着なくなった衣類や使わない食器、履かなくなった靴などを処分する時に利用するとお得なのが、『不用品買取業者』です。
いらない物がお金になるなんて、ありがたいですよね。
でも、
不用品買取業者の中には、悪質な詐欺を行う人達もいます。
大切な物を安く売らされてしまう被害も、後を絶ちません。
その詐欺の手口は、一体どのようなものでしょうか。
どうしたら、被害を防ぐことができるのでしょうか?
この記事では、電話で勧誘してくる不用品買取詐欺を中心に
- 不用品買取詐欺の手口
- 不用品買取詐欺電話への対処法
をお伝えします。
詐欺に遭って辛い思いをしないためにも、ぜひ読んで、被害を防いでくださいね!
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『不用品買取詐欺』ってどんな手口の詐欺?
電話勧誘をしてくる『不用品買取詐欺』の手口とは
まず、不用品買取詐欺の手口が、どんなものか、ざっと見ておきましょう。
不用品買取業者から電話が来て、
詐欺業者の従業員
不用品を売っていただけませんか?
シャツ1枚、いらない靴1足でも買い取ります!
などと、買取を持ちかけてきます。
『ちょうど、いらない服があるし…』
などと思って依頼すると、自宅に訪問する予定を決められます。
そして、約束の日に訪問してきて
- 売るつもりのなかったモノまで出させ、安く買い叩いていく
- 高価な物を不当に安く買いたたく
- 壊れていないものを『壊れている』と言って安く買っていく
といった方法で、詐欺を行うのです。
さらに
- もっと品物を出すように要求し、家の人が探しに行っている間に盗みを働く
- 強引に家に上がり込み、タンスなどを物色して高価なものを持ち出し、不当に安く買いたたく
- 脅したり、複数の男性で訪問して恐怖感を与えたりして、貴金属などを出させる
といった悪質な手口の詐欺もあります。
いいえ、決してそんなことはありません。
不当な価格での買い取りは、時には大きな損害になるんですよ!
それに、とても怖い思いをさせられたり、大切なアクセサリーを持って行かれたりすることもあります。
金銭だけでなく、心にも痛手を負うのですから、甘く見ることはできません。
不用品買取詐欺の事例
では、具体的な事例を見ていきましょう。
売るつもりのないアクセサリーまで持って行かれたケース
ある日、不用品買取業者から
詐欺業者の従業員
衣類の買取をしているのですが、ご不要になった衣類はありませんか?
いらない上着やジャケットなどがあったら、買い取ります。
という電話が来て、ちょうど衣替えの時期だったのもあり、依頼することにしました。
でも、訪問して来た業者にいらない衣類を見せたら、
詐欺業者の従業員
これだけで買い取ってと言われましても、困ります。
他にもアクセサリーなどはありませんか?
あったら査定させてください。
と言い出しました。
断ってもしつこく居座るので、仕方なくアクセサリーを出したら、何十万円もしたアクセサリーを、数万円程度で持って行かれてしまいました。
メモ
法律では、
『不用品買取業者は、売主が事前に了承した物以外買い取ってはいけない』
と定められています。
ですから、『衣類を買い取る』と勧誘したのにアクセサリーを買い取るのは、違法です。
親切心に付け込むケース
不用品買取業者から電話が来て、
詐欺業者の従業員
要らないものであれば、何でも買い取ります。
なにかご不要のものはありませんか?
と言われました。
特に売る物もないので断ったのですが、
詐欺業者の従業員
ノルマがとても厳しいので、人助けだと思って何か売っていただけませんか?
本当に何でも構いませんから。
もし売る物がないのでしたら、勉強をしたいので、査定だけさせていただくのでもかまいません。
どうかお願いします!
と言われ、相手が若い人だったのもあり、気の毒になって訪問をOKしてしまったのです。
でも結局、使わない貴金属類を安く買い取られてしまいました。
メモ
このように、『人助けと思って』などと、すがり付くように頼む業者もいます。
以前、筆者の親も似たような電話を受けたことがあり、『仕事で苦労していると思うと、情にほだされそうになった』とのこと。
優しい人は、とくに注意したほうが良いですね。
勝手にアクセサリーを持ち出して強引に買い取るケース
不用品買取の業者を名乗る女性から
詐欺業者の従業員
ご近所に、新しくリサイクルショップを開店する予定です。
つきましては、ご不要になった衣類や食器などがあったら売っていただけませんか?
と電話が来ました。
女性ならと思って訪問を依頼したら、家に来たのは男性でした。
その業者の男は、被害者が買い取ってもらうつもりで用意した衣類には目もくれず
詐欺業者の従業員
アクセサリーや記念硬貨などはありませんか?
