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アークザラッド3のストーリーあらすじネタバレ!結末までチェック

『アークザラッド3』は、1999年にプレイステーション向けにリリースされた人気RPGシリーズ「アークザラッド」の第三作にあたります。

前作『アークザラッド2』の終盤で発生した世界的規模の災厄「大災害」から数年後の復興期を舞台とし、新たな主人公アレクたちが、再び襲い来る闇黒の支配者の脅威を封じるために奔走する物語が描かれます。

本記事では、この『アークザラッド3』のストーリーを時系列順に徹底解説し、主要キャラクターの動機、旧作キャラクターとの繋がり、そして結末までを細やかにまとめました。

ネタバレ全開でお届けしますので、ご覧になる方はあらかじめご注意ください。

すでに本作をプレイ済みの方には「もう一度じっくり物語を振り返る」きっかけに、未プレイの方には

「復興期を舞台とした冒険がどんなものなのか?」

を感じ取っていただける内容になれば幸いです。

なお、この記事ではゲーム中で語られるストーリーや設定を網羅しつつ、“復興期”というテーマが持つ意味や、闇黒の支配者の扱い、旧作キャラクターとの関係性などについても深く掘り下げます。

大災害以降の人間模様や、旧作ファンから見た評価ポイント、そして新作プレイヤーが楽しめる理由なども交えつつ、大ボリュームでお届けします。

シリアスな大災害後の世界観をじっくり楽しんでいただけるよう、分かりやすくかつユーモアも交えながら書き進めていきますので、最後までお付き合いくださいませ。

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大災害から復興へ向かう世界プロローグ

大災害の経緯

前作『アークザラッド2』において、ロマリア王国が引き起こした超エネルギーの暴走により、世界は「大災害」と呼ばれる未曾有の破局を迎えました。

津波、地震、大火災、その他あらゆる天変地異が同時多発的に発生し、大陸の地形が大きく変形。都市国家の多くが壊滅し、文明は深刻な打撃を受けたのです。

こうした世界的混乱が落ち着いたのは、ほんの数年前後。

大災害から数年が経過し、「国」という概念がまともに機能しなくなった一方で、多くの生存者が各地で懸命に復興活動に取り組んでいます。

軍や警察が壊滅に近い状態になったため、「ハンター」と呼ばれる冒険者・傭兵のような職業が台頭し、治安維持や人命救助、物資輸送など、実にさまざまな役割を担うようになっていました。

新たな主人公アレクと大災害の傷痕

そんな大災害から数年後の世界に登場するのが、本作の主人公アレク。

大災害当時は幼かった彼ですが、崩壊の混乱で重傷を負ったところを、偶然通りかかったハンターに救われたという過去を持ちます。

記憶の大半を失っている彼にとって、「命を救われた」という衝撃的な体験は強く胸に刻まれ、いつしか

「自分もハンターになりたい」

という憧れに繋がっていきました。

アレクはエテル島の辺境にあるサシャ村で育ち、村人たち――特に幼馴染のルッツなどと助け合いながら成長します。

人々は大災害で壊滅しかけた環境を再建しようと必死ですが、完全復興には程遠いのが実情。

それでも、新しい時代を切り拓こうとする意志は失われていません。

ハンターとして各地で活躍する英雄的存在に憧れるアレクが、やがて大きな事件に巻き込まれていくのです。

サシャ村襲撃事件

物語冒頭、サシャ村が

盗賊団の襲撃を受ける

という事件が発生します。

大災害後の混沌ゆえに治安が安定しておらず、こうした無法者が各地で暴れ回るのは珍しいことではありません。

しかし、警察や軍が機能していないため、村にとっては死活問題。

アレクとルッツは幼いながらも必死に抵抗を試みますが、力及ばず。

村長が

「ギルドへ行ってハンターを呼んで来い!」

と命じ、二人は隣町イティオへ駆け込みます。

イティオのハンターズギルドに状況を説明すると、腕利きのハンターがすぐにサシャ村へ派遣され、盗賊団はあっけなく鎮圧。

アレクは「ハンターに助けられる」という自分の過去を再び追体験することとなり、ここで

“自分自身がハンターになって困っている人を助けたい”

