災害があった時に、義援金やボランティアなどで『自分にできる支援をしたい』と思う人はたくさんいますよね。
でも残念なことに、せっかくの善意に付け込む詐欺があります。
『義援金詐欺』『ボランティア詐欺』と呼ばれる詐欺です。
この記事では、電話でコンタクトしてくる義援金詐欺とボランティア詐欺について
- どんな手口があるのか
- どんな対策をすると良いか
- 詐欺を防ぐために電話機でできる対策
について、解説します。
本当にそうですよね。
被害に遭わないためにも、ぜひ読んで学んでくださいね!
スポンサーリンク
義援金詐欺の手口と対策
義援金詐欺の事例
まず、義援金詐欺の事例を見ていきましょう。
公的機関を名乗って電話をかけてきた事例
災害などがあった後に、
詐欺師
この度の災害の義援金を集めていますので、お金を振り込んでください。
詐欺師
義援金を集めています。
のちほど、訪問集金に伺います。
といった電話がかかって来ることがあります。
これが、『義援金詐欺』です。
義援金詐欺では
- 市区町村の役所
- 公的機関や、公的機関と誤認するような名称の機関
- 『日本赤十字社』や『共同募金会』などの有名な団体
- ボランティア団体
などを騙って電話をかけて来ます。
でも、
市区町村の役所や公的機関、日本赤十字社などが、義援金を募るために個人宅などに電話をかけてくることは、絶対にありません。
『義援金のために』と貴金属の売却や寄付を促す事例
義援金詐欺では、直接お金を募る他にも
詐欺師
貴金属を売って、代金を義援金として被災地に送りたいと考えています。
貴金属があったら売って(寄付して)もらえませんか?
という不審な電話の事例があります。
それは善意ではありますが、ちょっと待って!
こういった突然の電話で、買い取りや回収を持ちかける業者の中には、悪徳業者もいます。
不当に安く買い叩かれる可能性もあります。
そもそも、その代金が本当に義援金になるのか、不確かです。
ですから、絶対に応じないようにしましょう。
メモ
『義援金のため』と言って貴金属を求める手口には、いきなり訪問してくるケースもあるので、注意が必要です。
不用品買取詐欺の手口を事例解説!電話で出来る対処法も紹介!
続きを見る
そのほかの義援金詐欺
電話でコンタクトしてくる義援金詐欺には、この他にも
- 『売り上げの一部を義援金にするので、カニを安く買わないか』と持ちかける
- 『早く被災地に義援金を送るため』と騙ってプリペイドカードを買わせ、番号を教えるよう指示する
- 義援金に関する話の中で、個人情報や家族構成などを聞き出そうとする
- 銀行員を騙り、『被災地への義援金を、間違ってあなたの口座に入れてしまった』と銀行へ来るように促す
- 『あなたが持っている義援金を送る権利を、他の人に譲ってほしい』と権利譲渡を持ちかける
といった手口があります。
こんなの信じる人いるの?
冷静な時に、この話を聞くと、そう思いますよね。
でも詐欺師は、巧妙な話術と演技力を持っています。
騙せるように周到に準備をして詐欺を仕掛けてくるのですから、甘く見ることはできません!
義援金詐欺を防ぐための対策とは?
義援金詐欺を防ぐためには
- 知らない人から電話で持ちかけられた義援金や寄付の話には応じない
- 義援金詐欺を見抜くための知識と対応の仕方を知っておく
- 義援金の送り先の選び方を知っておく
ということが大切です。
電話での義援金や寄付の依頼は断る
電話で義援金や寄付を求める話をされた時には、
「お断りします。失礼します。」
と、きっぱりと断って素早く電話を切りましょう。
もし『義援金を断る』ということに抵抗があるなら、
「すでに寄付をしていますので。」
と伝えても良いですね。
なぜ断らなければならないかというと、
- 市区町村や公的機関からの義援金依頼の電話は詐欺である
- 民間団体の場合、本当にきちんと義援金を届けてくれる団体かどうか、判断しにくい
という理由からです。
先にも触れましたが、
- 市区町村の役所
- 公的機関
- 共同募金会や日本赤十字社などの有名な団体
を名乗って電話をして来た場合は、ほぼ詐欺と考えて間違いありません。
こういった機関が義援金を募るために電話をかけることは、絶対にないからです。
また、電話をかけてきた民間団体が、まともな団体かどうかを見抜くのは、困難です。
少なくとも、不特定多数の人に義援金を募る電話をするような団体は、安全とは言えません。
そして、『できるだけ早く電話を切る』ことも、とても重要です。
話が長引くと
- 丸め込まれて『振り込む』と言わされてしまう
- 家族構成や個人情報などを聞き出されてしまう
という可能性があるからです。
ですから、電話での義援金や寄付の依頼は『断ってすぐに電話を切る』ことが最も確実なのです。
民間団体やNPOに義援金を託すなら
民間団体やNPOなどに義援金を託したいと思った時には、最低限チェックするべきことがあります。
それは
- 活動内容が具体的に書かれていて、共感できるかどうか
- 代表者、メンバーのプロフィール
- 設立してからある程度の期間活動しているかどうか
- どんな実績があるか
- 活動報告が載っているかどうか
- 義援金の使い道がはっきり書かれているかどうか
- 収支を報告しているかどうか
- 振込先が正規の口座かどうか
ということです。
せっかく大切なお金を託すのですから、よく調べて信頼できる団体を選んでください。
ボランティア詐欺の手口と対策
ボランティア詐欺の事例
災害支援やボランティア精神に便乗した詐欺には、『ボランティア詐欺』があります。
