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ヴァルキリープロファイルシリーズのストーリーを時系列順に結末までネタバレ

いや~、毎日お疲れ様です!

満員電車に揺られ、上司と義両親の顔色をうかがい、息子の宿題を見て…って、そんな現実にちょっと疲れちゃったそこのアナタ!

たまには、美しくも切ない「神話の世界」にどっぷり浸かってみませんか?

そう、あの伝説のRPG、『ヴァルキリープロファイル』(VP)シリーズの話ですよ!

1999年に初代が登場して以来、北欧神話をベースにした重厚すぎるストーリー、涙なしには見られないキャラクターたちの運命、斬新なバトルシステム、そして心臓を鷲掴みにする桜庭統サウンド…もう、語り始めたら朝になっちゃいますよね!

でも、このシリーズ、正直言って…話がムズい!

時系列は行ったり来たり、並行世界だの歴史改変だの、もう頭の中がラグナロク状態!

「結局、全部の話はどう繋がってるの?」「あのキャラ、最終的にどうなったわけ?」って、モヤモヤしてる人も多いんじゃないでしょうか?

ご安心ください!

ここでは、そんなVPシリーズの壮大な物語を、最新情報(と言っても大きな動きは久しいですが…2025年4月現在!)に基づき、可能な限り正確な時系列順に整理整頓!

さらに、各作品の結末、キャラクターたちの魂の行方、そしていまだ解き明かされぬ謎や伏線について、一切の遠慮なく、完全なネタバレありで、なんならちょっと斜め上からの考察も交えつつ、徹底的に語り尽くします!

超・重要!魂の契約書

この記事は、VPシリーズ全主要作品(初代VP、VP2、咎、アナトミア、エリュシオン等)に関する、ストーリーの結末、キャラクターの生死、世界の核心設定など、あらゆるネタバレ情報が満載です! まさに「読むサントラ(ネタバレ版)」状態。

未プレイの方、自分の力で神話の真実を解き明かしたい方は、今すぐブラウザバック推奨!

ここから先は、魂の深淵を覗き込む覚悟のある方、あるいは「もう全部知ってるけど、他の人の解釈も聞いてみたいわ~」という猛者の方限定エリアです。

心の準備はOK?

では、参りましょう!

神々と人間、そして魂が織りなす、忘れられない物語の旅へ、いざ出発!

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神話の法則と魂のメカニズムを予習しとこ!この世界の基本ルール

壮大な物語にダイブする前に、まずはVP世界の「お約束」というか、基本設定を押さえておきましょう。

これを頭に入れておくと、複雑なストーリーも「なるほど、そういうことね!」って理解しやすくなりますからね。

神々の黄昏(ラグナロク):どうせいつか終わるなら、派手にやろうぜ!…ってわけじゃない終焉

VPシリーズの物語には、常に「どうせ世界、終わるんでしょ?」っていう、「神々の黄昏(ラグナロク)」の影が付きまといます。

最高神オーディン率いるアース神族と、巨人とか魔族とか、とにかく敵対してるヴァン神族との間で、もう何百年、何千年? ってレベルの神界戦争が繰り広げられてるんです。

で、この戦争がクライマックスを迎えると、神様の世界アースガルズも、私たちがいる(かもしれない)人間界ミッドガルドも、なんなら死後の世界ニブルヘルムも、全部まとめてドーン!と滅んじゃうよ、っていう破滅的な預言があるわけです。

ラスボスより怖い、世界の時間切れ。

オーディンはこの運命に必死で抗おうとするんですが、その焦りがね…まあ、色々やらかす原因にもなるんですよ。

ラグナロクは単なる背景じゃなくて、キャラたちの行動とか葛藤の根本にある、超重要な要素なんです。

戦乙女ヴァルキリーとエインフェリア:死して輝く魂のスカウト活動

この「世界終わる問題」に対して、オーディンが考え出した(ある意味、苦肉の?)策が、戦乙女ヴァルキリーの派遣です。

彼女たちはオーディンの命令で、ピカピカの鎧を身にまとい、神界から人間界ミッドガルドに降り立ちます。

お仕事内容は、戦場とか悲劇的な事故とかで死んじゃった人間の中から、「こいつ、死んでも根性あるな!」「魂がキラキラしてる!」っていう有望株を見つけ出してスカウトすること。

スカウトされた魂はエインフェリアって呼ばれて、神界のヴァルハラ宮殿に強制転送(?)。

そこでラグナロクに向けた最終決戦兵士として、スパルタ教育を受けるわけです。

…なんか、現代の企業戦士みたいで、ちょっと切ないですよね。

で、ヴァルキリーのすごいところは、死者の魂に触れるだけで、その人の人生丸ごと(記憶、感情、経験、なんなら昨日の晩ごはんまで?)を追体験できちゃう能力。

これ、スカウトには便利なんですけど、副作用がヤバい。

だって、人の喜び、悲しみ、怒り、愛、後悔…そういう生々しい感情が、ダイレクトに流れ込んでくるんですよ?
神様としてのクールな任務と、「うわーん、この人の人生、辛すぎる…!」っていう人間的な感情の間で、そりゃあもう、板挟みになって苦悩するわけです。

このヴァルキリーの「神と人の境界線での揺らぎ」こそが、VPシリーズの物語を、ただのファンタジーじゃない、深い人間ドラマにしてるんですよね。

泣ける。

運命の三女神:レナス、アーリィ、シルメリア - まさかの一心同体!?な三姉妹

そして、このシリーズの物語のド真ん中にいるのが、超重要人物、運命の三女神とも呼ばれる(呼ばれてない時もある)戦乙女三姉妹です。

ただの仲良し(あるいは険悪な?)姉妹じゃないんですよ、この人たち。

VP世界における、超特殊で、ちょっとSFチックで、そして悲劇的な宿命を背負ってるんです。

  • 長女:アーリィ(Hrist / フリスト) - 過去を司る女神ウルドに対応するとか。黒とか紫の、ちょっと悪役っぽい(失礼!)鎧が目印。クールビューティで、任務遂行が最優先。オーディンの命令には「イエッサー!」って感じで、まさに「断罪者」。

    厳しすぎて周りとぶつかることも多いけど、その裏には神としての責任感とか、何か別の理由があるのかも…?

  • 次女:レナス(Lenneth / レナス) - 現在を司る女神ヴェルザンディに対応。我らが初代主人公! 青い鎧がトレードマークの、シリーズの顔ですよね。冷静だけど、心の奥底にはすっごい優しさとか、人間への共感力を持ってる。エインフェリアたちとの交流で成長していく姿は、まさに理想の上司(?)。

    でも、その優しさゆえに、神としての非情な任務とのギャップに一番苦しむことになるんです。

  • 三女:シルメリア(Silmeria / シルメリア) - 未来を司る女神スクルドに対応するとか。情熱的な赤い鎧が素敵。自由を愛し、命の尊さを誰よりも知ってる。だから、オーディンのやり方に「ちょっと待った!」って反逆しちゃった過去があるんですね。

    そのせいで、シリーズ開始時点では大変なことになってる、悲劇のヒロイン。

で、ここが一番大事なポイント!
この三姉妹、実は「一つの、なんかすごい高次元の魂(データ?)を共有してる、それぞれ独立した人格(OSみたいな?)」っていう、とんでもない設定なんです!
つまり、物理的には別々の体を持つこともあるけど(主に転生時)、魂の根っこは一つ。

例えるなら、一つの高性能PCに、過去担当OS(アーリィ)、現在担当OS(レナス)、未来担当OS(シルメリア)がインストールされてる感じ?

しかも、オーディンが設定した(あるいは世界のバグ?)ルールで、基本的に、同時に起動できるOSは一つだけ!
一人がヴァルキリーとして活動してる間、他の二つのOS(人格・魂)はパワーオフされて、記憶も消されて、人間としてミッドガルドにダウンロード(転生)され、スリープモード(眠り)に入ってるんです。

で、活動中のOSがなんかエラー起こしたり(精神ダメージとか)、オーディンが「交代!」って指示したりすると、スリープ中の別OSが叩き起こされて起動、代わりに今まで動いてたOSが人間として転生・スリープ…っていう、超ハードなローテーション勤務!

この「魂の共有」と「交代制転生システム」が、姉妹間の複雑な関係(記憶がないから誤解も生まれる)とか、レナスが「神なのに人間の記憶がある」っていう物語の根幹を生み出してる、超絶技巧な設定なわけですよ。

すごくないですか?(自画自賛)

さあ、基本ルールは頭に入りました?

では、いよいよ時空を超えた神話の旅へ、レッツ・ダイブ!

魂の記憶を辿る、神話の迷宮へ時系列ストーリー完全解説

さあ、ここからが本番!
VPシリーズの複雑怪奇な物語を、最新の考古学…じゃなくて、ゲーム内の情報と公式設定、そしてちょっぴりの超次元的妄想をスパイスに、可能な限り時系列順に並べて、その全貌を丸裸にしちゃいます!
スマホアプリ『アナトミア』の太古の物語から、VP1・VP2・咎が描く激動の時代、そしてVEが示す新たな地平まで、魂の旅路を一緒に辿りましょう!
各セクション前には【ネタバレ警報】を鳴らしますので、心の準備を!

神話の夜明け:戦乙女、創世の記憶(『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』)

ネタバレ警報

シリーズ全ての始まり、宇宙のファーストシーズン!『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』の核心に迫ります。

レナス誕生の真実、繰り返される世界の謎、そして衝撃の結末がここに…!

全ての物語は、ここから始まった――。

そう言っても過言ではないのが、スマホアプリとして展開された『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』(通称アナトミア)。

この物語は、我々が知るVPシリーズの、はるか、はるか昔…オーディンがまだ神界のトップに立ったばかりで、世界のルールもなんだかフワフワしてた、まさに「神話の時代」を描いています。

VPシリーズの「エピソード・ゼロ」って感じですね。

物語は、アース神族にとって悪夢としか言いようのない大事件から始まります。

なんと、冥界ニブルヘルムの女王であるヘルが、突如としてオーディンに反旗を翻し、神界アースガルズに大規模な奇襲攻撃を仕掛けてきたのです!(ヘルの反乱)。

この予測不能な裏切りによって、まだ体制が盤石じゃなかったアース神族は、もう壊滅寸前の大ダメージ!
主神オーディンも瀕死の重傷を負い、多くの神々が力を失ったり、なんか変な姿(バグったデータみたいに?)に変異して人間界ミッドガルドに堕ちてしまったり…まさに、神界オワタ\(^o^)/状態。

もうダメかも…とオーディンが諦めかけたその時、彼は最後の切り札、というか禁断の秘術に手を出すことを決意します。

それは、めちゃくちゃ強いけど、なんかヤバい副作用がありそうで永らく封印されてた「眠りし者」を起こすこと。

その「眠りし者」こそ、我らが主人公、蒼穹の戦乙女のオリジン(原初の姿)、戦乙女レナス・ヴァルキュリアだったのです!
アナトミアのレナスは、VP1の彼女と違って、まだ人間としての記憶とか葛藤とかがなく、純粋な「神の兵器」として目覚めたばかり、って感じですね。

ピュアで強い、みたいな。

目覚めたばかりのレナスに、瀕死のオーディンは二つの超重要ミッションを与えます。

一つは、人間界に堕ちてバグっちゃった(変異した)神様たちを探し出して、浄化して、元の神様に戻してあげること(データ復旧作業?)。

もう一つは、人間界で死んじゃった強い魂を持つ英雄たちを見つけ出して、エインフェリアとしてスカウトし、ボロボロになった神界軍を立て直すこと。

これが、後のシリーズでレナスが延々とやらされることになる任務の、そもそもの始まりだったわけですね。

お疲れ様です、レナス様…。

オーディンの命令を受けたレナスは、神々の残骸と人間の悲劇がごちゃ混ぜになった、混沌とした世界へと降臨します。

そこで彼女は、戦乱、陰謀、病、愛憎…様々な理由で命を落としていく人間たちの魂に触れていきます。

VP本編と同じように、エインフェリアとなる者たちの「生と死」のドラマが、もう涙なしには語れないレベルで、時に残酷に、時に美しく描かれます。

レナスは彼らの魂をヴァルハラに送り届けつつ、同時に、地上で苦しむ元・神様たちの救済にも奔走する、超多忙な日々を送るのです。

しかし、物語が進むにつれて、この「ヘルの反乱」には、もっとヤバい黒幕がいたことが判明します。

そいつは、オーディンの側近として信頼されてた原初の神ゼフィロス

このゼフィロスさん、どうやら今の世界のあり方(神様同士の争いとか、人間の不完全さとか)に心底ウンザリしてたみたいで、なんと、神界も人間界も冥界も、ぜーんぶまとめてリセットボタン(Ctrl+Alt+Delete的な?)を押して、世界を自分の理想通りに再創造(リセット)しちゃおう!っていう、とんでもない野望を抱いていたのです。

しかも、この世界リセット、どうやら一回だけじゃなくて、何度も何度も繰り返してたっぽいんですよ!
ヘルですら、彼の壮大な「世界作り直し計画」の駒の一つに過ぎなかった、と。

怖すぎません?

一方、人間界では、トラキシア王国の若き皇帝シャイロII世が、「もう神様なんて信じられるか! 俺たち人間の手で、神に頼らない最強国家作ってやるぜ!」って感じで、勢力を拡大していました。

彼には、昔、お父さん(先代皇帝)が神様の気まぐれな介入で裏切られて絶望死した、っていう辛い過去があったんですね。

だから、神様への不信感がMAX。

その切り札として、彼は禁断の科学技術(?)で、神様すら殺せる力を持つ人造の少女兵器、“神殺しの槍”アリスを開発・運用していました。

人間もなかなかやりますよね。

物語のクライマックスは、世界の運命を賭けた三つ巴の大戦争!
オーディン率いるアース神族(レナス&エインフェリア軍団)、シャイロII世率いる人類軍(アリスもいるよ!)、そしてゼフィロス率いる冥界勢力(ヘル軍含む)。

もう、わけわかんないくらいの大激戦の末、歴史の記録(表向き)に残った勝者は、なんと人類だったんです!
シャイロII世はその後70年間、人間中心の時代を築いたとされ、敗北したオーディンは力を失い、しばし歴史の表舞台からフェードアウト。

…と、これでめでたしめでたし、とはならないのがVP。

この大戦争の裏では、もっと根源的な、宇宙の存亡に関わる戦いが繰り広げられていました。

黒幕ゼフィロスは、戦乙女レナスが持つ、計り知れない魂の力(=潜在的な創造と破壊のエネルギー)に目をつけます。

彼は、レナスを精神的に追い詰め、絶望させることで、その力を暴走させ、世界リセットのトリガーにしようと画策していたのです。

「人間なんて救う価値ないよ~」「この世界、失敗作だから壊しちゃお?」って、悪魔の囁きでレナスの心を揺さぶり続けます。

しかし、数えきれないエインフェリアたちの魂に触れ、人間の可能性(ダメなところも含めて)を信じ始めていたレナスは、最後までゼフィロスの誘惑に屈しませんでした。

「不完全かもしれないけど、それでもこの世界は尊い! 未来は神様が決めるものじゃない、人間自身が紡いでいくべきものだ!」と。

そして、ゼフィロスの計画を阻止し、この「今」の世界を守るために、レナスは究極の、そして最も尊い選択をします。

それは、自らの魂そのものを犠牲にして、ゼフィロスの力の根源(リセット装置?)を破壊するというものでした。

レナスの自己犠牲という、愛と意志の力によって、ゼフィロスの永きにわたる世界リセット計画は阻止され、彼女の魂は光となって消滅したかのように見えました…。

世界のループとVP1への接続点 - 超次元的考察

さて、ここで大問題。

『アナトミア』の結末(人類勝利、オーディン敗北、レナス消滅)って、どう考えてもVP1(オーディン健在、レナス活動中)と繋がりませんよね?
この矛盾、公式は明確には説明してくれてません。

なので、ここからは私の出番! 超次元ライターとしての考察(妄想?)タイムです!

  • 仮説1:アナトミアは「プロトタイプ世界線(ver.0.9)」だった説
    ゼフィロスが言ってた「世界ループ」。これって、もしかしたら宇宙規模のシミュレーションみたいなもんじゃないですかね?
    で、アナトミアで描かれたのは、VP1という「完成版(ver.1.0)」に至るまでの、数ある試行錯誤の中の一つのバージョン(プロトタイプ)だった、と。このバージョンでは人類が勝っちゃったけど、「これじゃラグナロクの最適解に辿り着けないな…」ってことで、高次元の存在(オーディン?あるいはもっと上の何か?)がパラメータ調整してリトライした結果、VP1の世界線が生まれた、とか。レナスの魂も、消滅じゃなくて「バックアップデータから復元」されたのかもしれません。
  • 仮説2:観測者効果による世界線の収束説
    量子力学とかSFでよくあるやつですけど、世界ってのは観測されるまで確定しない、みたいな。アナトミアの結末も、あくまで「可能性の一つ」であって、最終的にVP1の歴史へと繋がるように、より「強い」運命(あるいは高次元からの干渉)によって、世界線が「収束」したんじゃないでしょうか?
    レナスの自己犠牲という強い意志が、新たな世界線を生み出すトリガーになった、という解釈もロマンチックですよね。
  • 仮説3:レナスは魂のデータバンク説
    そもそも「レナス」という存在自体が、単一の人格というより、ヴァルキリーシステムの中核をなす、膨大な魂のデータを記録・管理・運用するための高次元インターフェースみたいなものだったら?
    アナトミアのレナスもVP1のレナスも、同じ「レナスOS」だけど、バージョンやインストールされてる記憶データが違う、みたいな。アナトミアでの経験(データ)も、VP1のレナスの中に(無意識レベルで)蓄積されてるのかもしれません。

…とまあ、色々考えられますが、真相は神(というかスクエニさん?)のみぞ知る、ですね!
とにかく、アナトミアはVP世界の深遠な謎と、ループや多元宇宙といったSF的な可能性を提示しつつ、レナスという存在のオリジンを描いた、超重要な作品だってことです!

VP本編前史:シルメリアの反逆、封印、そして運命の分岐点

さあ、時間軸をグッと現代(VP1基準)に近づけて、初代VP本編が始まる数百年前の出来事に焦点を当てましょう。

ここで語られるのは、三女シルメリアの悲劇と、それが引き起こしたVP世界の歴史における最初の(明確な)分岐点です。

ここの理解が、VP1とVP2の関係性を解き明かす鍵になりますよ!

神話の時代から時は流れ、ある時期、戦乙女としての任務(エインフェリアスカウト業務)を担当していたのは、未来を司るとされる三女、シルメリア・ヴァルキュリアでした。

情熱的な赤い鎧が似合う彼女は、自由を愛し、命の尊さを誰よりも重んじる性格。

だから、オーディンのやり方…つまり、エインフェリアをただの「兵士(駒)」として扱い、神々の都合で人間の運命を平気で弄ぶようなやり方に、もう我慢ならなかったんですね。

「こんなの間違ってる!」と。

さらに、オーディンが神々自身の魂を、なんかヤバそうな不死の肉体(ホムンクルスとか?)に移し替えて、永遠に世界を支配しようとしてる、みたいな禁断の計画を進めてることを知っちゃったもんだから、さあ大変。

シルメリアはついに、主神オーディンに対して、明確な「反逆」の意志を示し、行動を起こします(具体的な反逆内容はVP2で断片的に語られますが、オーディンの計画を邪魔したり、人間に肩入れしたりしたんでしょうね)。

当然、絶対君主オーディンがこの反逆を許すはずがありません。

激怒したオーディンはシルメリアを捕縛し、罰として彼女のヴァルキリーとしての力を剥奪、その魂(人格データ?)を強制的に人間へと転生させ、封印するという、超絶厳しい処罰を下します。

シルメリアの魂が送り込まれた転生先(ダウンロード先?)は、当時ミッドガルドでイケイケだった大国、ディパン王国の王女、アリーシャでした(※このアリーシャちゃん、名前の響きが長女アーリィと似てて紛らわしいんですが、全くの別人ですからね!要注意!)。

まだ幼かったアリーシャ王女の中で、シルメリアの魂(人格OS)は深いスリープモードに入っていました。

しかし、アリーシャが成長するにつれて、オーディンによる封印(セキュリティロック?)が徐々に甘くなってきたのか、バグってきたのか、時々シルメリアの人格が表に出てきちゃうようになったんです。

アリーシャ本人には記憶がないのに、急に神様の難しい話をしだしたり、なんかすごい力を使えたり…。

周りから見たら完全にホラーですよね。

「王女様、なんかヤバいのに憑りつかれてる!」「二重人格!?」って恐れられて、結局、城の一室に軟禁状態に。

かわいそうに…。

一方で、その頃のディパン王国では、国王陛下が「もう神様の言いなりはゴメンだ!」って感じで、神々への反逆計画を秘密裏に進めていました。

その切り札となるのが「ソヴァリアの儀式(覇王の儀式)」っていう、名前からしてヤバそうな秘術の研究。

これは、時空を操る魔法とか、人間を不死身にする錬金術とかとセットで研究されてて、最終目標は、神様の魂を捕まえたり吸収したりして、その力を奪い取るか、神様に対抗できる新しい力を作り出すことだったんです。

ディパン王国、結構チャレンジャーですよね。

このディパンの不穏な動きと、アリーシャ王女の中で反逆者シルメリアの封印が解けかかってるヤバい状況を、オーディンが見逃すはずがありません。

「シルメリアもディパンも、まとめて潰す!」と判断。

彼は、長女の戦乙女アーリィ(Hrist)を「始末屋」としてディパンに派遣します。

Hristに与えられた任務は、シルメリア(=アリーシャ)の魂の完全消滅、ディパン王国の壊滅、そして、当時なぜかディパン王国にあった(盗まれた?)神界の超重要アイテム「ドラゴンオーブ」の奪還でした。

このオーブ、とんでもないパワーを秘めてるので、ディパンに悪用されたら大変なことになる、とオーディンは考えたわけです。

こうして、ディパン王国は神の怒りを買い、Hrist率いる神界軍による、それはもう徹底的な粛清を受けることになります。

後に「ディパン滅亡」として語り継がれる、悲劇的な大事件です。

そして、この事件の真っ只中で、VPシリーズの歴史、いや、もしかしたら世界のあり方そのものを二つに分けてしまう、重大な「運命の分岐点」が発生するのです!

歴史分岐!シルメリアの運命はどっちだ!?

ディパン王城が炎に包まれ、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図と化す中、王城最深部、ソヴァリアの儀式が行われる祭壇の間では、最後の攻防が繰り広げられていました。

儀式を強行しようとするディパンの三賢者、それを阻止せんとするHrist(人間の傭兵レオーネに憑依中)、そしてアリーシャの体を借りて必死に抵抗するシルメリア

この三つ巴の極限状況で何が起こったかによって、その後の歴史が全く違う方向に進んでしまうのです!

