしただけなのかも。
  • 完璧主義者の傲慢?: あるいは、単純に、自分の作った「作品」が、自分の意図通りに動かなくなったことが許せなかった、という完璧主義者の傲慢さもあったのかもしれない。自分が理解できないもの、制御できないものは、存在してはならない、と。だとしたら、それはあまりにも独善的で、悲しい考え方よね。
  • 妹ブレアとの対比: 兄ルシファーが「管理」と「削除」を選んだのに対し、妹ブレアは「共感」と「可能性」を信じた。この対比は、テクノロジーと生命に対する二つの異なる向き合い方を示唆しているように思うの。効率や合理性だけを追求するのか、それとも、不確実性や多様性の中に価値を見出すのか。これって、現代のAI開発とかにも通じる、普遍的な問いかけよね。

ルシファーを単なる悪と断じるのは簡単だけど、彼の立場や背景を想像してみると、その行動の裏にあるかもしれない「理由」や「葛藤」が見えてくるような気がしない? もちろん、やったことは許されないけどね!

「自我」とは何か? ~プログラムに魂は宿るのか?~

SO3の物語の核心であり、最も哲学的なテーマ、それが「自我」の問題よね。

フェイトくんたちが「俺たちは生きている!」と叫び、最終的に世界を存続させた根拠となったもの。

  • 意識のハードプロブレム: 「物質(脳やプログラム)から、どうやって主観的な意識(クオリア)が生まれるのか?」っていうのは、哲学や脳科学における超難問(ハードプロブレム)なのよ。SO3は、この難問に対して、「自我(意識)こそが存在の根拠であり、データ(物質)が消えても、意識が強くあれば世界は存続する!」という、かなり大胆な答え(というかファンタジー?)を提示したわけ。科学的にはトンデモかもしれないけど、物語としては、すごくカタルシスがあるわよね。
  • 集合的無意識との関連?: エターナルスフィアの存続理由を、ブレアさんは「全ての人々の強い自我と認識」によるものだと推測したわよね。これって、心理学者のユングが提唱した「集合的無意識」――つまり、個人を超えた、人類共通の無意識領域――みたいなものが、世界を支える力になった、と解釈することもできなくない? みんなの「生きたい!」っていう想いが、物理法則を超えた奇跡を起こした…みたいな。ロマンチックだけど、そう考えたくなるわね。
  • 「作られた自我」と「本物の自我」の違いは?: もし、AIが人間と全く見分けがつかないレベルの「自我」らしきものを持ったとしたら、私たちはそれを「本物」と認めるべきなのか? SO3は、フェイトくんたちの経験や感情を「本物」だと肯定することで、この問いに一つの答えを出しているわよね。「出自」ではなく、「どう生きたか」が重要なんだ、と。これからのAI時代において、すごく重要な視点だと思うの。

結局、「自我」って何なのか、明確な答えは誰にも出せない。

でも、SO3は、その答えを探し求めること自体に価値があるんだ、って教えてくれてるような気がする。

紋章遺伝子の意味するもの ~力か、宿命か、進化の鍵か~

フェイトくんたちの体に埋め込まれた「破壊」「変換」「接続」の紋章遺伝子。

これらは単なる特殊能力ってだけじゃなくて、もっと深い意味を持ってるんじゃないかしら?

  • FD人への対抗手段?: 表向きは、ロキシ博士たちが、エターナルスフィアを削除しようとするFD人に対抗するために与えた力、ってことになってるわよね。「破壊」で物理的に抵抗し、「変換」で状況を変え、「接続」で交渉や理解を試みる…みたいな。親が子に託した、最後の武器であり、希望だったのかもしれない。
  • 背負わされた「宿命」の象徴?: でも、見方を変えれば、これは親(創造主サイドに近い存在)が、子供たちに一方的に押し付けた「役割」や「宿命」とも言えるわよね。フェイトくんたちは、自分の意志とは関係なく、世界の存亡を賭けた戦いに巻き込まれていく。この紋章は、彼らが「普通」には生きられないことの証でもあったわけ。重すぎる十字架よ…。
  • 「進化」のトリガー?: もしかしたら、この三つの力(破壊=古い秩序の打破、変換=新たな可能性の創造、接続=多様な存在の共存)は、エターナルスフィアが次のステージへ「進化」するために必要な要素だったのかもしれないわね。ロキシ博士は、無意識のうちに、その進化の鍵となる因子を、子供たちに埋め込んだのかも? そう考えると、彼の行動も、単なる反逆だけじゃない、もっと大きな意味を持ってくる気がする。

紋章遺伝子は、物語を動かすための便利な設定、だけじゃない。

キャラクターたちの葛藤や成長、そして世界の運命を象徴する、多層的な意味合いを帯びているように思うのよね。

「バグ」と「進化」の境界線 ~システムにとっての脅威と可能性~

ルシファーは、自我を持ったフェイトくんたちを「バグ」だと断じたわよね。

でも、それって本当に「バグ」だったのかしら?

