こんにちは。
ネットワーク機器を導入したり見直したりするときに、しばしば「L3スイッチ」と「ルーター」という2つの存在が浮上します。
どちらもOSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)でパケットを扱う機器だという共通点がある一方、それぞれの役割や得意分野、機能の幅が微妙に—もしくは大きく—異なっています。
企業ネットワークや家庭のネットワーク、さらにはデータセンターの大規模インフラを考える場合も、
「じゃあ自分のところはどっちが必要なんだろう?」
と迷う方が多いのではないでしょうか。
本記事は、そんなあなたの疑問にガッツリとお応えするために作成しました。
L3スイッチは何をする装置で、どんなシーンに向いているのか。
ルーターはどんな機能を包含していて、なぜ境界防御やWAN接続で必須なのか。
そして両者を組み合わせるメリットはどこにあるのか。
さらにはネットワークのコスト最適化や運用の落とし穴、意外なところでこっそり上がっているかもしれない「プロパンガスの料金」の話題まで含めて、幅広く・深く掘り下げていきます。
また、今回はより深い考察を加えながら、網羅的かつ読み応えのある内容を目指しました。
あなたのネットワーク環境の改善やコスト削減、さらには日常生活の意外な節約にまで役立つ情報を盛り込みましたので、読み終わるころには
「なるほど、こういうことか!」
と気が軽くなるかもしれません。
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L3スイッチとルーターの基本的な違い
L3スイッチLAN内部を高速にさばく“レイヤ2+レイヤ3”のハイブリッド
L3スイッチ(Layer3スイッチ)とは、もともとレイヤ2スイッチ(いわゆるスイッチングハブ)の機能に、IPパケットのルーティング機能を追加したネットワーク機器です。
具体的には、以下の特徴を持っています。
- レイヤ2の高速転送+レイヤ3ルーティング
- 通常のスイッチと同じようにMACアドレステーブルを参照してフレームを転送(レイヤ2機能)しながら、IPアドレスに基づいてパケットを仕分ける(レイヤ3機能)も実行可能。
- VLAN間通信(異なるサブネット同士の通信)を1台で行える。
- 主にASIC(専用ハードウェア)で転送を行うため、CPUソフトウェア処理より圧倒的に高速かつ低遅延。
- VLANセグメンテーションが容易
- 社内LANで複数のVLANを割り当て、部署別や用途別にトラフィックを分割しても、L3スイッチ内部でIPルーティングを完結できる。
- VLAN間の接続が高速になるので、大量のローカルトラフィックがあってもボトルネックになりにくい。
- 多数のポートと高いスループット
- 一般的に24~48ポートなどのモデルが多く、上位機種では数百ポートや10Gbps・40Gbpsといった高帯域インターフェースも備える。
- 大量の端末を直接収容しやすく、1台のスイッチ内部で多くの通信が完結する。
- WAN接続やNAT等は基本的に非対応
- WANポートを持たず、NAT(アドレス変換)やファイアウォール的な機能は原則持たない。
- Internetなど外部との境界には、ルーターや専用ファイアウォールと組み合わせる必要がある。
メリット
- LAN内通信が多い環境で真価を発揮:部門間のファイル転送やDBアクセス、映像・音声など大きなデータが飛び交う場合でも、ASICによる高速処理で遅延を抑えられる。
- ポート数・背面帯域が豊富:企業のコアスイッチやディストリビューション層(集約層)として便利。
- ルーターより安く高性能を実現:同レベルのスループットをルーターでまかなうとかなり高コストになりがちだが、L3スイッチなら比較的抑えられる。
デメリット
- WAN接続やVPN機能は(ほぼ)持たない:インターネットへ出るには結局ルーターが必要。
- 高度なセキュリティやファイアウォール機能は弱い:ACLなど簡易的なものはあっても、ステートフルインスペクションやプロキシ機能などルーター的セキュリティには非対応。
- 小規模環境だと持て余す:台数や帯域が少ないなら、ブロードバンドルーター1台+安価なL2スイッチで十分なことが多い。導入コストが割高になりやすい。
ルーターWANとLANを結ぶゲートウェイ兼、多機能セキュリティ装置
ルーターは、異なるネットワーク同士を繋ぐ役割を担う機器で、特にWANやインターネットとの接続に欠かせない存在です。
NATやVPN、ファイアウォールなど、外部と通信するときに必要となる多彩な機能を備えています。