その事例を見ていきましょう。
『ボランティア登録詐欺』の手口
『ボランティア登録詐欺』とは、
『ターゲットをボランティアに登録したことにして、何かの理由を付けてお金を要求する』
という手口です。
その事例を見てみましょう。
ボランティア団体や会社員を名乗る人から
詐欺師A
あなたが、被災地に行くボランティアに登録されています。
あなたの登録番号を教えますが、この番号は他の人には教えないでください。
という電話がありました。
ボランティアに登録した覚えがなかったので、登録を削除するように頼みました。
それからしばらくして、別の人から
詐欺師B
あなたの代わりに、私が被災地に行くことになりました。
代わりに行くので、あなたの名義と番号を貸してください。
と連絡があり、番号を教えました。
すると、最初に電話してきた会社員を名乗る人から
詐欺師A
登録番号を他の人に教えてしまいましたね?
それは機密漏洩罪に問われる行為です。
このことに対応するためにお金が必要なので、払ってください。
とお金を要求されました。
似たような手口の詐欺が、もう1つあります。
登録していないボランティア団体から、「被災地に行けますか?」という連絡が来たので断ると、その後、
詐欺師
あなたの代わりに行く人が医療用のベッドを買ったのですが、あなたの名義になっています。
名義貸しは違法行為ですよ。
このことを解決するために名義変更をしなければならないので、手続きに必要な費用を払ってください。
と言ってお金を要求する手口です。
ボランティア登録の削除を騙る詐欺の事例
ボランティアをネタにする詐欺は、災害時以外にも発生します。
自治体の防犯協会の会員を名乗って
詐欺師
〇〇県防犯協会の者ですが、あなたはボランティア登録をしていますよね。
であれば、活動に参加してください。
参加しないのでしたら、登録解除をしてください。
登録を解除する手続きには、費用が掛かります。
と言ってお金をだまし取る手口があります。
これは、一種の『架空請求詐欺』とも言えますね。
架空請求詐欺の電話手口と対処法を事例解説!無視して大丈夫?
続きを見る
被災者への支援に関連するその他の詐欺
災害時に発生する詐欺は、『ボランティア登録詐欺』の他にもあります。
たとえば、『被災者を助けたい』という善意に付け込む詐欺には、
詐欺師
被災地の高齢者を老人ホームに入れてあげたいので、あなたの持っている入居権の名義を貸してもらえませんか?
と持ちかけ、応じると『名義貸しは違法』と脅して解決金を要求する手口があります。
また、『ボランティアで手伝う』と言って訪問して来た人に作業を頼んだら
- ボランティアと聞いていたのに、後から料金を請求された
- 家の片づけを手伝ってもらったら物を盗まれた
といった被害に遭う被災者もいます。
そうなんです。
ですから、困った人に善意で関わる時も、人の助けを求める時も、注意が必要です。
本当に世知辛い世の中ですね。
ボランティア詐欺の被害を防ぐには
ボランティア詐欺も、被害を防ぐ方法はあります。
その方法をチェックしておきましょう。
ボランティア登録詐欺の電話が来たら
もしあなたのところに、関わった覚えのない人や団体から
- 『ボランティアに登録していますよね?』
- 『ボランティアにあなたの名前が登録されています。』
という電話が来たら、
『登録していません。失礼します。』
と伝えて、すぐさま電話を切ってください。
義援金詐欺への対応と同じく、
できるだけ早い段階で電話を切ることが大切です。
ボランティアをしている人向けの注意点
たしかに、そうですよね。
ボランティアをやっている人、特に複数の活動をしている人向けの注意点としては、
- 自分が、どこのどういうボランティアに参加しているかを、きちんと把握しておく
- 活動に参加できないボランティアには登録しない(『名前だけ』の登録はしない)
- 活動の内容や状況が不確かな団体には関わらない
- 活動への参加をやめた時には、きちんと登録を削除してもらう
ということがあります。
そして、知らない人から『ボランティアに登録していますよね?』といった内容の電話が来た時は、
- 電話してきた人の所属や名前、どのボランティアのことでかけてきたのかを聞く
- 身に覚えがない、もしくは相手が活動内容などについて具体的に答えられない時は、断って切る
- 身に覚えがある場合は『確認します』と一旦切って着信番号で検索し、本当に自分が登録した団体からの電話か、確認する
という手順を踏んでください。
また、
社会福祉協議会やボランティアセンターなどの公的機関を名乗る電話の時も、一旦切って確認しましょう。
- 知らない人に自分の個人情報を話さない
- 登録しているかどうかをその場で答えない
- 一旦切って、着信番号を調べる
ということが大切です。
ボランティアを依頼したい時は
もし、災害に遭ったなど、何かの理由でボランティアを頼みたい時には、
必ず自治体の窓口や社会福祉協議会、ボランティアセンターなどを通して依頼してください。
- 知らない人が電話でボランティアを申し出てきた
- いきなり訪問してきて『ボランティアで手伝いたい』などと言われた
という時は、断りましょう。
先にも触れたように、ボランティアを騙って作業費を要求する人や窃盗をする人もいるからです。
やっておきたい電話での防犯対策
電話でコンタクトしてくる義援金やボランティアの詐欺は、電話機で対策をすることで、高確率で防ぐことができます。
もちろん、その他の詐欺や悪徳業者の電話も防げますよ!