という意志を明確に抱くようになります。

ハンター試験とアレクの旅立ち序章

ハンターへの初仕事

正式にハンターとして登録するには試験が必要。

イティオのギルドでその旨を告げられたアレクは、見習いとして「精霊の夢」という希少な水晶を滝の洞窟から採取する依頼をこなします。

モンスターとの戦いに慣れないながらも、ルッツと協力して何とか成功。

こうしてアレクは無事ハンター登録証を手に入れ、憧れのハンターへの第一歩を踏み出します。

ルッツも一緒に旅に出ることを決意。

サシャ村を離れ、新たな冒険へ飛び込む若者たち。

大災害で荒廃した世界には怪物や盗賊、そして不可解な現象がまだまだはびこっており、彼らの前には早くも多彩な依頼や試練が待ち受けていました。

ルッツのキャラクター性

ルッツはアレクと同い年の相棒キャラ。

アイテム集めが趣味で、お調子者な言動も少なくありませんが、意外と器用で機転が利くタイプ。

真面目でひたむきなアレクを横で盛り上げる“ムードメーカー”的存在であり、お話の雰囲気を明るく保つ重要な役回りです。

大災害後で荒涼とした世界にあっても彼が見せる少年らしさは、物語の“救い”や“和み”の役にも立っています。

駆け出しハンターの出会いと仲間

フォレスタモール行きとシャンテ

アレクはイティオのギルドでいくつか簡単な依頼を受けるうち、

「誤ってお客さんにモンスターの卵を渡してしまったから回収してほしい」

という珍依頼を引き受けます。

その客人は港町フォレスタモールへ向かい、卵が変に孵化でもしたら一大事。

アレクとルッツは船を探しますが、船長が酒場で酔い潰れ出航不能に。

困っていたところを助けてくれたのがシャンテという女性でした。

シャンテは前作『アークザラッド2』にも登場した踊り子で、酒場に華を添えるシンガー・ダンサーだった存在。

物腰が柔らかいが行動力は抜群で、しかも美人ということで、当時も人気キャラでした。

再会(本作ではアレクにとって初対面ですが)することで、

“あの前作の世界”がしっかり継続している

というシリーズの連続感を強調してくれます。

無事、フォレスタモールでモンスターの赤ちゃんを確保・回収。

ギルドに届け出て依頼完了となります。

この一連の流れは駆け出しハンターとしての“チュートリアル”的役割を果たしつつ、ゲーム内の世界観をプレイヤーへ示すものになっています。

モンスター協会とテオ

港町フォレスタモールにはモンスター協会なる組織があり、そこでアレクたちはテオという10歳前後の少年と出会います。

テオは“カーディスト”に憧れており、母親もかつてはカーディストだったと語られます。

モンスターをカードに封じ込めて使役する

という特異な職能は、シリーズ中でも珍しく、この後の物語におけるキー要素となります。

テオの育ての親である協会長が“大地の傷跡”という荒野に調査出張へ行くことになり、テオは

「自分も母のようなカーディストになりたい」

と後を追いたい様子。

しかし子ども一人で行かせるのは危険すぎる。

そこでアレクたちはテオをサポートすることを決め、共に荒野へ向かうのでした。

大地の傷跡とテオの儀式

荒涼とした大地の傷跡の奥には神殿があり、テオはそこで正式な“カーディストの儀式”を果たします。

カーディストとしての才能を開花させ、モンスターを“アタッカード”として利用できる特異な魔力を身につけるテオ。

一方、同行していた協会長は何者かに襲われる事件に巻き込まれますが、アレクたちが奮戦して救出。

テオが狙われた背景には母親との因縁や謎の集団の動向があるようで、この時点では真相がベールに包まれます。

テオは母を探したい一心もあり、

「アレクたちと旅を続けたい」

と懇願。

アレクは“彼は単なる同伴者ではなく仲間だ”と快く受け入れます。

こうして年少のテオがパーティに加わり、カーディストとしての力を発揮。

弟分的立ち位置ながら、戦闘面でも物語面でも重要な役割を担っていくのです。

依頼と旧作キャラの再会

モンスター里親探しとリーザ

ギルドの依頼は多種多様。

ある日、以前預けたモンスターの赤ちゃんに里親が必要ということで、

「モンスターを大事に育ててくれる適切な人を探してほしい」

と頼まれます。

情報を得て向かった先はベルニカ村。

そこにいたのがリーザ――前作『アークザラッド2』で主人公たちと共に冒険したモンスター使いの少女です。

リーザはモンスターを理解する力を持ち、本作では優しい保育士のようにモンスターの面倒を見ている立ち位置。

前作での苦難を乗り越えた彼女が元気に暮らしている様子が、既プレイヤーには嬉しいポイント。

また“世界は確かに前作と繋がっている”という実感が高まり、新規プレイヤーにも「心優しい先輩」という印象を与えます。

こうしてモンスターの赤ちゃんはリーザに預けられ、里親探しの依頼は解決。