- WANインターフェースとLANインターフェース
- PPPoE、DHCPクライアント、固定IPなどISP接続方式に対応。
- 家庭用ブロードバンドルーターならWi-Fi機能付きやファイアウォール統合など“オールインワン”が主流。
- 企業向けは専用線・光回線・LTE回線など多様なWANポートをサポートする。
- NAT(アドレス変換)とVPN
- 社内LANのプライベートIPをグローバルIPに変換し、インターネット通信を可能にするNAT機能を備える。
- 拠点間VPNやリモートアクセスVPNで暗号化通信を実現し、外部からの不正アクセスを防ぎながら社内システムへ接続できる。
- ファイアウォール / ACL / IDS/IPS
- TCPポートベースのフィルタリングや、ステートフル検査、DoS攻撃対策などを含む“境界防御”の中心。
- 大企業向け製品だとIDS/IPS(侵入検知・防御システム)を内蔵する場合もある。
- 動的ルーティングプロトコル
- OSPF、BGP、EIGRPなどに対応し、大規模WANやインターネットAS間で柔軟な経路制御を行う。
- BGPフルルートを保持するようなハイエンドルーターはISPやクラウド事業者のコア設備として重要。
メリット
- インターネット接続の必需品:NAT・ファイアウォール・VPN機能をまとめて提供し、LANと外部を繋ぐ唯一の経路をコントロールできる。
- セキュリティ機能が充実:不正アクセスを防ぎ、必要なトラフィックのみ通す玄関口を作れる。
- 拡張性・柔軟性が高い:ソフトウェアアップデートや追加モジュールで機能を増やせる機種もある。
デメリット
- 大量のLAN内通信には不向き:ソフトウェア中心の処理ゆえ、全セグメントのローカルトラフィックをルーターが捌く構成はスループット低下を招きやすい。
- ポート数が限られる:数ポート~十数ポート程度が普通で、多数の端末直結は想定していない。
- 高性能ルーターは高額:企業向けハイエンド機器では数十万~数百万円以上の費用がかかる場合も多い。
なぜL3スイッチとルーターを組み合わせるのか
両者の長所を同時に活かしたい場合、
LAN内はL3スイッチ、外部接続やセキュリティはルーター
という組み合わせが定番です。
LAN内部のトラフィックをL3スイッチで高速にまとめつつ、外部出入口をルーターが担うことで、以下のメリットが得られます。
- LAN内の大量通信をルーターが捌かなくて済む
VLAN間通信が多い会社や部署間通信などは、ASIC転送可能なL3スイッチが最適。 - 境界セキュリティをルーターで一括管理
インターネットやWANからの攻撃対策やVPN構築などはルーターが得意。 - 役割分担による拡張性
LAN側を拡張したいときはL3スイッチを増設、WAN拠点を増やしたいときはルーターの機能拡張や追加導入、という形で柔軟にスケールできる。
特に中~大規模ネットワークでは、
「アクセス層(端末直結のL2スイッチ)-ディストリビューション層(L3スイッチ)-コア層(ルーター)」
という三層モデルが一般的です。
一方、小規模では単純に
ブロードバンドルーター+L2スイッチ
だけで事足りることも多いでしょう。
規模別の導入シナリオ
家庭・SOHO・数十名規模のオフィス小規模
- ルーター1台+L2スイッチ
数台~十数台の端末しかないなら、家庭用またはSOHO向けブロードバンドルーターのLANポートにPCを直接繋げばOK。
必要に応じてL2スイッチを追加。 - L3スイッチはオーバースペック気味
VLANを大量に分割する必要がなければ、わざわざL3スイッチを導入するコストメリットは薄い。 - ただし、セキュリティ要件が高いor複数セグメント必須なら検討
IP電話や映像監視など、独立したネットワークを作りたい状況があり、さらにトラフィック量が多いならL3スイッチを検討しても良いかもしれません。
数百~数千名が利用する社内LAN中~大規模
- L3スイッチで社内を区切る
部署別・フロア別にVLANを設定し、L3スイッチがそれらを高速に中継。
ルーターにすべての中継が集中しないため、パフォーマンスを最大化しやすい。 - ルーターは境界と拠点間VPNの要
WAN回線を複数持つ大企業なら、ルーターがOSPFやBGPなどを駆使して経路を動的に学習。
セキュリティポリシーやファイアウォール設定もルーター側で集中的に行う。 - TCO(トータルコスト)も下がりやすい
ルーターだけで全セグメントを直結すると、台数やライセンス費用が膨れ上がる可能性あり。
