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イースシリーズのストーリーを時系列順に結末までネタバレ

やっほー! 突然ですが、冒険、足りてますか?

毎日満員電車に揺られ、会社と家の往復…なーんて、ちょっとお疲れ気味のそこのアナタ! 日常を抜け出して、胸躍る冒険の世界にダイブしたくない?

そんなあなたに超絶オススメしたいのが、日本ファルコムが誇るアクションRPGの金字塔、『イース』シリーズなんです! 1987年に産声を上げてから、なんと35年以上! 私がまだピチピチ(?)だった頃から、ずーっとゲームファンを虜にし続けてる、まさにレジェンド級のシリーズなんですよ、これが。

主人公は、一度見たら忘れられない燃えるような赤毛のイケメン冒険家、その名もアドル=クリスティン

彼が世界中を駆け巡り、その波乱万丈な冒険を書き記したとされる「冒険日誌」――それを紐解く形で、私たちは壮大な物語を追体験するってワケ。

これがね、もう、たまらないんですよ。

サクサク動いてバッサバッサ敵をなぎ倒す爽快アクション! 出会いと別れ、陰謀と裏切り、そして胸を打つ感動のドラマ! しかも、一度聴いたら耳から離れない、珠玉のBGM付き! 控えめに言って、最高です。

さて、この記事はですね、「イース、気になってるけど、話が繋がってるの?」「昔やったけど、ストーリー忘れちゃった…」「全シリーズの結末まで、ガッツリ知りたい!」「設定とか考察とか、マニアックな話もどんとこい!」…そんな、ありとあらゆるイースへの愛と好奇心を持て余している、そこのあなたのために書きました!

重要警告

この記事は、イースシリーズの根幹に関わるストーリー、キャラクターたちの運命、そして各作品のエンディングについて、容赦なく、それはもう徹底的に、ネタバレしています!

「自分の力で結末を知りたい」「初見の感動を大事にしたい」

という方は、お願いですから、今すぐこのページを閉じてください!

マジで!

後悔しても知りませんよ!?

あなたの冒険の楽しみを、私が台無しにしちゃうかもしれないから!

…それでも「知りたい!」という、覚悟完了済みの冒険者(あるいは私のような考察好き)のあなた。

ようこそ、イース沼へ。

それでは、アドル君の長く、激しく、そしてちょっぴり(?)不運な冒険の軌跡を、一緒に辿っていきましょうじゃないですか!

アドル君は何処へ行ったのか?(2025年版)イースシリーズ作品 時系列パーフェクトリスト

まず押さえておきたいのが、この「時系列」。

イースって、ゲームが出た順番=物語の順番じゃないんですよね。

そこがまた、ややこしくも面白いところ。

主人公アドルの年齢と、彼が書いたとされる「冒険日誌」を基準に整理すると、こうなります。

(リメイク版は最新設定準拠ね!)

時系列順作品名 (リメイク含む最新版準拠)アドルの年齢冒険の舞台 (冒険日誌タイトル)主な対応プラットフォーム(2025年現在)
0イース・オリジン (Ys Origin)(登場せず)古代イース (ダームの塔) / 約700年前PC, PS4, Vita, Switch
1イースⅠ (Ys I Eternal / Chronicles+)17歳エステリア (失われし古代王国 序章)PC, PSP, Mobile, Switch (Chronicles+)
2イースⅡ (Ys II Eternal / Chronicles+)17歳古代王国イース (失われし古代王国 最終章)PC, PSP, Mobile, Switch (Chronicles+)
3イースⅩ -NORDICS- (Ys X)17歳オベリア湾周辺 (北人の失楽園)PS5, PS4, Switch
4イース セルセタの樹海 (Ys: Memories of Celceta)18歳セルセタ地方 (セルセタの樹海)Vita, PS4, PC
5イース -フェルガナの誓い- (Ys: The Oath in Felghana)19歳フェルガナ地方 (フェルガナ冒険記)PC, PSP, Switch
6イースV 失われし砂の都ケフィン (Ys V)20歳サンドリア周辺 (砂の都ケフィン)SFC (※注意:ファルコム公式フルリメイク未発表)
7イースVIII -Lacrimosa of DANA-21歳セイレン島 (ゲーテ海案内記)Vita, PS4, PC, PS5, Switch
8イースVI -ナピシュテムの匣- (Ys VI)23歳カナン諸島 (翼の民を求めて)PC, PS2, PSP
9イースSEVEN (Ys SEVEN)23歳アルタゴ公国 (アルタゴの五大竜)PSP, PC
10イースIX -Monstrum NOX-24歳バルドゥーク (バルドゥークの檻)PS4, Switch, PC, PS5
(11以降)(タイトル未定・今後の新作)(25歳~)(更なる未知の世界へ…)(期待して待ちましょう!)

時系列の歩き方ガイド

  • 数字に惑わされるな!: 見ての通り、『X (10)』が若かりし17歳のアドルの話だったり、『VIII (8)』が『VI (6)』より前の話だったり。このリスト順が、彼の人生を追う正しいルートです。ここ、テストに出ますよ(何の?)。
  • リメイクは公式見解: 『III』→『フェルガナ』、『IV』→『セルセタ』のように、ファルコム自身がリメイクした作品は、単なる焼き直しじゃありません。後の作品との設定の整合性を取るために、ストーリーや細かい設定がアップデートされてるんです。これを「新約イース」と呼んで、現在の公式ストーリーと考えるのがセオリー。(だから『V』の扱いがちょっと難しいんですよね…ファルコムさん、リメイク待ってます!)
  • 一本でも、全部でも: 基本的に『I』と『II』以外は、その作品だけで物語はちゃんと完結します。だから、気になる作品からつまみ食いしても大丈夫! でもね、シリーズを通して登場する「有翼人」とか「ロムン帝国」とか、そういうキーワードを意識しながら時系列順に追っていくと、「あ、あの時のアレがここに繋がるのか!」っていう、鳥肌モノの発見があったりするんですよ。これがまた、たまらない。

アドル君が見た世界の真実と、その結末(時系列順・容赦なしネタバレ)各作品ストーリー完全解説

さて、ここからが本番中の本番!

アドル君が体験したであろう冒険を、一つ一つ、その始まりから終わりまで、隠すことなく語っていきましょう。

彼が何と出会い、何と戦い、何を知り、そしてどんな結末を迎えたのか…。

心して、彼の冒険日誌の頁をめくってください。

【0】イース・オリジン (Ys Origin) - 英雄不在の時代、女神と守護者たちの誓い

舞台と背景:全ての始まり

この物語に、我らがアドルは登場しません。

時代は、彼がエステリアの地に降り立つ遥か昔、約700年前。

かつてエウロペの地に栄華を誇った「古代イース王国」は、突如として世界を覆い始めた魔物の大群によって滅亡の危機に瀕していました。

双子の女神レアとフィーナ、そして彼女たちに仕える六人の神官は、最後の手段として、イースの民と王国の中枢であるサルモン神殿を、禁断の力を用いて大地から切り離し、天空へと浮上させるという荒業に打って出ます。

これで安全かと思いきや…なんと、イースの繁栄の源であり、同時に魔物を生み出す元凶ともされる神秘の至宝《黒真珠》と共に、女神二人が忽然と姿を消してしまうのです! 「女神様、どこ行ったん!?」とパニックになる天空の民。

残された神官たちは、女神捜索のため、精鋭たちによる決死隊を結成。

彼らが目指すは、魔物の巣窟と化し、不気味にそびえ立つ地上の巨大建造物「ダームの塔」。

そう、ここは全ての始まり――オリジン――の物語なのです。

物語の核心:女神を追う者たち、それぞれの正義

プレイヤーは、主に三人の視点からこの絶望的な塔の探索を体験する。

女神への忠誠心に燃える騎士団の少女ユニカ=トバ

六神官の血筋であり、若き天才魔道士として苦悩するユーゴ=ファクト

そして、特定の条件でその物語が解放される、圧倒的な力を持ち、多くを語らぬ「鉤爪の男」(その正体は…!)。

彼らはそれぞれの想いと使命を胸に、塔を登っていきます。

塔内部では、女神の力を我が物にしようと企む邪悪な魔道士ダレスや、獣のような力を持つキシュガル、妖艶な女戦士エポナといった、一筋縄ではいかない敵が待ち受けます。

なぜ女神は姿を消したのか? 誰が敵で、誰が味方なのか? それぞれの正義と信念がぶつかり合い、悲劇的な運命が交錯する。

若き主人公たちが、それぞれの弱さや葛藤と向き合い、成長していく姿が、非常にドラマティックに描かれます。

特に、ファクト家にまつわる悲劇的な運命は、後の『イースⅠ・Ⅱ』にも深く影を落とすことになります。

主人公によって見える真実が異なるため、周回プレイ推奨! ここで描かれる「真実」が、イースの世界観の根幹を成していると言っても過言ではありません。

結末と遺されたもの:女神の崇高なる犠牲、そして700年後の希望へ(ネタバレ)

  • 塔の頂に近づくにつれ、女神失踪の本当の理由が明らかになります。それは、逃亡などではなく、むしろ真逆の、あまりにも崇高な自己犠牲の精神からでした。彼女たち――レアとフィーナ――は、《黒真珠》がイースにもたらした繁栄の裏で、その強大すぎる力が人々の心を蝕み、魔物を生み出す元凶となっていることに深く心を痛めていました。これ以上、この危険な力を天空のイースに留めておくわけにはいかない。

    彼女たちは、自らの手で《黒真珠》を地上に運び、安全に封印・管理するために、誰にも告げずに密かに塔へと降り立っていたのです。

    それは、イースの未来を守るための、女神としての、そして民を愛する者としての、究極の選択でした。

  • 塔の中では、女神を追う者、守る者、利用しようとする者たちの思惑が激しく衝突します。特に、「鉤爪の男」ことトール=ファクト(ユーゴの兄)は、父である神官カイン=ファクトに反逆し、禁断の魔の因子をその身に取り込んでまで、独自のやり方で女神を守ろうとします。その力と目的の謎故に、当初はユニカやユーゴと敵対しますが、彼もまた歪んだ形での女神への忠誠心から来ていたことが徐々に明らかになっていきます。
  • そして、全ての陰謀の頂点にいたのは、驚くべきことに六神官の一人であり、ユーゴとトールの実の父親であるカイン=ファクトでした。彼は、かつては女神に忠実に仕える賢者でしたが、長き時の中で《黒真珠》の持つ無限の魔力に完全に取り憑かれ、それと一体化することで、神をも超える新たな世界の支配者になろうとしていたのです。邪悪な魔道士ダレスでさえ、カインの壮大な野望を実現するための、捨て駒の一つに過ぎませんでした。
  • 最終決戦。息子トールは、道を違え、魔道の深淵に堕ちた父カイン(黒真珠と一体化)との、あまりにも悲劇的な戦いに挑み、これを打ち破ります。しかし、力の根源である《黒真珠》そのものは、破壊することも消滅させることも不可能でした。このままでは、いつか再び世界に災厄をもたらす。

    その邪悪な力を永遠に封じ込めるため、女神レアとフィーナは、最後の、そして最も尊い決断を下します。

    それは、自らが持つ神としての力と永遠の命を全て放棄し、人間となり、その身をもって《黒真珠》を石化封印すること。

    彼女たちは、700年後の未来に必ずや現れるであろう、真の勇者(アドル)の訪れを信じて。

  • 女神たちの犠牲により《黒真珠》は封じられた。トールは、魔の因子を抱えたまま、女神たちの眠りを守る守護者として、そして封印の監視者として、ダームの塔に永劫留まることを選びます。一方、ユニカとユーゴは、女神たちの意志と希望を継ぎ、生き残ったイースの民を率いて、地上で新たな時代を築いていくことを誓う。これが、700年後のアドルの冒険へと繋がる、イース王国の起源であり、悲劇であり、そして希望の始まりを告げる物語の結末です。

【1】イースⅠ (Ys I Eternal / Chronicles+) - 赤毛、漂着、そして伝説の序章

舞台とアドルの状況:嵐の海から、閉ざされた島へ

オリジンの悲劇から700年。

アドル=クリスティン、17歳。

冒険への無限の憧れを胸に、故郷の小さな山村を飛び出したばかりの、まさに「駆け出し」の少年です。

彼が目指したのは、エウロペ大陸の西端に浮かぶ「エステリア島」。

そこには、かつて栄えたという伝説の古代王国「イース」の秘密が眠ると言われていました。

しかし、島は原因不明の巨大な「嵐の結界」によって完全に閉ざされ、近づく船をことごとく飲み込んでいました。

それでも(あるいは、だからこそ)アドルは諦めない! 小さなボートで無謀にも結界に突っ込み…そして、お約束のように難破! しかし、そこがアドル・クオリティ。

彼は奇跡的に島の浜辺に打ち上げられ、港町ミネアの心優しい医師ブランディに助けられます。

傷つき、見知らぬ土地に一人放り出された少年。

ここから、彼の、そして我々の「イース」の冒険が、まさに幕を開けるのです。

物語の核心:イースの書を探せ! 導かれるままに島を駆ける

目覚めたアドルを待っていたのは、異様な状況でした。

島を覆う嵐の結界、突如として現れた凶暴な魔物たち、そして島の経済を支えていた銀の採掘がなぜか停止しているという不穏な事実。

ミネアの町で出会った、未来を見通す力を持つ美しい占い師サラ=トバ(かつての英雄ユニカの子孫か?)は、アドルの瞳に宿る特別な輝きを見抜き、彼こそがエステリアを覆う邪悪を祓い、島を救う運命にある「勇者」だと告げます。

そして、その使命を果たす鍵となる、古代イース王国の真実が記された「6冊の《イースの書》」を探し出すよう、アドルに託すのです。

まだ右も左も分からないアドルですが、持ち前の行動力と好奇心で、この依頼を引き受けます。

目指すはゼピック村、草原、神殿、廃坑、そして不気味にそびえる「ダームの塔」。

道中では、粗野だけど頼りになる力自慢の盗賊ドギとの、後の長い付き合いの始まりとなる出会いがあります。

また、行く先々でアドバイスをくれたり、不思議なアイテムをくれたりする、神秘的な二人の女性、レアフィーナにも出会います(彼女たちの正体は、まだ秘密…!)。

敵に体当たりして倒す!という、今となっては伝説的な「イースアクション」の原点を体験しながら、銀の剣、鎧、盾を揃え、魔物と戦い、島の人々の悩みを聞き、少しずつイース王国の謎に迫っていく。

この手探り感、冒険してる!っていうワクワク感こそ、『イースⅠ』の原初的な魅力なんですよね。

結末と次なる舞台へ:黒衣の魔導師、塔の頂での対峙、そして空へ(ネタバレ)