依頼を片付けるたびに、アレクたちのハンターとしての経験値が積み重なり、世界各地の人々や旧キャラクターたちとの縁が築かれていきます。

謎の飛行物体と少女シャロン

また別の依頼では、カルカド山脈に落下した正体不明の飛行物体を回収するミッションに挑むアレクたち。

捜索する中で出会うのがシャロンと名乗る少女。

彼女は強力な科学兵器を操り、まるでモンスターなど物ともせずに撃破。

驚くアレクたちに

「アカデミーという組織に所属している」

とだけ言い残し去っていきます。

謎めいた“アカデミー”は、この大災害後の世界で“科学技術による復興”を標榜しているらしい。

モンスターを容易に蹴散らすほどのメカの存在や、彼女の余裕ある振る舞いは、ただ者ではない雰囲気を醸し出します。

のちにシャロンが物語のキーとなる人物だと分かりますが、現時点ではアレクたちも「不思議な組織に関わっている子だな」程度の認識しかありません。

アレクたちは飛行物体の破片を回収し、ギルドへ持ち帰ったあと、再度それを運搬する依頼を受け北スラート地方へ移動することに。

転送のショックでバラバラになった先で出会うのがシェリルという少女です。

銃を操るクールな性格のシェリルは、荒れたスラムで生き延びてきた経歴を持ち、当初は他人を信用しようとしません。

ですが、その後の事件を通じて、アレクたちと行動を共にするようになり、気づけば仲間になっていきます。

南スラートでの大騒動と旧友たちの助力

トッシュとの再会

次に大きな展開を迎えるのが、南スラート地方への長距離輸送依頼。

ギルドは危険な道中を考慮し、シェリルを護衛兼案内役として派遣。

こうしてシェリルは“一時的な同行”という形でパーティに合流します。

結果、到着した先で待ち受けていたのが侍トッシュ。

前作『アークザラッド2』で、強大な敵にも果敢に立ち向かった刀の使い手です。

トッシュはテスタという街に根付いており、自警団「トッシュ組」を率いて住民を守る存在になっていました。

依頼で持参した品物を受け取ってもらう際に揉め事が起きかけますが、トッシュが半ば強引に取りまとめたおかげで何とか無事完了。

「ついでに一杯どうだ?」と言いそうな雰囲気ながらも、彼は街で大きな問題を抱えている真っ最中でした。

水の珠強奪事件

テスタは「水の珠」という秘宝を街の生命線にしていました。

無限の水を生み出すこの珠によって大災害後の干ばつをしのぎ、活気ある街に復興していたのです。

しかし、その水の珠が突如アカデミーに狙われ、強奪されてしまいます。

トッシュは激怒し、偶然居合わせたシュウ(前作の隻眼の青年)やアレクたちと共に奪還作戦を開始。

シュウは元盗賊という経歴と忍者のような身のこなしで、アカデミーが飛行船を使って逃走しようとする計画を内側から妨害。

一方、地上ではトッシュやアレクたちが襲いかかる巨大ロボットと激突。

最終的にアカデミー南スラート支部を制圧し、水の珠は無事に街へ戻ってきます。

この戦いを通じて、シェリルはアレクたちに強く感銘を受け、「自分が寄りかかれる仲間」という存在を初めて感じ、正式にパーティ加入を宣言。

孤独な日々を送ってきた彼女が“居場所”を見つける重要イベントです。

ジハータ地方とマーシアの加入

資料輸送任務とサニア

ギルドの信頼も高まったアレクたちは、続いてジハータ地方への資料輸送を任されます。

各協会(モンスター協会、アイテム協会、ウェポン協会)から受け取った研究資料を届けるのが仕事。

道中のペイサスで出会うのがサニア(前作で仲間だった女性)で、博識な彼女は

「術法学院にマーシアという娘がいる。今、盗難事件に巻き込まれているらしい」

と重要情報をくれます。

禁書盗難事件とティクバ

ラマダ寺院から貴重な禁書が盗まれる

という騒ぎが発生し、その容疑者ティクバはハンター仲間らしく、なぜか失踪しているらしい。

ラマダ寺は外部者に厳しく、簡単には中に入れませんが、イーガ(前作キャラ)や術法学院のマーシアの取り成しで、捜査を進められるように。

実はティクバはアカデミーに騙されており、「世界を復興させるために必要」と称されて禁書を盗み出したものの、

アカデミーが狙う真の目的に気づいて逃亡した

という背景があったのです。

しかし、既にアカデミーの追手が迫り、彼は負傷。

アレクたちは間一髪で彼を救出し、禁書を無事ラマダ寺へ返却。

事件の黒幕がアカデミーだと判明し、マーシアはアカデミーに怒りを燃やして「私も共に戦う」と仲間になる道を選びます。

魔術師として高い潜在能力を持つマーシアが加わることで、パーティ全体の戦闘バランスと賑やかさが増していきます。

パルテ大陸の闘技大会と剣士ヴェルハルト

闘技大会への参加とグルガ

さらにイーガから

“リシャルトという人物に手紙を届けてほしい”