と聞いてきました。
男性が来たので怖くて、仕方なくアクセサリーを持ってきたら、
業者の男は、他の引き出しを勝手に物色して中の物を持ち出し、テーブルの上に並べ、さらに自分で持ってきたアクセサリーも一緒に並べてしまいました。
そのため、どれが業者のもので、どれが自分のものかわからなくなってしまったのです。
そしてアクセサリーの中から勝手に選び、3万円だけ渡して持って行ってしまいました。
メモ
不用品買取業者からの電話は、女性従業員がかけてくることがよくあります。
でも、訪問してくるのは男性従業員のことが多く、時には、複数の男性で訪問してくることがあります。
女性や高齢者にとっては、男性がいるだけで脅威になり得ますよね。
そのため『怖くて断れなかった』という被害者も少なくありません。
隙を見て盗みを働くケース
『詐欺業者に物を盗まれた』という事例を、2つ紹介します。
不用品買取業者から電話があり、ちょうど処分したいものがあったので、来てもらうことにしました。
そうしたら、複数の従業員が訪問してきて、1人が家の人と話している間に
詐欺業者の従業員
ちょっとお手洗いをお借りしても良いですか?
と席を外し、トイレに行くふりをして他の部屋を物色し、貴金属などを持って行ってしまいました。
また、不用品をたくさん出したら、
詐欺業者の従業員
すみませんが、段ボールや紙袋などがあったらもらえませんか?
と頼まれ、家の人が段ボール箱や袋を取りに行っている間に貴金属やお金を盗まれた、というケースもあります。
メモ
詐欺業者の中には、このような手口で家の人が目を離したすきに盗みを働く、とんでもない悪徳業者がいます。
そのほかにもこんな手口が
これまでに挙げた例の他にも、
- 『かなりの値段になるので、社に戻って確認する』と現物を持って行き、それきり連絡が取れなくなった
- 突然、指に着けている指輪を外そうとしてきて、怖くて他のアクセサリーを出さざるを得なかった
- 知名度の高い買取業者を騙って、訪問の約束を取り付けられた
- 『買い取りの代金は後日振り込みます』と言って品物を持って行き、そのまま音信不通になってしまった
- 本物に反応する貴金属用のテスターを『偽物に反応する』と言い、本物を『これは偽物です』と偽って安く買いたたかれた
といった手口があります。
このように、不用品買取詐欺は言葉でだますだけでなく、
- 脅すなどして、他のものを持ってこさせる
- 売主が出さなかった物を盗んでいく
など、脅迫や窃盗を行うことがあります。
いきなり訪問してくる不用品買取詐欺業者
不用品買取詐欺の中には、事前の電話をせずに、いきなり訪問してくるケースもあります。
詐欺業者の従業員
いらないアクセサリーはありませんか?
詐欺業者の従業員
いらない衣類や着物を買い取らせてください。
などと言って訪問してきて、最終的には貴金属を出させる、という手口です。
でも、このような突然の訪問で買取を持ちかけるのは、法律違反です。
ですから、
『訪問して買い取りを持ちかけた時点で、違法業者である』
と判断できます。
不用品回収の詐欺もある
不用品買取詐欺と似たような手口の詐欺は、『無料を謳う不用品回収』でもあります。
電話や突然の訪問、住宅街を巡回するトラックなどで、
詐欺業者の従業員
いらない家電や壊れた家電など、どんなものでも無料で引き取ります。
と言ってきて、引き取りを依頼すると
- 実際に無料なのは査定だけで、回収の費用を取られる
- リサイクル料や手数料、運賃などと言って費用を請求する
- 車に積んでから費用を請求し、『有料になるなら断る』と言うと、『もう車に積んでしまったので、費用が発生する』とお金を要求する
- どさくさに紛れて、回収を頼んでいない物まで持って行く
といった手口で金品を取ってしまうのです。
不用品買取でも回収でも、電話や突然の訪問で不用品の処分を持ちかけてくる業者は、まず詐欺業者だと思ってください。
『不用品買取詐欺』の被害はなぜ起こる?
被害に遭った人の話を聞くと、そう思うこともありますよね。
でも、断れなくなってしまうのです。
なぜかというと、こういった業者は、高齢者や女性など、立場も力も弱い相手を選んでコンタクトしてくるからです。
そのうえで、
- 断ると態度を豹変させて脅す
- 複数の男性従業員が訪問して、心理的にプレッシャーを与えたり脅したりする
といった方法で、相手に
『言うことを聞かないと、どんな目に遭わされるかわからない』
と思わせ、貴金属などを出させるのです。
また、脅したりするのではなく、
- 被害者が持っている衣類やセンスを褒めて、巧みに誘導してアクセサリーを持ってこさせる
- 何時間も親切に話を聞いて親密になったところで、貴金属の買取を持ちかける
といった話術を使う手口もあります。
褒められて口車に乗せられてしまうことって、誰でもありますよね。
それに、親切に話を聞いてもらったら、『断ったら悪い』という気持ちも生まれやすくなります。
そういった心理も利用して、詐欺を行うのです。
不用品買取詐欺の電話への対処法
不用品買取詐欺に遭わないためには、電話の段階で対処する方法が、最も安全で楽です。
では、どのように対処すれば良いのでしょうか?