  • アドルは、その驚異的な行動力と(おそらく)強運によって、島中に散らばった《イースの書》――ハダル、トバ、ダビー、メサ、ジェンマ、そして最後のファクトの書――を次々と発見していきます。これらの古代文字で書かれた書物を解読していく(あるいは、解読できる人物に託す)ことで、かつてこの地に存在した古代イース王国の栄華と悲劇、双子の女神と六人の神官の伝説、魔力を帯びた金属「クレリア(銀)」の秘密、そして現在島を覆っている魔物の発生源についての情報が、パズルのピースのように組み合わさっていきます。そして六冊全てが揃った時、全ての元凶が、あの忌まわしき「ダームの塔」にあることが明確に示されるのです。
  • しかし、塔への道は閉ざされている…。ここで頼りになるのが、我らがドギ! アドルが塔への侵入方法に悩んでいると、ドギが持ち前の怪力で監獄の壁を文字通りブチ破り、道を開いてくれるのです!(「壁壊しのドギ」の伝説はここから始まった!)塔の内部は、複雑に入り組んだ迷宮。強力な魔物が徘徊し、悪意に満ちた罠が仕掛けられています。アドルは、塔の中で詩人を名乗るレア(女神)から、魔を祓う力を持つという「銀のハーモニカ」を託され、さらに、塔の奥深くに囚われていたもう一人の神秘的な女性フィーナ(女神)を救出します。

    彼女たちの存在と言葉が、アドルの進むべき道を示唆していきます。

  • そして、数々の試練を乗り越え、アドルはついにダームの塔の最上階へと到達します。そこで彼を待ち受けていたのは、禍々しい黒衣を身に纏い、圧倒的な魔力を放つ魔導師「ダルク=ファクト」。彼は700年前の六神官の一人、ファクトの血を引く末裔であり、今回のエステリアの異変を引き起こした張本人だった。彼は、かつてのイースの理想とその崩壊を知るが故に、現代の人間の欲望と愚かさに深く絶望していました。

    そして、魔物の力によってこの世界を一度「無」に帰し、浄化することこそが真の救済であると信じていたのです。

    彼の瞳には、狂気と共に、ある種の悲哀が宿っていました。

  • アドルは、エステリアの未来を、そして出会った人々を守るため、ダルク=ファクトとの宿命の対決に挑みます。銀の武具に宿るクレリアの力、女神から託されたアイテム、そして自らの剣技と勇気を武器に、激しい戦いを繰り広げます。死闘の末、アドルはついにダルク=ファクトを打ち破ります。断末魔に、ダルク=ファクトは「イースは…まだ…滅んではおらぬ…愚かな…」という謎めいた言葉を残し、その場に彼の黒いマントだけを残して消滅します。

    戦いは終わった…かに見えました。

    しかしその直後、アドルが持っていた六冊のイースの書が激しく共鳴し、まばゆい光を発します。

    光はアドルの全身を包み込み、彼の体は意思に反して、ゆっくりと天空へと引き寄せられていきます。

    傍らには、救出したフィーナとレアの姿が。

    「アドルさん…私たちは…」。

    彼女たちが、自らが700年の眠りから目覚めたイースの双子の女神であることを明かす、その衝撃的な瞬間――物語は、最高潮の盛り上がりの中で幕を閉じ、プレイヤーを『イースⅡ』という、更なる壮大な冒険へと誘うのです!

【2】イースⅡ (Ys II Eternal / Chronicles+) - 天空の輝き、約束の地と女神の選択

舞台とアドルの状況:雲上の王国、新たな出会いと迫る魔の手

『イースⅠ』のラストシーン、光に包まれ天空へと昇っていったアドル(17歳)。

彼が辿り着いた場所は、まさに伝説そのもの――雲の上に浮かぶ「古代王国イース」でした。

700年前、魔物の侵攻から逃れるために大地を離れた、あのイースです。

しかし、そこは楽園ではありませんでした。

地上と同じく、いや、それ以上に深刻な魔物の脅威に晒され、人々は怯えて暮らしていたのです。

アドルはイースの大地に降り立った衝撃で気を失い、辺境にある「ランスの村」で、心優しい少女リリアとその家族によって介抱されます。

リリアは重い病を患っていましたが、アドルの来訪が彼女の運命にも大きな転機をもたらします。

アドルは、この失われたはずの天空の王国で、イースの民を苦しめる魔物の根源を突き止め、彼らを救うため、そして自身が愛する故郷、地上へと帰還する方法を探すことを決意します。

その手には剣だけでなく、新たに目覚めた「魔法」の力が宿っていました。

物語の核心:魔法と絆、明かされる真実、そして女神の愛

『イースⅡ』は、『Ⅰ』から続く物語の壮大な完結編であり、イース王国創生の秘密、女神と六神官の真実、そして全ての元凶である《黒真珠》を巡る謎が、ついに解き明かされるクライマックスです。

アドルは、イース各地に点在する女神像に触れることで、女神フィーナとレアから直接、啓示と導きを受けます。

そして、失われた古代の魔法――炎を放つ「ファイア」、暗闇を照らす「ライト」、瞬時に村へ戻れる「リターン」、時を止める「タイムストップ」、身を守る「シールド」、そして心を読み解く「テレパシー」――を次々と習得していきます。

特に、壁を破壊できるファイア、そして言葉を話せない者(動物や魔物に変えられた人々)と心を通わせることができるテレパシーは、探索や物語を進める上で非常に重要。

この魔法システムが、『Ⅱ』の冒険をより豊かで戦略的なものにしています。

ランスの村で出会い、アドルが薬草を探して病気を治すことになるリリアとの交流は、物語に温かみを与えます(彼女はアドルに好意を寄せるように…?)。

また、かつての六神官の子孫たち――リリアの母であり、トバ神官の末裔であるバノア、ファクト神官の末裔であり、魔物の姿に変えられてしまった青年キース=ファクトなど――との出会いと協力も、物語を動かす鍵となります。

しかし、平和を取り戻そうとするアドルたちの前に、強大な敵が立ちはだかります。

それは、700年前の『オリジン』の時代にも暗躍し、長い時を経て再び復活を遂げた邪悪な魔道士「ダレス」。

彼は《黒真珠》の力を悪用し、イース全土を魔の力で支配しようと企んでいたのです。

アドルは、かつての繁栄の面影を残すラスティーニの廃坑、灼熱の溶岩が流れるバーンドブレス、極寒の氷に閉ざされたノルティア氷壁といった、危険に満ちたダンジョンを探索し、魔法と剣を駆使してダレスの軍勢と戦います。

そして物語は、女神フィーナとアドルとの間に密かに育まれる、淡く、切なく、そして運命的な愛情と共に、避けられない最終決戦へと向かっていくのです。

結末と次なる舞台へ:魔王ダーム、女神の犠牲、そして永遠の別れ(ネタバレ)

  • アドルは、女神たちの導きと、リリアやキース(後に人間の姿に戻る)ら仲間たちの助けを得て、イース各地に隠された六神官ゆかりの強力な武具やアイテムを集め、着実に力を増していきます。そして、全ての元凶がいるであろう、イースの中枢にして魔物の本拠地と化し、「サルモン神殿」の最深部へと、決死の覚悟で乗り込みます。
  • 神殿の最奥でアドルを待ち構えていたのは、やはり魔道士ダレスでした。彼は《黒真珠》の力を解放し、強大な魔力をもってアドルに最後の戦いを挑んできます。アドルは、これまでの冒険で得た全ての力――クレリア製の最強装備、多彩な魔法、そして決して諦めない勇気――を振り絞り、激闘の末にダレスを打ち破ります。「これで、イースに平和が…!」誰もがそう思った瞬間、真の絶望がその姿を現します。
  • ダレスすらも、巨大な悪意の手駒に過ぎませんでした。全ての黒幕、それは700年前に女神たちによって、その存在そのものが封印されたはずの「魔の根源」――すなわち、《黒真珠》そのものだったのです! 長き封印の中で邪悪な意思を肥大化させた《黒真珠》は、完全なる破壊の化身、魔王「ダーム」として復活を遂げたのでした。ダームの放つ圧倒的な闇の力の前に、天空の王国イースは、今度こそ完全に飲み込まれようとしていました。
  • 絶望的な状況。しかし、アドルは立ち上がります。地上に残った女神レアからの支援の光、そして傍らで彼を信じ、最後の力を振り絞って祈りを捧げる女神フィーナの想い。さらに、アドルが集めた六神官の秘宝が一つとなり、奇跡の力を生み出します。

    アドルは、人類の、そしてイースの未来を賭けて、魔王ダームとの最終決戦に挑みます。

    それは、まさに神話として語り継がれるべき、壮絶な戦いでした。

    そして、アドルはついに、魔王ダームを打ち滅ぼすことに成功するのです。

  • しかし…。魔王ダームという「形」は滅びても、その力の根源である《黒真珠》は、依然として邪悪な輝きを放ち、そこに存在し続けていました。このままでは、いつか再び《黒真珠》は新たな災厄を生み出すだろう。未来永劫に渡って、この世界から《黒真珠》の影響を完全に断ち切るために、フィーナとレアは、最後の、そして最も悲しく、最も尊い決断を下します。

    それは、自らの神としての力と不死性を全て放棄し、普通の人間となり、その身を捧げて《黒真珠》を永遠に封印すること。

  • 女神たちの、あまりにも大きな犠牲によって、《黒真珠》はその輝きを完全に失い、無力化されました。イースを覆っていた魔の力は霧散し、700年間天空を漂っていたイースの大地は、女神たちの最後の願いに応えるかのように、ゆっくりと、しかし確実に、故郷である地上へと帰還を開始します。アドルは、人間となった女神たち、病気を克服し強く成長したリリア、そして共に戦い抜いたイースの仲間たちとの、避けられない別れを迎えます。特に、最後にフィーナがアドルにだけそっと伝える想い(それは愛の告白か、永遠の感謝か、あるいは未来への約束か…解釈はプレイヤーに委ねられる)は、あまりにも切なく、美しく、多くのプレイヤーの涙腺を決壊させた、シリーズ屈指の名場面です。
  • 最初の、そしてあまりにも大きな冒険と、尊い犠牲、そして胸が締め付けられるような別れを通して、アドルは冒険家として、そして一人の人間として計り知れないほどの成長を遂げました。彼は、地上へと帰っていくイースの人々を見送り、自らもまた、フィーナとの約束(いつかまた会えるという希望?)を胸に、まだ見ぬ広大な世界へと旅立つことを決意します。「失われし古代王国」と題された彼の最初の冒険日誌は、ここで感動的な幕を閉じます。この経験こそが、彼の生涯にわたる冒険の原動力であり、彼の優しさと思いやり、そしてどんな困難にも立ち向かう勇気の源泉となったことは、想像に難くありません。

【3】イースⅩ -NORDICS- (Ys X) - 北海に響く相棒の唄、マナと呪いの輪舞曲

舞台とアドルの状況:セルセタへの航路、北人との出会い

イースでの壮大な冒険、そして女神との忘れられない別れから、わずかな時が流れた頃。

冒険家としての道を歩み始めたばかりのアドル(17歳)は、今や頼れる相棒となったドギと共に、次なる目的地、広大な樹海が広がるという「セルセタ地方」を目指していました。

彼らが選んだ航路は、エウロペ大陸の北方を巡るもの。

その途中、彼らは複雑な島々が点在する「オベリア湾」と呼ばれる海域に立ち寄ります。

そこは、「ノーマン」と呼ばれる、海と共に生きる屈強な海洋民族が支配する、荒々しくも美しい場所でした。

アドルはそこで、ノーマンの族長の娘でありながら、自ら巨大な戦斧を軽々と振るい、海賊たちを率いる、勝ち気で誇り高き少女「カージャ=バルタ」と、まさに運命としか言いようのない出会いを果たします。

しかし、その出会いは嵐の予兆。

オベリア湾の覇権を虎視眈々と狙う、あのロムン帝国の最新鋭艦隊が現れ、アドルたちはノーマンと帝国の争いの渦中へと、否応なく巻き込まれていくのです。

物語の核心:離れられない二人、不死の脅威、そして古代の力「マナ」

激しい海戦の最中、アドルとカージャは、突如として発生した不可思議な現象に見舞われます。

古代の祭壇から放たれたかのような眩い光、そして彼らの体を貫く不思議なエネルギー。

気が付くと、二人の魂は目に見えない、しかし強固な繋がり――古代ノーマンの言葉で「マナ」と呼ばれる力――によって結びつけられ、互いに一定の距離以上、物理的に離れることができなくなってしまったのです! それは、ノーマンに伝わる伝説の共生関係、「相棒(バルタ)」の呪縛でした。

性格も立場も正反対、おまけに初対面で敵対しかけた二人が、四六時中くっついていなければならない状況に。

「なによアンタ!」「そっちこそ!」と反発しあいながらも、彼らはこの奇妙な呪いを解くため、そして同時期にオベリア湾全域に出没し人々を恐怖に陥れていた、何度倒しても蘇る不死の怪物「グリーガー」の謎を追うため、不本意ながら(?)コンビを組むことになります。

本作『イースⅩ -NORDICS-』の最大の目玉は、このアドルとカージャのW主人公体制と、それを活かした新バトルシステム「クロスアクション」。

プレイヤーは、状況に応じて、アドル単独でスピーディーに戦う「ソロモード」と、アドルとカージャが力を合わせ、強力なガードや連携技、必殺のコンビネーションスキルを繰り出す「コンビモード」を瞬時に切り替えながら戦います。

この新感覚のアクションが、冒険をよりダイナミックで戦略的なものにしています。

さらに、プレイヤーは自身の船「サンドラス号」を入手し、広大なオベリア湾の島々を自由に探索することが可能になります。

uncharted な島々を発見し、船を強化したり、時には敵船との海戦を繰り広げたり。

この「海洋冒険」の要素も、本作ならではの大きな魅力です。

物語は、最初はギクシャクしていたアドルとカージャが、数々の困難を乗り越える中で、徐々に互いを認め合い、唯一無二の「相棒」としての深い絆を育んでいく過程を、丁寧に、そして時にユーモラスに、時に熱く描きます。

彼らは、不死身のグリーガーの正体、それらを生み出すとされる古代の力「マナ」の秘密、そしてノーマンの民族が隠してきた過去の歴史と、その裏に潜む巨大な陰謀へと迫っていきます。

17歳という、若く多感な時期のアドルの冒険が、魅力的な「相棒」と共に、北の厳しくも美しい海を舞台に、かつてないスケールで繰り広げられるのです。

結末と次なる舞台へ:マナの解放と終焉、束の間の相棒との別れ、そして63歳の約束へ(ネタバレ)