という依頼が飛び込んできて、アレクたちはパルテへ移動。

そこでは闘技場の大会が大きく盛り上がっており、前作に登場したグルガが運営に関わっているようです。

パルテ大陸では、力比べの大会が名物行事となっているらしく、賞金や優勝商品も豪華。

最初は見学気分ですが、リシャルトから

「優勝賞品をどうしても手に入れたいので、出場してほしい」

と頼まれます。

ヴェルハルトとの対戦

グルガの協力でアレクたちは特別に参加を認められ、予選を順調に突破。

しかし決勝で立ちはだかるのはヴェルハルトという剣士。

彼は寡黙な青年で、圧倒的な実力を備えており、アレクたちをまるで子どものように叩きのめします。

優勝したヴェルハルトは、なんとそのまま優勝賞品をかっさらい、姿を消してしまうのです。

実は彼が狙うのもその“秘宝”であり、アカデミーが横取りを試みる動きが水面下で進行していた模様。

アレクたちは急いで追跡すると、ヴェルハルトがアカデミーの拠点で衝撃の場面に直面します。

ヴェルハルトの兄リシャルトがアカデミー幹部セヴィルによって殺されてしまったのです。

ヴェルハルトの悲劇と加入

ヴェルハルトは兄を人質に取られ、アカデミーに協力していたのですが、その兄を目の前で失い、激しい自責と絶望に陥ります。

そこへ駆けつけたアレクたちがセヴィルを撃退。

しかし、秘宝はまたしてもアカデミー側に奪われる形に。

全てが終わったあと、ヴェルハルトは

「兄の仇を討ちたいし、アカデミーの暴虐を止めたい」

という決断を下し、自分からアレクたちの仲間に志願。

実力者である彼が仲間になることで、パーティ戦力は大幅アップします。

ヴェルハルトは寡黙でストイックな性格。

兄を失った悲しみと、自分が従ってしまった罪悪感を抱えつつも、“剣の道”を極めることで「何かを守れる強さを得たい」と願っています。

物語後半での彼の成長と、仲間との信頼関係の構築は、非常に見応えあるエピソードの一つです。

アカデミー本部への潜入と闇黒の支配者復活の兆し

ホバークラフト奪取

闘技大会の事件を経て、アカデミーの非道さが浮き彫りになる中、ギルドは

「アカデミー本部を探り出してほしい」

とアレクたちに正式依頼を出します。

噂によれば、本部は新大陸フェラトゥにあるらしい。

移動手段として、カリオテ洞窟に封印されていた古代の浮上艇ホバークラフトを入手しないと海を渡れません。

険しい洞窟の探索、モンスターとの戦いを経て、ホバークラフトを起動し、アレクたちはフェラトゥへ向かいます。

本部潜入とシャロンの反乱

フェラトゥの港町でアカデミー研究員に変装し、本部施設へ潜入したアレクたちは、例のシャロンと教授の言い争いを目撃。

シャロンは

「これ以上の計画にはついていけない」

と反抗を試みますが、教授は聞き入れず、シャロンを捕縛。

組織ぐるみで妙な実験や開発を進めているらしいアカデミーの闇が、一層深く感じられます。

奥へと進むと待ち受けていたのは、科学的に改造されたドラゴン。

強敵ですが、そこへ前作主人公格のエルクが登場。

彼は大災害以降、ロマリアや闇黒の支配者の動向をずっと追っており、アカデミーが危険な研究をしていることを知り潜入していたのです。

エルクと共闘してドラゴンを撃破。

シャロンを救出するも、本部施設のコア部分には闇黒の気配が溢れ出しています。

超エネルギー=闇黒の支配者

エルクの説明によれば、アカデミーが「超エネルギー」と呼んでいるものこそ、かつて大災害をも引き起こした“闇黒の支配者”だという事実が判明。

古代に七勇者が封印し、前作でもアークたちが命を懸けて封印した魔王的存在。

しかも、アカデミーはこの闇の力を利用して世界復興を一気に進めようと考えているらしく、かなり危険な思想に染まっている様子。

すでに封印が弱まりつつあり、空中城の復活も差し迫っていることが分かります。

聖櫃をめぐる総力戦と旧世代の集結

空中城の浮上

闇黒の支配者が力を取り戻していくなか、空中城――かつてロマリア王が魔王の力で浮上させた巨大城――が再び上空に姿を見せ始めます。

大災害の象徴的存在でもある空中城が再度浮上し、世界に負のオーラを放ち始める状況は絶望感満載。

エルクはかつて乗った飛行船ヒエン号を修理し、これを奪取・再稼働させることで空中城へ直接突入する準備を急ぎます。

一方、アレクたちは肝心の“闇黒の支配者の封印方法”を模索。

行き着いた結論は「聖櫃を再び作り出すしかない」というものです。

聖櫃の4つの素材