  • パターンA:元の歴史(こちらがVP1に繋がる正史ルート)
    三賢者がヤケクソ気味にソヴァリアの儀式を発動! 強力な魂吸収の力がシルメリアを襲います。このままでは魂ごと消滅、あるいは吸収されてしまう! そう悟ったシルメリアは、最後の賭けに出ます。彼女は、儀式を阻止するために女神フレイが遠隔から放っていた魂捕縛用の魔法(光の鎖みたいなやつ)を、なんと自ら進んで受け入れたのです!
    これにより、シルメリアの魂は物理的な「結晶」となり、儀式の効果を受け付けない状態に(ある意味、自己冷凍保存?)。そして、その場に居合わせ、シルメリアに味方していた不死者の王ブラームス(こっちは本来の姿)が、このキラキラ輝くシルメリアの魂の結晶を発見し、「これは俺が預かる!」と回収。

    オーディンの手が届かない自分の城(ブラムス城)へと持ち帰り、永い間、大切に保護することになります。

    一方、Hristは儀式の影響をなんとか切り抜け、任務(ディパン滅亡)を完了して神界へ帰還。

    この結果、「シルメリアは反逆の罪で封印され、魂は結晶となってブラームス城で眠っている」…これが、初代VPの物語開始時点での状況であり、シリーズの正史となる歴史の流れです。

    覚えておいてくださいね!

  • パターンB:改変された歴史(こちらがVP2のゲーム本編ルート)
    さあ、ここで歴史の「if」が生まれます。『VP2 -シルメリア-』の物語は、実はこの「ディパン滅亡」の瞬間に、未来(VP1 Aエンド後)からやってきた、あの変態…じゃなくて、狂気の魔術師レザード・ヴァレスが、こっそり歴史に介入した結果、生まれたパラレルワールドの出来事を描いています。VP2の世界線では、ソヴァリアの儀式が発動し、シルメリアの魂がアリーシャの体から引き剥がされた、まさにそのコンマ数秒の隙に、レザードが時空を操る超絶魔術を発動!
    フレイの捕縛魔法よりも、ブラームスの保護よりも早く、シルメリアの魂だけをシュッと横取りして、自分の研究室に転送しちゃったんです!
    なんて奴だ!
    シルメリアの魂がレザードに盗まれちゃったので、彼女は結晶化しませんでした。その結果、シルメリアを捕まえるはずだったフレイの捕縛魔法は目標を見失い、代わりに近くにいたブラームス(人間のディランの姿)にドーン!と誤爆

    ブラームスは「え?俺!?」って感じで抵抗する間もなく結晶化され、捕まってしまいます。

    予期せぬ事態にフレイも戸惑いますが、「まあ、結果オーライ? 反逆者ブラムス捕まえられたし」と(?)、結晶化したブラームスと、儀式の影響で一時的に動けなくなってたHristを回収して、さっさと神界へ。

    この瞬間から、VP2の物語は、VP1とは全く違うレールの上を走り始めることになるのです。

    この改変された歴史の詳細は、後の『VP2 -シルメリア-』のセクションでじっくり語りますね。

まずは、「シルメリアがオーディンに反逆し、その魂は(本来の歴史では)ブラームス城で結晶化したまま封印状態にある」という事実が、初代VPの物語を理解する上で超・重要な背景設定になっている、ということを、しっかり頭に入れておいてください!
これが全ての始まりと言ってもいいくらいですから!

VP本編前夜:レナスの転生、そして二重の記憶喪失の謎 - 目覚めよ、蒼穹の乙女!

さて、シルメリアが封印されてから数百年。

戦乙女のお仕事は、しばらく長女アーリィ(Hrist)がメインで担当してたみたいです。

でも、いよいよラグナロクの足音がドンドン近づいてきて、オーディンも「もっと強いエインフェリア集めなきゃヤバい!」って焦り始めます。

そこで彼は、次女レナス・ヴァルキュリアを再び戦場に呼び戻すことを決めるんですが…ただ普通に呼び戻すんじゃなかった。

そこには、レナスの過去にまつわる深い闇と、オーディンの冷徹すぎる計算が隠されていたんです。

ここで解き明かさなきゃいけないのが、VPシリーズ最大のミステリーの一つであり、初代VPの物語の根幹に関わる「レナスはなぜ人間の記憶を持っていたのか?」そして「なぜ記憶喪失状態だったのか?」という、二つの大きな謎です。

まず、レナスは本来、ピュアな神族の戦乙女のはず。

なのに、初代VP本編が始まる前の、いずれかの時期(シルメリア封印後~VP1開始までの間)に、彼女の魂(人格OS)はオーディンによって一旦スリープモードにされ、ミッドガルドの辺境、コリアンドル村で「プラチナ」という名前の、ごく普通の(というか、むしろめちゃくちゃ不幸な)人間の女の子として生きていたんです。

これはもう説明しましたけど、「戦乙女三姉妹の魂共有&交代制転生システム」っていう、あの特殊ルールによるものですね。

で、この人間プラチナとしてのレナスの人生が、もう、涙なしには語れないレベルで悲惨だったんですよ…。

貧しい家に生まれて、実の両親からは邪魔者扱い、愛情なんてかけらもなく、日常的に虐待され、まるで道具か家畜のような扱い。

彼女の世界は、生まれた時からずっと、灰色で、冷たくて、出口のない絶望に満ちていました。

そんな暗闇の中で、プラチナにとって唯一の光であり、心の支えだったのが、村に住む心優しい少年、ルシオ

二人は、お互いだけが世界の全て、って感じで、寄り添い、励まし合いながら、つらい現実を必死に生きていました。

プラチナにとってルシオは、もう幼なじみとか初恋とか、そういう言葉じゃ足りないくらい、魂レベルで繋がった特別な存在だったんです。

でもある日、プラチナは自分が両親に人買いに売り飛ばされようとしてるって知っちゃうんです。

もう、これ以上耐えられない、と。

彼女はルシオと一緒に、自由を求めて村から逃げ出すことを決意します。

二人は夜の闇に紛れて、わずかな希望だけを胸に、あてのない逃避行へ…。

でも、運命はどこまでも残酷でした。

逃亡の途中、疲れ果てた二人が迷い込んだのは、幻想的なまでに美しい「鈴蘭(すずらん)の草原」

でも、その白く可憐な花々は、死の香りを運んでいたんです(VP世界では鈴蘭は猛毒!)。

追っ手の影に怯え、未来への希望も見えず、心も体も限界だったプラチナは、ルシオの腕の中で、ついに心がポッキリ折れてしまいます。

「もう…疲れた…死んでしまいたい…楽になりたい…」
その弱々しい呟きと共に、彼女は知らず知らずのうちに吸い込んでいた鈴蘭の毒に侵され、その短い命の灯火を静かに消していきました。

「やっと…自由になれる…ルシオ…」
最愛の少年の腕の中で、プラチナはあまりにも哀しい最期を迎えたのです。

そして…ミッドガルドで人間プラチナが息絶えた、まさにその瞬間!
神界アースガルズでは、主神オーディンが「時は満ちた! 戦乙女レナス・ヴァルキュリアよ、我が呼び声に応えよ!」って感じで、彼女を召喚していたんです。

まるで全てが計算されていたかのように、人間の少女の「死」と、女神としての「覚醒」が、寸分の狂いもなく同時に起こったわけです。

オーディンは、ラグナロク最終戦争に向けた最強の「駒」としてレナスを召喚しました。

そして、美の女神フレイを教育係兼監視役として付け、「直ちにミッドガルドへ降り、勇猛なる死者の魂(エインフェリア)を選定し、片っ端からヴァルハラへ送り届けよ!」と厳命します。

でも、この召喚の際に、オーディンはレナスの精神(魂のデータ?)に、超ヤバい「細工」を施していました。

それは、レナスが人間プラチナとして生きていた間の記憶――ルシオとの関係、両親からの虐待、そして自らの悲劇的な死に至るまでの辛い記憶――を、根こそぎ、完全に封印・消去するというものです。

なぜそんな酷いことを?
オーディンは、レナスが人間としての情や感傷に流されて、エインフェリアを効率的に集めるっていう「任務」の邪魔になることを、死ぬほど恐れていたからです。

ヴァルキリーは、オーディンにとって感情を持たない、完璧で従順な兵器(プログラム)であるべきだったんですね。

ひどい話ですよね…。

でもね、話はこれで終わりじゃないんですよ。

レナスに施された記憶封印、実はプラチナとしての記憶だけじゃなかったんです。

オーディンには、レナスから消し去りたい「もう一つの、都合の悪い過去の記憶」があったんです。

それが、さっきもチラッと話した、ニンテンドーDSの『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』(VP咎)で描かれた、あの衝撃的な事件の記憶!

VP咎の正史(Cエンド)によれば、レナスはVP1本編で召喚されるより少し前の時代(プラチナに転生する直前の任務期間)に、自分がスカウトしたエインフェリアが原因で、その家族だった人間の青年(ウィルフレド)から、ものすごい逆恨みを買っちゃったんですね。

で、復讐の鬼と化したそのウィルフレドに、なんと戦闘で負けて、討たれてしまったんです!
ヴァルキリーが人間に敗北するなんて、前代未聞の大事件!
この経験は、レナスの心に深い、深ーい傷を残しました。

「私が神としてやったことが、人間を不幸にし、歪めてしまった…?」っていう強烈な罪悪感と、自分自身の存在意義への疑念が、彼女の精神をボロボロにしちゃったんです。

この「人間に負けた」っていう不名誉な事実と、レナスの精神的ダメージを重く見たオーディンは、一石二鳥の策を思いつきます。

まず、傷ついたレナスに休息(という名の記憶リセット期間)を与えるために、人間プラチナとして転生させる。

そして、次にヴァルキリーとして再召喚する時には、このトラウマになった忌まわしい記憶(ウィルフレドに討たれた記憶と、それに伴う罪悪感や精神的動揺)も、プラチナとしての記憶と一緒に、ぜーんぶまとめて封印しちゃえ!と。

つまりですよ、初代VPの冒頭で、我々プレイヤーが出会うレナスは、
①「人間プラチナとしての辛い人生の記憶」
②「復讐者ウィルフレドに敗北した屈辱と罪悪感の記憶」
っていう、二重の記憶をオーディンによって意図的に消去・封印された状態で、まっさらな(ように見える)戦乙女として、再びミッドガルドの地に降り立つことになったわけです!
なんてこった!
自分が誰なのか、なぜ戦うのか、その理由の大部分を奪われたまま、彼女はラグナロクという巨大な運命の渦へと、再び巻き込まれていくのです…。

これが、初代『ヴァルキリープロファイル』の、本当の本当の、物語の始まりなんです!
ドキドキしますね!

復讐の炎、人間の叫び:ヴァルキリーを見上げた咎人(『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』)※VP1本編と一部時期重なる

ネタバレ警報

今度は視点をガラッと変えて、神々の都合に翻弄された人間の物語。

『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』の核心、特に正史とされるCエンドの、救いようのない悲劇の結末を語ります。

レナスの封印された記憶の「片割れ」が、ここに…。

初代VPとほぼ同じ時代、あるいはその直前。

英雄たちの華々しい活躍の裏側で、ひっそりと紡がれていた、もう一つの物語。

それが、ニンテンドーDSで発売された異色のシミュレーションRPG『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』(VP咎)です。

この作品のすごいところは、これまで神様やヴァルキリー視点だった物語を、初めて「ヴァルキリーに全てを奪われ、復讐を誓った、ただの人間」の視点から描いたこと。

「神様のやることは絶対正しいの?」「残された人間にとっては、むしろ悲劇なんじゃない?」っていう、シリーズの根幹を揺るがすような、重くて鋭い問いを投げかけてくるんです。

主人公は、特別な力なんて何も持たない、ミッドガルドに生きるごく普通の青年、ウィルフレド(愛称ウィル)

物語は、彼の子供時代の、忘れられないトラウマから始まります。

ウィルのお父さん、セオドールは、アルトリア国の勇敢な騎士でした。

でもある戦で、彼は名誉の戦死を遂げてしまいます。

そして、その死の直後、戦場に颯爽と現れた戦乙女レナスによって、「勇者の魂」としてスカウトされ、エインフェリアとして神界ヴァルハラへと連れ去られてしまったのです。

父の死は、残されたウィルの家族にとって、栄誉などではなく、絶望の始まりでした。

一家の大黒柱を失い、生活は困窮を極めます。

まだ小さかった妹のエルシーは、満足にご飯も食べられず、栄養失調で衰弱し、兄であるウィルの腕の中で「お兄ちゃん…寒いよ…」と言い残し、息を引き取ってしまいます。

お母さんのマルゴットは、愛する夫と娘を立て続けに失ったショックと過酷な現実から精神の均衡を失い、息子ウィルフレドのことを、亡くなった夫セオドールと混同し、「あなた、おかえりなさい」と呼びかけるようになってしまいました。

目の前で、愛する家族がバラバラに壊れていく地獄のような光景を目の当たりにした少年ウィルの心に、一つの結論が焼き付きます。

この全ての不幸、全ての悲劇の原因は、ただ一つ。

「父さんの魂を、勝手に神界なんかに連れて行った、あの青い鎧の女(レナス)のせいだ!」
神々の都合で父は奪われ、残された者は苦しみの中に置き去りにされる。

この理不尽な現実に対する激しい怒り、そしてレナスに対する、骨の髄まで染み渡るような憎悪と復讐心が、ウィルの心を真っ黒に塗りつぶしていくのです。

時が流れ、青年になったウィルフレドは、父のような騎士にはなれず、幼馴染のアンセルと一緒に傭兵稼業で食いつなぐ、うだつの上がらない日々を送っていました。

でもある日、初めて参加した大きな戦闘で、ウィルは運悪く強力な魔物に襲われ、死の淵をさまようほどの重傷を負ってしまいます。

意識が遠のき、冷たい闇に包まれかけたその時、彼の前に、妖しくも美しい謎の女性がフワリと現れます。

彼女はエーリスと名乗り、冥界ニブルヘルムの女王ヘルの使いだと告げます。

「死にたくないのでしょう? あなたのその深い憎しみ…私が力になってあげる…」
まるで悪魔の囁きのように、甘く危険な言葉を投げかけます。

エーリスはウィルに、黒く不気味なオーラを纏った一枚の羽…「女神の羽(プルーム)」を差し出します。

それは、かつて戦乙女が落としたとされる羽の欠片が、冥界の邪悪な力で変質したもの。

持ち主に凄まじい力を与える代わりに、恐ろしく、そして取り返しのつかない代償を求める、禁断の呪われたアイテムでした。

その代償とは…「共に戦う仲間の命(魂)を、自らの意思で、この羽に捧げること」

仲間を犠牲にすればするほど、羽はその魂と持ち主の憎悪をエネルギーに変え、爆発的な力を引き出し、最終的には神をも殺しうるほどの力を与える、というのです。

復讐のためならば悪魔に魂を売るとっくに覚悟を決めていたウィルは、葛藤しながらも、この黒い羽を受け入れます。

羽の力で奇跡的に死の淵から蘇ったウィルは、エーリスに導かれるまま、戦乙女レナスへの復讐を果たすためだけの、血塗られた宿命の道を歩み始めることを決意するのでした。

もう、後戻りはできない…。

VP咎は、プレイヤーがウィルとして物語を進める中で、様々な選択を迫られます。

特に、「女神の羽」の力を使うかどうか(=仲間を犠牲にするか否か)という選択は、ウィルのカルマ(業)を大きく左右し、物語の結末を4つの主要なエンディングへと分岐させます。

その中で、公式設定資料集などで「正史」、つまりVP1本編の世界線へと繋がる結末として示されているのが、最も悲劇的で救いのないCエンディングです。

ここでは、このCエンドの、胸が締め付けられるような展開を中心に解説していきます。

ウィルは、エーリスを通じて冥界の女王ヘルと契約を結びます。

「指定された期間内に、戦乙女レナスを完全に討ち滅ぼすこと」。

その見返りとして、ヘルはウィルの望み(ウィルは漠然と、失った家族を取り戻せるかもしれないと期待している)を叶える、と。

ウィルは契約を受け入れ、エーリスの助言や、時には冥界からの強力な魔物の貸与といった支援を受けながら、傭兵として各地の戦場を転戦し、レナスを討つための力を、そして「神殺し」の力を蓄積していきます。

その復讐の旅の過程で、ウィルは様々な事情を抱えた多くの仲間たちと出会います。

ずっと傍にいてくれる親友アンセル、クールな魔術師、忠義に厚い元騎士、陽気で腕の立つ盗賊…個性豊かな面々が、ウィルの目的を知ってか知らずか、彼の下に集い、共に死線を潜り抜ける中で、ウィルとの間に確かな友情や信頼関係を育んでいきます。

仲間たちとの温かい交流は、復讐心で凍てついていたウィルの心に、わずかな光と、人間らしい迷いを生じさせます。

「本当に復讐なんてして意味があるのか?」「こんな良い奴らを、俺は犠牲にできるのか?」「復讐を果たしたとして、エルシーや母さんの笑顔は、もう二度と戻らないんじゃないか…?」
…そんな迷いや葛藤が、彼の心を激しく揺さぶります。

しかし、その迷いを打ち消すかのように、エーリスは常にウィルの傍らに影のように寄り添い、「甘ったれるな」「憎しみこそがお前を強くする唯一の糧だ」「仲間なんて、お前の目的を達成するための道具に過ぎない」と、冷たく、しかし的確に彼の弱さを突き、冥界の復讐者としての道へと引き戻そうとします。

そしてウィル自身もまた、復讐以外に自分が生きる意味を見いだせず、「俺にはもう、これしかないんだ」「レナスを殺すことでしか、この苦しみと過去から解放される道はないんだ!」と、自らを奮い立たせ、あるいは絶望的に追い込んでいきます。

彼は、心の涙を隠しながら、仲間を犠牲にするという非情な選択(女神の羽の使用)を、何度も、何度も繰り返します。

その度に、彼の力は増大し、彼の振るう剣は、捧げられた仲間たちの魂の重みと、ウィルの底なしの憎悪によって、神をも貫き通すほどの、禍々しくも鋭い輝きを帯びていくのです。

そして、ついに運命の日は訪れます。

ウィルは、激戦の続く戦場で、エインフェリアを選定するために降臨した戦乙女レナスと、ついに直接対峙する機会を得ます。

レナスは、ウィルから放たれる、人間離れした憎悪のオーラと、彼が冥界の禁忌の力を借り、多くの犠牲の上に立ってまで自分を殺そうとしていることを、瞬時に見抜きます。

彼女はウィルに対し、深い哀れみと、そして自らの過去の行いへのある種の責任を感じながら、「あなたの深い悲しみと怒りは理解できます。

しかし、その憎しみのために、あなたを信じた仲間たちの命を犠牲にする行為は、決して許されることではありません。

その冥界の力を捨てなさい。

まだ人としての道に戻れるはずです」と、冷静に、しかし真摯に諭そうとします。

だが、長年にわたる憎悪と、仲間を手にかけたという拭いきれない罪悪感によって、ウィルの心はもはや完全に壊れ、憎しみと復讐心で塗り固められていました。

レナスの言葉は、彼の耳には偽善に満ちた、敵からの戯言としてしか響きません。

「黙れ! 偽善者が! お前が! お前が父さんを連れて行ったりしなければ! 家族は死ななかった! 母さんも狂わなかった! 俺の家族を返せ! 全ての元凶はお前なんだあああ!」
魂からの絶叫と共に、ウィルはレナスに斬りかかります。

本来であれば、神であるヴァルキリーに対し、ただの人間の攻撃など、赤子の手をひねるようなもの。

しかし、女神の羽によって極限まで増幅され、歪められたウィルの憎悪のエネルギーは、奇跡か、あるいは世界の法則のバグか、レナスの神聖なる防御結界を打ち破ります。

激しい剣戟、魂と魂のぶつかり合いの末、ウィルフレドの渾身の一太刀が、ついに戦乙女レナスの体を深々と貫いたのです!
信じられない、という驚愕と苦悶の表情を浮かべるレナス。

彼女は膝から崩れ落ち、その場に倒れ伏しました。

ウィルは、震える手で血に濡れた剣を握りしめながら、ついに長年の悲願、復讐を成し遂げたことを実感します。

「やった…やったぞ…! 父さん…エルシー…母さん…これで…!」

しかし、その復讐の成就は、同時に彼の破滅の瞬間でもありました。

ウィルが倒れたレナスにとどめを刺そうとした、まさにその刹那、神界から女神フレイが瞬時に降臨します。

フレイは、レナスが人間に討たれたという信じられない光景に驚愕しつつも、即座に状況を判断。

「レナスが人間に…!? ありえない! しかし、魂までは消させぬ!」
フレイは、レナスの魂が完全に消滅してしまう前に、その魂を光と共に回収し、神界へと連れ去ってしまいます。

ウィルはレナスを討ちましたが、その魂を完全に消滅させることはできませんでした。

つまり、冥界の女王ヘルとの契約(レナスの完全な抹殺)は、結果的に不履行に終わってしまったのです。

目的を果たせず、もはや利用価値がなくなったウィルに対し、エーリスは氷のように冷たい視線を向け、宣告します。

「残念だったわね、ウィルフレド。

あなたはヘル様との契約を果たせなかった。

約束は約束よ。

あなたの魂は、ヘル様のものとなる」と。

抗う力も、気力も残されていないウィルフレドは、深い絶望と虚無感の中でエーリスによって冥界へと引きずり込まれ、その復讐のためだけに生きた、孤独で、哀れで、そしてあまりにも悲劇的な生涯を終えました。

彼の魂が冥界でどのような運命を辿ったのか、救済はあったのか…それは誰にも知る由はありません。

この「戦乙女レナスが、ただの人間に討たれた」という前代未聞の事件は、神界にも大きな衝撃と動揺をもたらしました。

神々にとって人間は、支配し、導き、時には利用する、取るに足らない存在のはずでした。

その人間が、神の代理人たるヴァルキリーを打ち破ったという事実に、神々はプライドを傷つけられ、世界の秩序の揺らぎを予感したのです。

そして何よりも、この事件はレナス自身の魂に、決して消えることのない、深い深い傷跡を刻み付けました。

自分が良かれと思って行ってきたエインフェリア選定という「神の御業」が、結果的にウィルフレドのような悲劇的な復讐者を生み出し、彼の家族を不幸のどん底に突き落とし、純粋だったかもしれない魂を憎しみで歪めてしまった…その厳然たる事実に、彼女は強い、耐え難いほどの罪悪感と、自らの存在意義、そして神々の正義そのものに対する深い疑念を抱くことになったのです。

「私のしてきたことは、本当に誰かのためになっていたのだろうか…? それとも、ただ悲劇を増やしていただけ…?」
この精神的なダメージはあまりにも深刻で、もはや彼女が以前のように、迷いなく戦乙女としての任務を続けることは困難な状態にまでなっていました。

この事態を重く見た主神オーディンは、レナスの精神を守るため(という建前と)、そして彼女を再びラグナロクのための効率的な兵器として再利用するため(という本音から)、彼女の記憶に対する介入を決断します。

オーディンは、レナスを一時的に戦乙女の任から外し、その傷つき、疲弊した魂を(前述の通り)人間プラチナとしてミッドガルドに転生させ、記憶をリセットする期間(という名の強制的な忘却期間)を与えることにしました。

そして、次に彼女をヴァルキリーとして再召喚する際には、プラチナとしての記憶と共に、このウィルフレドに討たれたという屈辱的な記憶、そしてそれに伴う罪悪感や精神的なトラウマに関する記憶も、全てまとめて、完全に封印・消去することを決定したのです。

これが、VP1冒頭でレナスが二重の記憶を失っていた、本当の理由だったのです。

ファン考察:プラチナの虚無感の根源

初代VPで描かれる人間時代のレナス(プラチナ)が、なぜあれほどまでに幼い頃から、他の子供たちとは異なり、生に対して深い絶望感を抱き、「死」を願うような虚無的な性格だったのか?
もちろん、彼女が置かれていた劣悪な家庭環境や、村での孤立といった要因が大きいことは間違いありません。

しかし、一部のファンの間では、VP咎で経験したウィルフレドとの悲劇――自分が原因で人間を不幸にし、憎まれ、そして討たれたという強烈な経験――によって植え付けられた深いトラウマや罪悪感が、たとえ記憶としては封印されていても、魂の最も深いレベルに刻み込まれ、無意識のうちにプラチナの人格形成に影響を与え、彼女の根源的な虚無感や自己否定感、そして「生」への執着の希薄さに繋がっていたのではないか、という深読みも存在します(※これも公式設定ではなく、あくまで解釈の一つですが、物語の深みを増すスパイスにはなりますよね)。

IFストーリー:咎人が歩んだかもしれない別の道

VP咎には、プレイヤーの選択次第でウィルフレドが全く異なる運命を辿る、IFエンディングも用意されています。

これらは正史ではありませんが、彼の人間性や可能性を示す、興味深い物語です。

  • Aエンド(復讐を捨て、人として生きる): ウィルが復讐心を克服し、仲間を誰一人犠牲にせず(女神の羽を一度も使わず)旅を終える、最も希望に満ちた結末。彼は故郷に戻り、病んだ母と向き合い、過去の傷と罪を背負いながらも、人間として未来へ歩み出すことを選びます。VP1への繋がりはありませんが、心温まるエンディングです。
  • Bエンド(復讐を諦め、罪と共に生きる): 旅の途中で父セオドールの幻影(魂?)と対話し、復讐の虚しさを悟る結末。仲間を犠牲にした罪は消えませんが、冥界との契約も破棄し、人間として贖罪の道を歩むことを選びます。このルートでは、オーディンがレナスを休養させアーリィを派遣した裏事情や、ヘルの真の目的(神殺しの武器開発実験)などが明かされ、設定補完として非常に価値のある内容となっています。
  • Dエンド(力に溺れ、破滅する): ウィルが女神の羽の力に完全に心を奪われ、仲間をあまりにも多く犠牲にしすぎた場合に到達する、最悪のバッドエンド。力を求めすぎた彼は、レナスと対峙する前に、その危険すぎる存在を察知した女神フレイによって、「冥界の尖兵」として容赦なく粛清されてしまうという、文字通り救いのない結末です。力の代償の恐ろしさを描いています。

これらの別エンディングは、ウィルフレドという一人の人間の弱さと強さ、そして選択の重さを示唆していますが、シリーズ全体の大きな物語の流れ(特にVP1への繋がりと、レナスの記憶封印の理由)を考える上では、やはりCエンディングが正史として最も重要な意味を持っていると言えるでしょう。

ウィルフレドの悲劇は、決して忘れられてはならない、VP世界の影の部分なのです。

エインフェリア集結!ラグナロク迫る!魂の再生と創造の物語(『ヴァルキリープロファイル』初代 / 『-レナス-』)

ネタバレ警報

全ての伝説はここから始まった! シリーズの原点にして、多くの魂を震わせた不朽の名作、初代『ヴァルキリープロファイル』(及びPSPリメイク版『-レナス-』)。

その感動と衝撃のストーリーの全貌を、正史であるAエンディング(真エンド)を軸に、B・Cエンディングも含めて、可能な限り詳細に、そして熱く語り尽くします! レナスの真実、ルシオとの愛の奇跡、そして世界の運命の結末が、今、明らかに…!