L3スイッチにLANトラフィックを任せた方が最終的に機器投資が減るケースが多い。
大規模データセンター
- L3スイッチがメインでサーバ間通信をさばく
リーフ&スパイン構成など、多段構造のスイッチを用いることでデータセンター内部の膨大な東西(East-West)トラフィックを遅延少なく転送。 - 外部接続はコアルーター
インターネットとのBGPフルルートや大規模なトラフィック制御は、専用のハイエンドルーターが受け持つ。 - SDN/NFVとの連携
近年はSDNコントローラがL3スイッチを一元管理し、ルーターとも連携して柔軟なネットワークを構築する例が増加。
物理機器の境目が薄れつつあるが、物理的な高速転送はやはりL3スイッチが担う。
コストとTCOの観点
初期導入コスト
- L3スイッチ
- 小型/エントリーモデルでも数万円~十数万円、ポート数や背面帯域が増えるにつれて数十万円~百万円超も。
- ただし大規模LAN用にルーターを多台数導入するより安くつく場合も。
- ルーター
- 家庭用ブロードバンドルーターは数千円~数万円で手軽。
- 企業向けだと数十万~数百万円以上。
特にハイエンド機やBGPフルルート対応機は高額。 - VPNライセンスやセキュリティ機能の追加ライセンスで費用がかさむことも多い。
保守・電力・管理運用コスト
- 保守サポート
企業向けのL3スイッチやルーターはメーカー保守が必須の場合も多く、年額費用が発生。
大規模ネットワークだと保守契約費も馬鹿にできない。 - 電力・冷却コスト
ポート数が多いハイエンドL3スイッチやルーターは高消費電力で発熱量も大きい。
サーバルームやデータセンターに設置するなら空調負荷も考慮必須。 - 運用負荷(設定管理)
ルーターはOSやCLIが複雑で、ファイアウォール設定やVPN設定など細かい部分が多い。
一方、L3スイッチもVLAN設計やスパニングツリー調整など専門知識が必要だが、範囲は主にLAN内部なので、外部セキュリティよりはシンプルな場合も。
将来拡張を見据える
ネットワーク刷新のサイクルは5~10年と長めです。
途中で拠点追加や社員増加、あるいは業務システムの移行などが起きるかもしれません。
- LANの拡大見込み:最初からL3スイッチを導入しておくと、あとから部門やVLANを増やしても対応しやすい。
- WANの増強やマルチホーミング:将来VPNを増やす可能性があるなら、ルーター側の拡張性も確保しておく。
- 最適な段階導入:小規模から中規模に移行する時期を見計らって、必要に応じてL3スイッチに置き換える、またはルーターを増強するといった計画を立てる。
思わぬところに潜むコストプロパンガス料金の話
ネットワークコストだけ考えていても、ふとした瞬間に
「他の固定費が無駄に高くついていた」
という場面に遭遇することがあります。
わたしが経験したのは、プロパンガス料金です。
こっそり値上げされているかもしれない
プロパンガスは都市ガスと異なり、
事業者ごとに料金設定が大きく違う
ケースが多いです。
加えて、契約後のタイミングで
「じわじわと従量単価が引き上げられる」
ということもあり得ます。
特にガス会社から明確な通知がなく、気づいたときには
「あれ?なぜかガス代が高い……?」
ということに。
ネットワーク機器をどれだけ効率化しても、生活や職場の光熱費の固定費が増えていたら結局トータルでマイナスじゃないか、というわけです。
「企業のIT担当としてコストを削減しよう!」
と頑張っていたはずが、身近なところで別の無駄が潜んでいるかもしれません。
エネピのような比較サービスを使う
いくつかの料金比較サイトがありますが、わたしの場合はエネピというサービスを試してみて、地域や使用量を入力したところ、自分の家では相場より高いプロパン単価を払っていることが判明。
「この事業者に切り替えれば月々数千円安くなりますよ」
という提案を受けました。
実際に切り替えをすると年間で3万円ほどで違いが出ることもあるので驚きです。
個人の家でもこれくらい違いが生まれるのです。
もし会社で社員寮や社宅を運用していたり、自宅の光熱費が気になる場合などは、一度チェックしてみる価値が大いにあります。
固定費全体を見直す視点
ネットワーク機器の選定だけでなく、会社や家庭で発生する各種固定費をいっぺんに見直すと、予想外の節約ポイントが見つかることも。たとえば、
- 電気料金プラン
単に従量課金だけでなく、時間帯別プランやセット割などで安くなる可能性がある。 - 電話回線や携帯回線
もはやIP電話・モバイル回線主体へ移行して基本料金を下げられるかも。 - プロパンガス