  • アドルとカージャは、オベリア湾の島々を巡る冒険と、ノーマンの伝承を紐解く中で、不死の怪物グリーガーが通常の物理攻撃では決して滅ぼすことができず、彼ら自身が操る「マナ」の力を用いて浄化しなければならないことを突き止めます。彼らは、ノーマンの屈強な戦士グレンや、船大工の快活な娘ロザリンド、怪しげな情報屋フェリアといった個性的な仲間たちの協力を得ながら、グリーガー発生の根源、そしてそれを操り、オベリア湾に混乱をもたらしている存在へと迫っていきます。もちろん、彼らの行く手には、ロムン帝国の執拗な追手も立ちはだかります。
  • そして、ついにグリーガーとマナに関する衝撃的な真実が明らかになります。不死の怪物グリーガーとは、遥か昔、ノーマンがその繁栄と力の源として利用していたとされる、強大にして制御困難なエネルギー「マナ」が暴走した結果、その力に汚染され、不死の呪いを被ってしまった哀れな生物や、あるいは人間自身の成れの果てだったのです。ノーマンの賢明な先人たちは、そのあまりにも危険な力を自ら封印し、歴史から抹消しようとしました。しかし、現代において何者かが、その禁断の封印を破り、再びマナの力を解き放ち、世界を自らの欲望のために利用しようとしていたのです。
  • 一連の事件を引き起こし、マナの力を復活させて世界を再びノーマンの支配下に置こうと画策していたのは、古代ノーマンの時代に絶対的な力を誇ったとされる伝説の三将軍――オーズ、ラーグ、フギル――の歪んだ思想と野望を受け継ぐ者たちでした。彼らは、カージャが持つ特別な「巫女」としてのマナの資質に目をつけ、彼女を利用して計画を完成させようとしていたのです。
  • アドルとカージャは、これまでの冒険で育んできた「相棒」としての揺るぎない絆、そしてオベリア湾で出会った仲間たちの総力を結集し、この古代からの陰謀に最終決戦を挑みます。激しい戦いの末、彼らは黒幕たちの野望を打ち砕き、マナの力の源泉となっていた古代の祭壇(あるいはそれに類する装置)を破壊することに成功します。これにより、オベリア湾全域を覆っていたグリーガー化の忌まわしい呪いは完全に解かれ、長きにわたるノーマンの負の遺産との戦いに、ようやく終止符が打たれたのでした。
  • 全ての元凶であったマナの力がオベリア湾から消え去ったことで、アドルとカージャを物理的にも精神的にも固く結びつけていたマナの糸もまた、静かに、そして少し寂しく消滅しました。二人は呪縛から解放され、自由の身となりました。しかし、それは同時に別れの時が来たことも意味していました。カージャは、多くの犠牲と学びを経て、ノーマンの民を未来へと導く若き指導者として、愛する故郷の海に残り、生きていくことを決断します。

    アドルは、カージャとの別れを深く惜しみながらも、彼女の決意と未来を尊重し、ドギと共に、本来目指していた次なる冒険の地「セルセタ」へと、再び船を進めることを決意します。

    わずかな期間でありながら、文字通り一心同体となって幾多の死線を潜り抜け、互いを唯一無二の存在として認め合った「相棒」との出会いと別れは、17歳のアドルの心に、友情とは何か、信頼とは何か、そして背負うべき責任の重さとは何かを、鮮烈に刻み込んだに違いありません。

    「北人の失楽園」と題された冒険日誌には、北の海の荒波と、熱き魂の交歓が記されているはずです。

  • だが、物語はここで終わらない。エピローグにおいて、アドル(あるいはプレイヤー)は、未来の出来事を幻視します。それは、約46年の歳月が流れ、白髪混じりの63歳となった、もはや生ける伝説となった冒険家アドルと、同じく老境に入ったドギの姿。彼らは、「彼女(カージャ)が北の果てで消息を絶った」という衝撃的な報せを受けます。

    そして、アドルは、おそらくはこれが最後の冒険になるであろうことを覚悟し、人跡未踏の極地「北極点」へと、カージャを探す(あるいは彼女が見たものを見届ける)ために、ドギと共に旅立つことを決意する――。

    このシーンは、イースシリーズが始まった当初から断片的に語られてきた「アドルは63歳で北極探険中に消息不明となった」という、彼の人生の終着点に関する伝承に、極めて具体的で、感動的で、そして切ない「理由」を与えました。

    アドルとカージャの物語は、単なる一過性の出会いではなく、アドルの生涯を貫く、運命的な繋がりであったことを強く示唆し、多くのファンの心を揺さぶりました。

    この「最後の冒険」の真実が、いつか描かれる日は来るのでしょうか…?

【4】イース セルセタの樹海 (Ys: Memories of Celceta) - 記憶なき冒険家、森が囁く古代の歌

舞台とアドルの状況:私は誰? 樹海の入り口での再起動

北の海での「相棒」との冒険(X)を終え、幾多の航海を経て、アドル(18歳)はようやく当初の目的地であった、エウロペ大陸中央部に広がる、広大にして神秘的な大森林地帯「セルセタの樹海」に足を踏み入れます。

しかし、彼が樹海の入り口にある鉱山の街「キャスナン」に現れた時、その姿は尋常ではありませんでした。

ボロボロの衣服、そして何より、自分自身に関する全ての記憶を失っていたのです。

「俺は…誰だ…?」――そんな状態のアドルに、偶然声をかけたのが、キャスナンの街で情報屋を営む、腕っぷしは強いがどこかお調子者の男、デュレンでした。

彼は、アドルが明らかに常人ではないこと、そして樹海から現れたこと、そして何か特別な事情を抱えていることを見抜く。

アドルは、失われた「自分」という存在の手がかりを求め、そして自分をこんな状態にしたであろう樹海の謎を解き明かすため、デュレンを(一時的な?)相棒として、古来より「足を踏み入れた者は生きては戻れない」と恐れられ、地図にすら空白地帯として記される、セルセタの樹海へと、再び危険な冒険に身を投じることになります。

まさに、冒険家アドル・クリスティンの「再起動(リブート)」とも言える物語の始まりです。

物語の核心:失われた記憶のピース、古代文明の叡智、そして有翼人の影

『セルセタの樹海』(旧作『イースIV』を、ファルコム自身が現代的な解釈と『VI』以降の設定を盛り込んでリメイクした決定版)は、アドルの個人的な「記憶を取り戻す」というミステリーと、セルセタ地方全体に隠された壮大な「古代文明の謎」を探求する冒険が、二重螺旋のように絡み合いながら展開する、非常に没入感の高い作品です。

プレイヤーは、アドルと共に広大な樹海を探索する中で、点在する蒼い光――「記憶の欠片」――に触れることで、アドルの失われた過去の記憶の断片を追体験していきます。

なぜ彼は冒険家を目指したのか? どんな剣の修行を積んだのか? そして、この樹海の奥で一体何が起こったのか? これらの記憶のピースを集め、繋ぎ合わせていく過程が、プレイヤーとアドルとの一体感を強くし、物語への興味を掻き立てます。

冒険の途中では、アドルとデュレンの他にも、樹上集落コモドで育った、獣と心を通わせる快活な女戦士カーナ(獣使いでもある)、水上集落セルレイの真面目で屈強な守護者オズマ、風の民が住むハイランドの集落で神秘的な力を受け継ぐ幼い巫女カンリリカ、そしてダナンの集落で古代の知識と工芸技術を受け継ぐ聡明な女性フリーダといった、個性豊かで魅力的な仲間たちが加わります。

彼らと共にパーティを組み、それぞれの能力(フィールドでの特殊アクションもある!)を活かして、時には協力し、時には意見をぶつけ合いながら、広大な樹海マップを隅々まで踏破していく。

この「仲間との冒険感」も本作の大きな魅力です。

そして物語は、セルセタの樹海の奥深くに眠る、伝説の「有翼人(エルディーン)」が築いたとされる超古代文明の遺跡へと迫っていきます。

彼らが遺したとされる、地域の生態系から人々の記憶、さらには歴史そのものまでをも記録・管理していたという、驚異的な情報システム「生命の書」の存在。

そして、その力を巡って暗躍する者たちの影…。

特に、樹海の豊富な資源と古代の力を狙う、あのロムン帝国の軍隊の介入は、物語に大きな緊張感と政治的な駆け引きの要素をもたらします。

なぜアドルは記憶を失うほどの出来事に遭遇したのか? 有翼人はなぜこの地にこれほどの遺産を残し、そして姿を消したのか? 仲間たちとの絆、探索の喜び、そして古代文明の謎。

イースならではの冒険の全てが、この神秘の樹海には詰まっています。

結末と次なる舞台へ:蘇る記憶、有翼人の選択、そして世界への新たな扉(ネタバレ)

  • アドルは、仲間たちと共に樹海の奥深くへと進む中で、ついに自らの記憶喪失の原因となった出来事の核心に辿り着きます。それは、樹海の最深部、有翼人の聖地とされる「始原の大地」に安置されていた、あまりにも強大で危険なアーティファクト《太陽の仮面》に、樹海の謎を追う過程で不用意に接触してしまったことによる、精神的なオーバーロード(あるいは記憶の封印)でした。そして、セルセタの樹海そのものが、単なる自然の森ではなく、古代の有翼人によって意図的に創造され、生命の進化や人々の記憶までもが「生命の書」と呼ばれる超システムによって、まるで巨大な庭園のように管理・観察されていた、壮大な「聖域」あるいは「実験場」であったという、驚天動地の事実が明らかになるのです。
  • この物語において、アドルたちの前に立ちはだかるのは、二つの異なる思想を持つ「敵」です。一人は、ロムン帝国から派遣された若き将軍であり、実は有翼人の末裔でもある男「グルーダ」。彼は、自らが有翼人の末裔であるという秘密を抱え、その力を利用しつつも、有翼人の力を恐れ、利用しようとするロムン帝国そのものへの復讐心に燃えていました。そして、《太陽の仮面》の持つ絶対的な力を手に入れ、帝国を滅ぼし、世界を自らの理想に従って作り変えようという、危険極まりない野望を抱いていたのです。

    もう一人は、永い孤独な時を生き、セルセタの樹海と「生命の書」を管理してきた有翼人の最後の生き残り、「エルディール」。

    彼はかつて人間との共存を夢見ていましたが、人間の持つ醜い欲望、裏切り、そして争いを目の当たりにし、深く傷つき、絶望していました。

    そして、彼は《太陽の仮面》の力を用いて、人間から自由な意思や感情を奪い、全ての争いや苦しみのない、しかし変化も成長もない、完全に管理された静的な世界――ある意味で、有翼人にとって都合の良い「箱庭」――を創り出すことこそが、唯一の救済の道だと信じ込んでいたのです。

  • アドルと仲間たちは、それぞれの野望や理想を持つグルーダ、そして人間への深い不信感を抱くエルディールの双方と、時には戦い、時には対話し、向き合うことになります。グルーダの野望は、アドルたちの活躍によって阻止されます。一方、エルディールとの決着は、単なる力のぶつかり合いではありませんでした。アドルたちが示す、過ちを犯しながらも前に進もうとする人間の可能性、苦しみながらも他者を思いやる心、そして仲間との間に育まれた絆の力が、永い孤独の中で凍てついていたエルディールの心を、少しずつ溶かしていくのです。

    最終的にエルディールは、自らの考えが独善的な過ちであったこと、そして有翼人の時代は終わり、未来は不完全で愚かかもしれないけれど、可能性に満ちた人間たちの手に委ねられるべきであることを悟ります。

    そして、アドルたちに未来を託し、自らの存在と共に「生命の書」の管理システムを停止させ、静かに消滅していくのでした。

    その最期は、一つの時代の終わりを告げる、悲しくも美しいものでした。

  • 全ての元凶であり、セルセタを歪めていた《太陽の仮面》は破壊され、「生命の書」による管理からも解放されたセルセタの樹海は、真の意味で、そこに住む人々の手に未来が委ねられました。アドルは、失っていた全ての記憶――冒険への憧れ、剣の師匠との誓い、そしてこの樹海で起こった出来事――を完全に取り戻し、冒険家としての自分自身を再確認します。共に数々の困難を乗り越えたデュレンやカーナたち仲間との別れを惜しみながらも、エルディールが最後に遺した、まだ誰も見たことのない広大な「世界地図」を手に、アドルは次なる冒険の待つ地、親友ドギの故郷である「フェルガナ地方」へと、新たな決意を胸に旅立つのです。このセルセタでの冒険は、アドルにとって、単に記憶を取り戻しただけでなく、自身の冒険家としての原点を見つめ直し、そして「有翼人」という存在の深遠さと、彼らがこの世界に遺したものの計り知れない影響力を、身をもって体験する、極めて重要な転換点となりました。

    「セルセタの樹海」の冒険日誌には、失われた記憶と共に得られた、確かな自己と、広大な世界への新たな道標が、鮮やかに記されていることでしょう。

【5】イース -フェルガナの誓い- (Ys: The Oath in Felghana) - 友との帰郷、邪神の胎動と兄妹の慟哭

舞台とアドルの状況:異変の故郷、閉ざされた友の心

セルセタの広大な樹海を駆け抜けた冒険から一年。

アドル(19歳)は、今や固い絆で結ばれた相棒ドギと共に、彼の故郷である「フェルガナ地方」へと向かっていました。

ドギにとっては数年ぶりの、懐かしい故郷への帰還だ。

しかし、美しい山々と渓谷に抱かれたはずのフェルガナは、二人が到着した時、不穏な空気に満ちていました。

新たに領主となったマクガイア伯爵による厳しい圧政、それに伴う鉱山の強制労働、不自然なほど増加し凶暴化した魔物たち、そして人々の間に囁かれる不吉な噂…。

レドモントの町で、二人はドギの幼馴染であり、町の人々から愛される心優しい少女エレナ=ストダートと、その兄で、かつては「神童」と称えられ、町を守る英雄的存在だったはずの凄腕の剣士チェスター=ストダートとの、待望の再会を果たします。

だが、喜びも束の間、チェスターの様子は昔とはまるで違っていた。

彼は冷たく心を閉ざし、アドルたちに敵意すら見せ、そして領主マクガイアへの深い憎しみを胸に秘め、何か危険な目的のために、一人暗躍しているのでした。

親友の故郷を覆う暗雲、そして心を閉ざしてしまった友の兄。

アドルは、ドギと共に、フェルガナの地に渦巻く邪悪な陰謀の真相を突き止め、人々を苦しみから救うため、そしてチェスターの心を救うために、再び剣を取ることを決意します。

物語の核心:邪神復活の陰謀、復讐と理想の狭間で、砕け散る絆

『フェルガナの誓い』(原作『イースIII』を劇的にリメイクした傑作)は、アドルの冒険の中でも、特に「親友のため」「大切な人を守るため」という、パーソナルで熱い動機が物語を強く牽引する作品です。

フェルガナ地方で起きている全ての異変の背後には、この地に太古の昔から封印されているという、破壊と混沌を司る強大な邪神「ガルバラン」の復活を目論む、邪悪な者たちの陰謀がありました。

プレイヤーはアドルとなり、魔物が巣食うティグレー採石場、古代の謎が眠るイルバーンズ遺跡、領主の居城であるバレスタイン城、そして雪と氷に閉ざされたエルダーム山脈といった、変化に富み、危険に満ちたフェルガナの各地を探索します。

本作の最大の魅力は、まず何と言っても、そのハイスピードで爽快感抜群のアクション! ジャンプからの斬り下ろし、空中での連続攻撃、そして風・地・炎の力を宿した3つの「リング(腕輪)」から放たれる多彩な「リングアーツ(魔法)」を駆使した立体的な戦闘は、まさに息つく暇もない。

難易度は高めですが、ボスを倒した時の達成感は格別です。

そして、物語の核心を成すのが、チェスターとエレナの兄妹が背負う、あまりにも悲劇的な運命

なぜ、かつて英雄と称えられたチェスターが、復讐心に囚われ、危険な道へと進むのか? 兄を想い、健気に振る舞うエレナの願いは届くのか? アドルは、領主マクガイア伯、彼を影で巧みに操る謎のニコラス司教、そして行く手を阻む強力なボスたちとの戦いを通して、フェルガナに伝わる古代の伝承と、ストダート兄妹に隠された衝撃の過去を知ることになります。

全編を通して、プレイヤーの心を揺さぶり、燃え上がらせる、Falcom Sound Team jdkによる情熱的でメロディアスな神曲の数々も、このドラマティックな物語を語る上で絶対に欠かせません。