過去に聖櫃はアークとククルの手で使われ、闇黒の支配者を封じ込めたものの、破壊されて失われています。

そこで新たに作り直すには、4つの希少素材が必要。

それが「不滅の鋼」「久遠の大樹」「不変の氷」「永遠の炎」という代物。

これらをすべて集めなければ、新しい聖櫃は錬成できないのです。

剣聖の亡霊との激突不滅の鋼

古い洞窟に眠る“不滅の鋼”を守護していたのは、伝説の剣聖の亡霊。

ヴェルハルトが挑むものの、初戦は完敗。

そこでグルガの厳しい特訓を受け、精神面・技術面ともに大きく成長したヴェルハルトが再戦し、剣聖の亡霊を打ち破ります。

これにより、不滅の鋼を入手。

ヴェルハルトの内面にも大きな変化が生じ、仲間に対してより強い連帯感を抱くようになります。

ポコの音楽久遠の大樹

次なる素材“久遠の大樹”は、大地の傷跡のさらに奥深くに潜む巨大な霊木。

そこでカギを握るのが音楽家ポコ(前作メンバー)。

彼の楽奏は特殊な力を持ち、通常は隠されている道を開くことができます。

こうして深部へアクセスし、大樹からエッセンスを採取。

再会したポコがサポート役を果たし、旧作との繋がりを強く感じさせる場面です。

マーシアの修業不変の氷

“氷の回廊”で手に入る“不変の氷”は、普通の火や道具では破壊不能な氷壁に阻まれています。

そこでマーシアがサニアの協力を得て魔法力を高め、絶対零度を凌駕するような大魔法を発動。

氷壁を砕いて不変の氷を取得します。

天才肌のマーシアの才能が最大限に発揮されるエピソードであり、彼女が心身ともに成長するきっかけにもなっています。

チョンガラの記憶永遠の炎

最後に“永遠の炎”という希少な火を求めて北スラートの火山へ向かうものの、情報が乏しい。

そこに出てくるのが召喚士で珍品商人のチョンガラ。

彼は前作でも怪しげな商売をしつつ仲間に協力したキャラでしたが、今回は記憶が曖昧で情報を「忘れて」いる始末。

シェリルとヴェルハルトがツッコミを入れつつ引き出し、ようやく火山の在処を思い出させます。

過酷な火山地帯を踏破し、永遠の炎を採取。

これで4つの素材が揃いました。

聖櫃の完成とアーク&ククルとの邂逅

精霊たちの祝福

素材を集めても、聖櫃はただの材料の塊でしかありません。

最後に“精霊の祝福”を得て初めて真の力を発揮できる。

アレクたちは最初にハンター試験で訪れた滝の洞窟へ戻り、そこに宿る精霊を探します。

最深部で待っていたのは、なんと前作主人公アークとヒロインのククルの姿でした。

大災害でアークは命を落とし、ククルも力を失いかけたはずですが、今は霊体となって精霊と共にこの地に留まっているのです。

アークは優しい笑みを浮かべ、アレクたちに

「よく来たね。ここまでの苦労を見ていたよ」

と温かい言葉をかけ、精霊の力で聖櫃の錬成を助けてくれます。

前作で闇黒の支配者を封じた実績を持つアークとククルが、次世代の若者へバトンを渡すかのような演出がシリーズファンの胸を打ちます。

こうして新たな聖櫃が完成し、闇黒の支配者を再び封じる切り札が手に入ったのです。

空中城と闇黒の支配者最終決戦

ヒエン号で空中城へ

エルクが修理を終えた飛行船ヒエン号に乗り込み、アレクたちは空中城へ突入。

城内にはアカデミーのメカや魔物が多数徘徊し、最上階に近づくほど闇黒の瘴気が強まります。

途中でガルドとセヴィルが待ち受け、激戦に。

ガルドは幼少期のアレクを救ったハンターその人でしたが、アカデミーに与しており、

“科学の力こそ世界を救う”

と信じていたのです。

セヴィルはヴェルハルトの兄リシャルトを殺し、テオの母を惨い仕打ちで死に追いやった仇そのもの。

二人とも容赦なく戦いを挑んできますが、因縁深い対決の末に撃破。

テオとヴェルハルトは悲しみや怒りを乗り越えて前へ進みます。

闇黒の支配者の完全復活

最奥部に到達したとき、教授はすでに封印を解いてしまい、闇黒の支配者がその恐るべき姿を現しています。

教授はコントロールできると豪語していたはずが、魔王の力があまりにも強大で操りきれず、暴走。

アレクたちが立ち向かわなければ、再び世界が大災害の時を超える破滅に陥るのは必至です。

魔王は球体状の多眼クリーチャー形態から、人型上半身を持つ形態などに次々と変化。

攻撃も破格の威力を誇り、パーティを壊滅しかねない局面が連続します。

テオのカーディスト魔法、マーシアの高位呪文、シェリルの銃撃、ヴェルハルトの大剣技、ルッツの支援、そしてアレク自身の成長しきったハンターとしての意志が総力結集し、かろうじて魔王の肉体を打ち砕きます。