ここからは、電話機での防犯対策について解説します。
防犯機能付きの電話機を使う
電話機の防犯対策で一番おすすめなのが、
防犯機能付きの電話機を使うことです。
電話機の『防犯機能』は、
- 電話をかけてきた相手に、『この通話を録音します』と警告メッセージを流す
- 自動で通話を録音する
というのが基本的な機能です。
詐欺師にとっては、通話内容を録音されると証拠が残って困るわけですよね。
ですから、『録音します』と言われても話そうとする詐欺師は、めったにいません。
つまり、防犯機能付きの電話で、詐欺師からの電話をシャットアウトできるのです。
電話機の機種によっては、その他にも
- 迷惑電話を自動的にブロックする
- ボタン1つで、登録してある緊急連絡先に電話をかけられる
など、さらに防犯を強化できる機能があります。
詐欺電話防止装置を使う
電話機に防犯機能がない時におすすめなのが、
『詐欺電話防止装置』です。
詐欺電話防止装置も、電話機の防犯機能同様、
- 通話を録音するという警告を流す
- 通話を録音する
というのが、基本的な機能です。
その通りです。
ですから、『今使っている電話機には防犯機能がないけど、この電話機を使い続けたい』という人におすすめですよ。
特別な工事も要らないので、気軽に使い始められます。
留守番電話を使った対策法
電話機での詐欺対策には、留守番電話を使う方法もあります。
- 友人知人、親せきなどの電話番号を、電話機の電話帳に登録しておく
- 常時留守電にしておく
- 電話が鳴ったら着信元をチェックして、登録してある番号からの電話だったら出る
- 登録していない番号からの電話には出ず、相手が留守電にメッセージを入れて切るのを待つ
- 電話が切れたら、着信番号をネットで検索して相手を確認する
- 留守電のメッセージも確認して、電話をしても安全な相手で、折り返しの電話が必要と判断した場合だけ電話をかける
という方法です。
この方法で大切なのは、
- 登録していない番号からの電話は取らない
- 発信元と留守電のメッセージを確かめて、必要な時だけ折り返す
ということです。
万が一、詐欺師がメッセージを残していたとしても、発信元番号で検索することで、不審な電話を防ぐことができます。
この防犯対策は、スマホや携帯電話でも有効です。
ぜひ活用してくださいね!
不審な電話があったら
防犯対策しても、不審な電話や迷惑電話が完璧に防げるとは限りません。
もし、義援金やボランティアのことなどで不審な電話があったら
消費生活センター
⇒電話番号:188
警察の相談窓口
⇒電話番号:#9110
に連絡してください。
はい、『不審な電話があった』という時点で連絡してOKです。
今後どういうことに気を付けたら良いかも、ぜひアドバイスしてもらってください。
もちろん、被害を受けてしまった時も、さらなる被害を防ぐために必ず連絡してくださいね。
スポンサーリンク
まとめ
電話でコンタクトしてくる、義援金やボランティアの詐欺には
- 公的機関や有名な団体を名乗って、義援金の振り込みを依頼する
- 『売り上げを義援金として送る』と騙って貴金属の買い取りや寄付を持ちかける
- 『ボランティア団体に登録している』と騙り、後から『秘密漏洩などの違法行為をした』と脅してお金をだまし取ろうとする
といった手口があります。
こういった電話がかかってきた時は、
『お断りします』『登録していません』
と言って、すぐに電話を切ることが大切です。
そして、
- 防犯機能付きの電話機を使う
- 詐欺電話防止装置を使う
- 留守番電話機能を活用して、知らない番号からの電話を取らないようにする
いずれかの電話機での対策をすれば、詐欺師からの電話そのものを防げます。
善意を大切にするためにも、『知識』と『電話機での対策』の2本立てで詐欺から身を守ってくださいね!