永かった前置き(?)を経て、物語の主軸はついに、VPシリーズの輝かしい原点、全ての始まりであり、今なお多くのファンに「最高傑作」と称えられる初代『ヴァルキリープロファイル』(PS版、及び追加要素と改良が加えられたPSPリメイク版『-レナス-』)へと到達します!

物語は、あの衝撃的すぎる過去――人間プラチナとしての悲劇的な死、そして復讐者ウィルフレドに討たれたというトラウマ――の記憶を、主神オーディンによって二重に、そして完全に封印され、自らの過去の大部分を忘却させられた状態の戦乙女レナス・ヴァルキュリアが、神界アースガルズから再び人間界ミッドガルドへと降臨する、その神々しくもどこか儚いシーンから始まります。

オーディンの前に召喚されたレナスは、どこか感情が希薄で、まるで美しい人形のよう。

彼女に対し、主神オーディンと、彼女の直属の上司であり教育係(兼監視役?)でもある美の女神フレイ(フレイヤ)は、有無を言わせぬ威厳をもって、絶対的な使命を告げます。

「時は満ちた、レナス・ヴァルキュリアよ! 神々の黄昏(ラグナロク)は、もはや避けられぬ! 直ちに人間界ミッドガルドへ降り立ち、死せる者の中から勇猛なる魂を持つ者を選定し、エインフェリアとして神界ヴァルハラへと送り届けよ! 我らがアース神族の、最終戦争での勝利のために!」

記憶を封じられているせいか、あるいはオーディンによる精神的な枷(リミッター)のせいか、召喚されたばかりのレナスは、本来持っているはずの力を十全には発揮できず、また人間に対する共感や感情も極めて乏しい状態です。

「人間的な感情は任務の効率を下げる、不要なノイズだ」とオーディンに強く刷り込まれていることもあり、彼女は与えられた使命を、ただひたすら忠実に、そしてどこか機械的にこなそうとします。

その様子を見守るフレイは、レナスが任務を確実に遂行できるように、しばらくの間、地上での彼女の活動に付き従い、エインフェリア選定の作法や、ヴァルキリーとしての心構え、そして時には「非情さ」をも教え込みます。

ゲームは、プレイヤーがレナスとなってミッドガルドを探索し、エインフェリア候補を見つけ出す、という流れで進行します。

各章(チャプター)ごとに期限が設けられ、レナスは世界各地で「死にゆく者の魂の叫び」や「強い未練、強い意志の残留思念」を、ヴァルキリー特有の鋭敏な感覚でキャッチし、その魂が待つ場所へと導かれていきます。

彼女が訪れる先々で出会うのは、戦乱、陰謀、病、事故、あるいは愛や理想、復讐心…様々な理由で、それぞれの人生の最終章を迎えようとしている人間たちの、壮絶で、時にあまりにも切なく、そして深い感動を呼ぶ、魂のドラマなのです。

例えば、物語の序盤で訪れるであろう戦乱の国、アルトリア

ここでレナスは、その地に名を轟かせる凄腕の傭兵アリューゼの魂の強い波動を感じ取ります。

アリューゼは、仕える王国の王女ジェラードに密かな想いを寄せていましたが、宮廷に渦巻く邪悪な陰謀に巻き込まれてしまいます。

悪徳魔術師ガノッサの卑劣な策略により、ジェラード王女はアリューゼの目の前で、自我を失い、ただ破壊を求める醜い魔物へと強制的に変貌させられてしまうのです。

「お願い…アリューゼ…お願いだから…私を…殺して…!」
魔物となりながらも、わずかに残った最後の理性で、ジェラードは愛するアリューゼにそう懇願します。

愛する人を、自らの手で葬らなければならないという、あまりにも残酷すぎる運命。

悲しみと怒りに打ち震え、絶望の淵に沈むアリューゼの前に、レナスは静かに降臨します。

レナスは、苦しみから解放されたジェラードの魂を優しく天へと導き、そして、その壮絶な悲劇を乗り越えるであろう強靭な精神力と、比類なき戦士としての技量を認め、アリューゼ自身をもエインフェリアとして選定するのでした。

「その力、無駄にするな。

神々の戦いのために役立てよ」と、感情を抑えた声で告げながら。

また、ある港町では、騎士になるという高潔な夢を抱きながらも、貴族の陰謀によって無実の罪を着せられ、公開処刑されようとしている若き槍使いロウファと出会います。

彼は最後まで自らの潔白と正義を訴えながらも、変えられない運命を受け入れ、誇りを失うことなく、凛として死に臨もうとしていました。

レナスはその穢れなき高潔な魂に強く共鳴し、彼をエインフェリアとして選び、ヴァルハラでの新たな使命を与えます。

雪深い極寒の地では、病気の母と幼い弟妹を養うため、自ら望んで裕福な家に奴隷として身を売り、過酷な労働と虐待の末に、短い生涯を終えようとしている心優しい少女ジェイル(Jelanda)

彼女は死の間際まで、自分のことよりも、残される家族の幸せだけを、ただひたすらに願っていました。

レナスはそのあまりにも純粋で、自己犠牲的な魂の輝きに心を動かされ、彼女に安らかな眠りを与え、エインフェリアとして迎え入れます。

学究都市では、知識への飽くなき渇望から、禁断とされる古代魔術の研究に手を出し、その強大すぎる力の代償として自らの生命を蝕まれ、死を目前にしている孤高の天才魔術師メルティーナ(ミスティナ)

彼女は死の恐怖に直面してもなお、世界の真理を探求することをやめようとはしませんでした。

「知識こそが、私にとっての永遠だ」と。

レナスはその常人を超えた知性と、強大な魔力、そして死をも恐れぬ探求心に価値を見出し、彼女をエインフェリアの列に加えます。

このように、レナスは旅を続ける中で、剣士、弓使い、騎士、侍、魔術師、武闘家、盗賊…実に様々なクラス、様々な背景を持ち、様々な理由で「死」という終着点を迎えようとしている(あるいは迎えてしまった)者たちの魂と出会い、彼らの人生最期の、最も濃密な瞬間に立ち会い続けます。

エインフェリアとして選定されるキャラクターはその数、実に20名以上に及び、その一人一人に、プレイヤーの心を鷲掴みにし、時に涙腺を崩壊させるほどの、深く、重く、そして忘れがたいドラマが用意されているのです。

これがVPが「神ゲー」と呼ばれる所以の一つですよね!

当初はオーディンにプログラムされた通り、「任務」として、どこか冷徹に、効率的に魂を選定していたレナス。

しかし、数えきれないほどのエインフェリアたちの魂の記憶、そしてそこに含まれる感情――彼らが人生で経験した喜び、深い悲しみ、燃えるような怒り、報われぬ愛、叶わなかった夢、そして無念の死――その全てに触れ、共有し、追体験し続けるうちに、固く閉ざされていたはずの彼女自身の魂が、静かに、しかし確実に震え、変化し始めていきます。

人間たちの「生」が放つ、儚くも眩しいほどの輝きと、「死」が持つ、抗いがたいほどの重みと悲しみを、身をもって知るにつれて。

レナスの中に眠っていたはずの、人間らしい感情、他者への共感、慈しみ、そして「なぜ?」という疑問が、少しずつ、しかし止めようもなく、泉のように湧き上がり、育っていくのです。

「死とは、終わりではないのか?」「生きるとは、これほどまでに輝かしく、そして苦しいものなのか?」「神々の戦いという大義のために、これほど多くの尊い魂が犠牲になることが、本当に正しいことなのだろうか…?」
…神としての絶対的な使命と、人間への共感・同情という、本来両立しえないはずの感情の間で、レナスの心は静かに、しかし深く、そして激しく揺れ動き始めるのでした。

彼女はもはや、オーディンの望む「完璧な兵器」ではいられなくなりつつあったのです。

そんなレナスの魂の変容が臨界点に達しようとしていた、ある日。

彼女の運命の歯車を、決定的に、そして劇的に回すことになる、奇跡的で、そして悲劇的な「再会」が訪れます。

レナスは、とある騒乱の中で命を落とした、一人の腕利きの盗賊の青年の魂の、ひときわ強い波動を捉えます。

その青年の名は、ルシオ

彼こそは…そう、かつてレナスが人間プラチナだった頃、孤独と絶望の中にいた彼女の唯一の心の支えであり、淡い初恋の相手でもあった、あの幼なじみの少年だったのです!
プラチナの死後、ルシオは生きる希望を失い、世を拗ね、盗賊まがいの荒んだ生活を送っていました。

しかし、彼の心の奥底では常に、鈴蘭の草原で失ったプラチナへの想いが、決して消えることなく燃え続けていたのです。

エインフェリアとして選定され、戦乙女レナスの前に召喚されたルシオは、その姿を見て、言葉を失うほどの衝撃を受けます。

目の前に立つ、神々しくもどこか物悲しい雰囲気を持つ蒼穹の戦乙女は、亡くなったはずの、自分の全てだった少女プラチナと、生き写しのようにそっくりだったからです。

「プラチナ…!? なぜ君がここに…? 生きていたのか…? いや、違う…君は戦乙女…でも、なぜ…?」
激しく混乱するルシオ。

一方のレナスは、目の前にいる青年に、理由は分からないけれど、どこか強く心を引かれるような、懐かしいような、切ないような感覚を覚えながらも、封印された記憶の壁に阻まれ、彼が誰であるかを思い出すことはできません。

彼女にとって、ルシオはあくまで「また一人、優秀そうなエインフェリア候補が現れた」という認識に過ぎず、他の者たちと同様に、感情を極力排して、事務的にその適性を判断し、神界ヴァルハラへと転送するのでした。

神界ヴァルハラで、アリューゼやメルティーナら、他のエインフェリアたちと共に、来るべきラグナロクに備えるための過酷な軍事訓練を受けることになったルシオ。

しかし、彼の心の中では、あのレナスという戦乙女への疑問と、プラチナへの変わらぬ想いが、日増しに強く渦巻いていました。

「彼女は絶対にプラチナだ。間違いない。でも、なぜ俺のことを覚えていないんだ…? 何か理由があるはずだ…」

彼は神界で得た断片的な情報(おそらくは情報通のメルティーナや、他の古参エインフェリアたちから、「戦乙女は時々人間に転生するらしい」とか「今のレナス様は記憶を封じられてるっぽい」とか、そういう噂話を聞いたのでしょう)を繋ぎ合わせ、ついに真実に辿り着きます。

「そうか…! 彼女はプラチナなんだ! でも、オーディンによって記憶を奪われているんだ!」

ルシオは確信します。

「なんとかして、彼女の記憶を取り戻させなければ! あの苦しみから解放してあげなければ!」

ルシオのレナスへの想いは、単なる再会への願いを超え、彼女をオーディンの呪縛から救い出したいという、強い使命感へと昇華していきます。

しかし、神界と人間界の間には、絶対的な壁が存在します。

エインフェリアが個人的な理由で地上にいるヴァルキリーとコンタクトを取ることなど、神々の定めた法(神律)によって厳しく禁じられており、破れば重罪は免れません。

どうすればレナスに真実を伝えられるのか、どうすれば彼女の記憶を呼び覚ますことができるのか…ルシオは一人、思い悩みます。

そんな彼の純粋で、しかし危険な願いに目をつけた存在がいました。

それは、北欧神話におけるトリックスターであり、VP世界でもオーディンに対して密かな不満と野心を抱き、常に混乱の種を蒔こうと画策している半神半魔の男、ロキでした。

ロキは、ルシオのレナスへの一途な想いを、自らの恐るべき最終計画(オーディン打倒と世界の破壊)のために利用しようと企みます。

彼はルシオに親しげに近づき、「やあ、悩んでるようだね、ルシオ君。

君の想い人である戦乙女レナスは、オーディンに記憶を封じられて苦しんでいるんだろう? かわいそうに…。

実は、彼女の記憶を取り戻す、とっておきの方法があるんだよ」と、悪魔のように甘い言葉で唆します。

そして、神々の秘宝の力を悪用し、神界から地上へと思念や物品を送る禁断の交信術をルシオに教えるのです。

「これを使えば、君の強い想いは、きっと彼女の心の奥底に届き、記憶を呼び覚ますきっかけになるはずさ」と。

レナスの身を案じ、一刻も早く彼女を救いたいと願うルシオは、これがロキの仕掛けた巧妙で deadly な罠であることなど微塵も疑わず、その言葉を信じ、禁断の術に手を出してしまうのです…。

哀しいかな、愛は時に人を盲目にするのですね…。

ルシオは、ロキに教えられた通り、禁断の交信術を実行します。

彼は自らの魂のエネルギーを振り絞り、地上で孤独に任務を続けるレナスに向けて、プラチナへの変わらぬ愛と、「思い出してくれ! 君はプラチナだ!」という切なる願いを、強い、強い念(テレパシーのようなもの?)として送ります。

そして同時に、かつてプラチナが生きていた、そして二人が共にいたという、かけがえのない証であり、二人の絆の象徴でもあった銀のイヤリング(ルシオが大切に持っていた片割れで、もう片方はプラチナが埋葬されたあの鈴蘭の草原にあるはず)を、念動力によって時空を超え、レナスの手元へと送り届けたのです。

届け、この想い…!

その時、ミッドガルドのどこかで、死にゆく魂に寄り添っていたレナスの掌に、突如として、どこからともなく、見覚えのないはずの銀のイヤリングがポトリと現れます。

そのイヤリングを目にした瞬間、レナスの心臓がドクン!と大きく波打ち、これまで感じたことのないほどの激しい動揺と、魂の奥底の、最も柔らかな部分を直接掴まれたような、強烈な懐かしさと切なさが込み上げてきます。

「これは…一体…? なぜ、こんなにも…胸が締め付けられるの…?」
記憶のないレナスは混乱し、戸惑います。

傍らにいたフレイは「レナス、感傷に浸るな! 任務に集中しろ!」と厳しく叱責しますが、もはやレナスの耳には届きません。

イヤリングから放たれる、微かでありながらも強烈な残留思念と、自分の魂がそれに激しく共鳴する感覚を頼りに、彼女は本能的に悟ります。

「このイヤリングには…対になるものが、どこかに存在するはずだ。

そしてそれは、私が失ってしまった、何かとても大切なものと繋がっている…! それを見つけなければ…!」
レナスは、フレイの制止を振り切り、まるで何かに導かれるように、イヤリングが示す微かな記憶の糸を辿り、衝動的に、かつて自分がプラチナとして埋葬された場所――あの忌まわしくも、そしてルシオとの思い出が眠る、コリアンドル村のはずれにある、寂れた墓地、その傍らに広がる、白い鈴蘭の草原へと、吸い寄せられるように向かうのでした。

プラチナの、誰にも顧みられることのない簡素な墓標の前に、レナスは静かに佇みます。

彼女は震える手で、墓の根元を、まるで失われた自分自身を探し出すかのように、必死に掘り返します。

すると、硬い土の中から、朽ちかけた小さな木箱が現れました。

息をのみ、祈るような気持ちで、レナスはその箱を開けます。

そこには…! まるで奇跡のように、ルシオが送り届けてきたものと全く同じ形をした、対になるもう片方の銀のイヤリングが、長い長い時の眠りから覚めるのを待っていたかのように、静かに納められていました。

レナスが、まるで失われた自分の魂の半身を取り戻すかのように、そのイヤリングをそっと手に取り、二つのイヤリングが、数百年(あるいはもっと長いのかもしれない)の時を超えて、再び一つになった、その瞬間――!!!!

ゴゴゴゴゴ…ッ!!!!
ダムが決壊するような、あるいは宇宙が悲鳴を上げるような、凄まじい衝撃と共に、レナスの中で固く、幾重にもロックされていた記憶の扉が、暴力的なまでに、そして奔流のようにこじ開けられます!!
人間プラチナとして生きた、孤独で、虐げられ、しかしルシオという光があった日々!
ルシオと交わした他愛ない会話、二人で見た星空、村からの必死の逃亡、そして、美しい鈴蘭の草原で迎えた、あの哀しくも安らかな最期の瞬間…!
それだけではありません! プラチナとしての人生の記憶と共に、おそらくはウィルフレドに討たれた過去の記憶や、それ以前の、数えきれないほどのヴァルキリーとしての活動の記憶も断片的に蘇ったのかもしれません。

封印されていた膨大な、あまりにも膨大な記憶と、それに伴う愛、悲しみ、怒り、後悔、喜び、絶望といった、激しすぎる感情の奔流が、怒涛のように彼女の意識を飲み込み、その存在そのものを揺るがしていきます!
「あ…ああ…! ルシオ…! そうだった…私は…プラチナだった…! 思い出した…! 全て…! 全てを…!!!!」

しかし、この記憶の完全なる覚醒は、同時に、オーディンが最も恐れ、そして万が一のために備えていた「最終安全装置」の発動をも意味していました。

オーディンは、レナスが記憶を取り戻し、その強大な力と自由な意志をもって自分に反逆する可能性を考慮し、彼女の精神(あるいは魂のコアプログラム)に、一種の緊急停止・自己防衛システム(精神汚染や暴走を防ぐための最終封印機構)を、密かに、そして非情にも仕込んでいたのです。

蘇った膨大な記憶と、それに伴う、神であるはずの彼女の精神すらも焼き切るほどの激しい感情の揺さぶりが、レナスの許容量を完全に超えてしまいます。

オーディンが仕掛けた冷徹なセーフティ(?)が非情にも作動し、レナスの意識は強制的にシャットダウン!
彼女はその場に崩れ落ち、再び、しかし今度は以前よりもさらに深い、意識の暗黒へと堕ちてしまいました…。

そして、レナスの蒼い魂の灯火が、今度こそ本当に消えかかった、まさにその時。

まるで待っていたかのように、彼女の中に永らく封印され、眠りについていたもう一つの人格――冷厳にして苛烈、過去を司り、断罪を執行する長姉、戦乙女アーリィ(Hrist)――が、ついに目覚めの時を迎えます。

Hristは、意識を失ったレナスの肉体を完全に掌握し、数百年ぶり(あるいはもっと?)の覚醒を果たします。

「フン…ようやく目覚めの時が来たというわけか…。

レナス、お前は少し感傷に浸りすぎたようだ。

これからは、この私が指揮を執る」
冷たく、しかし絶対的な力を感じさせる紫電の光をその双眸に宿し、Hristは眼下に広がる世界を睥睨し、静かに、しかし力強く呟くのでした。

レナスの物語は、ここで衝撃的な中断を迎え、物語は新たな、そしてより過酷な局面へと突入します。

エンディング分岐への最終警告!

こっから先が運命の分かれ道!

初代VPは、ここまでのプレイヤーの行動(オーディンへの忠誠度とか、フレイ様のご機嫌とか、特定のイベント見たかとか)によって、結末がA(真エンド)、B(普通エンド)、C(バッドエンド)の3つにガッツリ分岐します。

ここからは、シリーズ全体の正史として扱われ、後の作品にも深く関わる、最もドラマチックで感動的なAエンディング(真エンド)のルートを、全力で解説していきます! BとCについては、その後でちゃんと補足しますからね!】

Aエンディング(真エンド)ルート徹底解説:愛と記憶が紡ぐ、創造主の誕生譚!

レナスの肉体を完全に支配し、戦乙女の座を奪還(?)したアーリィ(Hrist)は、その冷徹な性格通り、間髪入れずに実力行使を開始します。

彼女はまず、レナスがこれまでスカウトし、育て上げてきたエインフェリアたちを、神界ヴァルハラに強制召集。

「聞け、エインフェリアども! これより貴様らの指揮官は、このアーリィ・ヴァルキュリアが務める! 主神オーディン様への絶対的な忠誠を改めて誓い、来るべきラグナロクでの勝利のために、我が命令に従い、犬死にせよ!」と、もうパワハラ全開、高圧的な態度で一方的に宣言します。

ほとんどのエインフェリアは、突然の指揮官交代に戸惑いながらも、Hristから放たれる、レナスとは比較にならないほどの圧倒的な神気と、オーディンへの逆らうことのできない忠誠心から、不満を押し殺し、その命令に従うしかありませんでした。

しかし、レナスと共に戦い、その人間的な優しさ、苦悩、そして魂の気高さを間近で見てきた一部のエインフェリアたちは、Hristのあまりにも非情で、エインフェリアを物のように扱うやり方に、強い怒りと反発を覚えます。

特に、レナスを姉のように、あるいはリーダーとして深く信頼し、尊敬していた重戦士アリューゼと、知性と冷静さを持ちながらもレナスの人間性に強く惹かれていた魔術師メルティーナは、もはや黙ってはいられませんでした。

彼らは、命を賭してHristの前に進み出ます。

「ふざけるな! 我々が魂を捧げると誓ったのは、慈愛と勇気を持つレナス様ただ一人だ! あなたのような、魂の尊厳を踏みにじる冷酷な者に、我々が従う理由はどこにもない!」と、神であるヴァルキリーに対して、公然と反旗を翻したのです!
かっこいい! けど、超危険!