先述の通り、比較サービスで切り替えるだけで大きく変わる可能性。
こうした削減で浮いた資金を、より性能の高いL3スイッチやルーターに回すことで、ネットワーク投資がしやすくなるという相乗効果も期待できます。
IT担当者としては、日常生活からオフィスインフラまで
「見直せるところはどこか」
を総合的に探ると良いでしょう。
>>ガス代が高すぎる!ガス料金の比較チェックはコチラの記事から
L3スイッチとルーターのさらなる比較と考察
ハードウェアアーキテクチャの深堀り
- L3スイッチ
- 多くはASICでパケットルックアップと転送を行うため、ポートごとに理論値に近い速度を出せる“ワイヤスピード性能”が強み。
- VLAN間ルーティングやアクセスリスト(ACL)なども、ハードウェア支援により高速処理が可能。
- 一方、BGPフルルートのように膨大な経路表を保持するのは苦手。
対応メモリが限られている製品が多い。
- ルーター
- ルーティングエンジン(ソフトウェア)+汎用CPUでパケット処理するのが従来型。
- 近年はCisco社のCEF(Cisco Express Forwarding)など、ハードウェア支援で転送を高速化する仕組みも普及。
- 動的に学習・更新する経路表の規模は大きく、BGPフルルートを扱うようなコアルーターは別格のハードウェア性能を持つ。
ルーティングプロトコルと規模
- L3スイッチのルーティングプロトコル
- スタティックルート、RIP、OSPF、EIGRPあたりに対応する機種が多い。
- サブネット数が数十~数百程度の社内LAN規模なら十分対応できるが、インターネットレベルの大規模経路(数十万~数百万経路)は扱えない。
- ルーターのルーティングプロトコル
- OSPFやBGPをフルサポートし、大規模WANやインターネットとのピアリングなど柔軟に対応。
- プロバイダや大手クラウド事業者では数十万以上の経路を保持するコアルーターを使い、複数のISPとの接続を同時に扱う。
セキュリティ/ファイアウォール機能
- L3スイッチ
- ACLによる簡単なフィルタリングや、VLAN間のアクセス制限をかける程度なら可能。
- ステートフルインスペクションやアプリケーションレベルゲートウェイは非対応がほとんど。
- WANからの不正侵入対策はできないため、外部境界には置けない。
- ルーター
- NAT、ポートフォワーディング、VPN終端、ファイアウォール、場合によってはIPS/IDS機能も搭載。
- 全トラフィックをチェックし、必要に応じてログを記録したり不正通信をブロック。
- DMZを構築したり、社内サーバへの外部アクセスを制御するなど、企業ネットワークの防御拠点。
運用管理面
- L3スイッチ
- VLAN設計やポート設定、インターフェース単位のIPアドレス割り当て(SVI)など。
- スパニングツリーやリンクアグリゲーションなどレイヤ2関連設定も含むため、LAN全体のトポロジを理解している必要がある。
- WAN系の知識は必要なく、LAN内部に集中する分だけルーターよりは範囲が限定される。
- ルーター
- WANインターフェースやVPN、BGP、OSPF、ファイアウォールACLなど多岐にわたる設定項目がある。
- 小規模ルーターでも“外部→内部”の動線を管理するためセキュリティ関連の設定が不可欠。
- 一度ミスがあると、インターネットに繋がらなくなる・VPNが落ちる・外部からまる見えになるなど致命的な状況に陥る可能性がある。
SDNやNFV時代への展望
近年、ネットワークは物理機器の個別設定から、SDN(Software-Defined Networking)やNFV(Network Function Virtualization)へとシフトする流れが加速しています。
これは、
- 専用のネットワーク機器(L3スイッチやルーター)の機能をソフトウェア的に抽象化し、
- 集中管理コントローラが全体のトポロジや経路、セキュリティ方針を一元的に制御する、
といった考え方です。
L3スイッチとルーターの境界が曖昧に
SDNの世界観では、スイッチでもルーターでも、パケット転送自体は“データプレーン”として扱われ、経路の制御やセキュリティポリシーは“コントロールプレーン”で一括管理されるため、ハードウェアの違いが薄れていく可能性があります。
- L3スイッチも高度なルーティングプロトコルをコントローラから受け取って実行するケースがある。
- ルーター側もASICによる高速化が進み、物理的にはスイッチと似た構造をとる製品が増える。
結果的に