しかし、闇黒の支配者はしぶとく意識を残し、最後の悪あがきとして

「お前たちは世界を救いたいのだろう? 私の力を使えば、復興など容易い」

と誘惑をかけてきます。

アレクたちの願いを逆手に取り、闇の力を味方につけるよう囁く魔王。

確かに大災害後の世界は苦しみに満ち、人々は楽をしたいのも事実かもしれません。

しかし仲間たちはそれを断固拒否。

“人間は自らの手で未来を勝ち取るべきだ”

という信念を貫きます。

聖櫃の封印

仲間全員の強い思いが呼応し、完成した聖櫃が閃光を放って魔王の邪悪なエネルギーを吸い込み始めます。

断末魔の叫びとともに闇黒の支配者は再度封印され、空中城も制御不能で崩壊。

アレクたちはエルクの操縦するヒエン号で辛くも脱出に成功。

巨大な爆発が夜空を染め上げ、魔王と空中城は完全に消滅したのです。

新たな時代を歩む若きハンターたちエピローグ

帰還と復興への希望

地上に降り立ったアレクたちを、テスタやイティオ、その他の仲間たちが出迎えます。

旧作キャラクターも集い、長き戦いに終止符が打たれたことを喜び合うシーンは大団円。

その中心にいるのは、かつて幼少期にハンターに救われたアレクという新世代の少年であり、今や立派なハンターとして仲間を率いて世界を救った存在です。

トッシュはお祭り騒ぎしそうな勢いで、リーザは優しく出迎え、ポコは音楽で祝福し、シュウは静かに微笑み、グルガはそっけないながらも祝意を示す。

エルクもまた大きな負傷を抱えながら、最後まで闇黒の支配者に抗った姿を見せており、世代を超えた連帯感が描かれます。

各キャラクターのその後

  • アレク:ハンターとしてひと皮むけ、これからも各地の復興を支えるべく旅を続ける意気込み。
  • ルッツ:相変わらず明るい相棒役で、珍アイテム収集の夢を追う一方、アレクと二人三脚で人助けに没頭。
  • テオ:母親を喪った悲しみを抱えつつも、カーディストとして新たな一歩を踏み出し、養父の協会長と再会して成長していく。
  • シェリル:かつてのスラムで育った反動から殻に閉じこもっていたが、仲間の優しさを知り、今後はギスレムの子供たちを救うため活動。
  • マーシア:術法学院で学んだ知識と経験を活かし、次世代の魔法使いを育成。大災害後の世界を魔術面から支えていく。
  • ヴェルハルト:兄の仇を討ち、己の未熟さも痛感したが、グルガと通じ合いながら剣を究めていく。兄の墓前に静かに誓いを立てる姿は切なくも希望を感じさせる。

これらのメンバーのエンディングシーンはプレイヤーの心に余韻を残しつつ、

“人間の努力と意志が世界を立て直す”

というメッセージを象徴します。

アークとククルの犠牲は無駄ではなかった

前作『アークザラッド2』の結末で、アークとククルを含む仲間たちは大きな犠牲を払いながら闇黒の支配者を封じました。

それがわずか数年で破られたことに対し、

「アークの死が台無しでは?」

という批判の声もありました。

しかし、本作ではアークとククルが霊的存在として新世代に手を差し伸べる展開を描き、“あの時捧げられた命が無駄になったわけではなく、世界を救うための時間を稼ぎ、次世代を育てる猶予をもたらした”ことが明確化されます。

アレクはかつて大災害で命を落としかけたところを救われ、今度は自分自身が“世界を救う側”へと成長しました。

まさにアークたちの意志が受け継がれ、

“人は困難を乗り越えていける”

という希望の象徴となっています。

アンリエッタと隠し要素

本作にはアンリエッタという大富豪の令嬢が登場し、特定の条件を満たすと仲間にできるサブイベントが存在します。

加入させるとエンディングに少し変化があり、いわゆる「マルチエンディング」の要素を持ち合わせています。

ただし、アンリエッタを加入させると周回要素の称号「レジェンドハンター」を逃すなどのジレンマもあり、プレイスタイルに合わせて選択が分かれる仕様です。

いずれにせよ、彼女が加わると物語の雰囲気や絡みが変化し、“もう一度プレイしてみる楽しみ”を残してくれます。

復興と次世代への希望ストーリー総括

復興期を描くという新鮮な視点

前作までが“破滅へ向かう世界”を中心に据えた非常にシリアスなトーンだったのに対し、本作では大災害後の“復興”を軸にして、若い主人公の冒険と成長を明るめに描きます。