自分への反逆、それはすなわち主神オーディンへの反逆と見なしたHristは、当然のごとく激昂します。

「愚かな人間どもが! 神に逆らうとは、万死に値する! 我が断罪の剣の錆にしてくれるわ!」
Hristは、その強大な神の力をもって、反逆者であるアリューゼとメルティーナを、その場で容赦なく粛清しようとします。

もはや絶体絶命、万事休すかと思われた、その瞬間!
奇跡が起こります。

Hristの体の中から、意識の最も深い場所に追いやられ、消えかけていながらも、仲間を想うレナスの魂が、最後の、最後の力を振り絞って叫んだのです。

「やめて…! お願い…! 彼らを…傷つけないで…!」
レナスの、か細くも強い残留思念による内なる抵抗が、一瞬だけHristの動きを物理的に(あるいは精神的に)阻害します。

「チッ…! この期に及んで…レナスの意識の残滓が邪魔をするか…! 面倒な…!」
Hristは忌々しげに舌打ちし、完全な粛清は一旦諦め、その場は一時撤退を余儀なくされます。

しかし、この姉妹間の激しい精神的衝突の衝撃は、既に限界まで弱っていたレナスの魂(精神体)に、回復不能なほどのダメージを与えてしまいました。

その結果、レナスの魂は、光の粒子のように粉々に砕け散ってしまい、完全な消滅の危機に瀕してしまうのです…。

Hristの追撃から辛うじて逃れたアリューゼとメルティーナでしたが、レナスの魂が砕け散ってしまったという絶望的な事実を知り、深い悲しみと無力感に打ちひしがれます。

「レナス様は…もう…助からないのか…」
諦めかけた彼らの前に、しかし、一人の予想外の人物が、まるで全てを見計らっていたかのように姿を現しました。

それは、かつてレナスによってエインフェリアとして選定されながらも、神界には行かず、自らの謎めいた目的のために地上で独自の活動を続けていた、あの規格外の天才魔術師、レザード・ヴァレスでした。

レザードは、彼が狂おしいほどに執着し、歪んだ愛情を抱いているレナスの魂が砕け散ったことを、独自に開発した超感覚的な魔術(あるいはアーティファクト)によって、誰よりも早く、そして正確に察知していました。

彼は、絶望するアリューゼとメルティーナの前に、あたかも救世主であるかのように(しかしその目は全く笑っていない)現れ、こう持ちかけます。

「嘆いている暇などないぞ、勇者たちよ。

私ならば、あるいはレナス殿を救う手立てがあるやもしれぬ。

…協力する気は、あるかね?」と、不敵な笑みを浮かべながら。

レザードの真意(レナスへの異常な執着と、何かよからぬ企み)を薄々感じ取りながらも、レナスを救いたいという一心のアリューゼとメルティーナは、他に頼る術もなく、この怪しげな魔術師の提案を受け入れざるを得ませんでした。

レザードは二人を、人里から遠く離れた、不気味な雰囲気を漂わせる場所に聳え立つ、自らの研究拠点である塔(レザード・ヴァレスの塔)へと案内します。

塔の最上階、彼の秘密の研究室の奥深くには、彼が生涯をかけて研究してきた禁断の錬金術の粋を集めて生み出された、完璧なまでの美しさを持つ人造人間(ホムンクルス)の肉体が、まるで眠っているかのように、魂の入らない空(から)の器として安置されていました。

レザードは、驚愕する二人に説明します。

「これは私が長年の研究の末に完成させたホムンクルス。

いわば、魂を入れるための究極の器だ。

この器を使えば、砕け散り、エーテルのように世界中に霧散してしまったレナス殿の魂の欠片を、再び一つに集め、定着させ、蘇生させることができるだろう」と。

彼は、常人には理解不能なほどの強大な魔力を発動させ、世界中に散らばったレナスの微細な魂の欠片(情報パターン?)を探索・感知し、それらを強制的にホムンクルスの器へと吸い寄せ、集束させ、注入していくという、前代未聞の超絶魔術を敢行します。

これはレザードにとっても、成功するかどうか分からない、大きな賭けでした。

しかし、彼の真の目的は、単にレナスを救うことではありませんでした。

彼は、レナスの魂を“自分の手で作り出した器”に入れることで、彼女をオーディンの呪縛から解放すると同時に、“自分の所有物”として完全に手に入れ、最終的には自分の意のままに支配しようと企んでいたのです。

レザードの狂気的なまでの執念と、神をも恐れぬ天才的な魔術によって、レナスの魂は、かろうじて完全な消滅という最悪の事態を免れ、新たな「器」を得るための、危険なプロセスへと移行することになります。

一方その頃、レナスの肉体を乗っ取り、戦乙女としての全権を掌握したHristは、自らの積年の宿願を果たすべく、具体的な行動を開始していました。

彼女が長年、心の奥底で燃やし続けてきた目的、それは、かつてオーディンに反逆し、現在は不死者の王ブラムスによって魂(結晶化した状態)を保護されている憎き妹、三女シルメリアの魂を奪還すること。

そして同時に、自分に幾度となく屈辱を与え、神界の秩序に牙を剥き続ける宿敵ブラムスを、今度こそ完全に討ち滅ぼし、その首級をオーディンに捧げることでした。

Hristは、現在自分が使用しているレナスの肉体(=三姉妹共通の器であり、シルメリアの魂にとっても馴染み深いであろうもの)と、ブラムスが持つシルメリアの魂を取引材料に使う(あるいは力ずくで両方奪い取る)ことを画策。

神界の精鋭部隊を率いて、不死者の王が潜むというブラムス城へと、総攻撃を開始しました。

レザードの塔でレナスの魂の保護(ホムンクルスへの注入作業)に一定の目途をつけたアリューゼ、メルティーナ、そしてレザードもまた、Hristのブラムス城への進軍を察知します。

彼らは、Hristの企み(シルメリアの魂の強奪とブラムス討伐)を阻止するため、そして何よりも、レナスの魂を完全に復活させ、覚醒させるための最後の鍵が、ブラムス城にあるかもしれない(あるいはHristを倒す必要があるかもしれない)と考え、レナスの魂が宿る(あるいは宿りつつある)ホムンクルスの器を慎重に携え、危険を承知の上でブラムス城へと急行します。

ブラムス城では、まさにHrist率いる神界の精鋭部隊と、ブラームス配下の不死者軍団との間で、城の覇権とシルメリアの魂を賭けた、激しい死闘が繰り広げられていました。

そこへ、アリューゼ、メルティーナ、レザードたちが到着します。

状況を瞬時に把握した不死者の王ブラームスは、自らの目的(シルメリアの魂を守ること、そして宿敵Hristを倒すこと)と、アリューゼたちの目的(Hristを止め、レナスを救うこと)が、この場においては完全に一致することを確認。

彼は、一時的ながらも利害の一致から、アリューゼたちと共同戦線を張ることを決断します。

「フン、面白い。神の犬どもを追い払うためだ、一時手を貸してやろう」と。

ここに、誇り高き不死者の王ブラームス、人間の英雄アリューゼ、天才魔術師メルティーナ、そして全てを計算し尽くす狂気の魔術師レザード…本来なら絶対に交わるはずのない、目的も立場もバラバラな、しかし個々の戦闘能力は極めて高い、奇妙で強力な連合軍が、対Hristのために結成されたのです!
彼らは力を合わせ、城内に侵入し、破壊の限りを尽くすHristとその側近たちに、決戦を挑みます。

激闘の末、ブラームスの人間離れした圧倒的なパワー、アリューゼの決して折れない不屈の剣技、メルティーナの戦況を覆す強力な大魔術、そしてレザードの的確すぎる(そしてどこか不気味な)支援攻撃が完璧に組み合わさり、ついに、あの冷徹にして最強クラスの戦乙女であったはずのHristを打ち破ることに成功します!
長年の宿敵であったHristを退けた(生死は不明だが、少なくとも戦闘不能にした)ブラムスは、満足げに頷き、そして彼の最大の目的であったシルメリアの魂(結晶)も、無事に守り抜くことができました(この時点では、シルメリアの魂は引き続きブラムス城の奥深くで、彼の保護下に置かれることになります)。

敗北したHristがその後どうなったのか(消滅したのか、魂が再び封印されたのか、あるいは神界に逃げ帰ったのか)は、VP1の本編では明確には描かれず、一つの謎として残ることになります。

最大の脅威であったHristが(ひとまず)退場し、アリューゼたちは、レナスの魂が宿る(はずの)ホムンクルスの器を、再びレザードの塔へと持ち帰ります。

レザードは、最後の仕上げとして、彼の持つ最高の魔術と錬金術の知識、そしておそらくはHristやブラムスとの戦いから得た新たなデータ(?)をも総動員し、ホムンクルスの器と、そこに集められ、不安定な状態で漂っていたレナスの魂の欠片を、完全に、そして不可逆に融合・定着させようと試みます。

それは、神の魂を人間の器に定着させるという、前代未聞の禁忌の実験でした。

すると、レザード自身の計算や予想すらも遥かに超える、驚くべき、そして神々しいほどの奇跡が起こりました。

レナスは、単に魂が器に定着して蘇生した、というレベルの話ではありませんでした。

彼女は、プラチナとして生きた人間時代の全ての記憶と感情を、完全に保持したまま、新たな肉体(=究極的に精巧な“人間”であるホムンクルス)を得て、完全な自我と自由意志を持って復活を遂げたのです!
それは、神(ヴァルキリー)の魂が、人間の器と、あたかも最初からそうであったかのように完璧に融合し、互いの特性(神の力と人間の心・成長可能性)を併せ持つ、全く新しい次元の存在へと「昇華」した瞬間でした。

レザードは彼女を自分の支配下に置くつもりでしたが、レナスは彼の矮小な意図など軽々と超越し、自らの意志で選択し、行動する力を持つ「半神半人」(あるいは神性と人性を統合した超存在)とでも言うべき、唯一無二の、そして無限の可能性を秘めた存在として、この世に再び生まれ変わったのでした!

復活したレナスは、まず最初に、自分がかつてプラチナであったこと、そしてルシオと過ごしたかけがえのない日々、そして彼との悲しい別れの全てを、鮮明に思い出します。

そして、自分が記憶を失っていた間に、ルシオが命がけで送ってくれたであろう魂のメッセージ(イヤリングの交信)を、冷たく拒絶してしまったこと、そして自分の記憶封印が原因で、アリューゼやメルティーナといった、自分を信じ、命を賭けてくれたかけがえのない仲間たちを、Hristとの死闘という、あまりにも危険な状況に巻き込んでしまったことを深く理解し、心からの後悔と、そして感謝の涙を静かに流します。

「ごめんなさい…ルシオ…! 本当にごめんなさい…! そして、アリューゼ、メルティーナ…みんな…ありがとう…! 私のために…!」
かつての、オーディンの命令に従うだけの冷徹で機械的な戦乙女の面影は、そこにはもはやありませんでした。

愛を知り、痛みを知り、感謝を知り、そして自らの意志で未来を選び取る強さを持った、真に人間らしい心を持つ存在へと、レナスは生まれ変わっていたのです。

しかし、レナスたちの束の間の喜びと感動は、まさにその時、神界アースガルズから届いた、絶望的で、そして信じられないほどの報せによって、無慈悲にも打ち砕かれます。

時を同じくして神界では、あの邪悪にして狡猾なトリックスター、ロキが、永年にわたり練り上げてきた自らの最終計画を実行に移し、神界だけでなく、世界そのものを完全なる破滅へと導こうとしていたのです!

ロキは、かつてルシオに禁断の交信術を教えた際に得た情報(ルシオがプラチナの形見であるイヤリングを持っていたこと、そして彼がレナスの記憶を呼び覚ます鍵となりうる存在であることなど)を最大限に悪用し、周到に仕組んだ最後の罠を発動させました。

まず、神界の最高至宝であり、宇宙の法則そのものを操作できるほどの、計り知れない力を秘めた「ドラゴンオーブ」が、何者かによって盗まれるという大事件を引き起こします(もちろん、彼自身が盗んだのです)。

そしてロキは、この神界を揺るがす大事件の犯人として、ルシオに全ての罪を着せるための、完璧な偽りの証拠を次々と捏造し、主神オーディンに「ルシオこそが神界への反逆者であり、ドラゴンオーブを盗み出した大罪人である!」と、巧みに讒言したのです。

オーディンは(ロキによる何らかの魔術的な精神操作の影響もあったのか、あるいはラグナロクへの極度の恐怖心から正常な判断力を失っていたのか)これを完全に鵜呑みにし、激怒。

「ラグナロクを前に神界の規律を乱し、至宝中の至宝を盗み出した許されざる大罪人め!」として、ルシオに対し、弁明の機会も与えず、即刻死刑を宣告し、執行してしまったのです…!
ルシオは、最後までレナス(プラチナ)への純粋な想いを胸に抱きながら、無実の罪で、神々の手によって、あまりにも無残で、そして理不尽な最期を遂げました…。

もちろん、ドラゴンオーブを盗んだ真犯人は、ロキ自身でした。

彼は長年、主神オーディンによる絶対的な支配体制と、自身が神でも魔でもない「半神半魔」であるという出自に対する根深いコンプレックスから、アース神族全体に対して、強い、強い不満と憎悪を、心の奥底で静かに、しかし確実に蓄積させていました。

ロキは、オーディンへの反逆、すなわちクーデターの機会を、虎視眈々と、そして周到に窺っていたのです。

ルシオの処刑は、オーディンの判断力を鈍らせ、神界に混乱を引き起こし、そしてレナスの精神を揺さぶるための、彼の壮大な計画の一部であり、布石に過ぎませんでした。

ルシオという邪魔者(レナスの記憶を呼び覚ます鍵であり、彼女の力の源泉ともなりうる愛の対象)を排除し、オーディンが動揺し、神界が混乱している、まさにその絶好のタイミングを見計らって、ロキはついにオーディンの玉座の前で、その隠していた本性を完全に現します。

「フハハハハ! 愚かなオーディンよ、貴様の長きにわたる支配も、今日で終わりだ! これからはこの私が、世界の、いや、宇宙の新たな支配者となるのだ!」と、高らかに宣言。

そして、盗み出したドラゴンオーブの、神々ですら恐れおののくほどの、絶大にして無限とも思える力を解放!
ドラゴンオーブ(四つの根源的な力を司る宝珠:炎珠、氷珠、雷珠、聖珠から成る)は、所有者に文字通り全能に近い、宇宙の法則すら書き換えるほどの力を与えるとされています。

ロキはその圧倒的なエネルギーをもって、眼前の主神オーディンと、そして長年にわたりアース神族と世界の覇権を争ってきた宿敵、ヴァン神族の王でありラグナロクの象徴でもある炎の巨人スルトを、なんと、同時に攻撃し、二人まとめて跡形もなく消滅させてしまったのです!
神界の頂点に君臨し、世界の秩序を司っていたはずの二大神が、ロキというたった一人の半神半魔によって、まるで塵のように、あっけなく滅ぼされてしまうという、まさに天地がひっくり返る、宇宙規模の衝撃的なクーデターでした。

オーディンとスルトという、世界のパワーバランスを保っていた二つの巨大な存在を排除したロキの狂気と野心は、もはや誰にも、何ものにも止められません。

彼はドラゴンオーブの無限とも思える全能感に完全に酔いしれ、「神も、人間も、妖精も、巨人どもも…このくだらない、不完全な世界そのものが気に入らない! 全て、全てを破壊し、完全なる無に帰してやるわ!」と、狂ったように哄笑し、神界アースガルズも、人間界ミッドガルドも、存在する全ての次元、全ての生命を、根こそぎ破壊し尽くそうと、破滅的な力の行使を開始します。

世界は、オーディンが恐れていたラグナロクとはまた異なる、しかしより絶望的な、ロキという「個」の狂気によって引き起こされる、真の終焉の危機を迎えました。

その頃、地上で復活を遂げ、ようやく人間としての心を取り戻したばかりのレナスは、神界で起こっている、この未曾有の、そして絶望的な惨劇を知ります。

そして、何よりも彼女の心を打ち砕き、燃え上がらせたのは、愛する、ただ一人の愛するルシオが、ロキの卑劣極まりない策略によって、無実の罪で殺されたという、残酷すぎる事実でした。

悲しみは、一瞬にして、烈火のごとき激しい怒りへと変わります。

「ロキ…!!!! よくもルシオを…!!!! よくも、私の大切な世界を…!!!! 許さない…絶対に!!!! あなただけは、この私が、必ず…!!!!」

レナスは、決意を固めます。

もはや迷いはありませんでした。

暴走するロキを止め、彼が破壊しようとしているこの世界を救うために。

そして何よりも、愛するルシオの無念を晴らし、その仇を討つために。

彼女の傍らには、その悲壮なまでの決意に共鳴し、最後まで彼女と共に戦うことを誓った、かけがえのない仲間たちがいました。

どんな逆境にも決して屈しない不屈の戦士アリューゼ

その知恵と強力な魔術で常に道を切り開いてくれる天才魔術師メルティーナ

そして…(自らの究極の目的である「レナスを手に入れる」ためには、ロキという邪魔者は排除しなければならない、と打算的に判断した)狂気の魔術師レザード・ヴァレス

創造主としての無限の可能性を秘めた新生レナスと、彼女が選び、そして彼女を選んだ最強のエインフェリア(+レザード)たちによる、世界の運命、そして愛と復讐の全てを賭けた、最後の、そして最大の戦いが、崩壊しつつある神界アースガルズの、まさに終焉の舞台で、今、始まろうとしていました。

しかし、ドラゴンオーブの力を完全に掌握し、オーディンとスルトすらも葬り去ったロキの力は、レナスたちの想像を遥かに超えていました。

彼は時空を自在に歪め、宇宙の根源的なエネルギーを意のままに操り、神々ですら為しえなかったような、圧倒的な破壊の力でレナスたちを容赦なく追い詰めます。

神界は次々と崩壊し、その次元崩壊の余波は地上世界にも及び、かつて美しかった星々や大地は見る影もなく破壊され、ついには宇宙そのものが完全に消滅し、絶対的な「無」が広がるかのような、完全なる絶望的状況にまで陥ります。

アリューゼやメルティーナといった、あれほど強かったはずの仲間たちも、ロキの放つ全能の力の前に次々と倒れていき、レナス自身も満身創痍となり、希望の光が完全に消え失せたかのような、深い、深い絶望の淵へと突き落とされます。

「もう…本当に駄目なのか…? これが…全ての終わり…? ルシオ…ごめんなさい…私、何もできなかった…」

だが、その時! まさにその、全ての希望が潰え、完全なる闇が世界を覆い尽くそうとした、その刹那でした!
レナスの中に眠っていた、最後の、そして最大の希望――彼女がホムンクルス(人間の器)との融合によって、奇跡的に、そして必然的に手に入れていた、真の力――が、絶望を打ち破る暁の光のように、ついに、ついに完全なる覚醒の時を迎えたのです!

人間プラチナとしての魂の記憶、愛と喪失の痛み、そして人間(ホムンクルス)としての肉体と「無限に成長する可能性」を、奇跡の次元で完全に融合させたレナスは、もはや単なる戦乙女でも、オーディンのような旧世代の神でもない、全く新しい次元の存在へと昇華していました。

元々、ヴァルキリーは「死者の記憶や魂(情報)を共有し、自らの力(エネルギー)へと変換する」という特殊な能力を持っていました。

人間としての「成長」という概念を獲得したレナスは、その能力を究極の極致にまで進化・発展させ、この宇宙に存在する(あるいは存在した)全ての魂の記憶、全ての存在の情報(アカシックレコード、あるいは宇宙のソースコードそのもの)に直接アクセスし、そこから失われた情報を読み取り、再構成し、物質化させ、新たな現実、新たな宇宙法則すらも「無から有」へと創造する力――すなわち、文字通り「創造主(ザ・クリエイター)」としての、神をも超越した絶対的な権能を手に入れていたのです!

この力こそは、レナスが元々秘めていた神としての資質(魂を紡ぐ力)と、人間(あるいは半エルフ)としての成長・進化の可能性が、ホムンクルスという触媒を通じて、愛と絶望という極限状況下で奇跡的に融合・開花したものでした。

VP世界の神々やエルフは不老不死ですが精神的には停滞し、変化を恐れます。

人間は精神的に成長し、変化し続けますが、力は弱く寿命も短い。

しかし、神と人の両方の性質(=矛盾する要素)を内包し、それを統合できた存在(=レナス)は、神々に匹敵する強大な力を持ちながら、人間のように経験を通じて学び、成長し、進化し続けることができる、唯一「神をも超えうる」無限のポテンシャルを秘めた存在だったのです(※この設定はゲーム内で直接は語られませんが、公式資料等で補完されており、Aエンドの奇跡を理解する上で決定的に重要です)。

レナスは、愛する者を失った絶望の底で、意図せずしてこの「神を超える存在」へと覚醒を遂げたのでした!