  • システムからの逸脱=悪?: システム管理者(ルシファー)の視点から見れば、想定外の動きをする要素は、確かに「バグ」であり、システムの安定性を脅かす「脅威」かもしれない。秩序を乱すものは排除したい、と思うのは自然なことかも。
  • 「バグ」こそが進化の源泉?: でも、生物の進化の歴史を考えてみて。突然変異っていう、ある意味での「エラー」や「バグ」が、新しい環境への適応や、多様性の源になってきたわけじゃない? もしかしたら、エターナルスフィアにおける「自我の発生」というバグも、その世界が停滞せずに進化し続けるために、必要不可欠な要素だったのかもしれない。ルシファーは安定を選んだけど、ブレアさんはその「バグ」に未来の可能性を見たわけよね。
  • 私たち自身も「バグ」?: さらに言えば、私たち人間だって、地球っていうシステムから見たら、環境破壊とかしちゃう、かなり厄介な「バグ」的存在と言えなくもないわよね…(苦笑)。でも、だからこそ、文化や芸術を生み出したり、宇宙を目指したりする、面白い存在でもある。SO3の物語は、「バグ」や「エラー」を単純に否定するんじゃなくて、そこに潜む可能性や、多様性の価値について、改めて考えさせてくれるのよ。

「バグ」か「進化」か。

それは、どの視点から見るかによって変わってくる。

絶対的な正解なんて、ないのかもしれないわね。

物語構造のトリック ~メタフィクションを超える仕掛け~

SO3の「仮想現実」設定は、よく「メタフィクション」(作中人物が、自分たちがフィクションの登場人物だと気づくような構造)として語られるわよね。

でも、もしかしたら、もっと複雑な仕掛けが隠されてるんじゃないかしら?

  • 自己言及的なループ構造?: 私たちプレイヤーがSO3を「ゲーム」としてプレイするように、FD人もエターナルスフィアを「ゲーム」としてプレイしていた。この入れ子構造、どこか不気味じゃない? もしかしたら、私たちプレイヤーがいるこの「現実」もまた、さらに上位の存在がプレイしてる「ゲーム」の一部なのかも…なんて、考えすぎ? でも、SO3は、そんな疑念を抱かせるだけの力を持っているのよ。
  • 「物語」そのものの力: 最終的に世界が存続したのは、「自我」の力だけじゃなくて、「物語」そのものが持つ自己修復能力みたいなものが働いた結果、とも考えられないかしら? フェイトくんたちの冒険譚が、あまりにも多くの人々(エターナルスフィア内の住人、そして我々プレイヤー)の心に強く刻まれたからこそ、その「物語」は消えることを拒んだ…みたいな。ちょっとオカルトっぽいけど、物語にはそういう不思議な力があるって、私は信じたいな。
  • プレイヤーへの"共犯"要求: この物語の衝撃を最大限に味わうためには、プレイヤー自身が、一度はフェイトくんたちに深く感情移入し、エターナルスフィアを「現実」だと信じ込む必要があるのよね。そして、その「現実」が崩壊する絶望を共に味わい、それでも「生きる意味」を見出そうとする彼らの姿に、再び心を重ねる。SO3は、プレイヤーに、単なる傍観者ではなく、物語の「共犯者」になることを要求してくる、非常にインタラクティブな(ある意味で意地の悪い)構造を持っていると言える。

メタフィクション、という言葉だけでは捉えきれない、多層的で、プレイヤー自身の認識にまで介入してくるような、巧妙な物語構造。

これこそが、SO3がただのRPGではない、特別な作品たる所以なのかもしれないわね。

現代社会への警鐘 ~AI、メタバース、そして情報との向き合い方~

そして最後に、SO3が現代(2025年現在)の私たちに投げかけているメッセージについて考えてみましょうか。

  • AI倫理の問いかけ: 自我を持った(かもしれない)AIを、私たちはどう扱うべきなのか? 彼らに「権利」はあるのか? ルシファーのように「道具」や「バグ」として切り捨てるのか、それともフェイトくんたちのように「仲間」として受け入れるのか? SO3の物語は、まさにこれから私たちが直面するであろう、AI倫理の問題を先取りしていたと言えるわね。
  • 仮想現実(メタバース)の未来: 多くの時間を仮想空間で過ごすようになった時、現実と仮想の境界はどこにあるのか? 仮想空間での経験や人間関係は「本物」なのか? SO3は、この問いに対して「経験したこと、感じたことこそが本物だ」という一つの答えを示唆している。メタバースが普及していくであろう未来において、この視点はますます重要になってくるはず。
  • 情報社会の危うさ: FD人がエターナルスフィアを「鑑賞」し、「操作」していたように、現代の私たちもまた、SNSなどを通じて、他者の人生を「鑑賞」し、時に「操作」しようとしてしまう側面があるんじゃないかしら? 情報が溢れ、何が真実で何が虚構か見えにくくなっている現代において、SO3の物語は、情報との向き合い方、そして「自分自身の現実」をどう確立していくか、という課題を突きつけてくるように思うの。