結末と次なる舞台へ:邪神滅びず、英雄散る(あるいは旅立つ)、そして友との別れ(ネタバレ)

  • アドルは調査を進める中で、やはり全ての異変が邪神ガルバランの復活が間近に迫っていることによるものだと確信します。そして、その陰謀を主導していたのは、領主マクガイア伯に巧みに取り入り、彼を操っていた側近のニコラス司教。その正体は、ガルバラン自身が人間の姿を借り、自らの完全復活を画策していた邪神の化身だったのです! マクガイア伯は、司教(ガルバラン)の甘言に踊らされ、富と権力を約束される見返りに、ガルバランを完全に復活させるために必要不可欠な4つの強力な魔力を秘めた「彫像」を、領民から搾取した富で探し集め、捧げていたのでした。
  • 一方、チェスターの行動原理も明らかになる。彼の一族(ストダート家)は、かつてガルバランを封印した英雄の末裔でしたが、その力を恐れたマクガイア伯(あるいはその先代)の非道な裏切りによって滅ぼされ、チェスターとエレナだけが奇跡的に生き延びたという、壮絶な過去を背負っていたのです。その燃えるような復讐心に加え、チェスターは「ガルバランの力を自らが制御し、その絶対的な力をもって、腐敗した領主を倒し、苦しむフェルガナの民を解放する」という、危険で独善的な理想に取り憑かれていました。彼は、ガルバランの邪悪な力の一部をその身に取り込み、目的のためにはアドルと敵対することも、自らの命を削ることさえも厭わない、悲壮な覚悟を決めていたのです。
  • アドルは、ティグレー採石場の奥で炎の魔獣ギルディアスを、イルバーンズ遺跡の最深部で氷の女王イスターシバを、そしてバレスタイン城では領主の切り札である秘密兵器や、力を解放したチェスター自身と、死闘を繰り広げます。エレナの必死の説得や、アドルとの魂をぶつけ合うような戦いを通して、チェスターの頑なだった心は、少しずつ、しかし確実に揺らぎ始めていきます。
  • 全ての彫像が邪神の手に渡り、ついに最終決戦の舞台となる、フェルガナの沖合に禍々しく浮上した邪神の本拠地「ガルバラン島」へとアドルは単身乗り込みます。そこで待ち受けるのは、私利私欲のためにガルバランの力を利用しようとしたマクガイア伯、そしてついにその邪悪な本性を完全に現し、破壊の権化として降臨した邪神ガルバラン(ニコラス司教の真の姿)。
  • アドルとの最後の戦い、そして愛する妹エレナの、決して諦めない心の叫びによって、チェスターはついに自らの犯した過ちの大きさを悟り、正気を取り戻します。そして、彼は最後の選択をします。愛する妹と、自分を最後まで信じてくれた友アドルを守るため、そして自らの罪を贖うために、最後の力を振り絞り、復活したばかりのガルバランに特攻し、その身を犠牲にして道連れにしようとします。(※ただし、リメイク版『フェルガナの誓い』では、この結末は変更され、チェスターは死なずに重傷を負い、全てが終わった後、自らの罪を償い、世界を知るための贖罪の旅へと、一人フェルガナを去っていくという、より救いのある展開となっている。)
  • 兄の壮絶な覚悟(あるいは、新たな旅立ちへの決意)を受け継いだアドルは、邪神ガルバランとの最終決戦に臨みます。それは、女神の力や古代の秘宝に頼るのではなく、アドル自身の純粋な剣技、勇気、そして仲間たちへの熱い想いを力に変えて挑む、極限の戦いでした。死闘の末、アドルはついにガルバランを打ち破り、邪神は再び永劫の封印の中に葬り去られます。フェルガナ地方には、ようやく真の平和と、新たな時代の夜明けが訪れました。
  • アドルは、兄との悲しい別れ(あるいは、未来への希望を託した旅立ち)を経験し、それでも気丈に、強く未来を見据えようとするエレナ、そして故郷の危機を救ってくれた掛け替えのない親友に、心からの感謝と別れを告げるドギに見送られ、フェルガナの地を静かに後にします。親友の故郷で繰り広げられたこの戦いは、アドルにとって、個人的な感情が深く関わる、忘れられない冒険となった。「フェルガナ冒険記」には、友との誓いと、熱き魂の記録が、鮮やかに刻まれていることでしょう。

【6】イースV 失われし砂の都ケフィン (Ys V) - 砂塵の彼方、錬金術の栄光と禁忌

舞台とアドルの状況:灼熱の大陸へ、幻の王国の呼び声

フェルガナでの熱き誓いを胸に、アドル(20歳)の冒険への渇望は留まるところを知りません。

次に彼が足を踏み入れたのは、エウロペ大陸とは異なる文化と風土を持つ、灼熱の大陸「アフロカ」。

その北部に位置し、多くの人々や物資が行き交う活気ある交易都市「サンドリア」が、新たな冒険の始まりの地となります。

アドルはこの地で、砂漠の民の間で古くから囁かれてきた、魅惑的な伝説に心を奪われます。

それは、「幻の都ケフィン」の物語。

ケフィンは、遥か昔、「錬金術」と呼ばれる、物質を自在に変化させ、無から有を生み出すことすら可能にするという、神秘にして強力な技術によって、砂漠の只中に信じられないほどの繁栄を築き上げた王国でした。

しかし、ある日を境に、まるで蜃気楼のように、忽然と歴史の舞台からその姿を消してしまったというのです。

この失われた王国に眠る秘密を解き明かしたい――冒険家としての血が騒いだアドルは、ケフィンの謎を探る冒険へと乗り出します。

その過程で、彼は様々な人々と運命的な出会いを果たすことになります。

ケフィンの謎を追って行方不明になったという父親を探している健気な少女ニーナ

ケフィンに眠るとされる伝説の秘宝(と金目の物?)を狙い、アドルに何かと絡んでくる陽気で抜け目のない盗賊スタン

そして、どこか影があり、ケフィン王国の秘密を知っているかのような佇まいを見せる、謎めいた美しい女性テラ

彼らとの関わりを通して、アドルは、古代錬金術がもたらした驚異的な力の光と影、そして幻の都に隠された、人間の欲望と狂気が渦巻く恐るべき陰謀と、王国の悲しい真実へと、足を踏み入れていくことになるのです。

(※注意:本作は2025年4月現在、ファルコム自身によるフルリメイクが存在せず、スーパーファミコン(SFC)で発売されたオリジナル版が基準となります。)

物語の核心:錬金術の秘密、砂中の王国、そして賢者の石

『イースV』は、シリーズの中でも「錬金術」という、他作品とは一線を画すユニークなテーマを深く掘り下げた作品です。

アクション面でも、剣による物理攻撃だけでなく、冒険の中で手に入れる「フラスコ」に「エレメント」を合成することで、炎・氷・雷などの属性を持つ「錬金術魔法」を生成・強化し、戦略的に使い分けて戦うシステムが特徴となっています。

物語の核心は、まさに幻の都ケフィンと、その存在そのものを支えていたとされる錬金術の謎にあります。

アドルは、広大な砂漠地帯、古代人が遺した遺跡、そして探索を進める中で、まるで蜃気楼が実体化するかのように、突如として砂の中からその壮麗な姿を現す「ケフィン王国」を舞台に、冒険を繰り広げます。

王国の中では、錬金術によって生命を吹き込まれたとされる自動人形(ゴーレム)や、人間によく似た姿を持つ人造生命体(ホムンクルスのような存在)が徘徊し、古代の錬金術師が仕掛けた巧妙な罠や仕掛けが、アドルの行く手を阻みます。

ケフィンはなぜ歴史から消えなければならなかったのか? 人々を支配していたとされる伝説の錬金術師の真の目的は? そして、全ての錬金術の根源であり、万能の力を持つとされる究極の秘宝《賢者の石》とは、一体何なのか? アフロカ大陸のエキゾチックな雰囲気、魅力的なキャラクターたち(特に、アドルとの関係が気になるニーナとテラ)、そして錬金術を巡るミステリアスで、どこか物悲しい雰囲気を帯びたストーリーが、プレイヤーを引き込みます。

シリーズの中では、リメイクがないこともあり、やや影が薄い印象を持たれがちですが、その独自の世界観とテーマ性は、間違いなくイースシリーズの一翼を担う重要な作品です。

結末と次なる舞台へ:幻影王国の崩壊、錬金術の終焉、そして少女の犠牲(ネタバレ) (※SFCオリジナル版準拠)

  • アドルは、砂漠を越え、遺跡の謎を解き、ついに幻の都ケフィンへと到達します。そして、そこで衝撃的な真実を知ることになります。ケフィン王国は、単なる伝説ではなく、確かに実在した王国でした。しかし、それは我々が通常考えるような国家ではなかったのです。

    ケフィンは、数百年前に現れた、神のごとき力を持つ稀代の大錬金術師「ジャビル」が、錬金術の奥義の結晶である《賢者の石》の力を用いて、文字通り砂漠の中に「無から錬成」し、その力によって維持されていた、極めて不安定な幻影の王国だったのです。

    ケフィンの民(多くはジャビルによって生み出されたホムンクルスであったとも言われる)は、ジャビルが生み出したゴーレムや従者たちに傅かれ、物質的には何不自由なく暮らしていましたが、それはジャビルの絶対的な管理と支配の下にある、自由のない、いわば美しくも空虚な「鳥かごの中」の繁栄でしかありませんでした。

  • 一方、現実世界のサンドリアでは、強欲で冷酷な大富豪「ドーマン」が暗躍していました。彼は、ケフィンに眠る高度な錬金術の知識と、万能の力を持つとされる《賢者の石》を独占し、自らの富と権力を絶対的なものにしようと、邪悪な陰謀を巡らせていました。彼は、ケフィンの支配者であるジャビルと裏で接触し、互いの利害のために手を結び、ケフィンの秘密に近づこうとするアドルを排除、あるいは利用しようと企んでいたのです。
  • アドルは、ケフィン王国の歪んだ実態を知り、ジャビルの圧政から民(あるいは囚われた人々)を解放しようと密かに活動していた女性テラ(実は、ジャビルによって滅ぼされる前の、旧ケフィン王家の血を引く最後の生き残りだった)や、行方不明の父親の手がかりを必死に求めるニーナと協力し、幻の都ケフィンの中枢へと潜入していきます。そこで彼が目の当たりにしたのは、錬金術の実験によって生み出された異形の怪物たち、制御を失い暴走し始める錬金術の力、そして《賢者の石》の力に取り憑かれ、もはや正気を失いつつあるジャビルの狂気でした。
  • 物語の全ての鍵を握る《賢者の石》は、あらゆる物質を生み出し、不老不死すら可能にするとされる究極の錬金術アイテムでした。しかし、その力はあまりにも強大で不安定であり、一度制御を失えば、世界そのものを崩壊させかねないほどの危険な代物でもあったのです。ジャビル自身も、長年の研究の末に、もはや《賢者の石》の力を完全には制御できなくなりつつあり、その影響で精神の均衡を失い、狂気に陥っていました。ドーマンは、その状況を好機と捉え、《賢者の石》を力づくで奪い取ろうとしていたのです。
  • 最終局面。アドルは、暴走を始めた《賢者の石》が生み出す計り知れない脅威、それを悪用しようとするドーマンの卑劣な野望、そして錬金術の深淵に取り憑かれ、世界の破壊すら望むようになった狂気の錬金術師ジャビルの三者と、ケフィン王国の存亡、いや、世界の未来を賭けて対峙します。アドルは激しい戦いの末、まずドーマンを討ち、そして最後にジャビルをも打ち破ります。
  • しかし、支配者を失っても《賢者の石》の暴走は止まりません。もはや幻の都ケフィンはその存在を維持することができなくなり、砂の中へと急速に崩壊を始めていきます。このままでは、ケフィンの民もろとも、全てが砂塵の中に消え去ってしまう…。その絶望的な状況の中、一人の少女が立ち上がります。

    それは、ニーナでした(あるいは、テラがその役割を担う展開も示唆されます。

    SFC版の描写はやや曖昧な部分もあります)。

    彼女は、ケフィンの民を救うため、そして何よりも、これ以上錬金術という危険な力が世界に存在し続けることを防ぐために、自らの命と引き換えに《賢者の石》の暴走する力を中和・封印するという、究極の自己犠牲を選びます。

    彼女の尊い犠牲によって、《賢者の石》はその輝きを失い、ケフィン王国は完全に砂の中へと姿を消し、錬金術の時代は、ここに悲しい終焉を迎えたのでした。

  • アドルは、生き残ったケフィンの民(彼らはジャビルの支配から解放された)と共に、崩壊する幻影の王国から辛くも脱出します。錬金術という、人の手には余る強大な力の光と影、それがもたらす栄華と悲劇、そして人間の欲望の底知れぬ深さを目の当たりにしたこの冒険は、アドルに新たな知識と共に、失われたものへの深い哀悼の念と、力の使い方に対する警鐘を、強く刻み込んだ。「砂の都ケフィン」と題された冒険日誌には、幻の王国の栄華と終焉、そして一人の少女の健気で尊い犠牲が、砂塵の中に記されていることだろう。アドルは、テラやスタンたちに別れを告げ、アフロカ大陸を後にし、次なる冒険の舞台、広大なゲーテ海へと旅立つ。
  • (※なお、後にタイトーが開発し、スクウェア・エニックスが発売したプレイステーション2向けのリメイク版『イースV -Lost Kefin, Kingdom of Sand-』では、このSFC版のストーリー、キャラクター設定、結末などが大幅に改変されています。例えば、ドギが登場しパーティメンバーになったり、『VI』の有翼人設定との関連性が追加されたりしているため、SFC版とは全く異なる物語体験となる点に注意が必要です。)

【7】イースVIII -Lacrimosa of DANA- - 涙降る日、時を超える巫女との魂の共鳴

舞台とアドルの状況:またも漂流! 今度は呪われた無人島!?