創造主として覚醒したレナスは、もはや絶望に打ちひしがれてはいませんでした。

彼女は、ロキによって無慈悲に破壊され、消し去られた無数の魂たちの声、彼らの無念の想い、彼らが生きた証、そして彼らが愛した世界の全ての記憶を、その広大無辺となった魂で受け止め、そして力強く束ね上げます。

「みんなの想い…みんなが生きていたという記憶…決して無駄にはしない! この私が、全てを紡ぎ直す!」
レナスが、その神々しいまでの創造の力を解放すると、漆黒の虚無を打ち破る、原初の宇宙創成にも似た眩いばかりの光が、失われたはずの宇宙空間を満たしていきます。

そして、信じられない、まさに「奇跡」としか言いようのない光景が、レナスの目の前で、そして我々プレイヤーの目の前で繰り広げられます。

ロキによって完全に破壊され、絶対的な無に帰したはずの世界が、まるで時間を巻き戻すかのように、あるいは全く新しく、より美しく生まれ変わるかのように、完璧に、そして瞬時に元通りに再創造されていくではありませんか!
崩壊した神殿は以前よりも荘厳に再建され、枯れた大地には生命力に満ちた緑が蘇り、砕け散った星々は再び宇宙にその輝きを取り戻し、失われたはずの無数の生命の息吹が、暖かく、そして力強く、再生した世界を祝福するように満ちていきます。

世界は、レナスの手によって、破壊される以前よりもさらに輝きを増して、完全に再生されました。

しかし、彼女が起こした奇跡は、それだけでは終わりませんでした。

創造主となったレナスは、その絶対的な力を、たった一つの、しかし彼女にとって宇宙の全てよりも重い、かけがえのない願いのために行使します。

それは、ロキによって無実の罪で殺され、その魂すらも砕かれ、消え去ったはずの最愛の人、ルシオを、その魂だけでなく、肉体も含めて、完全に、そして完璧に、この新しい世界に蘇らせることでした!
光の中から、少し戸惑いながらも、しかし確かな存在感を持って、ルシオが再び現れます。

「ルシオ…! 会いたかった…! 本当に…! もう二度と離さない…!」
「プラチナ…いや、レナス…! 君が生きていてくれた…それに、この世界も…僕も…! これは夢じゃないのか…!?」
言葉にならないほどの想いが溢れ出し、二人は涙ながらに、今度こそ永遠の再会を果たすのです。

神をも凌駕する「創造主」としての力を完全に覚醒させ、愛する人をもその手に取り戻したレナスにとって、もはやドラゴンオーブの力(それは既存世界の法則内での力に過ぎない)を持つだけのロキは、敵ですらありませんでした。

彼女は、自らが再創造した輝かしい世界と、蘇ったルシオ、そして共に死線を乗り越えた仲間たちの想いを全てその身に背負い、最後に残った全ての元凶、宇宙の破壊者であり、愛する人の仇でもあるロキに、最後の審判を下します。

レナスの究極奥義、それはもはや単なる技ではなく、魂の律動そのものであり、新たな宇宙の法則の宣言でもある「ニーベルン・ヴァレスティ」が、今度こそ真の創造主の絶対的な意志として炸裂!
神を超えた愛と創造の力の前には、ロキにいかなる抵抗も、言い訳も許されませんでした。

ロキは断末魔の叫びと共に、今度こそ完全に、宇宙の塵となって消滅し、彼の歪みきった野望と共に、長きにわたる神界の混乱と、世界の危機は、ついに、そして完全に終焉を迎えたのです。

全てが終わり、戦いは終わりました。

絶対的な静寂と、創造の光が優しく満ちる、新しく、そして希望に満ちて生まれ変わった世界の中で、レナスとルシオは、永かった、あまりにも永かった時を超えて、ようやく再び固く、そして永遠に抱きしめ合います。

数えきれないほどの別離、耐え難いほどの悲劇、そして信じられないほどの奇跡を経て、ようやく結ばれた二つの魂。

彼らは互いの存在の温もりを確かめ合うように深く見つめ合い、そして静かに、祝福の光の中で唇を重ねようとする…その、言葉にならないほど美しく、切なく、そしてどこまでも感動的な瞬間で、初代『ヴァルキリープロファイル』のAエンディング(真エンド)の物語は、深い、深い余韻と、これから始まるであろう未来への無限の可能性を残しながら、静かに、そして完璧に幕を閉じるのでした。

…ああ、何度見ても泣ける…。

以上が、VP初代(レナス編)のAエンディング(真エンド)の、可能な限り詳細な、そして私の魂を込めた物語の全容です!
この結末こそが、シリーズ全体の揺るぎない正史として位置づけられ、後の作品(特にVP2における未来からのレナスの登場)へと繋がっていく、最も重要で、そして我々の心に永遠に刻まれるべき、魂の叙事詩なのです!

IFの物語:他のエンディングはどんな感じ?

さて、初代VPには、プレイヤーの選択と行動の結果によって、この感動的なAエンド以外にも、二つの異なる結末が用意されています。

これらは正史ではありませんが、「もしレナスが違う道を歩んでいたら…?」というIFの物語として、それはそれで興味深いものです。

  • Bエンディング(ノーマルエンド:任務は完了したけど、心は空っぽ…)
    このルートでは、レナスは最後まで人間プラチナとしての記憶を取り戻すことなく、オーディンの忠実で優秀な戦乙女として、ラグナロクに備えるためのエインフェリア選定・献上という任務を完璧に遂行します。ロキによるクーデターは起こらず、神界での最終決戦のお相手は、アース神族の最大の宿敵であるヴァン神族の王、炎の巨人スルトさんになります。レナスは、自分がスカウトし、鍛え上げたエインフェリア軍団を率いて、激しい戦いの末に見事スルトを討伐! ラグナロクにおけるアース神族の勝利に大きく貢献します。戦いの後、女神フレイから「よくぞ任務を果たした、レナス・ヴァルキュリア。

    お前の働きにオーディン様も大層お喜びであろう」と、最大級の賛辞を受けますが、レナスの表情には達成感よりも、どこか言いようのない空虚さ、満たされない寂しさのようなものが漂っています。

    彼女は創造主として覚醒することも、ルシオとの愛を取り戻すこともなく、ただ「優秀な兵器」としての役目を終え、静かに神界へと帰還していきます。

    任務はコンプリートしたけど、なんか心が満たされない…そんな、ちょっとビターで物悲しいエンディングですね。

  • Cエンディング(バッドエンド:サボりすぎ注意!フレイ様おこ!)
    これはもう、完全にプレイヤーの責任(笑)。レナスとして、オーディン様から課せられたノルマ(エインフェリアのスカウトとか、神界への転送とか)を著しくサボったり、オーディン様のご機嫌を損ねるような行動(評価値:Seal Valueを下げまくる)ばかりしていた場合に到達する、文字通りの最悪の結末です。ラグナロクが本格的に始まる前の、あるチャプターの終わりに、いきなり女神フレイ様が鬼のような形相で降臨!
    「レナス・ヴァルキュリア! 貴様のその目に余る怠慢、オーディン様は全てお見通しである! もはや貴様のような役立たずのヴァルキリーは、我がアース神族には不要!」と、有無を言わさぬ最後通告!
    そして、フレイ様自身の持つ、それはもう容赦ない神の力によって、レナスは弁明する暇もなく、一瞬で粛清され、光の粒子となって消滅させられてしまいます…。画面には非情にも「GAME OVER」の文字が…。

    何の救いもない、プレイヤーにとってもトラウマ級の後味の悪いエンディングです。

    ご利用は計画的に!

これらのB・Cエンディングは、初代VPというゲームを繰り返し遊ぶ上でのバリエーションであり、IFストーリーとしての面白さはありますが、後のシリーズ作品(VP2など)の世界観や物語には直接繋がらない、パラレルな運命として扱われています。

シリーズ全体の壮大な物語を追う上では、やはりAエンディングが唯一無二の正史であると理解しておくことが、絶対に重要です!
いいですね?

超次元的補足:レナスの覚醒は宇宙のバグ修正?

レナスがホムンクルス(人間の器)と融合することで「創造主」として覚醒した、っていうこの展開、すごくないですか?
これ、単なるファンタジーの奇跡、で終わらせるのはもったいない!
ちょっとSF的に考えてみましょうよ。

もしかしたら、VP世界の神々(オーディンとか)って、宇宙を管理・運営するための高次元プログラムみたいな存在で、でもそのプログラムには「ラグナロク」っていう避けられないバグ(あるいは仕様?)があったんじゃないでしょうか?
で、レナス(特に人間プラチナとしての経験と感情=イレギュラーなデータ)とホムンクルス(=人間の可能性という未知のOS)が融合したことで、神々のプログラム(=停滞したシステム)では想定外の「突然変異」あるいは「バグ修正パッチ」みたいなものが生成されて、それが「創造主」としての力として発現した、とか!
ロキの暴走(=システムクラッシュ)を、レナスという新たな管理者権限(?)を持つ存在が、世界を再起動(再創造)することで修復した…みたいな。

こう考えると、レナスの覚醒は、単なる個人のパワーアップじゃなくて、VP宇宙そのものの進化、あるいはバージョンアップの瞬間だったのかもしれませんね!
…なんて、考えすぎ?
でも、こういう妄想、楽しくないですか?

新たな未来へのプロローグ:創造の後、魂はどこへ行く?(VP1 Aエンド後)

さて、初代VPのAエンディングで、レナスは世界を救い、愛するルシオを取り戻し、めでたしめでたし…と言いたいところですが、物語はその感動的なクライマックスの「その後」を、ほとんど語ってくれません。

レナスが創造した新しい世界は、一体どんな世界になったのか? 創造主となったレナスの立場は? そして、蘇ったルシオとの関係は?
気になりすぎますよね!
公式からは明確な答えは示されていませんが、いくつかのヒントと、ファンの熱い考察(という名の妄想大会)が存在します。

まず、PSPリメイク版『ヴァルキリープロファイル -レナス-』で追加されたAエンディング後の、あの美しい一枚絵と追加セリフ。

「私はあなたに会うために、ここへ戻ってきた…」
これはもう、レナスにとってルシオがどれだけ大切か、二人の絆がどれだけ深いかを、改めて強調してますよね。

泣ける。

(ちなみに、この追加シーンの背景には、次作『VP2 -シルメリア-』のキーパーソンとなる、幼いアリーシャ王女――シルメリアの転生先となる少女――の後ろ姿もチラッと映り込んでるんですよ。

にくい演出!)

で、このAエンド後の展開について、ファンの間では主に二つのシナリオが考えられています。

  • シナリオ1:ハッピーエンド!ルシオと共に人間(?)として生きる道
    創造主となり、神々のしがらみやオーディンの呪縛からも解放されたレナス。もう戦乙女として戦う必要はない。彼女は、最も愛する人であるルシオと共に、自らが創った新しい、平和な世界で、神としての力を隠し、人間(あるいはそれに近い、穏やかな存在)として、静かに、しかし満たされた幸福な人生を送る道を選んだのでは?
    という、最高にロマンティックで、誰もが望む(であろう)解釈。もう、二人で小さなパン屋さんでも開いてほしい!
  • シナリオ2:切ないけど現実的? ルシオを転生させ、自らは神としての責務を負う道
    レナスはルシオを心から愛している。だからこそ、彼をこれ以上、神々の世界の争いや、自身が背負うかもしれない永遠の時の流れ、そして創造主としての重責に巻き込みたくない、と考えたのではないか?
    彼には、普通の人間として、限られた時間の中で精一杯生きる、ささやかな幸せを送ってほしい、と。そう願ったレナスは、自らの創造の力で、ルシオの魂を清め、新しい肉体を与え、別の時代や場所へと「転生」させた。そしてレナス自身は、オーディン亡き後の混乱した神界の秩序を守るため、あるいは創造主としての責任を果たすため、あるいはまだ救われていない姉妹(特に封印されたままのシルメリア)を救うために、神としての立場に留まり、孤独かもしれないけれど、気高い新たな道を歩み始めたのではないか?
    という、ちょっと切ないけれど、レナスの性格を考えるとありえそうな解釈。

どっちが真実に近いのか…公式からの発表がない以上、断定はできません。

ただ、後の『VP2 -シルメリア-』で、未来(VP1 Aエンド後の時間軸)から過去の改変世界に現れるレナスが、ルシオ本人を連れている様子はなく、ただプラチナ時代の形見である銀のイヤリングだけを、まるで彼の魂そのものであるかのように大切に身に着けている描写があることから、どちらかと言えば後者の「ルシオは人間として転生し(魂の繋がりは永遠だけど)、レナスは神としての道を歩み続けている」という解釈を支持するファンが多いようです。

(でも、個人的にはシナリオ1であってほしい…!)

あと、もう一つ気になるのが、VP1のAエンドで完全に消滅したと思われたロキさん。

彼、『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』に、別世界のロキ(あるいはループして蘇った?)として、しれっと再登場してるんですよね。

しかもその時、「あの世界(VP1の世界)のロキは、どこか人間に近しいところがあった」なんて、意味深なこと言われちゃってる。

これって、もしかしてVP1のAエンドでレナスが世界を再創造した時に、ロキの存在そのものとか、彼の運命にも何らかの変化(救済?)があった可能性を示唆してるんでしょうか?
例えば、反乱を起こさなかった世界線に書き換えられたとか、彼の魂が浄化されて転生したとか…?
でも、一方で『VP2 -シルメリア-』では、過去の出来事として「オーディンは(VP1で)ロキに殺された」って語られちゃってるんですよね…。

うーん、この辺りの設定の整合性、どうなってるんでしょうね?
公式さん、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないですか!?(切実)

というわけで、VP1のAエンディング後の世界について、現時点で一番「それっぽい」状況をまとめると、こんな感じでしょうか。

「レナスは創造主として覚醒! 世界とルシオを救った!(ただしルシオは転生した可能性濃厚)。

人間界は平和になったっぽいけど、オーディンが死んじゃった神界がどうなったか、そして創造主レナスが今何してるかは、不明!
でも、世界はとにかく新しい未来へと動き出した!」

この、VP1のAエンドによってもたらされた、希望と謎に満ちた「新たな未来」。

そこを生きるレナスが、時を超えた因縁によって、過去の世界へと介入(あるいは召喚)されることになる…それが、次に語る『VP2 -シルメリア-』の、複雑で壮大な物語へと繋がっていくわけです!

時の回廊、もう一つの物語:歴史改変とパラレルワールド狂想曲(『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』)

ネタバレ警報

さあ、時間軸をググッと過去に戻して、シリーズ第二作『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』の深淵へ! ここで描かれるのは、VP1とは違う歴史を辿った「もしも」の世界。

三女シルメリアの戦い、レザードの狂気、そして三女神奇跡の邂逅…! シリーズの時間軸と世界観を理解する上で超重要ですが、これはあくまで「パラレルワールド」のお話だってこと、絶対に忘れないでくださいね!

次に解説するのは、PlayStation 2で発売され、その美麗なグラフィックと進化したバトルシステム、そして衝撃的なストーリーで話題を呼んだシリーズ第二作『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』(VP2)です!
この物語の舞台は、時間軸的には初代VPよりも数百年過去

つまり、前に話した「シルメリアの反逆と封印」そして「ディパン滅亡」が起きた、まさにその激動の時代に戻ります。

VP2は、これらの過去の出来事を、今度は三女シルメリアの視点から深く掘り下げていくストーリーなんですが、ただの過去編や前日譚で終わらないのがVPクオリティ!

この作品を理解する上で、絶対に、絶対に押さえておかなければならないキーワード、それが「歴史の改変」と、それによって生まれた「並行世界(パラレルワールド)」の存在なんです!

重要ポイント!

『VP2 -シルメリア-』で我々プレイヤーが体験する物語のほとんどは、VP1へと繋がる「本来の歴史(正史)」とは、全く異なる運命を辿った、いわばIFの世界線の出来事です!

なぜそんなことになったかって?

それは、あの男…そう、未来(VP1 Aエンド後)からやってきた狂気の魔術師レザード・ヴァレスが、自分の目的(レナスを手に入れること)のために、こっそり歴史に介入して、過去を書き換えちゃったからなんです!

この事実は、ゲーム本編の中でも物語の中盤(Chapter4終了後)で、「ここから先は、本来流れるはずだった歴史の川から分岐した、別の流れである」って感じで、ちゃんとプレイヤーに示唆されます。

なので、VP2の出来事をVP1の正史とごっちゃに考えちゃうと、「え? オーディンってVP1でロキに殺されたんじゃなかったの? なんでVP2でレザードに殺されてるの?」とか、「ブラムスってVP1で生きてたよね? なんでVP2で死んじゃうの?」みたいに、頭の中が大混乱しちゃうので、くれぐれも注意してくださいね!

VP2は、あくまで「もう一つの可能性の物語」なのです!

眠り姫(?)の覚醒と逃亡劇:改変された歴史の幕開け

物語は、ミッドガルドの大国ディパンの王女アリーシャの中に、オーディンによって数世紀もの間封印されていた三女シルメリアの魂(人格OS)が、封印の劣化か何かで、不完全ながらも覚醒し始めるところからスタートします。

アリーシャは、自分の中に別の誰かがいる感覚や、時々シルメリアに乗っ取られて(?)不思議な言動をしちゃうことから、「神憑き」「狂気の王女」なんて不名誉なレッテルを貼られ、お城の一室に軟禁されるという、可憐な見た目に反して結構ハードな日々を送っていました。

でも、目覚めたシルメリアは、ヴァルキリーとしての力でヤバい未来を察知します。

「まずい! オーディンの奴、あたし達(シルメリアの魂とアリーシャの体)ごと消し去るために、姉上(Hrist)を差し向けてくる気だ!」と。

自分の魂だけでなく、何も悪くないアリーシャの命まで危険に晒すわけにはいかない!
そう決意したシルメリアは、アリーシャの体を借りて、彼女に忠誠を誓う少数の護衛騎士たちの手引きで、厳重な監視体制が敷かれたディパン王城から、決死の脱出を敢行します。

その頃、ディパン王国の偉い人たち(国王とか三賢者とか)は、「もう神様の言いなりは嫌だ!」って感じで、神々への反逆計画、すなわち「ソヴァリアの儀式(覇王の儀式)」っていう、超ヤバそうな秘術の完成を急いでいました。

彼らは時空操作とか不死化とか魔物生成とか、倫理観ゼロな研究を進めてて、最終的には神界の至宝「ドラゴンオーブ」のパワーを利用して、オーディンたちアース神族の支配を打ち破り、人間による新しい世界を作る!(あるいは自分たちが神になる!)とか、そういう壮大な(そして危険な)野望を抱いていたんです。

オーディンは、シルメリアの不完全な覚醒も、ディパンの反逆計画も、どっちも「許さん!」ってことで、予定通り、長女の戦乙女アーリィ(Hrist)に対し、シルメリア(=アリーシャ)の抹殺、ディパン王国の完全破壊、そして王国が持ってる(らしい)ドラゴンオーブの奪還っていう、超ハードな三点セット任務を命じます。

Hristは、任務遂行のためなら手段を選ばないタイプ。

人間界の屈強な女傭兵レオーネさんの体にズボッと憑依(!)して、その姿を隠れ蓑に、アリーシャたちの行方を、どこまでも、どこまでも執拗に追いかけ始めます。

こわい!

お城を脱出したアリーシャ(inシルメリア)は、オーディンの追手やディパン王国の刺客(裏切り者?)から逃れるための、ハラハラドキドキの逃亡劇を繰り広げます。

その道中で、彼女は運命を共にする、かけがえのない仲間たちと出会うことになります。

  • 一人は、お調子者だけど弓の腕はピカイチ、そして何か秘密を抱えてそうなイケメン青年ルーファス。彼の正体は、なんとオーディンが万が一の時のための「魂の乗り換え先(スペアボディ)」として、密かに生み出して監視してた半神半人だったんです!
    オーディンの束縛から自由になりたい!って願うルーファスは、シルメリアたちの境遇にシンパシーを感じて、利害の一致から行動を共にすることに。
  • もう一人は、寡黙だけどめちゃくちゃ強くて頼りになる大剣使いディラン。彼は記憶喪失ってことになってますが、その真の正体は…もうお分かりですよね?
    ある目的(シルメリアを守ること、そして宿敵Hristとケリをつけること)のために、自らの強大な力を抑え込んで人間の姿に転生(あるいは変身?)していた、あの不死者の王ブラームス様だったのです!
    まさかの本人登場!

さらに旅の途中、あの初代VPにも登場した、胡散臭さMAXだけど実力は本物の魔術師、レザード・ヴァレスも一行に合流してきます。

「私もオーディンは許せない。

力を貸そう」とか言ってますが、彼の腹の中は真っ黒(というかレナス色?)です。

さらに、Hristの策略によって、初代VPのアリューゼの魂を持つ転生者(?)とされる重戦士アーンヴィンも、一時的に仲間になったりならなかったり…と、一行は様々な出会いと別れ、そして裏切り(?)を経験しながら、世界の運命を左右するドラゴンオーブの行方を追い求めます。

アリーシャ/シルメリア一行は、ドラゴンオーブがディパン国内の古代遺跡に隠されていることを突き止め、そこへ向かいます。

しかし、オーディンの追手であるHrist(レオーネ)や、ドラゴンオーブを自分たちの儀式に使おうとするディパンの三賢者たちの執拗な妨害が、これでもか!と襲い掛かります。

最終的にドラゴンオーブは発見されるものの、激しい戦闘と策略の末、残念ながらHristの手に渡ってしまい、神界アースガルズへと持ち去られてしまうのでした…。

ああ、なんてこった…。

歴史が歪む瞬間:ソヴァリアの儀式、レザードの暗躍、そしてパラレルワールド誕生!

ドラゴンオーブを取り戻したオーディンは、もうディパン王国に対して一切の遠慮がなくなりました。

「反逆者どもに、神の怒りを知らしめよ!」と、Hristに追加の神界軍を与え、ディパン王国への総攻撃を命令。

アリーシャたちがドラゴンオーブ奪還失敗の報を受けて、最後の望みを託して故国ディパンへと戻った時には、時すでに遅し。

王都は神界軍によって徹底的に破壊され、炎上し、まさに地獄絵図と化していました。

国王も、Hristによって無残に処刑された後でした…。

アリーシャたちは、最後の望みであるソヴァリアの儀式が行われているはずの王城最深部の祭壇の間へと、必死に駆け込みます。

そこでは、儀式の完成を目前にした三賢者と、それを阻止しようとするHrist(レオーネの体)、そしてアリーシャの体を借りて最後の抵抗を試みるシルメリアが、まさに一触即発の状態で対峙していました!
そして、アリーシャたちが祭壇の間に駆け込んだ、まさにその瞬間! 追い詰められた三賢者は、完成には至っていないものの、ヤケクソ気味にソヴァリアの儀式を強行してしまいます!

ここです! ここが、VP1(正史)とVP2(並行世界)の運命を決定的に分かつ、歴史の分岐点・改変の瞬間です! よく聞いてくださいね!

ソヴァリアの儀式っていうのは、対象の魂を強制的に肉体から引き剥がして、別の場所へ転送したり、術者の力として吸収したりするための、超ヤバい禁断魔術でした。

三賢者の狙いは、邪魔な二人の戦乙女(Hristとシルメリア)の魂を同時に儀式のターゲットにして、消滅させるか、自分たちの力にしちゃうことだったんです。

儀式が発動され、祭壇の間を魂を引き裂くような強烈な光と衝撃波が満たします!
その圧倒的な力によって、Hrist(レオーネの体から)とシルメリア(アリーシャの体から)の魂は、肉体から強制的に引き剥がされ、不安定なエーテル体となって宙に放り出されてしまいます。

この、ほんの一瞬、コンマ数秒の出来事の間に、歴史は、まるで川の流れが二つに分かれるように、二つの全く異なる可能性へと枝分かれしてしまったのです!

  • パターンA:元の歴史(VP1に繋がる、本来こうなるはずだったルート)
    魂が引き剥がされかけたシルメリアは、儀式による消滅を回避するため、咄嗟の機転でフレイが遠隔から放っていた魂捕縛魔法を受け入れ、自ら魂を結晶化させます。その結晶を、その場にいたブラームス(本来の姿)が保護し、持ち去ります。Hristは儀式の影響を回避。結果、シルメリアはブラームス城で眠りにつく…これが正史。
  • パターンB:改変された歴史(VP2で我々が体験する、レザードが介入したルート)
    さあ、ここで歴史の裏切り者が暗躍します! あの男、レザード・ヴァレスが、影からこの瞬間を狙っていました!
    彼は、ソヴァリアの儀式が発動し、シルメリアの魂がアリーシャの体から完全に引き剥がされた、まさにその0.001秒にも満たない刹那に、彼自身の開発した超高度な時空間魔術を発動!
    フレイの捕縛魔法よりも、ブラームスの保護よりも早く、シルメリアの魂だけをシュンッ!と捕獲し、横取りして、自分の研究室(おそらく異次元にある)に転送してしまったのです!
    なんて奴だ!
    シルメリアの魂がレザードに盗まれちゃったので、彼女は結晶化できませんでした。その結果、シルメリアを捕まえるはずだったフレイの捕縛魔法は目標を見失い、代わりに近くにいたブラームス(人間のディランの姿)にバチーン!と誤爆
    ブラームスは「え? なんで俺が!?」って感じで抵抗する間もなく結晶化させられ、捕まってしまいます。予期せぬ事態にフレイも戸惑いますが、「まあ、結果オーライ? 反逆者ブラムス捕まえられたし」と(?)、結晶化したブラームスと、儀式の余波で一時的に動けなくなってたHristを回収して、さっさと神界へ。この瞬間から、VP2の物語は、VP1とは全く違うレールの上を走り始めることになるのです!