20年以上前に作られた物語が、これほどまでに現代的なテーマと響き合っている。

これって、すごいことだと思うのよね。

SO3は、単なる過去の名作じゃない。

今を生きる私たちにとっても、多くの示唆を与えてくれる、普遍的な物語なんだ。

ふぅ…ちょっと語りすぎちゃったかしら? でも、SO3について考え始めると、本当に止まらなくなっちゃうのよね。

それだけ、この作品が持つテーマが深くて、刺激的だってことなんだと思う。

賛否両論、再び! なぜ私たちはSO3に心を掻き乱されるのか?

さて、ここまでSO3の物語と、その背景にあるかもしれない深いテーマについて語ってきたわけだけど、やっぱり触れずにはいられないのが、この作品を語る上で避けては通れない「賛否両論」というキーワードよね。

なぜ、これほどまでにプレイヤーの評価が真っ二つに割れるのか? そして、その「賛否」こそが、なぜSO3を特別な存在にしているのか? もう一度、考えてみましょうか。

心を揺さぶる「裏切り」の構造

まず、否定的な意見の根源にあるのは、やっぱり物語中盤の「エターナルスフィア=仮想現実」という種明かしに対する、ある種の「裏切り」感覚だと思うの。

  • 感情移入の梯子外し: プレイヤーは、フェイトくんたちと共に笑い、泣き、ハラハラドキドキしながら冒険してきた。その世界が「本物」だと信じていたからこそ、感情移入できたわけよね。なのに、「はい、ぜーんぶゲームでしたー!」って言われたら…そりゃ、「今までのは何だったんだよ!」「茶番かよ!」って怒りたくなる気持ちも、すごくよく分かる。一生懸命積み上げてきたレゴブロックを、いきなり足で蹴散らされたような感覚、と言ったらいいかしら。
  • キャラクターへの同情と虚無感: 自分たちがゲームの駒だったと知った時の、フェイトくんたちの絶望。あれに共感しすぎると、プレイヤー自身も深い虚無感に襲われることがあるのよね。「こんな残酷な設定、あんまりだ」「彼らが可哀想すぎる」って。物語を楽しむどころか、ただただ辛くなってしまう、という人もいるでしょう。
  • プレイヤー=創造主? という不快感: 中には、FD人の視点(エターナルスフィアをプレイする側)と、プレイヤーである自分自身が重なって見えてしまい、「自分がキャラクターたちを弄んでいた加害者側のように感じて不快だった」という意見もあるわね。これはメタフィクション構造が持つ、鋭すぎる刃が引き起こす拒否反応とも言えるかもしれない。

これらの否定的な感情は、決して間違ってないと思うの。

むしろ、それだけ深く物語世界に入り込んでいた証拠なんだから。

それでも惹きつけられる「問い」の力

一方で、肯定的な意見、あるいは「否定的だけど、それでも忘れられない」と感じる人たちがいるのはなぜか? それは、SO3が投げかけてくる「問い」そのものに、抗いがたい魅力と、普遍的な深さがあるからだと思うの。

  • 存在意義への問いかけ: 「作られた存在でも、生きる意味はあるのか?」「現実と虚構の境界はどこにあるのか?」「自我とは何か?」…これらの問いは、普段の生活ではあまり考えないけれど、誰もが心のどこかで一度は抱いたことがあるような、根源的なテーマよね。SO3は、エンターテイメントの形を取りながら、これらの哲学的な問いを、真正面から私たちに突きつけてくる。その知的刺激に、興奮を覚える人も多いはず。
  • 「物語」への信頼回復: 一度は「全てが虚構だった」と突き落とされるけれど、最終的には「経験したこと、感じたことこそが本物だ」と、キャラクターたちが自らの力で立ち上がり、未来を掴み取る。この展開は、ある意味で「物語の力」そのものを肯定しているようにも見えるのよね。「たとえ作られた世界の話だとしても、そこで描かれる感情やドラマには、現実を変えるほどの価値があるんだ」と。このメッセージに、救われた気持ちになる人もいるんじゃないかしら。
  • 唯一無二の衝撃体験: そしてやっぱり、あのどんでん返しは、他のどんなRPGでも味わえない、強烈で、忘れられない体験なのよ。良くも悪くも、プレイヤーの価値観を揺さぶり、ゲーム史に爪痕を残したことは間違いない。その「事件性」そのものに、惹きつけられる魅力があるのよね。「賛否両論あるらしいけど、一体どんな話なんだ?」って、気になっちゃうでしょ?

