ヴァルキリープロファイルというタイトルを聞くと、まず浮かんでくるのは「北欧神話を題材にしたRPG」という独特の響きではないでしょうか。
死を迎える人間たちの魂を集め、神々の黄昏(ラグナロク)に備える戦乙女(ヴァルキリー)の活躍が描かれたこのシリーズは、1999年に初代が登場して以来、多くのゲーマーの心を鷲づかみにし続けてきました。
わたしもその魅力に取りつかれた一人であり、初めてプレイしたときの衝撃はいまだ忘れられません。
美しいグラフィックと戦略性の高い戦闘、そして何より「死」という重々しいテーマを正面から扱いつつも哀愁を帯びた物語……
あれから数十年が経ち、2022年にはシリーズ最新作『ヴァルキリーエリュシオン』が発売されて大きな話題を呼び、さらに初代『ヴァルキリープロファイル -レナス-』のPS4/PS5向け移植版がリリースされるなど、再び脚光が当たっています。
本記事では、シリーズ全体の歴史と魅力を改めて振り返り、現状および今後のリメイクや続編の可能性まで徹底的に深掘りしていきます。
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ヴァルキリープロファイルの独自性なぜ「死と魂」が心を揺さぶるのか
ヴァルキリープロファイル(以下、VPシリーズ)ほど“死”を主題に据えたRPGは珍しいと言われています。
多くのRPGは「生きる希望」や「冒険のワクワク感」を前面に押し出すケースが多い中、VPシリーズでは
- 死の瞬間
- 魂の行方
- 神々と人間の力関係
をシリアスに描き出すことで、プレイヤーの感情を刺激する作風を貫いてきたのです。
北欧神話では、
戦場で死んだ勇士の魂をヴァルキリーが選定し、神界(アスガルド)の軍勢に加える
というモチーフが有名ですが、このゲームではまさに戦乙女ヴァルキリーが主人公(もしくは重要キャラクター)となって、人間界(ミッドガルド)を巡り死にゆく者たちに寄り添います。
これは単なる「仲間集めシステム」ではなく、エインフェリア(仲間となる死者)一人ひとりに丁寧なバックストーリーが用意されているため、プレイヤーは彼らの最期や境遇に涙したり、時に胸を締めつけられる思いを味わうのです。
「どのようにして死に至ったのか」
を克明に描くことで、従来のRPGにはないリアリティやドラマ性が宿ります。
さらに、シリーズの核となるのが「神々と人間」の距離感を掘り下げるテーマ。
単に神々が絶対的な存在として君臨するのではなく、人間界の悲哀を理解しようと葛藤するヴァルキリーや、神々に反逆心を抱く者たちの物語が、作品ごとに重みをもって描かれます。
世界観だけでなく、ゲームシステム面でも強烈な個性があり、その一例が“タイミング連動型コマンドバトル”でしょう。
初代では各キャラクターがコントローラーボタンに割り当てられ、タイミングよく押すことでコンボをつなぐ独自のスタイルを打ち出し、多くのプレイヤーに鮮烈な印象を与えました。
1999年の初代『ヴァルキリープロファイル』がもたらした革新
VPシリーズの幕開けとなったのは、1999年にPlayStation向けに発売された初代『ヴァルキリープロファイル』です。
この作品こそが「死」「魂」「神話」という重厚な要素を、エンターテインメントとして見事に融合させるという快挙を成し遂げたRPGでした。
- 重厚なストーリーとエインフェリアのドラマ
初代では主人公レナス・ヴァルキリーが神々の命を受け、戦乱や病で死を迎える人間たちの魂を選定します。
それぞれの死には事情があり、時に悲恋、時に親子の別離や壮絶な裏切りなど、多彩なストーリーが散りばめられました。
魂を選定した後も、プレイヤーの行動によって神界(アスガルド)へ送り出すタイミングや、地上に留めるかどうかの判断が必要となり、その選択が結末に大きく関わってくるのです。
マルチエンディングの中でも特に難易度の高いAエンディングは、神々への反逆を含む壮絶な展開を迎え、多くのファンを驚かせました。 - 斬新なバトルシステム
当時、RPGの戦闘と言えばターン制やアクティブタイムバトルが主流でしたが、本作はプレイヤーキャラクター各人に対応するボタンを連打・連携し、コンボを重ねる仕組みを取り入れました。
タイミング次第で大ダメージを狙えたり、よりスタイリッシュなコンボ演出を楽しめるため、“やり込み派”のプレイヤーも大いにハマる作りでした。 - 桜庭統氏による音楽
さらに音楽も高評価を博しています。ダンジョンやボス戦で流れる荘厳かつ激しい曲から、悲しい別れを象徴するような切ないメロディまで、楽曲の幅が広く、世界観をサウンド面でも強くサポート。
「未確認神闘シンドローム」など一度耳にしたら忘れがたい名曲の数々を生み出し、シリーズを語るうえで欠かせない存在となりました。 - 社会的反響と売上
国内だけで約70万本を販売し、当時のRPG市場で堂々と存在感を示すことに成功。