「実機としては似たような箱が並んでいて、どこがスイッチでどこがルーターか分からない」
という状況になるかもしれません。
とはいえ当面は、中小企業や一般的なオンプレ環境では従来の分かりやすい“L3スイッチ+ルーター”構成が続くでしょう。
まとめ
ここまで「L3スイッチとルーターの違いと使い分け方」を中心に、ネットワーク設計やコスト最適化の観点、そして思わぬところで高騰しているかもしれないプロパンガス料金の話題まで網羅的に解説してきました。
- L3スイッチ
- LAN内部の大量トラフィックを高速処理。
- VLAN間ルーティングやレイヤ2/3ハイブリッドのメリットが大きい。
- WAN接続や高度なセキュリティは担当外。
- ルーター
- WANのゲートウェイ、インターネットとの境界防御、VPNやファイアウォール機能が豊富。
- ソフトウェアベースで柔軟だが、LAN内部の大容量通信をすべて受け持つには不向き。
- 拠点間連携や大規模WANの経路制御に欠かせない。
- 両者併用のメリット
- LAN内と外部接続を役割分担し、パフォーマンスとセキュリティの両立が可能。
- 中~大規模では“L3スイッチ+ルーター”が最も一般的かつ拡張性が高い。
- 小規模ならルーター1台で充分な場合も
- 端末台数が少ない、VLAN分割が必要ない、トラフィックも大きくない、というときは、ブロードバンドルーター+L2スイッチでコストを抑えられる。
- コスト・TCO管理がカギ
- 機器導入費だけでなく、保守・電力・運用負荷を含めたトータルコストを見積もり、将来の拡張にも備える。
- プロパンガス料金などネットワークとは直接関係なさそうな固定費も見直すと、意外な節約効果がある。
- 今後はSDN時代へ
- 物理機器の役割がソフトウェアに吸収される流れがあるが、当面は従来のスイッチとルーターを賢く組み合わせるアプローチが主流。
もし現在、ネットワークを新規構築・刷新・増強しようとしているなら、まずは
自社のトラフィック量や部門構成、将来の拡張見込み、外部との接続要件
を洗い出してみてください。
端末が増え続けるのか、リモートワークが進んでVPN需要が高まるのか、インターネット経由のクラウド利用が加速するのか――そうした要素を考慮し、どこまで内部を高速化し、どこまで境界セキュリティを強化するかを決めると、自然と
「L3スイッチでLANをまとめよう」
「ルーターはここまで必要だな」
という配置が見えてくるはずです。
そして、ネットワーク機器の予算をどう捻出するか悩むようなら、プロパンガスの契約やそのほかの固定費も要チェック。
意外と大きい金額が浮くかもしれません。
エネピなどの比較サービスを活用することで、長らく見直していないガス料金の適正度を確認し、もし高止まりしているなら乗り換えてみるというのも手です。
家計やオフィスの光熱費を減らせば、L3スイッチや高機能ルーターの導入に回せるかもしれませんし、なにより毎月のランニングコストが下がる分、気持ちに余裕が生まれるかもしれません。
最後に、本記事で解説した内容を再要約します。
- L3スイッチの役割:社内LANの高速化とVLAN間ルーティングが得意。WAN接続はできない。
- ルーターの役割:WANやインターネットとのゲートウェイ、セキュリティ(NAT/VPN/ファイアウォール)、大規模経路制御が得意。
- 使い分けのコツ:大規模LANならL3スイッチで内部トラフィックを処理し、外部境界をルーターが担当。小規模ならルーター中心でもOK。
- コスト面のヒント:導入費、保守費、電力、運用負荷だけでなく、プロパンガスなどの身近な固定費見直しも併せて検討すべし。
- 今後の動向:SDNやNFVでスイッチ・ルーターの境界は薄まるが、当面は「L3スイッチ+ルーター」での役割分担がベストプラクティス。
これらを踏まえ、自分たちのネットワークをどう最適化するか、どのタイミングで機器を入れ替えるかを検討してみてください。
中途半端に迷い続けるより、まずは小さなステップでも踏み出すと道が開けるかもしれません。
以上、「L3スイッチとルーターの違いと使い分け方をより深く考察したまとめ」をお届けしました。
もしこれをきっかけに社内LANの改善や固定費見直しに役立てていただければ幸いです。
ワクワクしながらネットワークの可能性を広げていただき、空いた予算で美味しいものを食べに行くとか、ご家族へのちょっとしたプレゼントを買うとか、そんなハッピーサイクルが生まれたら最高ですね。
あなたのネットワーク環境と生活インフラが、もっと快適でコストパフォーマンス抜群になりますように。ご一読、ありがとうございました。