「割り切れなさ」こそがSO3の真髄

結局のところ、SO3に対する評価が分かれるのは、プレイヤー一人一人の価値観や、物語に求めるものが違うから。

そして、SO3自体が、簡単には「割り切れない」、多面的で、複雑なテーマを扱っているからなのよね。

もしSO3が、もっと分かりやすくて、誰もが安心して楽しめる、予定調和なストーリーだったら、それはそれで「良作RPG」として評価されたかもしれない。

でも、ここまで長く、熱く語り継がれることはなかったはず。

あえて賛否両論を覚悟の上で(かどうかは分からないけど)、あの衝撃的な設定をぶ込んできた開発スタッフの決断が、結果的に、この作品に「伝説」となる資格を与えたんだと思うの。

だから、「賛否両論」は、決してSO3の欠点じゃない。

むしろ、それこそが、この作品が持つ巨大なエネルギーと、プレイヤーの心に深く干渉する力の証明なんだ。

あなたが「賛」でも「否」でも、あるいはその中間でも、それでいいの。

大切なのは、この物語に触れて、何かを感じ、考えた、ということそのものなんだから。

おまけこれからSO3を遊ぶあなたへ&関連情報ちょこっと

ここまで読んで、「よし、私もSO3、やってみようかしら!」と思ったあなたへ、ちょこっとだけ補足情報。

どのバージョンで遊ぶ?

  • PS2無印版: 一番最初のバージョン。シンプルだけど、これが原点。
  • PS2ディレクターズカット(DC)版: 新キャラ(ミラージュ、アドレー)や隠しダンジョンの大幅拡張、対戦モードなど、やり込み要素がてんこ盛りになった完全版。ストーリーの骨子は同じだけど、ボリュームがすごい。
  • PS4/PS5版(HDリマスター): 現在、一番手軽に遊べるのがこれ。DC版がベースで、グラフィックが綺麗になり、ロードも快適に。トロフィー機能もあるわよ。迷ったら、とりあえずこれから始めるのがオススメ。

メディアミックスもチェックする?

  • 漫画版(神田晶先生): 全7巻。ストーリーは結構アレンジされてて、特に宇宙に出てからが駆け足気味。でも絵が綺麗で、キャラクターの魅力は伝わってくる。結末もゲームとは違う独自解釈。
  • 小説版(北原尚彦先生): ゲーム本編に比較的忠実だけど、こちらも結末の解釈が独自。「エターナルスフィアは元々並行世界で、FD人が接続してただけ」っていうSF的な設定。これはこれで面白い。
  • 公式設定資料集『ETERNAL MATERIALS』: ファンなら必携! 詳細な設定、年表、開発者インタビュー満載。エリクール=ネーデ説とか、エレナさんの秘密とか、ゲームだけじゃ分からない裏設定が読めるわよ。

ゲーム本編をクリアした後に、これらの関連作品に触れてみるのも、また違った発見があって楽しいかもね。

あなたの"現実"は、何ですか?終わりに

ふぅ~~~っ。

いやはや、語った語った! まさかここまで長くなるとは、書き始めた時には思ってもみなかった。

満員電車に揺られながら構成を練り、子供が寝静まった後にカタカタとキーボードを叩き、時には夫や義両親の視線を背中に感じつつ…(笑)。

でも、それだけ『スターオーシャン3』という作品が、私の中で大きな存在であり続けてるってことなのよね。

この物語は、私たちに問いかけてくる。

「あなたの信じている"現実"は、本当に確かなもの?」

「もし、この世界が誰かに作られたものだとしたら、あなたはどう生きる?」

「"生きている"って、一体どういうこと?」

その答えは、簡単には見つからない。

もしかしたら、一生見つからないのかもしれない。

でも、それでいいんだと思う。

大切なのは、フェイトくんたちがそうしたように、たとえどんな真実を突きつけられても、自分の足で立ち、自分の頭で考え、自分の心で感じること。

そして、仲間たちと手を取り合って、未来を諦めないこと。

作られた存在かもしれないという不安を抱えながらも、「自分たちの経験は本物だ」と胸を張り、未来へと歩き出した彼らの姿は、不確実で、時に理不尽なこの「現実」を生きる私たちに、大きな勇気と、希望を与えてくれるはずだから。

この記事が、あなたのSO3体験をより豊かなものにする一助となれたなら、あるいは、これからSO3の世界に飛び込むきっかけになれたなら、ライター冥利に尽きるというものです。

さて、長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました! 最後に、あなたに一つだけ、問いかけさせて。

あなたの"エターナルスフィア"は、どんな物語を紡いでいますか?

その答えは、あなた自身の中にしかないのですから。

それでは、またどこかの記事でお会いしましょう! アデュー!

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