のちに2006年にPSP向けリメイク版『ヴァルキリープロファイル -レナス-』が出たほか、スマホ版やPS4/PS5向けの移植も行われるなど、初代はシリーズの顔として長きにわたり愛され続けています。
シリーズの新たなる試み続編『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』
2006年にPlayStation 2向けにリリースされた『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』は、初代から数百年前を舞台にしたいわば“前日譚”でありながら、ゲームシステムやグラフィックを大きく刷新し、高い評価を得た作品です。
- 3D空間を活用した戦闘
初代のようなタイミング連打型の要素も継承しつつ、今度は3Dフィールドでの移動や封印石システムが組み込まれたことで、より戦術的なバトルへと昇華しています。
キャラクターをマップ上で位置取りしつつ、敵の攻撃範囲を避けたり、複数方向から攻め込むなど、リアルタイムアクションに近い感覚も一部含まれました。 - 美麗グラフィックと世界観の拡張
PS2時代としてはトップクラスの美麗なグラフィックを実現し、神話的な背景がより壮大かつドラマチックに表現されています。
キャラクターのモデルやモーションも洗練され、初代とは一線を画すビジュアル面での進化を体感できる仕上がりです。 - エインフェリアの物語性がやや薄れた面
一方で、初代にあったような各エインフェリアの濃厚なドラマや悲哀が相対的に目立たなくなり、
「仲間キャラの重みが少ない」
と感じるファンもいました。
それでも、『シルメリア』の物語自体は神々の思惑と人間界の争いを壮麗な演出で描き、2Dから3Dへの本格的ステップアップを果たす試みとして多くの支持を獲得しています。 - 売上と評価
日本国内では約40万本、海外でも一定数を売り上げ、メディアレビューでも
「戦闘が奥深い」
「グラフィックが美しい」
と高い点数を得ました。
シリーズ作品の中でも、バトルシステムを最も高く評価する声が多いタイトルと言えるかもしれません。
スピンオフ作品の挑戦『咎を背負う者』と『ヴァルキリーアナトミア』
VPシリーズは、本編にあたる初代と2以外にも、いくつか派生作品をリリースしています。
2008年にはニンテンドーDS向けの『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』が発売され、これはシミュレーションRPG色が強い意欲作でした。
- ダークかつ過酷な物語展開
主人公がヴァルキリーを恨み、復讐を誓う立場からストーリーが進むため、シリーズの「死と魂」のモチーフがさらにダークに際立つ形になりました。
システム面ではマップを駆使してキャラを操作し、敵を囲んでコンボを叩き込むなどシミュレーション要素が加味され、コアゲーマー受けする仕上がりです。 - 仲間を犠牲にする選択
バトル中に仲間を犠牲にすることで強力な力を得られるシステムが導入され、プレイヤーに容赦ない決断を迫ります。
この設定は倫理的にも重く、それまでとは異なる形で「死」というテーマを強調しました。 - 評価と売上
DS独自のUIを生かした操作系が注目されましたが、やや操作性に癖があり、売上面では本編作品に比べて大きくは伸びませんでした。
しかし物語の評価は上々で、“ディープなVPファン向け”として一定の人気を保っています。
2016年にはスマホ向けタイトル『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』が配信され、過去シリーズのキャラクターが多数登場するファンサービス的な側面も持ち合わせていましたが、2021年にサービスを終了しています。
シリーズ本編と比べるとライトな位置づけでしたが、それでも北欧神話の世界観をスマホで体験できるという点で注目されました。
初代リメイク&移植事情2022年のPS4/PS5版『ヴァルキリープロファイル -レナス-』
前述の通り、初代『ヴァルキリープロファイル』は過去にPSP移植版『レナス』が出ており、さらにスマホ版などで遊ぶ機会はありましたが、2022年12月にPS4/PS5向けに配信された『レナス』は、現行据え置き機で手軽に楽しめる形へとアップデートが施されています。
- 巻き戻し機能・クイックセーブ機能
死にゲー要素の強かった初代の難易度を緩和すべく、失敗した直後からやり直せる“巻き戻し機能”や好きなときに記録できるクイックセーブが追加されました。
昔は絶妙にシビアだったジャンプアクションや、Aエンディングに必要な行動管理などがだいぶ楽になります。 - ビジュアルプリセット
グラフィック面はPSP版をベースにしたエミュレーション的な手法であり、大幅にHD化されているわけではありませんが、画面比率やフィルター設定を切り替えることで、ある程度プレイ環境を最適化できます。 - リメイクとしてはやや物足りない?