このレザードによる、誰にも気づかれなかった(であろう)巧妙すぎる歴史介入!
これによって、VP2の主人公であるアリーシャやルーファスたちは、「シルメリアの魂は謎の失踪を遂げ、頼みの綱だったブラームス(ディラン)は神界に捕らわれの身となった」という、本来の歴史(VP1)とは全く異なる、より絶望的で、先の見えない状況の世界線に取り残されてしまったのです!
ゲーム本編のChapter5以降は、この「分岐し、改変され、歪められた並行世界」を舞台として、VP1とは全く異なる結末へと向かう、壮大で、そして悲しい物語が展開していくことになるわけです!
いやー、設定が込み入りすぎ! でもそこが良い!

神殺しの宴:レザードの狂気、三女神の奇跡、そして魂の選択

ソヴァリアの儀式の混乱が収まった後、アリーシャ王女の中からシルメリアの人格(魂)は完全に消え去っていました。

長年苦しめられてきた二重人格からは解放されましたが、同時に強力な戦乙女の力も失い、彼女は純粋な、しかし無力な一人の人間として目覚めます。

故国ディパンは滅び、姉妹のように心を通わせたシルメリアは行方不明、そして頼れる仲間だったディラン(ブラームス)は神界に連れ去られてしまいました。

全てを失ったかに見えたアリーシャ。

しかし、彼女は諦めませんでした。

残された唯一の仲間であるルーファスと共に、この一連の悲劇の裏にいるであろう黒幕(ほぼレザードで確定と睨んでいる)の正体と目的を暴き、そしてシルメリアとディランを救い出すため、新たな、そしてより危険な旅に出ることを決意します。

王女様、強い!

一方、神界では、ディパン粛清と反逆者ブラームス捕縛(シルメリア失踪の件はうやむやに?)に成功したことで、主神オーディンが「俺って最強じゃね?」とますます調子に乗り、人間界ミッドガルドへの支配と介入を、これまで以上に強化しようとしていました。

神々は人間を家畜か何かのように扱い、自分たちの都合だけで世界を動かそうとしていたのです。

アリーシャとルーファスは、これ以上の神々の横暴を止めなければならない、そして神界に捕らえられた仲間たち(ブラームスだけでなく、VP1でお馴染みのエインフェリアたちの魂も、オーディンによって何らかの非道な実験などに利用されていることが示唆されます…許せん!)を救出しなければならない、と決意。

彼らは、人間には禁じられた道である世界樹ユグドラシルを登り、神々の本拠地アースガルズへ乗り込み、オーディンとの直接対決に臨みます。

オーディンの玉座が鎮座する神界の中枢、ヴァルハラ宮殿(?)へとたどり着いたアリーシャとルーファス。

しかし、彼らの前に立ちはだかったのは、オーディンだけではありませんでした。

予想通り、というか最悪のタイミングで、あの男、レザード・ヴァレスが姿を現します。

「オーディンは私も許せない。

共通の敵だ。

私が手を貸そう」と、またしても協力を申し出てきます。

しかし、これはレザードが仕掛けた巧妙な罠、最終計画の第二段階でした。

彼の真の狙いは、オーディンとアリーシャたちが激しく戦い、互いに消耗しきったところを見計らって介入し、シルメリアの魂(既にレザードが確保し、その魂の構造や力を解析・研究していた)を触媒として利用することで、弱ったオーディンの持つ強大な神としての魂と権能を根こそぎ吸収し、自らが新たな神へと成り代わることだったのです!

レザードの計画は、恐ろしいほどに完璧に、そして冷酷に成功します。

彼は漁夫の利を得る形でオーディン討伐に加担(?)。

そして、瀕死となったオーディンから、その魂と神としての力を、まるでデータをコピー&ペーストするかのように奪い取ることに成功!
レザードは、神に匹敵する、あるいはそれを超えるかもしれないほどの、絶大な魔力をその身に宿します。

そして、「フフフ…我が望みは、こんな古臭い神界の玉座などにはない。

さらなる高み…我が女神(レナス)の元にあるのだ!」と、真の目的を匂わせる言葉を残し、アリーシャたちの前から姿を消してしまいます。

(この時、オーディンの魂の欠片に触れてしまったルーファスは、オーディンのスペアボディとしての宿命が発動し、存在そのものが消えかけますが、彼が(なぜか)持っていた謎の指輪「ミュリンの指輪」――オーディンが保険として与えたのか、あるいは別の誰か(レナス?)が未来から仕込んだのか…謎――の奇跡的な力によって、かろうじて復活を遂げます。

危なかった!)

絶対的な支配者であったオーディンが消滅したことで、神界は一時的に女神フレイが実権を握ることになりますが、直後にさらなる大事件が発生!
神界に連行され、結晶化から目覚めていた(らしい)長姉Hristが、オーディンやフレイの言いなりになって戦うことに長年の憤りを爆発させ、混乱に乗じて保管庫に厳重に保管されていたはずの最終兵器ドラゴンオーブを強奪し、神界から逃走するという、とんでもない暴挙に出たのです!
Hristは、オーディンという絶対的な「上司」がいなくなった今こそ、自分自身の意志で、自分の信じる道を進む時だと決意。

「神々のやり方は、もう古い。

間違っている!」と考え、ドラゴンオーブの絶大な力を使って、追ってきたフレイをも一蹴し、神界からの完全な独立を宣言します。

そして、ここからがVP2の物語の中でも、特に胸が熱くなる展開です!
Hristは、なんと、かつて敵として殺そうとまでした地上の者たち――アリーシャ、ルーファス、そしてアーンヴィンらに、自ら接触を図ります。

そして、「今の我々の共通の敵は、オーディンの力を奪い、世界そのものを歪めようとしている狂気の魔術師、レザード・ヴァレスだ。

奴の野望を阻止するため、そして真の世界の秩序を取り戻すため、一時的に“共闘”しないか?」と、信じられない提案を持ちかけてくるのです!
オーディンという絶対的な存在(あるいは抑圧者)が消えたことで、Hristの中にも、硬直した神々のルールよりも、目の前の脅威に対処する合理性や、あるいは人間の中にも見るべき力や意志がある、という価値観の変化が訪れたのかもしれません。

あるいは、レザードという新たな脅威が、それほどまでに強大だったということでしょう。

様々な思惑が交錯する中、最大の敵レザード打倒という一点で利害が一致し、かつての敵同士が手を組むという、前代未聞の、そして最強(かもしれない)ドリームチームが、ここに結成されることになります!

一行は、レザードがオーディンの力と自らの歪んだ精神を反映させて創造した、現実と異界の狭間に存在する悪夢のような次元「歪んだ世界樹」へと、決死の覚悟で乗り込みます。

レザードの最終目的、それはもう皆さんお分かりですね?
オーディンの魂を取り込んで神に匹敵する力を手に入れた上で、時空を超越する究極の魔術を完成させ、未来世界(VP1のAエンディング後の世界)から、彼が狂おしいほどに愛し、執着し、そして自らのコレクションに加えたいと渇望する戦乙女レナス・ヴァルキュリア本人を、この改変された過去の世界へと召喚し、彼女を永遠に自分の伴侶(という名の所有物)とすることでした!
VP2の世界で起きた一連の出来事――シルメリアの魂の強奪、歴史の改変、オーディン打倒への加担――これら全ては、この究極の目的、すなわち「レナスを手に入れる」という、レザードの狂気的で、壮大で、そして究極に自己中心的な計画を実現するために、彼が何百年もの歳月を費やして周到に仕組んだ、恐るべき罠であり、壮大な舞台装置だったのです!

アリーシャ、ルーファス、Hristたちが、数々の罠や強敵を乗り越え、歪んだ世界樹の中枢、レザードが待ち構える禍々しい研究施設(彼の精神世界そのもの?)へとたどり着いた時、ついに、その禁断の瞬間が訪れます。

レザードは完成させた時空召喚魔術を発動させ、空間が歪み、時空の扉が開かれます!
そして、その眩い光の扉の向こうから…!
未来(VP1のAエンド後の時間軸)から、創造主としての無限の可能性を秘めた、我らが戦乙女レナス・ヴァルキュリアが、神々しいオーラを纏って降臨します!
VP1のAエンドを経て、本来ならば宇宙の法則すら書き換えるほどの強大な力を持っているはずのレナス。

しかし、レザードはこの瞬間を完璧に予測し、対策を講じていました。

彼は、自身が改良に改良を重ねたソヴァリアの儀式を応用した、特殊な「魂捕縛・封印フィールド」を、研究施設全体にトラップとして展開していたのです!
召喚されたばかりで状況を把握できず、まだ力を完全に解放する前のレナスは、この卑劣な罠にかかり、その魂(精神体)だけを肉体から強制的に引き剥がされ、特殊な魔術クリスタルの中に封じ込められ、捕獲されてしまうのです!
なんてこった! レナス様が!

愛しのレナスの魂(純粋なエネルギー体?)を手に入れ、自らの研究の集大成(?)を目の前にしたレザードは、もはや狂喜乱舞、有頂天です。

「ククク…ハハハハ! ついに…! ついに我が手の中に…! 我が愛しの女神、レナス! これで君は永遠に私のものだ! 君と共に、私はこの古臭く、不完全な世界を終わらせ、新たな宇宙の神となる! 私こそが、君に最も相応しい存在なのだ!」と、その歪みきった愛と、神をも恐れぬ傲慢な野望を、捕らえられたレナスの魂と、絶望するアリーシャたちの前で、これ以上ないほどに剥き出しにします。

もう、完全にヤバい奴ですね。

まさに絶体絶命、万事休す。

レナスまでもが囚われ、もはや打つ手はないかに思われました。

しかし、アリーシャは、最後の最後まで希望を捨てませんでした!
彼女の決して諦めない勇気と機転、そしてルーファスやHristの決死の援護によって、レザードが勝利を確信し、一瞬の油断を見せたその瞬間!
アリーシャは、彼がレナスの魂を封じていた魔術クリスタル、そして同時に、彼がシルメリアの魂を封じ込め、研究・利用していた(!)もう一つのクリスタルをも、渾身の力で破壊(あるいは解放)することに成功します!
レナスの魂は呪縛から解き放たれ、シルメリアの魂もまた、永かったレザードによる束縛から、ついに自由を取り戻したのです!
アリーシャ、グッジョブ!

窮地に陥り、計画が完全に破綻しかけたレザードは、逆上し、最後の手段に打って出ます。

彼は、オーディンの力と冥界の禁断魔術を融合させて生み出した、最強にして最悪の切り札、巨大なアンデッドドラゴン(ドラゴンゾンビ)を召喚し、アリーシャたちを皆殺しにしようと襲い掛かります。

しかしその時! 戦場に、さらなる希望の光が、そして頼もしすぎる援軍が現れます!
神界で結晶化させられていた不死者の王ブラームス(ディラン)が、彼に恩義を感じていた別の魔術師(レザードとは敵対する、まともな(?)魔術師)の助けによって、ついに封印から解放され、満を持してこの最終決戦の場に駆けつけたのです!
「待たせたな!」

そして、ここに、VP史上、いや、RPG史上においても屈指の、奇跡的で、そして胸が熱くならずにはいられない瞬間が訪れます!

未来から来た創造主レナス
過去を司る断罪の戦乙女Hrist
そして、永い封印からついに解放された未来を司る戦乙女シルメリア
運命によって引き裂かれ、異なる時間と世界を生きてきたはずの三女神が、時空を超え、世界の法則を超えて、今、この場所に集結したのです!

さらに、彼女たちを支えるのは、
神々に牙剥く誇り高き不死者の王ブラームス
神の血を引きし自由を求める弓使いルーファス
そして、人間の無限の可能性を信じる気高き王女アリーシャと、忠義に厚き英雄アーンヴィン

本来ならば決して交わるはずのなかった魂たちが、ただ一つの目的――狂気の魔術師レザードを倒し、歪められた世界を救うため――に、ここに奇跡的なドリームチームを結成したのです!
もう、鳥肌モノですよね!

解放されたレナスとシルメリアの魂は、長姉であるHrist、そしてこの世界の希望であるアリーシャの強い呼びかけに応えます。

「今こそ、一つになる時!」
そして、三人の女神の魂は、アリーシャの純粋で強い意志を持つ肉体を「依り代」として、一つに融合
かつて神話の時代にのみ存在したとされる、原初の、そして完全なる究極の戦乙女――真の戦乙女(融合ヴァルキリー)――が、宇宙を揺るがすほどの眩い光と共に、この世に降臨したのです!
その姿は、レナス、Hrist、シルメリアの三人の特徴(髪の色とか鎧のデザインとか)を併せ持ち、神々しく、美しく、そして宇宙の法則そのものを体現するかのような、絶対的な力を感じさせるものでした。

「レザード・ヴァレス…あなたの永きにわたる狂気と、歪んだ野望も、ここで終わりを迎えます!」
融合ヴァルキリーとなったアリーシャ(の姿を通して、三女神の統合された意志が語りかける)は、ブラームスやルーファスたち、かけがえのない仲間と共に、神の力を手に入れ、なおも醜く抵抗するレザードに、最後の、そして究極の戦いを挑みます。

オーディンの力と時空魔術を操るレザードは、確かに強敵でした。

しかし、三位一体となり、宇宙の根源力と繋がった真の戦乙女の力は、それを遥かに凌駕していました。

究極奥義「ニーベルン・ヴァレスティ」――それはもはや単なる必殺技ではなく、因果律そのものを捻じ曲げ、存在を抹消するほどの、魂の根源的な律動――が炸裂!
この絶対的な一撃の前には、いかなる魔術も、いかなる防御も意味をなさず、狂気の魔術師レザード・ヴァレスは、ついに、そして完全に打ち破られました

彼の野望は、ここに潰えたのです。

しかし、滅びゆくその寸前、レザードは最後の、最後の執念を見せます。

「レナス…! レナスだけは…! たとえ魂だけでも…! 私のものに…!」
彼は残された最後の力を振り絞り、憎悪と執着の全てを込めて、融合ヴァルキリー(アリーシャ)の体に、呪いとも言うべき致命的な一撃を打ち込みます。

そして、「レナァァァス…!!!!」という、愛と狂気に満ちた絶叫を残し、レザード・ヴァレスの存在は、この並行世界から完全に消滅しました…。

レザードが滅びると共に、彼が創造した歪んだ異空間「歪んだ世界樹」も、その存在基盤を失い、急速に崩壊を始めます。

そして、レザードの最後の一撃を受けた影響か、あるいは融合という奇跡の代償か、あるいは依り代としての役目を終えたためか、融合していた三女神の魂も、再びレナス、Hrist、シルメリアへと分離してしまいます。

しかし、その代償はあまりにも大きく、そして悲しいものでした。

依り代となっていたアリーシャの肉体と魂は、この異空間の崩壊の中で、完全に消滅してしまったのです…。

彼女は、世界を救うため、そしてバラバラだった三女神の魂を繋ぐための、最も尊い犠牲となったのでした…。

アリーシャ…(´;ω;`)

崩れゆく異空間の中、ブラームスは、共に戦い抜いたルーファスたちに、静かに別れを告げます。

「不死者であるこの私だが、ここ(世界の狭間である歪みの空間)ならば、あるいは永き生の軛(くびき)から解放され、安らかな死を迎えられるやもしれん…さらばだ、若き者たちよ」と、どこか満足げな、あるいは達観したような、あるいは少し寂しげな表情で言い残し、自らの意思で崩壊の中に消えていく道を選びます。

彼もまた、この改変された世界での、彼の役目を終えたのでしょう。

残されたルーファスとアーンヴィンは、Hristから(世界の安定を取り戻すために必要だと)託されたドラゴンオーブを手に、辛うじて元の世界(改変後のミッドガルド)へと生還します。

Hristとシルメリアの魂も、レザードの束縛から解放され、自由の身となりました。

しかし、彼女たちがその後、この改変された世界でどのような運命を辿ったのか(元の時代や正史世界線に戻れたのか、あるいはこの世界に留まり新たな道を歩んだのか、姉妹の関係はどうなったのか等)は、物語の中では明確には描かれず、我々プレイヤーの想像に委ねられることになります。

唯一、レナスの魂だけは、この改変された過去の世界での壮絶な戦いを終え、自らが本来いるべき場所へと導かれます。

「あなたの魂は、過去(ここ)ではない。

あなたが創り、あなたが生きるべき、新たな未来へと繋がっている…」という声(それは彼女自身の内なる声か、あるいは宇宙の意志か)に導かれるように、彼女の魂は暖かく、そして希望に満ちた光に包まれ、元の時代、すなわちVP1のAエンディング後の「新たな未来」へと帰還していきました。

彼女は、この並行世界での信じられないような経験を経て、創造主として、あるいは一人の魂として、さらに計り知れないほどの成長を遂げ、自らが創造した(あるいはこれから創造していく)未来を、より強く、より深く、歩み続けるのでしょう。

VP2のエピローグでは、それから数年が経過した、改変後のミッドガルドの様子が、静かに描かれます。

一人で世界を旅していたルーファスが、偶然、かつてレナス(プラチナ)が生まれ育った、あのコリアンドル村を訪れます。

すると、そこで彼は、消滅したはずのアリーシャ王女に生き写しの、元気いっぱいで、太陽のように明るい少女の姿を見かけるのです。

少女はルーファスには気づかず、友達と楽しそうに駆け去っていきますが、その屈託のない笑顔を見たルーファスは、驚きと共に、悲しみと、寂しさと、そして確かな未来への希望を感じさせる、優しくも複雑な笑みを浮かべるのでした(これは、アリーシャが全ての記憶を失い、普通の人間としてこの時代に転生し、今度こそ幸せな人生を歩み始めていることを、強く、強く示唆しています。

良かったね、アリーシャ…!)。

さらに、ゲーム内の高難易度ダンジョン「セラフィックゲート」をクリアするなど、特定の条件を満たすことで見ることができる隠しエンディング(追加ムービー)では、同じくコリアンドルの村の、夕暮れ時の古びた柵の上に、少年時代の姿をしたレザード・ヴァレスが一人、どこか物憂げな表情でポツンと座っている姿が一瞬だけ映し出されます。

彼もまた、全ての記憶と力を失い、普通の人間としてこの世界に転生し、新たな人生(あるいは、新たな知識への渇望と野望の始まり?)を歩み始めているのかもしれません…。

この短いながらも強烈なインパクトを持つシーンは、多くの憶測と、一抹の不安をプレイヤーに残し、物語は静かに幕を閉じます。

VP2の結論:パラレルワールドだけど、無意味じゃない!

しつこいようですが、もう一度!
『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』で描かれた物語の大部分は、レザード・ヴァレスという一人の人間の狂気的な野望によって歴史が改変された結果として生まれた、「並行世界(パラレルワールド)」での出来事です!
なので、VP2で起きたアレコレ――オーディンの死(レザードによる)、ブラームス(ディラン)の死、アリーシャの消滅、三女神の邂逅と共闘など――は、VP1の正史(Aエンディング)の世界線には直接的には繋がりません
VP1の正史世界では、オーディンは(Aエンドで)ロキに殺害され、ブラームスは健在で今もシルメリアを守り続けているはずなんです!
ここ、テストに出ますよ!

でも、だからと言ってVP2の物語が「なかったこと」になるわけじゃ、決してありません!
この作品は、これまで謎に包まれていたシルメリアや、悪役っぽかったHristの人間的な魅力(神だけど)や葛藤を深く描き出して、彼女たちのキャラクター像をめちゃくちゃ豊かにしてくれました。

また、「運命は変えられるのか?」「魂はどこへ行くのか?」「神と人間の関係性とは?」といった、シリーズ共通の根源的なテーマを、新たな視点から、より鋭く、より深く問いかけてくれました。

そして何よりも! 物語の終盤に登場したレナスは、VP1のAエンド後の未来から来た「正史のレナス」本人であり、彼女がこの改変世界の最大の脅威(レザード)を排除し、様々な経験を経て成長し、自らが歩むべき「新たな未来」へと帰還した、という一点において、シリーズ全体の大きな物語の流れの中に、ちゃんと位置づけられる重要な出来事を描いたと言えるんです!
VP2は、VPシリーズの世界観を、より複雑で、重層的で、そして果てしなく奥深いものへと進化させた、間違いなく重要な傑作なのです!

キャラクター補足2:転生?別人?魂の行方

VP2では、アリーシャ、ルーファス、ディラン(ブラームス)、レザードといった物語の中心人物の他にも、VP1からの登場人物(あるいはその魂の転生者や、そっくりさん)も出てきて、ファンをニヤリとさせますよね。

特に、アリューゼに見た目も性格も戦い方もソックリな傭兵アーンヴィン

彼はもう、アリューゼの魂が(VP2の時代に)転生した姿ってことでほぼ確定でしょう(一部ファンの間では、アリューゼの魂はVP2→VP1→VP咎(ウィルの父セオドール?)と、時代を超えて何度も輪廻転生し、その度にヴァルキリーと深く関わる、なんか特別な宿命を背負ってるんじゃないか? なんてロマンあふれる説もあります)。

あと、VP1でレナスに仕えてたクールな魔術師レイスが、VP2ではディパンの三賢者の一人ウォルザとして登場したり(これは転生なのか、同一人物が時代を超えて生きてるのか…謎)。

こういう過去作との繋がりを探すのも、VPシリーズの楽しみ方の一つですよね。

一方で、レザードがVP2(過去の並行世界)で死んだのに、VP1(未来の正史)で生きてるっていう矛盾。

これはもう、VP2がVP1とは違う「並行世界の物語」だから、で解決ですね。

VP1の正史世界線のレザードは、VP2みたいな歴史改変は起こさず(あるいは起こせず)、別の方法(賢者の石とか?)でラグナロクを生き延びて、VP1のAエンド後も、どこかで元気に(?)暗躍してる(あるいは隠居してる?)と考えられます。

彼がVP1のAエンド後に何してたのか、これも大きな謎の一つですね!

新たな神話の胎動?:終末と再生の物語(『ヴァルキリーエリュシオン』)

ネタバレ警報

シリーズ最新作(2025年4月現在)、『ヴァルキリーエリュシオン』の世界へようこそ! ここで描かれるのは、レナス達の物語とは異なる、新たな戦乙女の、終末と再生の物語。

過去作との繋がりは薄いとされていますが、VPの魂は受け継がれている…はず! そのストーリーと4つの結末、特に真エンドの真相に触れます!

さて、最後に解説するのは、2022年に発売されたアクションRPGであり、これまでのシリーズ作品の開発を担当してきたトライエースではなく、別の開発スタジオ(ソレイユ)によって制作された、シリーズ最新作『ヴァルキリーエリュシオン』(VE)です!