その方法を、解説します。
電話機の機能を使ってシャットアウトする方法
不用品買取詐欺業者からの電話は、電話機の機能を上手に使えば、かなりの確率でシャットアウトできます。
『電話機の機能を使う方法』には
- 留守番電話の機能を使う
- 防犯機能付きの電話機を使う
- 詐欺電話防止装置を使う
という3つの方法があります。
留守電機能を使う方法
不用品買取業者からの電話をシャットアウトする、最もおすすめの方法は
- 家族や友人など、普段連絡を取り合う人の電話番号は、電話機の電話帳に登録しておく
- 常時留守電にしておく
- 着信があったら表示される番号を確認して、登録してある番号だったら出る
- 登録していない番号だったら受話器を取らずに、発信元番号と留守電のメッセージを確認する
- 留守電のメッセージを聞いて、必要がある時だけ折り返す
という方法です。
なぜ、この方法が最もおすすめかといえば、
怪しい業者から電話が来ても直接話さずに済むので、言いくるめられることもないからです。
ただし、
- 登録していない番号からの電話には絶対に出ず、留守電のメッセージを確認する
- 折り返す前に、必ずネットで発信元の番号を検索し、相手を確認する
- 正体がわからない相手や、業者からの勧誘電話には、折り返さない
ということを、家族全員で徹底することが重要です。
防犯機能付きの電話機や詐欺電話防止装置を使う方法
電話機には、防犯機能のある機種があります。
また、防犯機能のない電話につないで使える、『詐欺電話防止装置』もあります。
この2つは、どちらも
- 電話をかけてきた相手に『通話を録音します』というメッセージを流す
- 登録していない番号からの通話を録音する
という機能が特徴です。
この機能があるだけで、詐欺師や悪徳業者が電話をかけにくくなります。
かけてきたとしても、しつこく買い取りを持ちかけることは難しいです。
録音されて証拠が残ると、詐欺師にとっては、まずいですからね。
筆者の家では、防犯機能付き電話機を使うようになってから、不用品買取を含め、業者からの電話が格段に減りました。
たとえ着信があっても、
『録音します』と聞いた時点で相手が切っていることが、ほとんどです。
ただし、この方法には弱点もあります。
それは、『録音する』と言われても話そうとする業者もいること。
つまり、録音にもめげず勧誘してきた業者に、言いくるめられてしまう可能性があるのです。
筆者の家でも、不用品買取業者からの電話は減りましたが、ゼロではありません。
電話の防犯機能や詐欺電話防止装置を使う時も、『知らない番号からの電話の時には、留守電に切り替える』ことがベストです。
もし不用品買取業者からの電話を取ってしまったら
電話機で対策をしていても、不用品買取業者からの電話に出てしまうことがないとは限りません。
そんな時のための対処法をお伝えします。
とにかくきっぱり断って電話を切る!
電話に出て、相手が
- 『不用品の買取(回収)をしています。』
- 『リサイクルショップ〇〇ですが』
- 『要らない服や履いていない靴がありませんか?』
などと言ってきたら、
『不用品はありませんので、結構です。失礼します。』
と言って、電話を切りましょう。
それ以外のことを言う必要も、相手が何か言うのを待つ必要も、まったくありません。
そういう時は、
『きっぱり断る練習のチャンス』だと思って、断ってみましょう!
慣れてしまえば、スパッと断るのが一番楽ですよ!
しつこくされたり、何度も電話がかかってきたりしたら
- 断っているのにしつこく食い下がる
- 前に断ったのに、何度も電話がくる
という時は、
消費生活センターに相談しましょう。
消費生活センターの電話番号は、局番なしの『188』です。
相談する時には、わかる範囲で良いので
- 相手の事業者名
- 相手の電話番号
- かけてきた人の名前
を伝えてください。
業者による電話での勧誘は、『一度断られたら、それ以上勧誘してはいけない』と法律で決められています。
つまり、しつこくしたり何度も電話で勧誘する時点で、違法行為なのです。
困ったら、遠慮なく消費生活センターに相談してくださいね。
電話以外で不用品買取詐欺を防止する方法
不用品買取詐欺の被害を防ぐ方法は、電話でできること以外にも、まだあります。
ここからは、電話以外での詐欺対策について解説します。
不用品買取詐欺以外の犯罪防止にもなるので、ぜひ実行してくださいね!