ファンの中には
「もっとHDリマスター的な見た目にしてほしかった」
「PS5ならモデルの3D化も検討してほしい」
などの要望もあり、完全リメイクと言うよりは“快適機能を加えた移植”という印象が強いのが実情。
それでも、多くのユーザーが
「ついにPS4/PS5で遊べるようになった」
と歓迎し、新規プレイヤーにも敷居が下がったことは大きなメリットとされています。
2022年新作『ヴァルキリーエリュシオン』がもたらす新風
ここでシリーズ最新作の話題に移りましょう。
2022年9月にPS5/PS4(そして11月にSteam版)で発売された『ヴァルキリーエリュシオン』は、VPシリーズの名を冠しつつ、タイトルに“プロファイル”がつかない点が象徴的。
実際、従来のスタイルとは大きく異なる「フルアクションRPG」として仕上げられています。
- ソレイユ株式会社の開発
過去作を手がけたトライエースではなく、アクションゲームの実績があるソレイユが開発。
Unreal Engineによるハイエンドグラフィックで、世界観やキャラクターモーションを3Dアクションとして壮麗に描き出しています。 - アクションバトルの爽快感
従来シリーズで好評だったコンボ感覚をさらにリアルタイム化し、ソウルチェインで敵に一気に接近したり、エインフェリアを一瞬で召喚して一緒に攻撃したりと、スピード感にあふれた戦闘が楽しめます。
ペースが早いので、従来の“コマンドを選ぶRPG”を好む人にはやや戸惑いがあるかもしれませんが、「アクションが好き」というユーザーには好評。 - 物語・ドラマ性への評価
一方で、神々と人間のドラマやエインフェリアの背景など、“シリーズらしさ”を求めるファンからは
「世界観の深みや哀愁が不足している」
「初代や2で感じた魂の重苦しさが薄い」
という指摘が目立ちました。
ヴァルキリー自身のキャラクター性があまり強く打ち出されていないこともあり、従来ファンの期待とはズレがあったと言われます。 - 売上と今後の影響
公式な販売本数は公表されていませんが、市場を席巻するほどのビッグヒットには至らなかったもよう。
それでも、新規ユーザーが「ヴァルキリー」の名を認知するきっかけになった点は大きく、ここで得られたアクション技術やノウハウが、次なるシリーズ展開に活かされる可能性があります。
シリーズ続編・リメイクの噂現在の状況と憶測
ゲームファンにとって最大の関心事は
「VPシリーズはこれからどうなるのか?」
というところでしょう。
特に、『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』や『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』のリメイク・リマスター化を望む声がファンコミュニティで非常に根強いとされています。
- 商標登録の監視
過去には『ヴァルキリーエリュシオン』の商標が事前に確認され、新作発表を示唆する形となりましたが、2023年以降、VP関連の新たな商標は見つかっていません。
ファンが特許情報サイトや各種SNSをこまめにチェックしていますが、確度の高いリークはゼロに等しい状況。 - スクウェア・エニックスのリメイク戦略
スクウェア・エニックスは、『ファイナルファンタジーVII リメイク』や『聖剣伝説3 リメイク』『タクティクスオウガ リボーン』『ライブアライブ』など、90~00年代のRPGを積極的に現代に再生させる路線をとっています。
これらはいずれも一定以上の評価や売上を得ており、“中規模IPの復刻策”としては成功例が見られます。
VPシリーズも、その一環としてリマスターやリメイク候補になりうるのではないかと、多くのファンが期待しています。 - 可能性が高いのはVP2シルメリアのリマスター?