まず最初に言っておくと、このVEは、「戦乙女ヴァルキリー」「エインフェリア」「ラグナロク」「プルーム(羽)」といった、シリーズお馴染みの北欧神話的な世界観や用語、モチーフはたくさん出てきます。

BGMも桜庭統さん担当で、過去作のアレンジ曲が流れたりして、シリーズファンなら「おっ!」っとなる瞬間は多いはず。

しかし! ストーリーに関しては、これまでのVP1/VP2/咎/アナトミアといった作品群との直接的な繋がりは意図的に薄くされている、あるいは全くないと考えた方が良さそうです。

公式のQ&Aなんかでも「過去作を知らなくても全く問題なく楽しめますよ!」って言ってますしね。

なので、これはシリーズの「新たな解釈」に基づく作品、あるいは一種の「リブート(再起動)」、もしくは「全く別の時間軸やパラレルワールドで展開される、独立したスピンオフ的な物語」と位置づけるのが、現時点では最も適切な理解だと思います。

レナス達の壮大な物語とは、いったん切り離して考えましょう!

物語の舞台は、主神オーディンと、彼の宿敵であるデカい狼の魔物フェンリルとの間で繰り広げられた最終戦争――すなわちラグナロク――が、もう既に起こっちゃって、その結果、神々の世界も人間界もほとんどが壊滅し、世界全体がゆっくりと終末に向かって崩壊しつつある…っていう、なんともポストアポカリプスな、絶望感漂う時代です。

ラグナロクの戦いでボロボロに傷つき、もはや世界の崩壊を止める力も残されていないオーディン。

彼は最後の希望を託し、残された僅かな神としての力を使って、新たな戦乙女を創造します。

それが、本作の主人公であるヴァルキリーです(彼女には固有の名前はなく、作中では基本的に「ヴァルキリー」と呼ばれる。

開発中の仮名は「ノラ」だったらしい)。

オーディンは、創造したばかりでまだ自我も感情も希薄なヴァルキリーに対し、「世界に蔓延る穢れた魂(邪魂)を浄化し、滅びゆくこの世界を救済せよ!」という、絶対的な使命を与え、自分自身は傷を癒し、力を回復させるためか、アースガルズの玉座で深い眠り(パワーセーブモード?)につきます。

オーディンの忠実な僕(エージェント)として、ヴァルキリーは荒廃し、危険な魔物が跋扈する地上へと降り立ちます。

彼女は各地に残る邪魂を浄化し、同時にその過程で出会う死せる英雄たちの魂をエインフェリアとして召喚し、彼らの力を借りながら、オーディンから与えられた任務を黙々と遂行していきます。

その孤独な戦いの中で、ヴァルキリーは二人の重要な人物と出会い、彼女の運命、そして世界の運命が動き出すことになります。

  • 一人は、ラグナロクの混乱の中で死に別れた(と思い込んでいる)妹の魂を探し求め、滅びゆく世界を一人で彷徨う人間の青年アルマン。彼はヴァルキリーが持つ魂の浄化能力に何かを感じ取り、「妹の魂を見つけ出すのを手伝ってくれたら、俺も協力するぜ」と、彼女に同行することになります。
  • もう一人は、かつてはオーディンに仕える戦乙女であったが、現在はオーディンを裏切り、敵であるはずのフェンリル側についているもう一人の戦乙女ヒルド。黒い禍々しい鎧を身に纏うヒルドは、何度もヴァルキリーの前に立ちはだかり、「オーディンの言うことなんて信じるな!」「あんたはただの道具だ!」「本当の救済は、オーディンに従っていては訪れない!」と、ヴァルキリーの忠誠心と存在意義を根底から揺さぶるような、意味深な警告を発し続けます。

物語は、オーディンがヴァルキリーに世界の浄化のために託したとされる、神秘的な力を持つ神器(?)「戦乙女の花(エリュシオン)」の真実と、世界の終末の裏に隠された、オーディンとフェンリルの真の関係を巡って展開していきます。

ヴァルキリーは、絶対的な主神であるオーディンの命令に従い続けるのか、それともヒルドの警告や、アルマンとの交流を通じて芽生え始めた人間的な感情や疑問に従うのか…プレイヤーはヴァルキリーとして、物語の終盤で重大な選択を迫られることになります。

そして、その選択によって、物語は4種類の全く異なるエンディングへと分岐するのです!

  • エンディング1:ノーマルエンド(オーディン様、万歳!…あれ?)
    最後までオーディンの命令を信じ、忠実に従い、宿敵であるフェンリルを討伐する結末。やったー!と思いきや、フェンリルを倒しても世界の崩壊は止まらず、オーディンは「うーん、まだ浄化が足りんみたいだな。引き続きよろしく」と言うばかり。ヴァルキリーは、結局オーディンに良いように使われただけで、世界の真の救済は訪れなかった…ということが強く示唆される、なんとも後味の悪い、虚しさが残るエンディングです。
  • エンディング2:バッドエンド(世界、滅んじゃいました…)
    オーディンを裏切ってフェンリル側に付く、あるいはオーディンにもフェンリルにも敵対する、などの選択をするものの、力及ばず敗北してしまう。または、任務を途中で放棄するなど、ヴァルキリーとしての使命を果たせなかった場合の結末。世界は完全に闇に飲み込まれ、全ての生命が跡形もなく消え去るという、文字通り救いのない完全なバッドエンド。まあ、これはこれで潔い…のか?
  • エンディング3:グッドエンド(人間最高!オーディン打倒!)
    ヒルドの言葉やアルマンとの絆を通じて、オーディンの真意(世界の救済なんてどうでもよくて、自分の復活と再度の支配が目的だった)と、その欺瞞に気づいたヴァルキリーが、オーディンに反旗を翻すことを決意する結末。かつての敵であったヒルドや、人間のアルマンと力を合わせ、激しい戦いの末に、元・主神であるオーディンを討伐することに成功します!
    これにより、神々の支配は完全に終わりを告げ、残された人間たちが、自分たちの手で、自分たちの未来を築いていく、新しい時代が始まることが示唆されます。戦いの後、ヴァルキリー自身も神としての力を失ったのか、人間として転生したのか、アルマンと再会し、共に新たな世界で歩み始めることを予感させる、希望に満ちたハッピーエンド!
    これが見たかった!
  • エンディング4:トゥルーエンド(真実はいつも一つ!…じゃなかった!? 神々の時代の終焉!)
    ゲーム内の全てのサブクエスト(エインフェリアたちの記憶に関わるもの)をクリアするなど、特定の条件を満たした上で、オーディンにもフェンリルにも与せず、この世界の終末の裏に隠された全ての真相を突き止めようとする道を選んだ場合に到達する、真の結末。このルートで、マジか!?っていう衝撃の真実が明らかになります。なんと、対立していたはずの主神オーディンと魔狼フェンリルは、元々は一つの、なんかすごい力を持った存在(世界の創造に関わった原初の神?)であり、ある理由(世界のあり方とか、生命の扱い方とかについての考え方の違い?)から、二つの相反する魂(理性と本能? 秩序と混沌?)に分裂してしまっていたというのです!
    ラグナロクとは、実はこの分裂した二柱の神が、互いを滅ぼし、吸収することで、再び一つに統合されようとするための、壮大な痴話喧嘩(?)みたいな戦いだった、と!
    世界の終末は、この二柱の神様の個人的な都合(?)の結果に過ぎなかったわけです。なんということでしょう…。

    全ての真実を知ったヴァルキリーは、この歪んだ世界を真に救済するためには、この二柱の神々の終わらない争いを止めさせ、彼らを統合し、そして最終的にはその強大すぎる存在そのものを、この世界から消し去るしかない、と決断します。

    ヴァルキリーは、オーディンとフェンリルの両方と対峙し、最後の激しい戦いの末に彼らを打ち破ります。

    そして、二つの魂を再び一つに戻した上で、その存在がもはやこの世界には不要であるとして、完全に消滅させます。

    これにより、神々の時代は、名実ともに完全に、そして永遠に終焉を迎えたのです。

    全ての戦いが終わり、静寂が戻った世界。

    枯れ果てていたはずの、世界の中心にそびえる巨大な世界樹ユグドラシルの根元に、一輪の、小さくも美しい青い花が、静かに、しかし力強く咲いているのが映し出されます。

    それは、神々がいなくなった世界で、生命が自らの力で再び芽吹き始めたこと、そして未来へのささやかな、しかし確かな希望を象徴しています。

    ヴァルキリーとアルマン、そしてヒルドがその後どうなったのかは明確には描かれませんが、彼らもまた、この神々から解放された新しい世界で、それぞれの道を、自分たちの足で歩み始めるのでしょう。

    一般的に、このトゥルーエンドが、物語の全ての謎を解き明かし、VEという作品が提示する最終的なテーマ(神々からの自立と、人間の手による未来創造)を示す「真の結末」として扱われています。

    深い…!

過去シリーズとの関係:パラレル? 未来? それとも…?

さて、気になるのは、このVEと、レナス達の物語(VP1, VP2, 咎, アナトミア)との関係ですよね。

前述の通り、公式は「直接的なストーリー上の繋がりは薄い、独立した物語」というスタンスを強調しています。

なので、基本的には、VEはこれまでのシリーズとは異なる時間軸、あるいは全く別の次元で展開されるパラレルワールドの物語として捉えるのが、一番素直で、混乱のない解釈だと思います。

ただ、「ヴァルキリー」「エインフェリア」「ラグナロク」といった共通の概念や、桜庭サウンド、そして「神と人間の対立」「運命への抗い」といった根底に流れるテーマ性など、シリーズファンなら「やっぱりVPだな!」と感じる要素は随所に散りばめられています。

で、ここからはまた私の超次元的考察タイムなんですけど、一部のファンの間では、「いや、もしかしたらVEの世界って、VP1のAエンディングでレナスが創造主として世界を再創造した、その“遥か遠い未来”の出来事を描いてるんじゃないの?」っていう、ロマンあふれる仮説も囁かれてるんですよね。

根拠としては、VP1のAエンドでオーディンは死亡(不在)となり、VEのトゥルーエンドでも神々の時代が終わるから、大きな流れとしては矛盾しないんじゃ?とか、レナスが創った世界も、長い時を経てまた別の問題を抱え、別のラグナロクを迎えたのかもしれない、とか。

…うーん、でも、VEのオーディンやフェンリルが、VP1の神々や存在と同一かって言われると、かなり疑問符が付きますしね…。

この説は、どちらかというとファンの「こうだったらいいな」っていう希望的観測が強いかもしれません。

なので、現時点(2025年4月)では、VEはVPシリーズの根底に流れる普遍的なテーマや世界観の骨子を受け継ぎつつ、新たなキャラクター、新たなストーリー、そして3DアクションRPGという新しいゲームシステムの形で、その魅力を「再解釈」あるいは「再起動(リブート)」しようとした、意欲的なスピンオフ作品、あるいはアナザー・ストーリーとして捉え、レナス達の物語とはいったん切り離して楽しむのが、一番健全で、作品を正当に評価できるスタンスなのかな、と私は思います!
もちろん、今後のシリーズ展開で、実は繋がってた!なんてサプライズがあったら、それはそれで最高ですけどね!

ふぅ…!
ここまで、シリーズ各作品の壮大で、時に複雑怪奇な物語を、その時系列、世界観の分岐、そして様々な解釈の可能性に注意しながら、可能な限り詳細に、そして私の魂を込めて解説してきました!
長かったですよね? お疲れ様でした!

でも、VPシリーズの魅力は、ストーリーだけじゃない!
次は、これらの壮絶な神話の物語を彩り、我々の心を掴んで離さない、あの愛すべき(あるいは憎むべき?)キャラクターたちに焦点を当てて、彼らの運命、葛藤、そして魂が響き合う複雑な関係性を、改めて深く、そして熱く語っていきましょう!
推しキャラの話なら、いくらでもできますよ!

運命の糸に導かれし神々と人間たち魂の肖像ギャラリー

『ヴァルキリープロファイル』シリーズが、ただのゲームじゃなくて、私たちの心に深く刻まれる「体験」になる理由。

それは、練りに練られた世界観や、衝撃のストーリー展開だけじゃない。

そこに生き、愛し、憎しみ、戦い、そして時に儚く散っていく…そんなキャラクターたちの、あまりにも人間(神)くさい、生々しくて、切なくて、そしてどこまでも美しい魂の輝きにこそ、私たちは心を奪われ、涙し、共感するんですよね。

ここでは、物語の中心で運命の糸を激しく揺さぶった主要なキャラクターたちにスポットライトを当てて、彼らの歩んだ軌跡、内に秘めた葛藤、そして互いの魂が複雑に絡み合い、響き合う関係性を、もう一度、じっくりと見つめ直してみましょう。

ハンカチのご用意はいいですか?

戦乙女三姉妹:レナス、シルメリア、アーリィ(Hrist) - 一つにして三つ、三つにして一つの魂

シリーズの心臓部であり、物語の縦糸そのもの。

それが、運命の三女神とも呼ばれる戦乙女三姉妹。

彼女たちは、一つの魂を共有するという数奇な宿命を背負いながらも、それぞれが全く異なる個性と信念を持ち、時に支え合い、時に激しくぶつかり合い、そして共に傷つき、成長していく…その複雑で、悲劇的な、しかしどこまでも気高く美しい存在感が、VPシリーズを唯一無二のものにしています。

レナス・ヴァルキュリア (Lenneth Valkyrie) - “現在”を生き、“愛”を知り、“創造”に至った蒼穹の女神

  • 初代『VP』の主人公にして、シリーズの象徴! 運命の三女神の次女(現在を司るヴェルザンディ的存在)。澄み切った空のような青い鎧を纏い、普段はクールで冷静沈着。でも、その奥には、誰よりも深い慈愛と共感力、そして時に人間以上に脆く、傷つきやすい心を秘めています。まさに、神性と人間性の狭間で揺れ動く存在。
  • VP1の物語は、彼女の「目覚め」と「再生」の物語そのもの。オーディンによって過去(人間プラチナとしての人生と、ウィルフレドに討たれたトラウマ)を封印され、感情を失った状態で召喚されますが、エインフェリア選定という任務を通じて、数えきれない死者たちの魂の記憶と感情に触れることで、失われた自らの過去と、人間としての温かい感情(特にルシオへの深い愛!)を、少しずつ、しかし確実に取り戻していきます。
  • そして、Aエンディング(正史)では、愛するルシオとの運命的な再会と、ロキの策略による永遠の別離(かと思われた死)、そして世界の完全な崩壊という、これ以上ないほどの絶望を経験します。しかし、その絶望の底で、彼女はホムンクルス(人間の器)との完全な融合を果たし、宇宙の法則すら書き換える「創造主」としての、神をも超越した力に覚醒! 世界を再創造し、失われたはずのルシオをも蘇らせるという、まさに神話的、いや、それを超えた奇跡を成し遂げます。彼女の愛と意志が、宇宙を変えた瞬間でした。
  • VP2では、このAエンド後の「新しい未来」から、レザードの狂気的な計画によって過去の改変世界へと召喚されてしまいます。そこで一度は魂を囚われるという屈辱を味わいますが、最終的にはアリーシャたちの助けで解放され、本来ありえないはずだったシルメリア、Hristとの三姉妹奇跡の共闘を実現! 諸悪の根源レザードの野望を打ち砕く上で、中心的な役割を果たし、そして自らが生きるべき「新たな未来」へと、さらなる成長を遂げて帰還しました。
  • シリーズを通して、彼女は常に「神としての冷徹な使命」と「人間(プラチナ)としての個人的な感情や記憶」という、二つの相反するものの間で激しく葛藤し、苦悩し、そしてその痛みを通じて真の強さ(それは単なる戦闘力ではなく、魂の深さ)を獲得していく姿が描かれます。彼女の存在そのものが、VPシリーズの根源的なテーマである「神と人の境界線はどこにあるのか?」「魂はどこまで進化できるのか?」を、私たちに問いかけ、そして示してくれる、まさにシリーズの「魂」そのものと言えるでしょう。VP1のAエンド後、彼女が創造主としてどんな道を歩んだのか、具体的なことは謎のままですが、彼女が経験した全ての出会い、別れ、愛、そして痛みは、永遠に彼女の魂の中で輝き続け、彼女が紡ぐ未来を照らしている…そう信じたいですよね!

シルメリア・ヴァルキュリア (Silmeria Valkyrie) - “未来”を夢見、“自由”を渇望した反逆の戦乙女

  • 運命の三女神の三女(未来を司るスクルド的存在)。燃えるような情熱を感じさせる真紅の鎧がトレードマーク。三姉妹の中では一番、自由奔放で、人間に対する共感が深く、「命って大切だよね!」っていうのを誰よりも分かってる感じ。だからこそ、オーディンのやり方(エインフェリアを物扱いしたり、人間の運命を勝手に決めたり)に「そりゃないぜ!」って真正面から反発。

    その結果、「反逆者」のレッテルを貼られちゃう、ちょっと可哀想な立場のお姉さん(妹だけど)。

  • VP1本編が始まる数百年も前に、オーディンへの反逆の罪で魂を封印され、ディパン王国の王女アリーシャに強制的に転生させられる、という悲劇的なスタートを切ります。
  • 本来の歴史(VP1に繋がる正史ルート)では、ディパン滅亡のドサクサの中、自らの魂を守るために機転を利かせて魂を結晶化。そのキラキラの魂クリスタルを、たまたま(?)居合わせた不死者の王ブラームス様に「これ、預かっとくわ」って感じで保護されることになります。で、VP1の物語が終わった時点でも、彼女の魂はブラームス城の奥深くで、ずーっと眠ったまま…。解放されてないんですよ! これ、シリーズ最大の「宿題」の一つですよね! いつになったらシルメリアは自由に…!?
  • 改変された歴史(VP2のゲーム本編ルート)では、主人公格として大活躍! アリーシャの体を借りてオーディンの追手から逃げ回り、自由と真実を求めて戦います。途中でレザードの陰謀に巻き込まれて、魂を盗まれて利用されちゃったりもするんですが、最終決戦ではレナス、Hristと共にレザードを打倒! 見事に魂は解放されます。…が、その後、彼女の魂がどうなったのか(元の時代や世界に戻れたのか、アリーシャみたいに転生したのか、姉妹との関係は?)は、結局描かれずじまい…。ええーっ!?
  • 性格は明るくて情熱的。人間であるアリーシャとも、まるで本当の姉妹みたいに深い絆を育んで、見ていてすごく応援したくなるキャラクターです。でも、その運命はシリーズ通してもトップクラスに過酷で、特に正史ルートでの「ずーっと封印されっぱなし」っていう状況は、あまりにも不憫すぎます…(´;ω;`) ファンの間では、「VP3が出るなら、絶対シルメリア救出編だよね!」「レナスかHristが助けに行くんでしょ!?」っていう期待の声が、もう何十年も(!)囁かれ続けているんです。頼みますよ、スクエニさん! (一部のファンによる「VP1のAエンドでレナスが世界創り直した時に、ついでにシルメリアの封印も解けてるんじゃない?」っていう超・希望的観測もありますが、公式じゃないですからね!)

アーリィ・ヴァルキュリア(Hrist Valkyrie / フリスト) - “過去”を背負い、“断罪”を執行する孤高の(元?)氷の女神

  • 運命の三女神の長女(過去を司るウルド的存在)。禍々しくも美しい黒(あるいは紫)の鎧を纏い、三姉妹の中では一番クールで、任務遂行が絶対! オーディンの命令には「御意」の一言で従う、まさに「断罪の戦乙女」。その厳格さと非情さゆえに、他の姉妹やエインフェリアたちと激しく対立することも多く、初登場時は完全に悪役ポジションでした。
  • VP1では、レナスが記憶を取り戻してダウンした際に「待ってました!」とばかりに覚醒し、レナスの体を乗っ取ります。そして、レナスが集めたエインフェリアたちに「オーディン様に逆らう奴は死ね!」くらいの勢いで絶対服従を強要。反抗したアリューゼやメルティーナをガチで殺そうとするなど、それはもう冷酷非情の限りを尽くします。物語の終盤では、長年の宿敵であった不死者の王ブラームスと決着をつけようとしますが、アリューゼたちの加勢もあって敗北。

    そのままフェードアウト…(その後、生死不明)。

    VP1だけ見ると、ただの嫌な奴、って印象の人も多かったかも。

  • ところがどっこい! VP2(改変された並行世界)では、彼女のイメージが180度変わる大活躍を見せてくれます! 序盤こそオーディンの忠実な尖兵として、アリーシャ/シルメリアたちと死闘を繰り広げるんですが、物語が進むにつれて、オーディンのやり方や神々の在り方に疑問を抱き始めるんですね。そして、オーディンがレザードに倒された後は、なんと自らの意志で行動を開始! ドラゴンオーブを強奪し、神界から離反! しかも、かつて敵対したアリーシャ、ルーファス、ブラームスらと「共通の敵レザードを倒す」という目的のために、まさかの共闘を持ちかけるんです! この展開には痺れました! VP2での彼女は、ただ冷徹なだけじゃなく、自分なりの正義や誇りを持ち、目的のためなら手段を選ばない合理性、そしてどこか人間的な(?)変化や成長も見せてくれるんです。このギャップにやられたファンは数知れず、一気に人気キャラへと駆け上がりました! ツンデレの極み!
  • シリーズ全体を通して見ると、レナスやシルメリアに比べて、彼女自身の内面や苦悩が深く掘り下げられる機会が少なく、物語的な「救済」や姉妹との「和解」といったカタルシスも明確には描かれていないため、「ちょっと不遇な長女…」とファンから同情されることもあります。でも、VP2で見せたような複雑な内面や変化の可能性を考えると、彼女にもまだまだ語られていないドラマがたくさんありそうですよね! 開発スタッフも過去に「Hristの物語をもっと掘り下げたい」的なことを言ってたらしいので、彼女が真の意味で報われる物語が見られる日が来ることを、多くのファンが(私も!)心待ちにしているはずです! 頑張れHrist姉さん!

三姉妹の謎:一心同体? マルチOS? 魂のデータ構造とは?

それにしても、この「一つの魂を共有する別人格」っていう設定、何度考えてもすごくないですか?
レナス=現在OS、アーリィ=過去OS、シルメリア=未来OSが、一つのハイスペックPC(魂)にインストールされてて、基本シングルタスクでしか動けない、みたいな。

なんでこんなややこしい仕様になってるんでしょうね?
オーディンが何か改造した結果なのか、それとも元々そういう世界の法則(バグ?)なのか…。

しかも、VP2の最後には、本来ありえないはずの「三つのOS同時起動&まさかの統合(フュージョン!)」までやっちゃうっていう!
これって、レザードっていう外部要因(ハッカー?)によってシステムの根幹が揺さぶられた結果なのか、それとも三姉妹の魂自体が、そういう進化の可能性を元々秘めてたってことなんでしょうか?
彼女たちが真の意味で「一つ」になった時、一体どんな力が生まれるのか…?
この三姉妹の存在そのものが、VPシリーズ最大の謎であり、そして無限の可能性を秘めたテーマなのかもしれませんね!
考察が捗る!