大災害という深刻な背景はそのままに、人々の再生や新しい技術・新キャラの活躍にスポットが当たっている点が魅力。

悲壮感だけでなく、未来への希望と活力が物語全体を支えているのです。

ギルドシステムと多彩な依頼

プレイヤーはハンターとしてギルドに登録し、依頼を受注して各地を巡るスタイルをとります。

メインストーリーだけでなく、サブ依頼やお使い、モンスター捕獲など細かなクエストが多く、寄り道要素が豊富です。

自由度が高く、プレイスタイルをある程度カスタマイズできるのも評判が良かったポイント。

単なる線形RPGではなく、

“復興期の人々を手助けする”

という体験をゲームで味わえるのがユニークです。

旧作キャラとの“再会”

トッシュ、シュウ、リーザ、イーガ、グルガ、ポコ、チョンガラ、そしてエルクやアーク&ククルなど、前作のメンバーが多く顔を出し、新世代の冒険をサポートしてくれます。

彼らが物語の要所で救援に入ったり、同じ目標に向かって動いたりすることで、シリーズを通じた一体感や継続性が非常に強調されます。

ただし登場が限定的で物足りないという声も一部あり、

「前作キャラもっと出せ!」

という要望が根強かったのも事実です。

闇黒の支配者復活への賛否

前述のように、前作で大きな犠牲を払い封印した魔王が短期間で復活することに対し、

「あれだけの激闘は何だったのか?」

と抵抗感を示すシリーズファンも少なくありません。

しかし、本作のシナリオは

「過去から受け継ぐものがあり、次世代がそれを再び乗り越える」

というテーマを強く打ち出しており、アークとククルの霊的登場で“犠牲は決して無駄ではなかった”という結論を示しています。

ここは作品全体の捉え方次第で評価が分かれる部分でしょう。

明るいトーンとキャラクターの年齢層

本作の主人公や仲間たちは10代の少年少女が多く、前作の重苦しいシナリオに比べると格段にポジティブな印象があります。

仲間内での深刻な対立も少なく、“力を合わせて問題を解決する”王道少年漫画的な要素が際立っています。

苦難や悲劇が全く無いわけではなく、テオの母親の行方やヴェルハルトの兄の死など重いエピソードも登場しますが、最終的には乗り越えて明日に向かう空気感が支配的です。

アークザラッド3の魅力とシリーズの位置づけ

シリーズ完結編としての意味

当初、『アークザラッド』は1と2でひとつの物語が完結していましたが、ファン人気もあって3が制作されました。

結果として、“大災害後の世界”を見せる意図で、新たなストーリーが付け加えられた形です。

そのため、設定の矛盾や旧キャラの扱いの薄さなど、マイナス点も指摘されています。

しかし、復興の中で活躍する若い世代のドラマと、シリーズの歴史が繋がっている安心感を両立しており、評価は賛否含め多彩。

ただし、新規プレイヤーにとっては比較的入りやすい作品と言われがちです。

ギルド・カーディスト・復興世界

ギルドシステムによる自由度と、テオのカーディスト能力は本作の大きな特徴です。

モンスターをカード化し、アタッカードとして召喚・攻撃できるテオは戦闘でも頼もしい存在。

復興世界を舞台に、アイテム協会やモンスター協会、ウェポン協会といった組織が活動している点も独特の味を出しています。

科学技術を駆使するアカデミーと、それを取り巻く思想の対立は

「技術の進歩とは何か?」

を問うテーマにもなっていると捉えられます。

新旧ファンへのアプローチ

新規のプレイヤーには、少年少女が中心のパーティが冒険を通じて“世界を救う”という分かりやすい王道RPGが魅力的に映るでしょう。

旧作ファンには、アーク&ククルが再登場する衝撃や、トッシュやイーガといった懐かしの面々が要所要所でサポートしてくれる喜びを感じられます。

その一方で

「もっと前作メンバーを深く描いてほしかった」

との声もあり、

“待ち望んだ続編だけに物足りない部分もある”