PS2専用だった『シルメリア』は、グラフィック面での進化が評価されつつも、現行ハードでは遊びづらいという問題があります。
そこでHDリマスターとしてPS4/PS5、Switch、Steamなどに展開すれば、新規ユーザーや復帰勢に受け入れられる余地が大きいでしょう。 - 咎を背負う者にも根強い要望
ニンテンドーDSでしかプレイできない『咎を背負う者』は、すでに入手しづらい状況であり、ストーリーの評価は高いものの埋もれがちな作品です。
Switchの携帯モードなどとの相性を考えると、移植やリマスターで復刻してほしいとの声が絶えません。
ただ、DS特有の2画面UIをどう再現するか、タッチ操作をどうアレンジするかなど課題は多く、完全リメイクに近い工数が必要かもしれません。
開発会社トライエースとスクウェア・エニックスの関係
VPシリーズの生みの親であるトライエースは、「スターオーシャン」シリーズなども手掛ける実力派RPG開発会社として知られてきましたが、近年の経営状況には厳しいものが報じられています。
- 経営難・大幅赤字
トライエースは2022年ごろに大きな赤字を計上し、
債務超過状態に陥ったこと
がニュースになりました。
スターオーシャン6の開発費や売上が影響したとも言われていますが、詳細は明らかでありません。 - ヴァルキリーエリュシオンは別会社が担当
2022年の新作『ヴァルキリーエリュシオン』は、ソレイユ株式会社が開発し、トライエースはほぼ関与していない状況。
そのため
「ヴァルキリーシリーズがトライエースの手を離れつつある」
という見方もあり、古参ファンの中には
「やっぱりトライエースが作ってこそのVP」
という意見が根強いです。 - 外部委託の拡大か、トライエース復帰か
スクウェア・エニックスは、リメイクやリマスターを行う際に内製チームだけでなく、ジェムドロップなど他スタジオへの外注も活用しています。
トライエースに再び大規模なプロジェクトを依頼するのか、それとも外部委託をメインに進めるのかは未知数です。
「スターオーシャン2」のリメイクもトライエースではなく別会社が開発しており、この流れを考えると、VPシリーズも必ずしもトライエースが手がけるとは限らないでしょう。
25周年イヤーを迎えたシリーズとファンコミュニティの動向
1999年末に初代が登場したVPシリーズは、2024年で正式に25周年を迎えます。
実際に2023年から各種イベントや特集記事、グッズ発売などが散発的に行われ、ファミ通など大手ゲームメディアでもシリーズ全体の再評価が進んでいます。
- 25周年での大きな発表は今のところ無し
多くのファンは
「25周年を迎えるなら、新作やリメイクの発表があるのでは?」
と期待しましたが、実際に目立ったプロジェクト告知は行われず、限定グッズ販売やサントラ再販、開発者インタビューの掲載程度にとどまっています。
「このまま何も出ないのか」
と不安になる声も。 - コミュニティの活性化
一方で、海外フォーラム(Redditなど)やSNS上では、初代やVP2を改めてプレイするユーザーが増えたり、
「エリュシオンをきっかけにシリーズを知った」
という新規ファンも出てきました。
動画配信サイトでレトロゲームとして実況や考察が盛り上がる場面もあり、コミュニティ自体は決して衰えていません。
むしろ長寿シリーズとしての深みが再注目される時期と見ていいでしょう。
シリーズの今後いつ続編が出る?リメイクはある?