砂の都での錬金術を巡る冒険(V)から一年。

冒険家として更に円熟味を増したアドル(21歳)は、信頼する相棒ドギと共に、エレシア大陸から遥か南方へと向かう、当時最新鋭にして最大級の豪華客船「ロンバルディア号」での優雅な船旅を満喫…しているはずでした。

しかし、アドルの行くところ、平穏な航海などありえない! 船は突如として、夜の闇の中から現れた、伝説に語られる巨大な触手を持つ謎の超巨大海洋生物に襲撃され、最新鋭の巨船も為すすべなく破壊され、沈没してしまうのです。

「またか!」と思ったあなた、正解です。

アドルはまたしても荒れ狂う海へと投げ出され、意識を失います。

次に彼が目を覚ました場所は、白い砂浜。

見渡す限り広がる手つかずの自然。

そして、自分以外にも打ち上げられている人々…。

そこは、ゲーテ海のほぼ中心に位置し、一度足を踏み入れたら二度と生きては出られないと船乗りたちに恐れられる、地図にも載らない呪われた島――「セイレン島」だったのでした。

物語の核心:漂流者たちのサバイバル、古代種の脅威、そして夢の中の少女ダーナ

『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』は、その感動的なストーリー、魅力的なキャラクター、爽快なアクション、そして探索の楽しさが高次元で融合し、シリーズの中でも特に傑出した評価を受け、「最高傑作」の声も上がるほどの人気作です。

本作の最大の特徴は、絶海の孤島での過酷な「サバイバル生活」と、島に隠された壮大な「古代文明の謎」を解き明かす冒険が、見事に一体化している点です。

幸運にもアドル以外にも生存者がいた。

勝気な貴族の娘ラクシャ、陽気で頼れる海の男サハド、常に冷静沈着で謎めいた運び屋ヒュンメル、島で育ったかのような天真爛漫な野生児リコッタなど、個性も背景もバラバラな漂流者たち。

アドルは彼らと協力し、生き延びるための拠点となる「漂流村」を海岸に築き上げます。

そして、島内を探索してさらなる漂流者を発見・救出し、村の施設を充実させ、島の秘密を探りながら、最終的な脱出方法を模索していくのです。

この「仲間を集めて村を発展させる」というプロセスが、プレイヤーに強い達成感と、仲間たちとの一体感を与えます。

しかし、セイレン島はただ美しいだけの島ではありませんでした。

島内には、現代では考えられないほど巨大で凶暴な、まるで恐竜のような生物――「古代種」――が我が物顔で闊歩しており、漂流者たちの生存を常に脅かします。

さらに不思議なことに、島の至る所には、明らかに人の手によって作られた、しかし現代の文明とは全く異なる様式の、謎めいた古代遺跡が点在しているのです。

そして、この島でアドルを最も奇妙な体験へと誘うのが、彼が眠りにつくたびに繰り返し見る「夢」。

その夢の中では、鮮やかな蒼い髪を持つ、神秘的で美しい一人の少女が、活気あふれる壮麗な古代の王国で、巫女として生き、祈り、戦う姿が、まるで自分自身が体験しているかのようにリアルに描かれるのです。

彼女の名は「ダーナ」。

この夢は一体何なのか? ダーナとは何者で、なぜアドルの夢に現れるのか? セイレン島には、我々の想像を遥かに超える、どんな秘密が隠されているというのか?

プレイヤーは、現代のセイレン島で仲間たちと共にサバイバルと探索を進めるアドルパートと、夢(あるいは過去)の世界で巫女として生きるダーナパートを、交互に、そして時に連動させながらプレイすることで、二つの時代にまたがる壮大にして切ない謎、そしてこの世界の根幹に関わる、衝撃的な真実へと迫っていきます。

漂流者たちそれぞれが抱える過去やドラマ、広大な島を隅々まで踏破していく探索の喜び、3人パーティでスピーディーに展開する爽快なアクションバトル、そして何よりも、アドルとダーナの時を超えた運命的な出会いと、その先に待つ、涙なくしては語れない感動的な物語。

これら全ての要素が完璧なバランスで融合した本作は、まさに「冒険」そのものの輝きと、生きることの素晴らしさを教えてくれる、珠玉の一作と言えるでしょう。

結末と次なる舞台へ:ラクリモサ、運命への抗い、そして巫女の祈りは未来へ(ネタバレ)

  • アドルは、セイレン島での探索と、ダーナの夢を追体験する中で、その夢が決して単なる幻ではなく、遥か太古、この島がまだ「エタニア島」と呼ばれ、高度な文明を持つ「エタニア王国」が栄えていた時代の、最後の巫女であったダーナ自身の、本物の「記憶」そのものであることを確信します。そして驚くべきことに、アドルとダーナは、原因不明の力(おそらくは後述する《大樹》の意志)によって、時代を超えて互いの意識を共有し、感応し合うことができるようになっていたのです。アドルはダーナの記憶を通して過去のエタニア王国で何が起こったかを知り、ダーナはアドルの行動を通して未来(現代)のセイレン島の状況を知る。この奇跡的な繋がりによって、二人は互いに協力し合いながら、単独では決して到達できなかったであろう、セイレン島に隠された驚天動地の秘密を突き止めていきます。
  • その秘密とは…セイレン島は、単なる島ではなく、この惑星(地球)全体の生命の進化と、その秩序(バランス)を司る、神秘的で巨大な存在、《はじまりの大樹》が根を下ろす、極めて特別な聖地だったのです。そして《大樹》は、生命の進化が行き詰まったり、あるいは特定の種族(例えば人間)が過剰に繁栄し、世界の調和を乱す危険があると判断した場合、定期的に世界規模での大災害――「ラクリモサ(涙の日)」と呼ばれる「大淘汰」――を引き起こし、文明や種を強制的にリセットしてきたという、恐るべき真実でした。ダーナが生きたエタニア王国もまた、その卓越した文明力故に《大樹》に危険視され、過去に発生したラクリモサによって、一夜にして歴史から抹消されたのです。ダーナは、その滅びの運命に最後まで抗い続けた唯一の生き残りであり、その強い意志と清らかな魂を《大樹》に認められ、「次の時代」の進化を見守るための存在(巫女)として、永い永い眠りについていたのでした。
  • そして、アドルたちが漂着した現代こそが、まさに新たなラクリモサが始まろうとしている、運命の時代だったのです。島を闊歩する凶暴な古代種たちは、ラクリモサを実行するための《大樹》の尖兵であり、淘汰の始まりを告げる前触れでした。このまま放置すれば、アドルたち漂流者はもちろんのこと、セイレン島の外に広がる全世界が、過去のエタニア王国と同じように、破滅的な「大淘汰」に飲み込まれてしまう…。
  • アドルと、漂流生活の中で固い絆を結んだ漂流村の仲間たち、そして時を超えて現代に意識体として現れ、自らの運命と向き合い、アドルたちと共に戦うことを決意したダーナは、この絶望的とも思える「世界の運命」に、真っ向から抗うことを決断します。彼らは、エタニア王国の遺跡に残されたダーナの過去の記憶や記録を頼りに、ラクリモサを引き起こす《大樹》の守護者たち――それぞれが過去の時代の進化の頂点を体現する、恐ろしく強大な存在――と次々に戦い、打ち破っていきます。そしてついに、淘汰現象の根源、世界の理そのものが待つ場所へと辿り着くのです。
  • 最終的にアドルたちが対峙するのは、ラクリモサそのものを司り、進化と淘汰という、冷徹で非情な宇宙の法則(あるいは惑星の意志)を体現する、概念的とも言える超存在「テオス・デ・エンドログラム(はじまりの理)」。ダーナは、巫女としての使命を全うするため、自らの存在と引き換えにラクリモサを受け入れ、世界の秩序(たとえそれが滅びであっても)を守ろうとします。しかし、アドルと仲間たちは、ダーナを失うことも、世界の未来を、そしてそこに生きる全ての生命の可能性を諦めることも、断固として拒絶します。彼らがこの呪われた島で育んできた、種族や立場、時代さえも超えた「絆」の力、そして未来を信じる決して諦めない強い意志が、奇跡を起こします。

    彼らはついに、「変えることのできない」はずだった絶対的な世界の運命そのものを打ち破ることに成功するのです!

  • ラクリモサは回避され、セイレン島を覆っていた呪い(外界から隔絶されていた力場)も解かれました。しかし、それはダーナとの別れの時でもありました。巫女としての役割を終え、そして新たな未来の可能性を信じたダーナは、これからの世界の進化を新たに見守る存在(あるいは、より大きな存在である地球意思マイアの新たな巫女として、あるいは《大樹》そのものと一体化して?)となり、アドルたちに未来を託し、感謝と祝福の言葉を残して、眩い光の中へと再び姿を消していきます。しかし、物語は悲しみだけでは終わりません。

    エンディングでは、現代の世界に、ダーナによく似た(あるいはダーナそのものであるかのような)蒼い髪の幼い少女が生まれ、生きている姿が描かれ、未来への希望と、輪廻転生を思わせる感動的な余韻を残します。

  • アドルと生き残った漂流村の仲間たちは、ラクリモサの異変を察知して(あるいはその遺産を回収するために)島にやってきたロムン帝国の艦隊によって、ついに救助されます。彼らは、セイレン島での想像を絶するサバイバル生活と、時を超えたダーナとの奇跡的な出会い、そして決して忘れることのない別れを胸に、それぞれの帰るべき場所へと帰っていきます。アドルは、この冒険を通じて、生命の進化、世界の法則、運命、そしてそれに抗う人間の意志の強さという、極めて根源的で、壮大で、そして哲学的なテーマに触れました。「ゲーテ海案内記」と題された冒険日誌には、呪われた島で繰り広げられた生命の輝きの記録と、時を超えて響き合った巫女との魂の交歓が、色鮮やかに記されていることでしょう。

    ダーナから託された想いと、彼女が生きた時代の遺産である美しい剣《イシオスブレード》を手に、アドルはゲーテ海を後にし、再びエレシア大陸を目指します。

    彼の魂は、この冒険を経て、また一つ、深く、広くなったに違いありません。

【8】イースVI -ナピシュテムの匣- - 渦潮の彼方、目覚める翼持つ民の遺産と世界の選択

舞台とアドルの状況:三度(?)の漂流、渦の中心へ

セイレン島での時を超えた冒険(VIII)から2年。

冒険家として円熟期を迎えつつあるアドル(23歳)は、世界への探求心をますます燃やしていました。

彼は相棒ドギと共に、今度は悪名高いながらもどこか憎めない海賊「ラドック」一家が操る改造帆船「トレス=マリス号」に、なぜか便乗していました(海賊と何があった?)。

目指すはエレシア大陸の西方、まだ見ぬ土地。

しかし、アドルの行く手には、やはり平穏な航海など許されない運命なのか。

彼らの前方に、またしてもあのロムン帝国の最新鋭三段櫂船からなる強力な艦隊が出現。

海賊船は執拗な追撃を受けます。

激しい海戦の末、トレス=マリス号は、エレシア大陸の手前に存在する、船乗りたちの間で「墓場」と恐れられる巨大な渦潮「カナンの大渦」へと追い詰められてしまいます。

絶体絶命の状況、そしてお約束の展開! アドルは激しい渦に巻き込まれ、船から投げ出され、意識を失いながら渦の中心へと吸い込まれていくのでした…。

彼が次に目を覚ましたのは、見たこともない美しい浜辺。

そこは、大渦によって外界から700年以上もの長きにわたり完全に隔絶され、独自の文化と生態系が育まれた未知の島々、「カナン諸島」だったのです。

物語の核心:レダ族と巫女姉妹、有翼人の謎、そして《匣》を巡る三つ巴

『イースVI -ナピシュテムの匣-』は、シリーズが本格的に3Dグラフィックを採用し、後の作品の基礎となるクォータービュー視点と、特徴の異なる3本の「エメラス剣」(風のリヴァルト、炎のブリランテ、雷のエメロード)を切り替えて戦うアクションシステムを確立した、まさに「新生イース」の原点とも言える重要な作品です。

物語の舞台となるのは、大渦によって外界の歴史から取り残されたかのような、神秘的な雰囲気に満ちたカナン諸島。

アドルを介抱してくれたのは、島の原住民である「レダ族」の、若く美しい巫女である姉妹、しっかり者の姉オルハと、少し内気な妹イーシャでした。

レダ族は、その特徴的な長い耳が示す通り、遥か昔、このカナン諸島に高度な文明を築き、そして忽然と姿を消したとされる伝説の「有翼人(エルディーン)」と深い繋がりを持つ民(末裔、あるいは彼らに仕えた守護者)でした。

そして、彼らは有翼人が遺したとされる、計り知れない力を持つ古代の超兵器、あるいは叡智の結晶とも言われる遺産《ナピシュテムの匣》を、永きにわたり守護する使命を帯びていたのです。

島からの脱出方法を探るアドルは、否応なく、この《匣》を巡る三つの勢力の複雑な争いの渦中へと巻き込まれていきます。

一つは、島の伝統を守り、《匣》の秘密を外部から守ろうとするオルハや一部の保守的なレダ族。

一つは、大渦が消滅した(あるいは消滅させた?)ことで島に上陸し、《匣》の持つ強大な力を解析し、帝国の覇権のために軍事利用しようと企むロムン帝国軍(冷徹で野心家のアガレス提督が指揮)。

そしてもう一つは、アドルと同じく《匣》の謎を追い、時にはアドルの前に立ちはだかり、時には意外な助け舟を出す、黒衣に身を包んだ謎の男「ガッシュ」(彼は『VII』でも重要な役割を担うことになります)。

アドルは、レダ族に伝わる古い伝承や、島内に点在する有翼人の遺跡を探索し、《匣》の力を制御するための鍵となる、前述の三本のエメラス剣を探し求めます。

風光明媚な島の自然、神秘的な遺跡、そして剣を切り替えて敵の弱点を突く戦略的なアクション。

そして何より、本作でついに本格的に語られる「有翼人」という存在の謎。

彼らは何者で、何を遺し、どこへ消えたのか? このテーマは、本作以降のイースシリーズ全体の根幹を成す、極めて重要な設定となっていきます。

美しいグラフィック、洗練されたアクション、そして謎に満ちたストーリーは、多くのプレイヤーを虜にした。

結末と次なる舞台へ:匣の解放、兄の野望と贖罪、そして開かれた世界へ(ネタバレ)

  • アドルはカナン諸島を探索する中で、島々を外界から隔絶し続けてきた「カナンの大渦」が、単なる自然現象ではなく、古代有翼人が創造した超高度な気象制御システム――すなわち《ナピシュテムの匣》そのものによって意図的に引き起こされていたという驚愕の事実を知ります。さらに、《匣》は天候を操るだけでなく、有翼人の膨大な知識、技術、歴史、そして彼らの集合的な魂や意識情報までも保存する、一種の巨大な「方舟(Ark)」、あるいはアーカイブとしての機能も持っていたのです。レダ族は、この《匣》が暴走したり、悪しき者の手に渡ったりしないように、永きにわたり守護者の役割を担ってきたのでした。
  • しかし、島民の中にも現状維持を良しとしない者がいた。そして、物語の真の黒幕として、その野望を露わにするのは、ロムン帝国軍を率いる若き司令官「エルンスト」。驚くべきことに、彼はレダ族の出身であり、オルハとイーシャの実の兄だったのです。彼は、自らが有翼人の血を色濃く受け継ぐ選ばれた存在であると信じ、レダ族と有翼人の力を利用してロムン帝国に反旗を翻すことを画策。

    そして最終的には、《ナピシュテムの匣》を完全に掌握し、その絶対的な力をもって、世界そのものを自らの理想とする新たな秩序の下に作り変えようという、壮大にして危険極まりない野望を抱いていたのです。

    彼の野望のためには、ロムン兵も、故郷のレダ族も、そして島に迷い込んだアドルさえも、全てが利用すべき道具に過ぎませんでした。

  • アドルは、オルハやイーシャ、そして実は《匣》の真実とその危険性を探るために島を訪れていた冒険家(あるいは監視者?)であったガッシュらの助けを借り、有翼人が《匣》を制御するために遺したとされる三本の特別な剣――風の力を宿す《リヴァルト》、炎の力を宿す《ブリランテ》、雷の力を宿す《エメロード》――を、島各地の試練を乗り越えて入手します。これらの剣は、単なる武器ではなく、《匣》にアクセスし、その力を引き出し、そして制御するための「鍵」となるものでした。
  • 最終決戦の舞台は、《ナピシュテムの匣》の中枢部、巨大なエネルギー炉心が脈打つ制御室。アドルは、兄としての情愛と、世界を変えたいという歪んだ野望の間で葛藤するエルンストと対峙します。エルンストは、ついに《匣》の力を解放し、その純粋なエネルギー体であり、白き翼を持つ竜のような存在「アルマ」を召喚・使役し、アドルに襲い掛かります。
  • 三本の剣を巧みに操り、死闘を繰り広げるアドル。激しい戦いの末、アドルはついにエルンストの野望を打ち砕きます。しかし、制御者を失った《ナピシュテムの匣》は、その膨大なエネルギーを制御できなくなり、暴走を開始。その力は、世界全体を飲み込むほどの大洪水を引き起こそうとします。