訪問者にはインターフォンで対応する
不用品買取業者は、いきなり訪問してくることがあります。
そういった業者をブロックするために、
- どの訪問者も、まずインターフォンで対応する
- セールスや勧誘は、ドアを開けずに、インターフォンだけで対応して断る
というクセを付けておきましょう。
ドアを開けて対応すると、悪質な訪問者だった場合、強引に家の中に入られてしまうことがあります。
インターフォンでの対応は、詐欺以外の防犯のためにも重要ですよ!
生活の中で気をつけておきたいこと
詐欺被害を防ぐために、普段の生活で気をつけておきたいこととしては、
- 高齢者だけ、女性だけの世帯と知られないようにする
- 家の周りをきれいにして、ゴミや不用品が外から目につかないようにする
- 不用品はすぐに処分し、ため込まないようにする
- ほどよく人とつながり、孤独にならないようにする
ということが挙げられます。
詐欺師は、立場も力も弱い高齢者や女性を狙うことが多いです。
家の様子を見てから、コンタクトしてくることもあります。
普段から洗濯物や玄関の靴に、成人男性のものを混ぜておくことをおすすめします。
それから、不用品を庭などに置いておくと、業者は目を付けてアプローチしてきます。
不用品をため込むと、つい『頼もうかな』と思ってしまいやすいものです。
家の周りをきれいにしておき、不用品は、こまめに処分しましょう。
そして、意外かもしれませんが、
『孤独』も詐欺被害の要因になることがあります。
詐欺の被害に遭った人の中には、普段から孤独感を抱えていて、
- 話し相手になってくれた
- 親身になって、いらない物を一緒に整理してくれた
といったことから相手の要求に応えてしまう人もいます。
親身にしてくれた人の頼みは、断りにくくなるからです。
そういった心理を知ったうえで、詐欺業者が親切を装うこともあるのです。
不用品の買取を頼みたい時は
『不用品買取の詐欺がある』と言われても、やっぱり不用品を買い取ってもらいたいことはありますよね。
そんな時には、安全な業者を選んで頼みましょう!
電話や訪問で勧誘する業者に不用品の買取を依頼することは、詐欺に遭うリスクがあります。
安全な業者の見つけ方
まともな不用品買取業者を見つけるには
- 実店舗を構えている業者に依頼する
- ネットで検索する
という方法があります。
どちらの方法を取るとしても、最低限
- 古物商許可を取ってある業者かどうか
- 事務所が実在しているか
- 業者の電話番号を検索して出てきた結果に、迷惑電話であるというコメントがないか
- 買い取りや査定の実績や評判
- 査定額に納得できないときはキャンセルできるかどうか
ということを確認してください。
ネットで探す時はさらに
- サイトに企業の住所や電話番号、『古物営業許可証番号』が書いてあるか
- 都道府県の公安委員会のサイトに、届け出業者として載っているか
も要チェックです。
不用品買取・回収業者を紹介!
参考に、不用品買取や回収の業者、それから比較サイトを、いくつか紹介しましょう。
業者名 | 主な事業内容 |
NET OFF | 宅配買取 |
eAKINDO | 宅配買取 |
ヒカカク! | 不用品買取価格比較サイト |
エコノバ | 不用品・廃品回収業者の比較サイト |
ここで紹介した買取・回収業者は、
- 都道府県公安委員会の古物商許可番号が表示してある
- 電話番号で検索をして、悪い評判がない
ということを確認してあります。
ただし、利用する時には必ず自分自身で
- 利用方法や利用規約
- 買取対象や条件
- 業者の信頼性
などをしっかり確認してください。
なお、出張の買取や回収の場合は、地域が限定されていることが多いです。
出張を希望する場合は、住んでいる地域で業者を探してくださいね。
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まとめ
不用品買取詐欺は、
- 電話で衣類や靴などの不用品を買い取ると言い、訪問する約束を取り付ける
- 実際に訪問してくると、強引にアクセサリーなどの貴金属を持ってこさせ、安く買いたたく
- 時には、家の中を物色して貴金属類を持ち去る
といった手口の詐欺です。
時には脅されたりすることもあり、金品を失うだけでなく、非常に怖い思いをさせられることもあります。
このような不用品買取詐欺の被害を防ぐには
- 常に留守電にしておき、不用品買取業者からの電話を取らないようにする
- もし電話を取ってしまった場合は、きっぱり断って電話を切る
ということが重要です。
電話や突然の訪問で勧誘してくる不用品買取業者は、まず違法な業者と言えます。
最初の電話や訪問の段階で、しっかりシャットアウトしましょう。
そして不用品を売りたい時は、安心して利用できる業者に依頼してくださいね!