ここまでの情報を踏まえると、2025年初頭の時点で
「公式からの続編やリメイクの明確なアナウンスは一切ない」
というのが現状です。
噂レベルの書き込みはSNSや匿名掲示板に散見されるものの、信頼できるソースはゼロに近いと言えます。
とはいえ、いくつかの要素がポジティブな材料になるかもしれません。
- スクウェア・エニックスのリメイク路線
先述したとおり、スクウェア・エニックスは過去のRPG資産を再活用する姿勢を積極的に打ち出しています。
VPシリーズはFFほど大規模なIPではないものの、国内外で根強いファンが存在し、HDリマスターやリメイクをすれば一定の売上が見込める可能性は十分です。 - ファンの需要とコミュニティパワー
ファンコミュニティでは
「VP2シルメリアのHDリマスターをぜひ」
といった要望が常に盛り上がっています。
咎を背負う者や初代完全リメイク版の企画を望む声も多く、こうした声が大きくなればスクウェア・エニックスが動く後押しになる可能性もあります。
ネット上の盛り上がりは、企業が動向を探るうえで重要な参考資料です。 - トライエースの関与の有無
今後の展開で注目されるのは、トライエースが何らかの形で復帰するかどうか。
VPを代表作とするスタジオだけに、復帰してくれればシリーズの“魂”が戻るという期待が寄せられますが、経営的余裕や開発ラインの兼ね合いが課題となるかもしれません。
外部スタジオの手でVP2リマスターを出す選択肢も考えられ、どの道がシリーズの将来にふさわしいのか、ファンとしては落ち着かないところでしょう。
ヴァルキリープロファイルが長く愛される理由
“死”という重いテーマを扱いながら、シリーズがここまで息長く語り継がれるのはなぜでしょうか。
いくつかの要因を挙げてみます。
- 壮大な神話背景と人間ドラマの融合
北欧神話の世界観を生かしつつ、エインフェリアや主人公ヴァルキリーの人間くささ、恋愛や裏切り、復讐といった感情を正面から取り扱うことで、プレイヤーを強く惹き込んでいます。 - 鮮烈で奥深い戦闘システム
初代やVP2に代表されるように、ただボタンを押すだけでなく、タイミングや位置取り、属性、スキルなどが絡む戦略性の高い戦闘は、アクションゲームにも通じる爽快感を与えます。 - インパクトあるキャラクターデザインと音楽
桜庭統氏によるドラマチックな音楽と、トライエース流の幻想的なビジュアルセンスが融合し、唯一無二の雰囲気を作り出している点も見逃せません。
「VPは音楽が最高」
という声が絶えないのはシリーズの大きな強みです。 - コミュニティの支え
古い作品ながら新規ファンを取り込む土壌がしっかり存在しており、攻略情報やストーリー考察をコミュニティが継続して発信していることで、プレイヤー人口を絶やさずに済んでいます。
特に外国人ファンの間でも神話モチーフが受け入れられやすく、Redditなどで度々話題になることが長寿化の要因の一つになっています。
続編はいつ出るのか?そしてリメイクの可能性は?結論
残念ながら、具体的なリリース時期や企画は現時点で公表されておらず、
“いつ出るのか”は定かではありません。
しかし、スクウェア・エニックスがリメイク路線を活発化させていること、VPシリーズが数十万~数百万本規模で実績を残していることなどから見ても、まったく望みがないわけではありません。
むしろファンコミュニティが盛り上がりを維持している今こそ、会社としてもプロジェクトを進めやすいタイミングと言えるかもしれません。
また、2022年発売の『ヴァルキリーエリュシオン』が完全に新規アクションRPG路線を示した一方、ファンが求めるのは“初代や2が持つ魂の深み”の復活、あるいは“とにかくVP2や咎を背負う者を現行ハードで遊ばせてくれ”といった強いリクエストが中心です。
もしこれらに応える形でリマスターやリメイク企画が動けば、大きな話題を呼ぶ可能性があります。
ファンとしては、シリーズ25周年のイベントが一段落してもなお淡々と公式情報をチェックし、商標出願やニュースの動きを見守るしかありませんが、
「VP2がHD-2Dリメイクされたら絶対買うのに」
「Switchで咎を背負う者を復刻すれば新規ユーザーにもウケるはず」
など意見を発信することで、スクウェア・エニックスの耳に届くこともあるかもしれません。
メーカーは意外とコミュニティの声を参考にしているものです。
シリーズを支え、次に備えるファンが今できること
最後に、シリーズファンとして楽しみつつ、次の展開を待つためのポイントをいくつか挙げておきます。
- 初代リメイク版『レナス』やエリュシオンをプレイして声を上げる
PS4/PS5で初代が手軽に遊べるようになったのは大きいです。
ゲームの感想や要望をSNSやレビューサイトに投稿していけば、公式や他のプレイヤーとも情報を共有できます。
『エリュシオン』も賛否ありますが、アクションの感想や改善点を伝えていくことで、今後のアクションRPG展開に影響するかもしれません。 - コミュニティでの情報交換と議論