    まさに世界が破滅の危機に瀕したその時、敗北したエルンストは、最後の最後で、何かを悟ったかのように、あるいは妹たちへの贖罪としてか、自らの身を《匣》のコアへと捧げ、その暴走を鎮めるために、コアと共に消滅していくのでした。

    彼の最後の行動が、世界を救ったのです。

  • 《ナピシュテムの匣》はその機能を完全に停止し、カナン諸島を700年以上も外界から隔絶していた大渦は、静かに消滅しました。島はついに外界との繋がりを取り戻し、レダ族は新たな時代を迎えることになりました。オルハとイーシャは、兄の死という大きな悲しみを乗り越えながらも、レダ族の未来を自分たちの手で切り開いていくことを強く決意します。アドルは、オルハから「あなたが見聞きした、有翼人の真実と、この世界の成り立ちを、どうか忘れないで、そしていつか後世に伝えてほしい」という重要な願いを託されます。

    そして、目的を果たした(あるいは新たな情報を得た)ガッシュと共に、事態の収拾(あるいは証拠隠滅?)のために島に介入してきたロムン帝国の艦船によって、半ば強制的にカナン諸島を後にすることになるのでした。

    「翼の民を求めて」と題された冒険日誌には、隔絶された島で出会った翼持つ民の末裔たちの物語と、世界の根幹に関わる「有翼人」という存在の秘密、そして《ナピシュテムの匣》を巡る戦いの記録が、詳細に記されたことでしょう。

    この冒険は、イースの世界観を飛躍的に拡大させ、後のシリーズへと繋がる極めて重要なターニングポイントとなりました。

    アドルは、次なる冒険の地を求め、アフロカ大陸のアルタゴ公国へと向かう船上の人となります。

【9】イースSEVEN (Ys SEVEN) - 古代竜の目覚め、世界の"理"と運命への挑戦

舞台とアドルの状況:新たなる大陸、公王からの依頼

カナン諸島での有翼人の遺産を巡る冒険(VI)を終え、無事(?)エレシア大陸へと帰還したアドル(23歳)とドギ。

彼らは休む間もなく、新たな冒険の匂いを求めて、今度はアフロカ大陸の北東部に位置する、活気あふれる交易国家「アルタゴ公国」の港町アルタゴ・シティに降り立ちます。

多様な民族と文化が交差するこの地で、二人は早速(またしても)トラブルに巻き込まれます。

街で出会った女性を助けようとしたことが原因で、公国の兵士たちに取り押さえられ、あわや投獄かと思われたが、その場に居合わせた快活で行動的な公国の第一公女アイシャの目に留まる。

彼女(と彼女のお目付け役)との一悶着を経て、アドルたちの腕っ節と尋常ならざる運の強さが、公国の統治者である賢王カマール公王の知るところとなります。

公王は、アドルたちを王宮に招き入れ、彼らの能力を見込んで、極秘の依頼を持ちかけます。

それは、公国内に点在するという古代の祭壇と、そこにまつわるアルタゴ創世の神話「五大竜」の伝説について、調査してほしいというものでした。

物語の核心:五人の竜、竜の戦士、そして「滅び」の宿命

『イースSEVEN』は、PSPで発売され、シリーズで初めて本格的な「3人パーティバトルシステム」を導入し、後のシリーズのアクションシステムの基礎を築いた重要な作品です。

プレイヤーはアドルだけでなく、最大6人の仲間キャラクターの中から3人を選んでパーティを編成し、戦闘中に操作キャラクターを瞬時に切り替えながら戦います。

キャラクターごとに武器タイプ(斬・打・射)やスキルが異なり、敵の弱点を突いたり、連携を考えたりする戦略性が大幅に向上しました。

物語の核心となるのは、アルタゴの地に古くから伝わる「五大竜」――海、炎、地、風、そしてその存在さえもはや伝説となっている月――の存在と、時を同じくして公国で原因不明のまま広がり始めた奇病「イスカ熱」の謎です。

公王の依頼を受けたアドルは、アルタゴの広大な大地――砂漠、湿地、山岳地帯――を巡り、各地に隠された古代の祭壇で、伝説の五大竜(あるいはその化身や力の残滓)と次々に邂逅します。

そして、竜たちからその資質を認められ、竜の力を自らの力として行使できる特別な存在「竜の戦士」として覚醒していくのです。

冒険には、アルタゴ公女アイシャ(弓)、前作から引き続き登場する謎多き傭兵ガッシュ(双剣)、セグラム族の若き族長エルク(双槌)、巨躯の戦士ムスタファ(後に離脱し、娘のクルシェ(槌)が加入)、イスカの隠れ里の盲目の巫女マイシェラ(杖)、そして公王の側近で冷静沈着な剣士サイアス(細剣)といった、非常に個性的で魅力的な仲間たちが同行します。

彼らと共にパーティを組み、それぞれのスキルやEX技(超必殺技)を駆使して、巨大なボスや強敵に立ち向かうバトルは、まさに圧巻の一言。

しかし、探索を進める中で、アドルたちは衝撃的な事実に直面します。

五大竜とは、単なる守護獣ではなく、この世界の"理(ことわり)"――生命の誕生、成長、衰退、そして再生といった、巨大な循環システム――を維持するための、超常的な存在だったのです。

そして、イスカ熱は、その"理"が乱れ、世界に負のエネルギー("澱み")が溜まりすぎた結果、顕在化した危険信号でした。

五大竜は、その"澱み"を浄化するために存在するのですが、その浄化プロセスは、時として、文明や生命を根こそぎにするような、大規模な「滅び」という形で発現する可能性があるというのです。

現在のアルタゴは、まさにその「滅び」の危機に瀕していました。

そして、パーティメンバーの一人であり、アルタゴの竜の巫女の血筋を引く少女ティア(実はクルシェの双子の姉であり、サイアスの妹でもある)は、その「滅び」を受け入れ、自らの命と引き換えに世界を浄化し、次代へと繋ぐという、あまりにも過酷で非情な宿命を背負っていたのでした…。

本作は、単なる悪との戦いではなく、抗いがたい世界の法則や、避けられない運命に、仲間たちとの絆を力にして立ち向かうという、壮大で、時に切なく、そして深く考えさせられるテーマを描き出します。

結末と次なる舞台へ:理への挑戦、竜との別離、そして人の時代の夜明け(ネタバレ)

  • アドルたちは、アルタゴ各地の祭壇を巡り、五大竜の試練を次々と乗り越え、竜の戦士としての力を高めていきます。その過程で、五大竜による世界の「浄化」が、必ずしも穏やかな再生だけを意味するのではなく、時には文明や生命を根こそぎにするような「大破壊(滅び)」を引き起こす可能性があり、現在のアルタゴがまさにその瀬戸際にあることを深く理解します。イスカ熱の蔓延は、世界の"澱み"が限界に達し、もはや「滅び」によるリセットしか道がないことを示唆する、最終警告だったのです。
  • そして、竜の巫女であるティアが背負う宿命――自らの命を捧げることで「滅び」を受け入れ、世界を浄化し、次代へと繋ぐ――という、あまりにも悲壮な真実が明らかになります。彼女の兄であり、仲間の一人でもあるサイアスは、愛する妹をそんな非情な運命から救い出したいと強く願い、時にはアドルたちとは異なる方法を模索し、苦悩します。彼の葛藤もまた、物語に深い人間ドラマを与えています。
  • この一連の出来事の裏で暗躍していたのは、かつてアルタゴの地で五大竜と敵対し、滅ぼされたとされる「月の民」の末裔たち、そして彼らが築いた「イスカの隠れ里」の指導者でした。彼らは、五大竜の力を利用、あるいは乗っ取ることで、世界を創造し、滅ぼし、そして再生させるという根源的な力、すなわち「太古の理」そのものを呼び覚まし、自らの手でコントロールしようと企んでいたのです。ティアの持つ特別な巫女の力も、その邪悪な計画を実現するために不可欠な要素として狙われていました。
  • ついに全ての五大竜(月の竜含む)の力をその身に宿し、真の「竜の戦士」となったアドルは、アルタゴの、そして世界の未来を賭けて、最後の戦いに挑みます。自らを犠牲にして「滅び」の運命を受け入れようとするティア。彼女を救おうとするサイアスと仲間たち。そして、世界の理そのものに挑むアドル。

    彼らの前に立ちはだかるのは、「太古の理」が生み出した、滅びと再生を司る、神にも等しい最終存在でした。

  • 最終決戦。それは、単なる力と力のぶつかり合いではなく、運命を変えようとする人間の意志と、世界の法則との対峙でした。アドルは、仲間たちとの揺るぎない絆を力に変え、竜の戦士としての全ての能力を解放します。激闘の末、彼らはついに、変えられないはずだった「滅び」の運命、「太古の理」そのものに打ち勝つという、前代未聞の奇跡を成し遂げるのです!
  • 戦いの結果、役目を終えた五大竜は、アルタゴの地から、その偉大な力と共に静かに消滅していきます。竜の時代の終わり。しかし、彼らの最後の慈悲か、あるいはアドルたちが示した新たな可能性への祝福か、アルタゴの国土が崩壊するという最悪の事態は回避されました。世界は「滅び」を免れ、アルタゴの人々は、竜の支配(あるいは加護)という古い時代から解放され、自らの意志と力で未来を切り開く、新たな「人の時代」を迎えることになったのです。

    竜の巫女としての重い宿命から解放されたティアもまた、人間として、兄サイアスや仲間たちと共に、新たな人生を歩み始めます。

    カマール公王やアルタゴの民衆から、国を救った英雄として最大限の称賛と感謝を受けながらも、アドルとドギは、多くを語ることなく、静かにアルタゴの地を後にします。

    この冒険は、アドルにとって、初めて自らが人ならざる「異能の力(竜の力)」をその身に宿して戦い、世界の根源的な法則そのものに挑戦し、そして何よりも仲間との「絆」の力によって運命すらも変え得ることを証明した、かつてない経験となった。

    「アルタゴの五大竜」と題された冒険日誌には、その激闘の記録と共に、古い時代の終わりと、新たな時代の夜明けが、高らかに宣言されていることでしょう。

    彼の冒険家としての伝説は、また一つ、人間を超えた領域へと踏み込んだのかもしれません。

【10】イースIX -Monstrum NOX- - 監獄都市の月光譚詩曲、怪人たちの秘密と再生

舞台とアドルの状況:冒険家、逮捕される!? そして怪人へ…

アルタゴでの世界の理を巡る大冒険(VII)から一年。

更なる未知を求めて旅を続けるアドル(24歳)と、もはや一心同体の相棒ドギは、今度は巨大帝国ロムンの属州であるグリア地方の大都市、「監獄都市」の異名を持つ「バルドゥーク」へとやって来ました。

しかし、街の門をくぐるや否や、彼らを待ち受けていたのは、ロムン帝国の兵士たちによる突然の拘束劇! 容疑は…なんと、これまでのアドルの冒険における数々の「帝国に対する迷惑千万な行為」の数々(属州での騒乱幇助、機密施設への侵入、帝国艦隊との交戦など…まあ、身に覚えがありすぎる!)。

アドルは抵抗むなしく、街の象徴であり、脱獄不可能とされる巨大な「バルドゥーク監獄」へと、あっけなく収監されてしまうのでした(ドギは、またもや上手く逃れた様子…さすが!)。

しかし、ここで大人しくしているアドルではありません。

持ち前の(?)脱獄スキルを発揮し、監獄からの逃走を試みます。

その混乱の最中、彼は義手と義足に身を包み、顔を隠した謎の女性「アプリリス」と劇的な遭遇を果たします。

彼女はアドルに向かって「お前も“こちら側”に来い。

世界を識るために」と謎めいた言葉を告げ、奇妙な形状の特殊な銃を発砲。

その不可思議な弾丸を受けたアドルは、意識を失う代わりに、人知を超えた力――壁を垂直に駆け上がったり、光る糸を伸ばして空中を移動したりする「異能(ギフト)」――に目覚めることになるのです!

物語の核心:怪人たちの夜会、グリムワルドの戦い、そして錬金術の影

『イースIX -Monstrum NOX-』(モンストルム・ノクス=怪人たちの夜)は、監獄都市という閉鎖的ながらも、異能によって縦横無尽な移動が可能となったことで、かつてない立体的な探索が楽しめる意欲作です。

ダークでミステリアスな雰囲気がシリーズの中でも異彩を放ちます。

アプリリスの銃弾によって異能を手に入れたアドル。

しかし、それは同時にバルドゥークの街とその周辺から物理的に出ることができなくなるという、奇妙な呪いでもありました。

彼は、自分と同じように異能を持ち、街で噂される謎の存在――「怪人(モンストルム)」――の一員、「赤の王」として、否応なくその数奇な運命に巻き込まれていくことになります。

アドル以外にも、バルドゥークには様々な怪人たちが潜んでいました。

猫のように身軽に壁を駆け、鋭い爪で戦う「白猫」、猛禽類のように大空を滑空し、鋭い視力を持つ「」、愛らしい人形を自在に操り戦わせる「人形」、牛のような怪力で障害物を粉砕する「猛牛」、そして影に潜み、一瞬で姿を消すことができる「背教者」。

彼らは皆、それぞれの理由で素性を隠しながらバルドゥークの街で暮らし、そして夜になると、アプリリスによって強制的に異次元空間「グリムワルドの夜」へと召喚され、そこに出現するおびただしい数の正体不明の魔物「ラルヴァ」と、終わりなき戦いを繰り広げることを強いられていたのです。

アドル(赤の王)は、表向きは監獄からの完全な脱出方法を探りつつ、裏では怪人として、自分と仲間たちを縛るこの呪いの正体、グリムワルドの夜が意味するもの、そして謎めいた指導者アプリリスの真の目的を探るため、怪人たちと時に協力し、時に反発し、時には彼らの抱える個人的な問題にも関わりながら、バルドゥークの街に隠された深い闇と秘密へと迫っていきます。

物語は、100年前にこの地で栄え、そして禁忌の研究に手を出した結果、滅んだとされる「錬金術師ギルド」の存在、監獄の地下深くに眠るという恐るべき秘密、そしてバルドゥークを支配するロムン帝国の不気味な思惑へと、複雑に絡み合いながら繋がっていくのです。

本作の最大の魅力は、異能を駆使した探索の自由度の高さと、個性豊かな怪人たちがそれぞれ抱える過去、トラウマ、そして再生のドラマにあります。

なぜ彼らは怪人となったのか? 彼らが求めるものは何か? ミステリアスでゴシックな雰囲気の中、怪人たちの「狂詩曲(ラプソディ)」が奏でられます。

結末と次なる舞台へ:作られた魂たちの真実、二人のアドルの共闘、そして未来への解放(ネタバレ)