という意見は根強く存在します。

復興期RPGとしての『アークザラッド3』まとめ

ロングレビューとして『アークザラッド3』の物語を時系列で追いかけつつ、主要なイベントやキャラクターの心情、また旧作との関係性などを詳しく記してきました。

以下、改めてポイントを整理します。

  1. 大災害後の世界観
    前作『アークザラッド2』での破局的な事件を受けた“復興”がテーマ。
    荒廃した大地で人々が懸命に再建に取り組む様子を描き、ハンターたちが依頼をこなしながら各地を巡る設定が“冒険感”と“人々の暮らし”の両面をうまく演出している。
  2. 若き主人公アレクの成長
    命を救われた経験からハンターを目指し、旅の過程で仲間を得て、ついには世界を救う立場へ。
    シンプルながら王道の成長物語であり、大災害後の苦しい状況にもめげず前に進もうとする“明るさ”が魅力。
  3. ギルドシステムと仲間の個性
    テオのカーディスト能力や、ルッツのコミカルなキャラ、シェリルのツンデレ気質、マーシアの知的な魔法使い像、ヴェルハルトの寡黙な剣士像など、それぞれのキャラがストーリーでも戦闘でも大きな役割を果たす。
    ギルドで多彩な依頼を受けることでサブイベントも充実。
  4. 旧作メンバーの合流と闇黒の支配者
    トッシュやシュウ、リーザ、グルガ、イーガなど、『アークザラッド2』で活躍した人物が要所要所で登場。
    前作の主人公格エルクも深く関わり、最終的には霊的な存在となったアーク&ククルも姿を見せ、物語に一貫性を与える。
    一方で、闇黒の支配者が短期間で復活することに対する批判もあるが、本作では“次世代が同じ脅威を乗り越える”という点を重視し、前作の犠牲を上書きするのではなく“バトンの継承”として表現している。
  5. 結末とエンディング
    最終決戦では、闇黒の支配者が再度封印され、世界は再び救われる。
    アレクたちは明るい未来を想起させる行動を示し、各キャラクターが自分の道を歩み始めるエピローグが印象的。
    アンリエッタを仲間にするサブイベントも存在し、わずかながらエンディングの分岐を楽しめる要素がある。
    復興期の世界に生きる人々の希望を描く作品として一応の大団円を迎えます。

最後に

『アークザラッド3』は

  • 前作からの流れを引き継いでいる
  • 大災害後の新しいステージを描く
  • ライトで遊びやすい

という長所を活かし、レトロRPGファンやシリーズファン、新規ユーザー問わず楽しめる作品として評価されてきました。

その一方で

「前作の壮絶なシナリオを期待していたファンには物足りない」

「闇黒の支配者の復活設定が唐突」

という声も根強く、シリーズ内でも独特の立ち位置を持つタイトルと言えます。

しかしながら、本作のテーマである“復興”は、シリーズ全体の世界観にとって大きな意味を持つものです。

破壊から再生へ向かう人間の強さ、若い世代が立ち上がる姿、旧世代が持っていたバトンを次に託す流れ――これらを真正面から描いたことで、“希望と継承”を強く印象づける作品に仕上がっています。

アークとククルが霊的存在で登場するクライマックスは感動的であり、“前作主人公たちの犠牲が無駄ではなかった”ことをプレイヤーに再認識させる効果をもたらします。

もし本記事を読んで

「当時プレイしたけれど詳しいところまでは覚えていない」

「今からレトロRPGを楽しみたい」

という方は、ぜひ改めてプレイしてみてください。

ギルド依頼をこなす中で見落としていたイベントや、仲間のサイドエピソードが多数存在することに驚かれるかもしれません。

また、『アークザラッド1・2』を経験済みであれば、旧作キャラとの交流をより深い視点で味わえるでしょう。

前作とはかなりテイストが違いますが、それでも“世界を守る熱量”や“再生への努力”にフォーカスした物語として、本作独自の魅力を感じ取れるはずです。

魔王の再来を封じ、“人間は自らの手で未来を切り拓く”という王道RPGの締めくくりを、明るい彩りで仕上げた『アークザラッド3』。

大災害のインパクトや旧キャラの再登場、新キャラたちのキャッチーなやりとりなど、語りどころは尽きません。

プレイするたびに“復興期の空気”が感じられ、キャラクター同士の掛け合いやギルド仕事に親しみを持てる作品なので、興味が湧いた方はぜひこの機会に触れてみてはいかがでしょうか。

長きにわたる“闇黒の支配者”との因縁を、もう一度あなたの手で完結させてみるのも面白いかもしれません。

以上、大ボリュームで『アークザラッド3』のストーリー全体を解説・考察してきました。

大災害という大きな悲劇を経てなお、人々が希望を失わず立ち上がる――そんな前向きな世界観は、時代を経ても多くのプレイヤーの心を打つ要素になっているように思います。

アレクたちの冒険と成長が描かれる本作が、あなたのゲームライフに新たな発見や懐かしさ、そしてちょっとした笑いと感動を与えてくれることを願っています。

-その他