RedditやSNSなどでVP関連のトピックを探し、積極的に参加するのも一つの方法。
各国のプレイヤーと情報を共有し、リメイク要望や考察を深めていくと、シリーズの盛り上がりに貢献できます。 - 関連グッズや公式イベントにも注目
サントラやアートブック、記念グッズなどがリリースされることがあり、そうした商品が売れ行き好調であれば、シリーズを動かす原動力になりやすい面はあります。 - リーク情報の真偽を見極める
匿名掲示板やSNSには様々な噂が飛び交いますが、商標登録の公式情報や、実績のあるリーカーの発言、ニュースメディアが報じる内容など、信頼度を精査しながら新情報を追うのが賢明です。
超俯瞰的な視点から見たシリーズの将来
ここまで具体的にシリーズの歴史、各作品の評価、リメイクの可能性を論じてきました。
超論理的かつ俯瞰的に捉えるなら、VPシリーズは絶妙なバランスを保ち続けているタイトルと言えます。
派手さではFFやDQに譲る部分があるものの、“死と魂”という唯一無二のテーマが、未だに強い求心力を持っているからです。
また、ゲームシステムの奥深さを愛するコアファン、キャラクターの悲哀や神話的なストーリーを好むストーリーファン、そしてBGMの虜になった音楽ファンなど、多様な層が重なり合うことでシリーズを支えてきた歴史があります。
スクウェア・エニックスとしても、VPを完全に途絶えさせる判断をするより、何らかの形で継続的にブランドを維持したいはずです。
その一端が『ヴァルキリーエリュシオン』という新機軸なのかもしれませんし、それが物足りなかったファンに向けて、今後クラシカルなリメイク路線を打ち出す余地はじゅうぶんあるでしょう。
実際、FFや聖剣伝説といった他のスクエニIPでも、2Dリマスターやフル3Dリメイク、ソシャゲ展開など多様な手段でファンを取りこむ姿勢が見られます。
VPにもその可能性があり、現在はちょうど過渡期に位置していると見ることができるのです。
再びあの“神々と魂のドラマ”は開花するのか総括
ヴァルキリープロファイルシリーズは1999年の初代から始まり、『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』『咎を背負う者』などで世界観を広げつつ、2022年に『ヴァルキリーエリュシオン』でアクションRPGへと大きく転身しました。
同年末には初代の移植版も同時期に投入され、改めて“ヴァルキリーの存在”をゲーマーたちにアピールしましたが、これからの展開には不透明な部分が多いのも事実です。
しかし、スクウェア・エニックスがここ数年にわたって積極的に行っているリメイクやリマスター展開、中規模IPの掘り起こし策を見ると、“VP2シルメリアHDリマスター”や“咎を背負う者の復刻”といったシナリオはまったく絵空事ではないでしょう。
もしかすると、既に社内で何らかの企画が動いているかもしれませんし、ファンの熱が冷めずに盛り上がり続ければ、その声が届く可能性も高まります。
そしてシリーズが復活するとき、あるいは新たなる続編が動き出したとき、私たちは再び
「死んだ人間たちの想い」
「ヴァルキリーと神々の運命」
「ラグナロクに立ち向かう壮絶な戦い」
といったVPならではの濃密な世界を存分に味わうことができるでしょう。
重くも美しく、切なくも刺激的なあの物語が再度展開される日を夢見て、今は過去作を遊び直したり、コミュニティで情報を交わし合ったりしながら、シリーズが再度花開く瞬間を待ちたいところです。
“魂の行方”をこれほど深く描いたRPGはそう多くはありません。
だからこそ、VPシリーズが持つ魅力は長い年月を経ても色褪せず、多くの人の心に強く焼き付いているのだと思います。
過去作を一度でも体験したことがある方なら、この世界観がどれだけ独特で特別かを実感されていることでしょう。
もし未プレイの方がこの記事を読んで興味を持ったのなら、まずは初代『レナス』や最新作エリュシオンに触れてみて、ヴァルキリーやエインフェリアが織り成す“死と魂”のドラマを味わってみてはいかがでしょうか。
今後どのような形でシリーズが展開していくにせよ、ヴァルキリープロファイルの名が完全に途絶えるとは想像しがたいほど、根強い人気と世界観の強固さを感じます。
神々と人間の因縁をこれだけ鮮烈に描けるタイトルは稀有ですし、その遺伝子を受け継ぐ者たちが完全に舞台から去るとは思えません。
悠久の時を超え、またいつの日か新たな戦乙女が地上に降り立ち、人間たちの魂を導く――そんな新章が訪れる日が来ることを、多くのファンが心待ちにしているのは間違いありません。
長いようで短い旅路を経たVPシリーズは、今なお進化の途中にあるかもしれません。
神々の黄昏が到来するその時、どのようなドラマが私たちを待っているのか――公式発表や商標登録などをウォッチしながら、またコミュニティで想いを共有しながら、しばし待つのもファンとしての醍醐味なのではないでしょうか。
そしてその先に、私たちの想像を超えた“新たなる世界”が広がっていることを願ってやみません。