  • 物語が進むにつれて、衝撃に次ぐ衝撃の真実が、幾重にも重なって明らかになります。まず、アドルを含む「怪人(モンストルム)」たちの驚くべき正体。彼らは、人間ではなく、100年前にバルドゥークで活動していた錬金術師ギルドが、生命倫理を完全に無視した禁断の「錬金術」を用いて生み出した人工生命体「ホムンクルス」だったのです! 彼らは、歴史上の英雄や聖人、あるいは特異な運命や能力を持った実在の人物たちの魂、記憶、感情といった「情報」を核(あるいは設計図)として錬成されており、それぞれが元となった人物の果たせなかった強い願いや、背負わされた罪、あるいは消せないトラウマを、その存在理由として深く刻み込まれていました。
  • そして、さらに信じがたい事実が明かされます。「赤の王」として怪人たちのリーダー的存在となり、仲間たちと共に戦ってきたアドル…彼もまた、本物の冒険家アドル=クリスティンをモデル(あるいは情報源)として、錬金術師(あるいはアプリリス自身)が錬成したホムンクルスだったのである! なんと、プレイヤーが物語の大部分で操作していたのは、本物のアドルの冒険譚や、彼の持つ不屈の魂の情報を元に作られた「写し身」だったのです。では、本物のアドルはどこに? 彼は、物語の開始時からずっと、怪人たちが知らない監獄のさらに地下深く、特別な区画に囚われ続けていたのでした。この「二人のアドル」という構造が、本作最大のサプライズであり、物語の核心を成しています。
  • アドルたちを怪人に変え、グリムワルドの夜での戦いを強いていたアプリリスもまた、最初に作られた特別なホムンクルスの一人であり、いわば怪人たちの創造主、あるいは姉のような存在でした。彼女は、錬金術の実験が失敗し、暴走した結果、バルドゥークの地下に溜まり続け、現実世界に溢れ出そうとしている負の感情エネルギーの集合体「魂の残滓(ラルヴァ)」を浄化するため、そして錬金術師たちが犯した過去の過ちを清算するために、自らが作り出した怪人たちを使役し、「グリムワルドの夜」という異次元空間での浄化の戦いを、100年もの間、たった一人で(あるいは孤独に)続けていたのです。グリムワルドの夜は、錬金術によって歪められた人々の集合的無意識、あるいは魂が流れ着く「澱んだ領域」のような異次元空間だったのです。
  • そして、この複雑怪奇な状況の裏で、自らの野望のために全てを利用しようとしていた黒幕が、ロムン帝国から派遣された星刻騎士団の冷徹な団長代理「シャトラール」。彼もまた、かつて錬金術師ギルドによって、特別な目的――おそらくは「完璧な人間」の創造――のために生み出された、極めて高度なホムンクルスでした。彼は、バルドゥークに眠る錬金術の究極の遺産、特に魂や生命エネルギーを自在に制御する技術を手に入れ、それを利用して不老不死、あるいは神に等しい完全な存在へと自らを進化させようと企んでいました。彼は怪人たちの異能の力を研究し、最終的にはグリムワルドの夜そのものを自らの支配下に置き、現実世界をも書き換えようとしていたのです。
  • 物語はクライマックスへ。ついに監獄の最深部から、幾多の困難を乗り越えて脱出を果たした本物のアドルと、自らが「作られた存在」であるという衝撃の事実を受け止め、それでも仲間たちと共に「生きる」ことを選び、戦うことを決意したホムンクルスのアドル(赤の王)は、運命的な邂逅を果たします。「二人のアドル」は互いを認め合い、そして、それぞれの過去と向き合い、人間としての心と確かな絆を育んできた怪人たち――白猫、鷹、人形、猛牛、背教者――は、シャトラールの歪んだ野望を阻止するため、最後の決戦に臨みます。
  • 最終決戦。アドルと赤の王、そして怪人たちは、それぞれの異能と、決して壊れることのない絆の力を結集し、錬金術の暴走した力と融合し、異形の姿となったシャトラールを打ち破ります。シャトラールの野望は潰え、戦いの終結と共に、グリムワルドの夜を生み出していた錬金術の呪いは完全に解かれ、バルドゥークの街に真の解放と夜明けが訪れます。しかし、それは同時に、錬金術によって生み出された仮初の生命であるホムンクルス――怪人たちが、その存在理由(呪い)を失い、消滅することも意味していました。
  • 避けられない、別れの時。しかし、赤の王(ホムンクルスのアドル)は、自らの消滅を静かに受け入れつつも、最後の異能の力――「願い」を現実に変える力――を使って、奇跡を起こします。それは、他の怪人たちが消えることなく、それぞれの「心」と「意志」を持った人間として、このバルドゥークの街で新たな人生を歩み続けられるように願うことでした。そして、本物のアドルに「俺の分まで、これからも冒険を続けてくれ」と、未来を託し、仲間たちに見守られながら、満足そうな、どこか誇らしげな表情で、光の粒子となって消えていくのでした。

    彼の犠牲は、作られた生命が勝ち取った、尊い未来への贈り物でした。

  • 呪いから解放され、人間としての未来を得た他の怪人たちは、それぞれの過去を乗り越え、バルドゥークの街で新たな人生の一歩を踏み出します。本物のアドルは、再会したドギと共に、この監獄都市で経験した、あまりにも奇妙で、切なく、そして忘れられない出会いと別れ、そして自らの「写し身」との共闘という数奇な運命を胸に、再び広大な世界へと、未知なる冒険を求めて旅立ちます。
  • だが、物語はさらなる謎を残して幕を閉じる。エピローグにおいて、怪人の一人「鷹」としてアドルたちと行動を共にしていた男(その正体はロムン帝国の有能な密偵だった)が、本国の皇帝への報告の中で、驚くべき事実を伝えるのです。それは、皇帝自身が「マリウス」という名の少年ホムンクルス(怪人の一人「人形」の協力者として登場していた、心優しい少年)を、自らの影武者、あるいはそれ以上の特別な存在として、意図的に用意し、側に置いていたということ。これは、ロムン帝国とその頂点に立つ皇帝が抱える、底知れぬ秘密と野望を強く予感させ、シリーズ全体を貫く巨大な謎へと繋がる新たな、そして極めて重要な伏線となった。

    「バルドゥークの檻」と題された冒険日誌には、異能の怪人たちとの出会い、錬金術が生み出した光と影、そして「作られた魂」が紡いだ再生と希望の物語が、月光の下で記された。

    アドルは、この冒険を通じて、人間の業の深さと同時に、どんな出自であろうとも輝きうる魂の尊厳と、生命の可能性を、改めて深く知ることになったに違いありません。

冒険譚を彩る魂の肖像ギャラリーアドルと仲間たち

イースの物語が、単なるアクションゲームを超えて、私たちの心を揺さぶり、記憶に深く刻まれるのは、そこに生きる魅力的なキャラクターたちの存在があってこそ。

ここでは、主要な登場人物たちを、時に私の個人的な(そしてちょっぴりシュールな?)視点も交えつつ、その魅力に迫ってみましょう。

主人公:アドル=クリスティン (Adol Christin) - 燃える赤毛の冒険ジャンキー(愛を込めて!)

彼なくしてイースなし!

まさにシリーズの顔であり、我々プレイヤーの分身。

その燃えるような赤毛は、彼の冒険への情熱そのもの。

人物像を分析してみる: 剣の腕は超一流、どんな逆境も跳ね返す超人的なタフネスと、なぜか女神様や王族に気に入られる不思議なカリスマ性を持つ。

基本寡黙だけど、それがいい。

「はい」「いいえ」と、プレイヤーに委ねられる選択肢が、彼の意志表示の基本形(笑)。

でもね、彼の行動を見れば、彼がどれだけお人好しで、正義感が強く、そして冒険が三度の飯より好きか(多分)が、よーく分かるんです。

気になるお約束: なぜか新しい土地に行くと、高確率で①船が難破する、②崖から落ちる、③記憶喪失になる、④お尋ね者になる、⑤牢屋に入れられる…のどれか(あるいは複数)を経験する、驚異のトラブル吸引体質

もはや様式美。

ファンからは「歩くフラグ建築士(ただし回収前に旅立つ)」なんて言われることも。

でも、そんな彼だからこそ、ドラマが生まれるんですよねぇ。

総評: 色々ツッコミどころはあるけれど、その純粋な瞳と、未知なる世界へ臆せず飛び込んでいく勇姿は、やっぱり最高にカッコイイ! 彼が冒険を続ける限り、私たちもワクワクできる。

まさに永遠の冒険少年(年齢は重ねてるけど!)。

生涯の相棒:ドギ (Dogi) - 安心と信頼の「壁」担当

アドルがいるなら彼もいる! シリーズに欠かせない、アドルの最高の相棒であり、兄貴分。

彼がいるだけで、なんかホッとする。

人物像を分析してみる: 青髪のナイスガイで、見た目通りの怪力の持ち主

その拳は、どんな頑丈な壁でも「ドガァァン!」と粉砕する(物理)。

壁壊しのドギ」の異名は、決して伊達じゃない(うちのマンションの壁も…いや、ダメダメ!)。

元々は盗賊だったらしいけど、根はカラッと明るくて、義理人情に厚く、面倒見が良い兄貴肌。

アドルとは『I』のダームの塔で運命的な出会いを果たして以来、多くの冒険を共にする(『V』オリジナル版など、一部登場しない作品もあるが、基本的には皆勤賞に近い)。

アドルの良き理解者であり、時に無茶をするアドルを心配し、時に背中を押してくれる存在。

気になるお約束: 戦闘では、その怪力で頼りになる…かと思いきや、意外と戦闘メンバーから外れることも多い(笑)。

でも、ストーリー上では絶対に欠かせない存在。

彼との(主にアドルが黙って聞いている)掛け合いは、シリーズの癒やし。

総評: ドギ、最高! 彼に苗字がないのは、もはやイース界の七不思議の一つとして、殿堂入りでいいんじゃないでしょうか。

いつか明かされる日が来るのか…いや、来ない方が面白いかも?

心に刻まれるヒロインたち:アドルの冒険に咲く一輪の花々

アドルの冒険には、必ずと言っていいほど、彼の心を動かし、物語を彩る魅力的なヒロインが登場します。

彼女たちとの出会い、共闘、そして多くの場合、避けられない別れが、イースの物語に深みと切なさをもたらすのです。

(アドル君、罪作りな男よ…)

  • フィーナ&レア (I, II, Origin): シリーズの原点にして頂点とも言われる女神。特にフィーナのアドルへの想いは、多くのファンの心を打った。彼女たちの存在そのものが『イース』の象徴。切なさMAX。
  • リリア (II): 病弱な村娘から、アドルとの出会いを通して強く成長していく姿が健気で応援したくなる。純粋な想いが眩しい。
  • エレナ (III/フェルガナ): 幼馴染という王道ポジションながら、兄とアドルへの想いの間で揺れ動き、悲劇を乗り越えて成長する姿に胸が熱くなる。応援したくなる健気さNo.1!
  • カーナ (IV/セルセタ): 快活で行動的。記憶喪失のアドルを引っ張っていく頼もしさを持つ。獣使いとしての側面も魅力的。
  • ダーナ (VIII): もう一人の主人公として、アドルと時を超えた絆を結ぶ。快活さと巫女としての使命感、そして運命に立ち向かう強さ。圧倒的な人気を誇るヒロイン。
  • カージャ (X): 最新の相棒ヒロイン。勝気で口は悪いけど、実は情に厚い海賊姫。「相棒」としてアドルと繋がれるという特殊設定が面白い! ツンデレ好きにはたまらない? アドルの「最後の冒険」にも関わる(かもしれない)重要人物。
  • アプリリス&怪人たち (IX): 特殊な状況下でアドル(赤の王)と共闘する仲間たち。それぞれが抱える過去や葛藤のドラマが物語の核となる。特にアプリリスと白猫(カトル)の存在は重要。

他にも、ニーナ(V)、オルハ&イーシャ(VI)、アイシャ&ティア(VII)など、忘れられないヒロインたちがたくさん! あなたのお気に入りは誰ですか?

物語を動かす重要キャラクターたち

  • ガッシュ (VI, VII): 黒衣に身を包んだ凄腕の傭兵。目的のためなら手段を選ばない、クールでミステリアスな存在。アドルのライバルであり、時に利害の一致から共闘することも。彼の過去や真の目的には未だ謎が多く、再登場を期待する声も多い。
  • 有翼人 (エルディール、レダ族など): 古代文明を築いた、長い耳を持つ種族。彼らの遺した技術や思想が、良くも悪くも現代の出来事に大きな影響を与えている。彼ら自身の物語も、もっと知りたい! エルディールのように、人間との関係に苦悩するキャラクターも印象的。
  • ロムン帝国関係者: 巨大帝国の尖兵として、あるいは個人の野心を持ってアドルの前に現れる。グリゼルダ総督、アガレス提督、エルンスト司令官、シャトラール団長代理など、敵役ながらも印象深いキャラクターが多い。
  • 敵役たち: イースの悪役は、ただ倒されるためだけの存在じゃない。彼らなりの歪んだ正義、悲しい過去、あるいは抗えない運命を持っていることが多い。だからこそ、彼らとの戦いは、単なる勧善懲悪では終わらない、深い余韻を残すのです。ダルク=ファクトの絶望、チェスターの復讐心、エルンストの野望、シャトラールの歪んだ理想など、彼らのドラマもまた物語に深みを与えている。

アドルを中心に、これらの魅力的なキャラクターたちが複雑に絡み合い、時に反発し、時に協力し、そして魂をぶつけ合うからこそ、イースの物語はこんなにも面白く、私たちの心を惹きつけてやまないのでしょうね。

組織・勢力・設定の(超)考察イースの世界をディープに読み解く

さて、ここからは、イースの世界観を形作る重要な要素――組織、勢力、キーワード――について、もう少しマニアックに、そして私の(ちょっと変わった?)視点も交えながら、深掘りしていきましょう。

これを読めば、あなたも立派なイース考察班の一員!?

ロムン帝国:巨大なる隣人、あるいは監視者?

表の顔: 大陸西部を支配する、軍事力と統治機構に優れた巨大帝国。

インフラ整備(街道とか)もするし、一応の秩序はもたらしている…ようにも見える。

現実のローマ帝国がモデルなのは、まあ明らかですよね。

裏の顔?: しかし、その実態はかなり怪しい。

属州への強権的な支配、他国の文化や資源への介入(特に古代遺跡や遺産への執着!)、そして目的のためなら手段を選ばない冷徹さ。

アドルの冒険の多くが、この帝国の影響下で起こっているのは偶然じゃないはず。

注目ポイント:皇帝とホムンクルス: 『IX』で暴露された、現皇帝が自分のホムンクルス(マリウス)を使っているという事実。

これがもう、妄想を掻き立てる! 単なる影武者? それとも、皇帝自身がもう人間じゃないとか? あるいは、皇帝という「役割」自体が、ホムンクルスによって代々受け継がれているシステムだったりして…? 考え出すとキリがない!

超次元的考察① - 帝国=世界のバランサー?: もしかしたらロムン帝国は、単なる悪の帝国ではなく、ラクリモサのような「世界の危機」を独自に察知・分析し、それに対抗するための力を(たとえ非道な手段を使ってでも)集めている、ある種の対抗組織なのかもしれない。

アドルというイレギュラーな存在を監視し、時には利用し、時には排除しようとするのも、世界のバランスを保つ(あるいは帝国にとって都合の良い形に維持する)ため…とか?

古代文明と有翼人:失われた叡智か、 Pandora's Box か

イースの根幹: イースシリーズの世界観の奥深さは、これらの「失われた古代文明」の設定にありますよね。

特に有翼人(エルディーン)! 女神様の祖先で、超高度な技術を持ち、世界の根幹に関わるようなモノ(黒真珠、ナピシュテムの匣、生命の書…)を作り出し、そして忽然と消えた…。

ロマンの塊じゃないですか?

遺産の功罪: 彼らの遺産は、後世に恩恵をもたらすこともあれば(クレリアとか)、とんでもない災厄を引き起こす原因にもなる(黒真珠とか匣の暴走とか)。

まるで、現代の科学技術みたい。

使い方を誤れば、世界を滅ぼしかねない力。

有翼人自身も、その力を持て余して自滅した…なんて可能性も?

超次元的考察② - 有翼人=高次元存在 or シミュレーション管理者?: 彼らの技術力は、もはや魔法というよりSFの域。

もしかしたら彼らは、この世界の「外側」から来た存在、例えば高次元生命体だったり、あるいはこの世界自体を創造・管理していたシミュレーションの管理者だったりしたんじゃないでしょうか? 彼らが「姿を消した」のは、滅びたのではなく、単に低次元(我々の世界)への干渉をやめた、あるいは観察モードに移行しただけ…とか? 二つの月は、その観測衛星だったりして? 考えすぎ? でも、楽しいでしょ?

邪教・闇の一族:繰り返される負の連鎖

悪の系譜: 世界征服、邪神復活、禁断の力…。

イースには、分かりやすい悪役から、歪んだ理想を持つ者まで、様々な「闇の勢力」が登場しますよね。

彼らは、古代の負の遺産に惹かれ、あるいは利用し、世界に混乱をもたらそうとする。

繋がりの可能性: 各作品で登場する彼らは、本当にバラバラな存在なのでしょうか? ダルク=ファクトの「闇の一族」の思想が、形を変えて後世に伝わっていたり、あるいは全ての背後に、未だ姿を見せない「真の黒幕」が存在したりする可能性は? 例えば、《黒真珠》自身が持つ邪悪な意志が、時代を超えて人々を唆している…とか?

超次元的考察③ - 闇=世界のバグor必要悪?: もしかしたら、これらの「闇の勢力」は、世界のシステム(シミュレーション?)におけるバグのような存在なのかもしれない。

あるいは、世界の進化や変化を促すために、意図的に用意された「必要悪」としての役割を持っている…とか? アドルという「修正プログラム(?)」が登場することで、バグは修正され、世界は次のステージへ進む…みたいな。

うん、我ながらシュールな発想。

キーワード深読み講座

  • 《黒真珠》: 全ての元凶にして、力の源泉。善悪を超えた、純粋なエネルギーの塊? それとも邪悪な意志を持つ存在? この解釈次第で、イースの世界観は大きく変わる。
  • クレリア: 魔法の銀。魔を祓う力。現実の銀にも浄化作用があると言われるけど、それ以上の特別な金属。有翼人テクノロジーの根幹?
  • 冒険日誌: これ、最大のメタ設定ですよね! 私たちがプレイしてるのは、アドルが書いた(とされる)日誌を読んでるって体裁。でも、本当にアドル本人が全部書いたのかな? 誰か編集者がいたり、あるいは…(考察②参照)。百余冊もあるのに、まだゲーム化されてない話がたくさんあるってのも、妄想が捗る!
  • 《ナピシュテムの匣》: 方舟。知識と魂のアーカイブ。これって、現代でいうクラウドサーバーとか、遺伝子バンクみたいなもの? 有翼人は、物理的な肉体を捨てて、データ化して匣の中に…?
  • ラクリモサ: 惑星規模のOSアップデート、あるいはデフラグ? ダーナとアドルは、その強制アップデートを回避したハッカー?
  • 錬金術: 物質や生命の根源に触れる技術。神の領域への挑戦? それ故に危険で、破滅を招きやすい? 『V』と『IX』で描かれ方が違うのも興味深い。

うーん、考えれば考えるほど、イースの世界って奥が深い! 単純なファンタジーじゃない、SF的な要素や、哲学的な問いかけも含まれている気がしませんか?

イース世界の謎とファンの熱き考察合戦!未解決ミステリーファイル

※ここも注意! 公式設定じゃない、あくまで「ファンの間でこんなこと言われてるよ」っていう噂話や仮説のコーナーです。

信じるか信じないかは、あなた次第!

イースが長年愛される理由…それは、未だ解き明かされない「謎」がたくさんあるから! これらの謎が、私たちの想像力を掻き立て、ファン同士の熱い議論(妄想合戦?)を生み出すんですよね。

ここでは、特に「結局どうなのよ!?」と話題になりやすいミステリーをいくつかピックアップ!

【最重要伏線?】ロムン帝国、その最終目的と皇帝の顔

謎: あの巨大帝国、最終的に何がしたいの? 世界征服? 古代兵器ゲット? それとも皇帝が不老不死になりたいとか? 『IX』で出てきた皇帝のホムンクルス(マリウス君)の件、あれ絶対何かあるでしょ!

ファンの声:

  • 「絶対、最後の敵はロムン帝国だって!」
  • 「皇帝グリゼルダ、実はもう人間じゃない説…」
  • 「いや、帝国も一枚岩じゃなくて、内部抗争してるんじゃ?」
  • 「アドルを警戒してるのは、彼が帝国の計画の邪魔になるから?」

結論(仮): シリーズ完結編(あるのか?)で描かれる最重要テーマなのはほぼ確定? 期待して待つしかない!

【伝説のフィナーレ】アドル、63歳の北極点ミステリー

謎: なぜ63歳で北極へ? カージャを探しに? そこで何を見つけて、なぜ帰ってこなかった? 生きてるの? 死んじゃったの?

ファンの声:

  • 「カージャと再会して、二人で異世界に行ったんだよ、きっと!」
  • 「いや、冒険家らしく、未知の脅威と戦って散ったんだ…(涙)」
  • 「実はひっそり生きてて、どこかで隠居してる説を推したい」
  • 「『X』のエピローグが切なすぎる…! 最後の冒険、見届けたい!」

結論(仮): アドルの人生の締めくくりに関わる最大の謎。

答えが出ないからこそ、伝説として輝き続けるのかも。

でも、やっぱり知りたい!

【宇宙のロマン?】空に浮かぶ月が二つある理由

謎: なんでイースの世界、月が二つあるの? ただの背景? それとも何か意味が? 有翼人は、もしかして月に…?

ファンの声:

  • 「有翼人、絶対月に移住したって! 高度文明持ってたし!」
  • 「二つの月は、光と闇、みたいな対立する概念の象徴なんじゃ?」
  • 「もしかして、片方の月は巨大な宇宙船とか…?」
  • 「そのうち月面ステージとか出てきたりして(笑)」

結論(仮): ファンタジー世界のロマン枠。

もし公式がここに触れたら、物語が一気に宇宙規模になる可能性も? ワクワクするけど、どうだろう?

【繋がる悪意?】バラバラな悪役たち、裏に潜む黒幕は誰?

謎: ダルク一派、ガルバラン教団、月の祭司団、錬金術師ギルド…各作品の悪役たちって、もしかして裏で繋がってたりしない? 全てを操る真の黒幕がいるとか?

ファンの声:

  • 「黒真珠自体が悪意を持ってて、人々を唆してる説!」
  • 「いや、有翼人の中に、人類を滅ぼそうとしてる過激派がいて、そいつが黒幕!」
  • 「実はロムン帝国が、これらの騒乱を裏で引き起こしてるとか…?」

結論(仮): 陰謀論好きにはたまらないテーマ。

もし本当に黒幕がいたら、物語のスケールが一気に壮大になる! でも、各作品の敵役の個性も大事にしてほしいジレンマ。

【もはや人間国宝級】アドル不死身伝説、その真相は!?

謎: なんでアドル君、あんなに頑丈なの? 船が沈んでも、崖から落ちても、魔王に殴られても、次回作ではケロッとしてる。

もはや不死身? 何か特別な加護でも受けてる?

ファンの声:

  • 「絶対、女神様が守ってるんだよ!」
  • 「いや、彼自身が世界のバグを修正する『アンチウイルスソフト』みたいな存在だから、世界が死なせないんだって!」
  • 「実は各作品のアドルは別人(クローンとかホムンクルス)で、記憶だけ引き継いでるとか…?」(『IX』の影響受けすぎ?)

結論(仮): 半分は愛あるツッコミ、半分は真面目な考察。

彼の超人ぶりが、イースの物語を「お約束」として成立させている側面も。

でも、何か秘密があると思いたい!

【その他小ネタ】あのキャラどこ行った? ドギの苗字は?

謎: 『II』で人間に戻ったキース君、その後どうしてるの? 『VI』のオルハ、『VII』のガッシュは再登場しないの? 気になるキャラの行方。

謎: そして…ドギの苗字!! これはもう、永遠に語り継がれるべきミステリー。

これらの謎や考察は、イースの世界が持つ奥行きと、ファンコミュニティの熱量の高さを物語っています。

あなた自身の考察を加えてみるのも、シリーズの楽しみ方の一つかもしれません。

広がり続けるイース・ユニバース(メディアミックス&リメイク情報 2025年版)冒険はゲームの外へ

イースの魅力は、ゲームの中だけにとどまりません! アニメ、コミック、小説、そして何より素晴らしい音楽! 様々な形で、アドルたちの冒険は私たちの元に届けられています。

アニメーション (OVA)

1980年代末から90年代初頭にかけて、『イースI』『イースII』を原作としたOVAシリーズが制作された。

当時のセルアニメならではの熱量と、ゲームとはまた違ったキャラクター描写(特に喋るアドル!)は、今見ても魅力的。

ストーリーの大筋は原作に沿っているが、一部オリジナル展開も含まれる。

往年のファンにとっては懐かしく、新規ファンにとってはイースの世界への入り口の一つとなりうる。

コミック&ノベル

長年にわたり、数多くの作家によって、イースの世界を舞台にした漫画や小説が発表されてきた。

ゲーム本編のストーリーを忠実に描いたものから、キャラクターの日常や別の側面を描いたスピンオフ、さらには大胆なオリジナルストーリーやギャグ作品(『みんな集まれ!ファルコム学園』など)まで、その内容は多岐にわたる。

特に、小説家・森岡浩之氏による『イースV 幻の都ケフィン』は、ゲーム版とは異なる大胆な設定や結末(ニーナの年齢など)を持ちながらも、その深い世界観描写とストーリーテリングで高く評価され、「もう一つのイースV」としてファンに記憶されている。

音楽:イースの魂、ここにあり!

正直、イースを語る上で音楽を外すなんてありえない! Falcom Sound Team jdkが生み出す楽曲は、もはやゲーム音楽の域を超えた芸術です。

戦闘を熱くする疾走感、フィールドの壮大さ、イベントシーンの感動と切なさ…その全てが完璧! サントラはもちろん、アレンジ盤、ボーカル盤も山ほど出ていて、どれもこれも名盤揃い。

「音楽が良いからイースを始めた」というファンも多いんですよ。

未聴の方は、ぜひ一度聴いてみて! 人生変わるかも(大袈裟?)。

近年ではオーケストラコンサートやライブなども積極的に開催されており、イースサウンドの世界は広がり続けている。

リメイク作品:「新約イース」を知らずしてイースを語るなかれ!

日本ファルコムは、自社作品のリメイクに非常に意欲的であり、イースシリーズもその例に漏れない。

イースI・II Eternal/Chronicles+』(PC/PSP/Switch他)、『イース -フェルガナの誓い-』(PC/PSP/Switch)、『イース セルセタの樹海』(Vita/PS4/PC)などが代表格だ。

これらのリメイクは、単なるグラフィックやシステムの向上だけでなく、ストーリーや設定も、後発作品との整合性を考慮して見直され、再構築されている点が極めて重要だ。

例えば、『フェルガナ』では原作『III』からキャラクターの運命が変更され、『セルセタ』では旧『IV』にはなかった『VI』以降の有翼人設定が組み込まれている。

そのため、リメイク版が存在する作品については、そのリメイク版こそが現在の「公式設定(正史)」であり、「新約イース」と呼ぶべきものと理解するのが適切である。

(※繰り返しになるが、『V』は2025年4月現在、この意味でのファルコム公式リメイクが存在しないため、SFC版がオリジナルの正史という扱いになる。)

リメイクによって、過去の物語が新たな輝きを放ち、シリーズ全体の繋がりがより明確になっている。

これらのメディアミックスやリメイク作品に触れることで、あなたのイース愛はさらに深まること間違いなし!

あなた自身の「イース」を見つけに行こう!おわりに:冒険は、まだ終わらない

ふぅーっ!

いやはや、アドル君の冒険、本当に壮大でしたね!

700年前の古代イースで鳴り響いた悲劇の序曲から、若きアドル=クリスティンがエステリアの浜辺で冒険家としての産声を上げて以来、彼が駆け抜けた数々の冒険――失われた王国での女神との約束、記憶を求めた神秘の樹海、友の故郷での邪神との死闘、砂漠に消えた錬金術の謎、呪われた島での時を超えた絆、隔絶された島での世界の真実への扉、五大竜が司る理への挑戦、そして監獄都市での怪人たちとの夜想曲――その軌跡を、可能な限り詳細に辿ってきた。

ここまでお付き合いいただいたあなた、本当にお疲れ様でした!

そして、ありがとうございます!

この記事を通して、イースシリーズの壮大な物語の流れ、魅力的なキャラクターたちの息遣い、そして未だ解き明かされぬ謎の深淵に、少しでも触れていただけたなら、ライター冥利に尽きます。

もしかしたら、この記事を読んで「ネタバレ見ちゃったけど、逆にプレイしたくなった!」と思ってくれた方もいるかもしれませんね。

そう、物語の結末を知っていても、実際に自分の手でアドルを動かし、困難を乗り越え、キャラクターたちと心を通わせる体験は、また格別なものがあるんです。

以前プレイした方も、改めて遊んでみると、新たな発見や、「ああ、このセリフ、こういう意味だったのか!」という感動がきっとあるはず。

そして何より、忘れないでください。

アドル=クリスティンの冒険は、彼が遺したとされる百余冊もの冒険日誌の、まだほんの一部しか語られていないということを! 彼の人生には、まだ我々が知らない、語られていない冒険が数多く存在する。

24歳以降の彼の足跡は? 消息不明となった63歳の北極点で、彼は一体何を見つけ、何を想ったのか? イースの世界には、まだ我々が知らない、広大な未知が広がっているのです。

赤毛の冒険家の旅は、決して過去の物語ではありません。

それは、未来へと続く、終わらない冒険譚なのですから。

さあ、あなたも一緒に、このワクワクする冒険の世界へ飛び込んでみませんか?

どの時代の、どの冒険日誌から開きますか?

あるいは、まだ見ぬ未来の冒険を、心待ちにしますか?

最高の冒険が、常に、あなたを待っていますよ!

-その他