レザード・ヴァレス:愛と狂気の錬金術師 - 神をも弄ぶ究極のストーカー(褒めてない)

  • VPシリーズを語る上で、絶対に、絶対に外せない存在。それが、このレザード・ヴァレス!
    天才的な頭脳を持つ魔術師であり、錬金術師であり、そして…レナスに対する愛(という名の狂気的な執着)が常軌を逸しすぎている、究極のヤンデレ系(?)ストーカー(褒めてません、断じて!)。彼の存在が、物語をどれだけ掻き回し、どれだけ面白く(そしてややこしく)したことか!
  • 元々はただの人間(たぶん)。でも、若くしてあらゆる魔術と錬金術を極めちゃって、不老不死の肉体(?)とか、魂のない完璧な人造人間(ホムンクルス)とか、平気で創り出しちゃう、まさに「規格外」のチートキャラ。彼の知識欲と探求心は、もう宇宙レベル。そのためなら、倫理とか常識とか、神様の怒りとか、ぜーんぶ無視!
    自分の研究と目的が全て!っていう、マッドサイエンティストの見本みたいな人です。
  • VP1で、エインフェリア候補としてレナス・ヴァルキュリアと出会った瞬間、彼の運命(と、ある意味世界の運命も)は狂い始めます。レナスという存在――神としての完全性、抗いがたい美しさ、そして内に秘めた人間的な脆さや無限の可能性――に、彼は一瞬で心を奪われ、常軌を逸した歪んだ愛情(というか、研究対象としての独占欲?)を抱くようになります。「彼女こそが、我が知と術の粋を集めて到達すべき『究極の存在(=神)』を宿すに相応しい器だ! 我が女神! 我がものに!」と。もう、完全に思考がヤバい。

    彼は神界への召喚をあっさり拒否し、地上に留まって、レナスを自分のものにするための、壮大で、緻密で、そして狂気的な研究と計画を、水面下でずーーーーっと進めていくことになるのです。

    その執念、仕事に向けてほしい…。

  • VP1のAエンディングルートでは、レナスの魂が砕け散るっていう大ピンチに、「待ってました!」とばかりに登場。自作のホムンクルスを提供して、彼女の復活に決定的な貢献をします。でも、それは決して善意からじゃない!
    彼女の魂を自分の管理下に置き、最終的には自分の意のままにするための、計算され尽くした行動だったんです。最終決戦にもちゃっかり同行しますが、それもレナス観察と、自分の次の計画へのデータ収集のため。

    ちゃっかり賢者の石(オーディンから奪った?)の力か何かでラグナロクの崩壊も生き延びて、Aエンド後は歴史の闇へと姿をくらまします。

  • そしてVP2! ここで彼の狂気と計画性がMAXレベルで炸裂します!
    VP1の時代で生き延びた彼は、おそらく完成させたであろう時間移動の魔術を使って、なんとVP1より数百年も過去の時代(シルメリアが活動してた頃)へとタイムスリップ!
    そして、「愛しのレナスを手に入れる」という、ただその一つの目的のためだけに、歴史に介入しまくります!
    シルメリアの魂を横取りして研究材料にし、ディパン王国や神界の争いを裏で操ってオーディンを倒し、その力を吸収。最終的には、時空を超えて未来(VP1 Aエンド後)からレナス本人を召喚し、彼女を永遠に自分のもの(嫁?ペット?研究対象?)にしようとするんです!
    まさにVP2の物語全体の、全ての元凶にして、最大の黒幕!
    その計画性、執念、そして倫理観の欠如っぷりは、もはや清々しいレベル!
  • でも、彼のあまりにも人間離れした(というか人間止めてる)計画と傲慢さは、最後には予想外の抵抗に遭います。未来から来たレナス、覚醒したHristとシルメリア、そしてブラムスやアリーシャといった、彼の計算を超えた魂たちの奇跡的な共闘によって、彼の野望は完全に打ち砕かれます。最後は三女神融合ヴァルキリーの前に完敗し、その歪んだ愛と野望と共に、この並行世界からは消滅しました…と思いきや!
  • VP2の隠しエピローグで、なんと少年時代の姿で転生(?)してるっぽい描写が!
    全ての記憶と力を失って、普通の人間としてやり直してるのか、それともこれもまた彼の計算のうちで、新たな計画の始まりなのか…?
    彼の魂が完全に消え去ったわけではない、という事実は、VPシリーズに残された、最も不気味で、そして続きが気になる伏線の一つですよね!
    彼が再び歴史に絡んでくる日は来るのか…!?
  • レザード・ヴァレスというキャラクターは、その圧倒的な天才性、目的のためなら全てを犠牲にする冷酷さ、そしてレナスへの常軌を逸した偏愛によって、単なる悪役という枠には収まらない、強烈なカリスマ性と狂気を放つ存在として、VPシリーズの物語に、計り知れないほどの深み、複雑さ、そして「目が離せない」緊張感を与えてくれました。彼がいなかったら、VPの物語はもっとシンプルだったかもしれないけど、ここまで面白くはならなかったかも?
    そう思うと、なんだかんだで感謝…はできないけど、すごいキャラだったことは間違いありません!

人と神、魂の交差点:運命の糸に結ばれし者たち

VPシリーズの物語は、主役級のキャラだけじゃない!
彼らと関わる人間、エインフェリア、そして他の神々や存在たち…その一人一人が持つ、それぞれのドラマ、それぞれの魂の輝きが、物語を豊かに彩っているんです。

ここでは、特に印象深いサブ(と言いつつ超重要!)キャラクターたちをピックアップ!

ルシオ (Lucian) - 愛と記憶、レナスを人間に繋ぎとめる絆

  • 初代VPにおける、もう一人の主人公と言っても過言ではない存在。レナスが人間プラチナだった頃の、たった一人の理解者であり、幼なじみであり、そして初恋の人。貧しく孤独だったプラチナにとって、彼の存在は唯一の希望の光でした。もう、彼がいなかったらプラチナは…(´;ω;`)
  • プラチナの悲劇的な死の後、彼は生きる意味を見失い、荒んだ生活を送りますが、心の中では決してプラチナのことを忘れていませんでした。そして運命の再会(エインフェリア選定)!
    彼のプラチナ(レナス)への、どこまでも純粋で、一途で、そして決して諦めない強い想いが、オーディンによって固く閉ざされていたレナスの記憶の扉を、奇跡的にこじ開けることになるのです。彼の存在なくして、Aエンディングはありえませんでした!
  • しかし、その純粋さゆえに、VP1のAエンドルートでは、ロキの卑劣な策略の犠牲となり、無実の罪で処刑されてしまうという、あまりにも悲劇的な運命を辿ります…。もう、あのシーンは何度見ても泣ける…。でも! 彼の死は無駄じゃなかった!
    それがレナスを真の覚醒(創造主へ)と導き、最終的には、レナスの起こした奇跡の力によって、魂だけでなく、肉体も含めて完全に蘇生されるという、これ以上ないほどの救済を得るのです!
    愛は勝つ!
  • レナスとルシオの関係性は、「神と人間」という絶対的な壁、そして「記憶喪失」という障壁をも乗り越える「真実の愛」の物語として、シリーズ全体を通しても、特に感動的で、ロマンティックで、そして切ない要素として、多くのプレイヤーの心に永遠に刻まれています。Aエンド後、二人が具体的にどうなったかは謎ですが、彼らの魂の絆だけは、どんな形であれ、永遠に続いている…そう信じたいですよね!

アリューゼ (Arngrim) - 義に厚く、不器用な、頼れる人間の英雄!

  • 初代VPの序盤、戦乱のアルトリア王国で登場する、大剣をブンブン振り回す、見た目も中身もタフガイな傭兵。口は悪いし態度もぶっきらぼうだけど、筋が通らないことは大嫌い!
    仲間思いで、一度信じた相手にはとことん尽くす、まさに「義」に生きる男の中の男!
    生前に仕えていた王女ジェラードとの悲恋(自分の手で魔物化した彼女を討った)は、彼の心に深い傷として残っていますが、それを乗り越える強さも持っています。
  • エインフェリアになった後も、その圧倒的な戦闘能力と、曲がったことが嫌いな実直さで、レナスからの信頼も厚く、エインフェリアたちの頼れる兄貴分的な存在に。特に、レナスが記憶を取り戻してHristに乗っ取られた時には、神であるHrist相手に一歩も引かず、「俺たちが仕えるのはレナス様だけだ!」と啖呵を切って反旗を翻し、命がけでレナスの魂を救うために奔走する姿は、まさにヒーロー!
    かっこよすぎ!
  • レナスにとっては、単なる部下や兵士という関係を超えた、最も信頼できる戦友であり、彼女が人間的な心を取り戻していく上で、欠かせない存在だったと言えるでしょう。Aエンドルートでは彼もロキによって一度は消滅させられていますが、レナスの世界再創造によって、他の仲間たちと共に復活したと考えられます(その後、彼がどんな人生を歩んだのかは不明ですが、きっとどこかで元気にやってるはず!)。
  • VP2に登場する傭兵アーンヴィンは、彼と容姿、性格、戦闘スタイルが驚くほど酷似しており、アリューゼの魂が(VP2の時代に)転生した姿である可能性が極めて濃厚に示唆されています(一部ファン考察では、アリューゼの魂はVP2→VP1→VP咎(ウィルの父セオドール?)と、時代を超えて何度も転生し、その度にヴァルキリーと深く関わる、なんか特別な宿命を背負ってるんじゃないか? なんてロマンあふれる説もあります)。

ブラームス (Brahms) - 神にケンカ売るのが趣味(?)な、孤高のアンデッド・キング!

  • 吸血鬼(ヴァンパイア)であり、ミッドガルドの闇の世界に君臨し、不死者たちを統べるカリスマ的な王様。神界、特に主神オーディンとは、もう何百年、何千年も敵対関係にある、超強力な存在です。単純な悪役じゃなくて、彼なりのルールや美学を持ってる感じが、またシブくてカッコイイんですよね!
  • VP1では、オーディンに反逆した三女シルメリアの魂(結晶化した状態)を、なぜかオーディンの追手から匿い、自らの城(ブラムス城)でずーっと保護し続けている、謎多き人物として登場します。特に長女Hristとは、もう「お前とは決着つけなきゃ気が済まん!」レベルの深い因縁があり、互いを宿敵と認め合っています。Aエンディングルートでは、Hrist打倒という共通の目的のために、一時的にレナス(を助けるアリューゼたち)と手を組みます。
  • VP2(改変された並行世界)では、なんと人間の大剣使いディランとして転生(あるいは変身?)し、記憶喪失を装ってアリーシャ/シルメリア一行に潜り込みます。その真の目的は、やはりシルメリアを守ることと、宿敵Hristとの決着をつけることでした。でも、レザードの横槍でシルメリアの魂は盗まれ、自分はフレイに捕まって結晶化…と、結構散々な目に。後に解放されて最終決戦では大活躍しますが、最後は「ここでなら俺も死ねるかも」的なことを言って、崩壊する異空間と共に消えていくという、なんとも彼らしい(?)最期を選びます。
  • 敵役でありながら、その圧倒的な強さと、独自の信念に基づいた行動、そしてどこか漂う孤高のダンディズム(?)から、多くのプレイヤーを魅了する、非常に人気の高いライバルキャラクターです。
  • で、結局、彼がなんであそこまでシルメリアを守ろうとするのか?
    その明確な理由は、シリーズを通して謎のまま。シルメリアの反骨精神に共感してるのか、オーディンへの対抗策として利用してるのか、それとも個人的な感情(友情? 愛情?)があるのか…?
    ファンの間では色々な憶測が飛び交ってますが、公式設定では「まあ、なんか特別な繋がりがあるんすよ」くらいの説明しかありません。VP1の正史世界線においては、彼はVP2みたいな最期は迎えずピンピンしてるはずなので、今もブラームス城で、眠り続けるシルメリアの魂を守り続けていると考えられます。彼の存在と真の目的もまた、VPシリーズの未来への大きな伏線ですよね!
    いつか明かされる日が来るんでしょうか?

ウィルフレド (Wylfred) - 復讐の果てに“咎”だけが残った、忘れられた悲劇の主人公

  • VP咎の主人公。戦乙女レナスによって父の魂を(本人は善意のつもりでも)奪われ、その結果として愛する家族が崩壊したことから、レナス個人、そしてヴァルキリーという存在そのものに対して、骨の髄まで染みるほどの憎悪と復讐心を抱くことになった、あまりにも悲劇的な青年。
  • 冥界の女王ヘルの使いエーリスから与えられた、仲間を犠牲にする代わりに力を得る禁断のアイテム「女神の羽」を使い、復讐のためならばと、自らの魂を汚し、かけがえのない仲間たちの命すらも踏み台にしながら、神殺しのための力を求めて、暗く、孤独な戦いを続けます。
  • 正史とされるCエンディングでは、その歪んだ憎悪の力でついにレナスを討ち果たす(ただし魂は回収されるため完全な抹殺には至らない)という目的を達成します。しかし、それは同時に、彼自身の魂が冥界に完全に堕ち、救済の可能性が永遠に失われることを意味していました。ヘルとの契約も果たせず、エーリスにも用済みとして捨てられ、利用されただけの駒として冥界へと引きずり込まれ、その復讐のためだけに全てを捧げた人生は、救いのない絶望の中で、誰にも知られることなく幕を閉じます…。あまりにも、あまりにも救いがなさすぎる…。
  • 彼の存在と物語は、VPシリーズが持つ英雄譚的な側面(光)の裏側に隠された、残酷な現実(影)――「神々の行う“救済”は、残された人間にとっては必ずしも幸福ではなく、時として更なる悲劇と憎悪を生む連鎖になりうる」という、痛烈で、しかし目を背けてはならないアンチテーゼ――を、我々に強く突きつけます。そして、彼のレナスへの復讐が、結果的にレナスの心に消えない傷を残し、VP1冒頭での記憶封印の一因となったという意味で、彼は意図せずしてレナスの、ひいては世界の運命に、決して小さくない影響を与えた、忘れられてはならない重要な人物なのです。
  • 冥界に堕ちた彼の魂が、その後どうなったのか、彼に救済の道は残されていたのかは不明です。VP咎の他のエンディングでは異なる運命も描かれますが、正史での彼の結末は、シリーズ中でも群をいて悲劇的であり、多くのプレイヤーの心に、重く、そしてやるせない問いを残しました。ウィルフレドの魂にも、いつか安らぎが訪れる日は来るのでしょうか…。

その他、忘れちゃいけない面々!

  • フレイ(フレイヤ): 美と豊穣、そして戦いの女神様。レナスの上司で、超美人だけど、仕事にはめちゃくちゃ厳しい!
    オーディン様への忠誠心は厚いけど、時にはレナスを庇ったり、独自の判断で動いたりと、なかなかどうして侮れないお方。彼女の真意は、最後まで読めないミステリアスさが魅力?
  • ロキ: 北欧神話でもお馴染み、悪戯好きで狡猾な神。VP1ではラスボスとして大暴れ!
    半神半魔っていうコンプレックスとオーディンへの不満をこじらせて、クーデター起こして世界ごと破壊しようとするんだから、もうスケールがデカい!
    最終的には覚醒レナスに倒されるけど、アナトミアで再登場(?)したりと、何かと謎が多い存在。
  • オーディン: アース神族のトップ、主神様。全知全能っぽいけど、とにかくラグナロクを怖がりすぎ!
    そのせいで、結構パワハラ気質で、ヴァルキリーやエインフェリアを駒扱いしたり、平気で記憶操作したりと、シリーズのトラブルの原因の多くは、だいたいこの人のせい(?)。結果、VP1でもVP2(並行世界)でも、あんまり良い死に方してないのが、なんともはや…。
  • ヘル: 冥界ニブルヘルムの女王様。死者の魂を管理してる、ちょっと怖いお姉さん(?)。アナトミアではオーディンに反乱起こしたり(黒幕は別にいたけど)、VP咎ではウィルフレドを利用したりと、神界とは別の勢力として、世界の裏で色々暗躍してるっぽい。本編には直接出てこないけど、今後のシリーズ展開(もしあれば!)で、ラスボス候補の一人かも…?

…とまあ、ここに挙げた以外にも、VPシリーズには魅力的な(そして悲劇的な運命を辿る)エインフェリアたちが、星の数ほど登場します!

彼ら一人一人のドラマを語り始めたら、本当に夜が明けちゃうので、今回は割愛しますが、彼ら脇役たちの魂の輝きがあってこそ、VPの物語はこれほどまでに深く、我々の心に響くのでしょうね!

神話のネクストステージは!?未解決ミステリー&勝手に応援!未来予想図

さあ、物語とキャラクターをたっぷり堪能したところで、最後はやっぱりこれ!
VPシリーズに散りばめられたまま、いまだに回収されていない謎や伏線、そして「こうなったらいいな!」っていう、私の勝手な未来予想(という名の願望)について、熱く語らせてください!
だって、物語はまだ終わってない…と信じたいじゃないですか!

【最大の関心事】VP1 Aエンド後、レナスが創った「ニューワールド」の全貌プリーズ!

  • 謎すぎる現状: 初代VPのAエンディング、レナス様が世界を再創造! めでたし! …で、結局どんな世界になったの!? 神様と人間の関係は? オーディン亡き後の神界のトップは誰? 創造主になったレナス様は、今どこで何してるの? ルシオとはどうなったの!? …もう、疑問符だらけ! 公式さん、そろそろ教えてくれてもいい頃合いじゃないですか!?
  • 私の勝手な未来予想図(希望度★★★):
    • レナス様、神界CEO就任説: やっぱり、あの力と慈愛を持つレナス様が、オーディンに代わって神界(というか世界?)の新しいリーダーになったんじゃないかな? もっと風通しの良い、人間にも優しい、ホワイトな世界運営をしてるはず! フレイ様が右腕で、アリューゼとかメルティーナが重役、みたいな。
    • 神様、もういいです。人間頑張ります!宣言説:あるいは、レナス様は「もう神が世界を支配する時代は終わり!」って決断して、人間が自分たちの力で未来を決める世界を創ったのかも? 神様はそっと見守るだけ、みたいな。これなら、VEの世界観ともちょっとリンクする?
    • まさかのループ継続中!?説: レナス様の創造も完璧じゃなくて、結局また別の問題が発生して…実はまだゼフィロスが言ってたみたいな「世界ループ」の途中だったりして!? だとしたら、VPシリーズはまだまだ序章に過ぎない…!?(これはちょっと怖いけど、壮大!)

【最重要ミッション】シルメリア様を救い出せ! ブラムス城攻略作戦(仮)!

  • 悲しすぎる現状: VP1の正史ルートでは、三女シルメリアの魂は、結晶になったままブラムス城でずーっと眠り続けてるんですよ! もう何百年も! VP2(並行世界)では解放されたけど、それはそれ! 正史のシルメリアを助けなきゃ、物語は終われないでしょ! これはもう、シリーズに残された最大の「宿題」であり、ファンが最も続編に期待するテーマのはず!
  • 私の勝手な未来予想図(期待度MAX!):
    • VP3は「シルメリア救出編」で決まり!説: もし、もしもVP3が出るなら、絶対にこれでしょう! 創造主となったレナス様が、姉妹を救うために立ち上がる! あるいは、VP2でちょっとデレた(?)Hrist姉さんが、妹のために一肌脱ぐ!? もしかしたら、ブラームス様自身が、封印を解く方法を見つけ出すのかも? 想像するだけで胸熱!
    • 実はもう解放されてる?説: VP1 Aエンドでレナス様が世界を創り直した時に、オーディンの呪いとか封印とかも全部リセットされて、シルメリアもこっそり解放されてるんじゃない? …っていう、超ご都合主義的な希望的観測。でも、そうであってほしい…!

【長女の明日はどっちだ!?】Hrist姉さんの幸せ探し&三姉妹、涙の和解!

  • ちょっと不憫な現状: VP1では悪役で退場(生死不明)、VP2(並行世界)では活躍したけど正史じゃない…。長女Hrist姉さん、シリーズ通して一番報われてない気がしません? 冷徹な仮面の下には、きっと誰にも言えない苦悩とか、妹たちへの複雑な想いとか、色々あるはずなのに! 彼女の物語が中途半端なままなのは、本当にもったいない!
  • 私の勝手な未来予想図(応援度★★★):
    • Hrist姉さん、人間を知るの巻: どこかで生き延びてたHrist姉さんが、人間界で色々経験して、レナスやシルメリアとは違う形で「人間らしさ」とか「自分の意志」に目覚めていく…みたいな成長物語が見たい! そして最終的には、レナスやシルメリアと心から和解して、「三姉妹、最強!」って共闘する展開! これしかないでしょ! 開発者さんも昔「Hristの話やりたい」って言ってたらしいじゃないですか! やりましょうよ!

【イケメン吸血鬼の秘密】ブラームス様、あなた本当は何者なんですか!?

  • 謎多き現状: 不死者の王ブラームス。強い! カッコイイ! でも、謎だらけ! なんでオーディンと敵対してるの? なんであんなにシルメリアを守ろうとするの? 彼の過去には何があったの? VP1でもVP2でも、核心部分は全然語られてないんですよね…。
  • 私の勝手な未来予想図(興味津々度★★★):
    • ブラームス過去編、熱望!説: 彼がどうやって不死者の王になったのか、神々と何があったのか、シルメリアとの最初の出会いは…? 彼の過去を掘り下げるスピンオフとか、めちゃくちゃ面白そうじゃないですか? 実は彼も元々は人間で、神々に酷い目に遭わされた過去がある、とかだったらドラマチック!
    • シルメリアとの関係、ついに判明!?説: やっぱり一番気になるのは、シルメリアとの関係! 単なる共感? それとも友情? あるいは…愛!? VP3(仮)で、ついにその真意が語られる日が来るのか…!? 個人的には、プラトニックだけど深い魂の繋がり、みたいなのがいいなあ…。
    • 対オーディンの切り札説: 単純に、オーディンが最も恐れる(あるいは執着する)シルメリアの魂を手元に置くことが、神界に対する最も有効な牽制、あるいは交渉材料になると考えている、という戦略的な理由。

これらの説はどれも可能性を秘めており、あるいは複合的な理由があるのかもしれません。

ブラームスの真意が明かされる日は来るのか、それとも永遠に謎のままなのか。

彼の存在もまた、シリーズの奥深さを象徴しています。

【魂の法則】転生と輪廻が物語に与える意味とは?

  • 設定・テーマ: VPシリーズでは、レナス自身の人間プラチナとしての転生を筆頭に、アリューゼとアーンヴィン(VP2)、レザードやアリーシャの転生(VP2エピローグ)、あるいはウィルの父セオドールなど、「魂の輪廻転生」という概念が繰り返し重要なモチーフとして描かれます。これは北欧神話の死生観(ラグナロク後の再生など)にも通じる普遍的なテーマであり、物語に時間的な広がりと、運命的な深みを与えています。
  • 物語への影響: 同じ魂を持つ(あるいは酷似した)キャラクターが、異なる時代や世界線で、異なる役割や人間関係を持って登場することにより、「個人の記憶は失われても、魂の本質や宿命は受け継がれるのか?」「過去の因縁は、未来の運命にどう影響するのか?」といった、哲学的な問いを投げかけます。「同じ魂を持つ者たちが、時代を超えて互いに影響を与え合い、時に運命が繰り返され、時に新たな選択によって未来が変えられていく」ということ自体が、VPシリーズ全体の隠された壮大なテーマであり、伏線と捉えることもできるでしょう。キャラクターたちの魂が、次にどのような形で、どこに現れるのか…それを想像することも、シリーズを深く楽しむ上での醍醐味の一つです。

【未来への渇望】『ヴァルキリープロファイル3』、出ますか!? 出ませんか!?

  • 切実すぎる現状(2025年4月): これですよ、これ! 全VPファンが、もう何年も、何年も、首をキリンさんにして待ち続けてる最大の謎! 2008年にスクウェア・エニックスによって「ヴァルキリープロファイル3」という商標が登録されたことが確認され、一時は開発への期待が最高潮に達しました。しかし、残念ながらその後、具体的な開発の発表はなく、現在に至るまで正式な続編はリリースされていません。VP1&2のシナリオを手掛けた則本真樹氏が過去に続編執筆への意欲を示していたことや、『ヴァルキリーエリュシオン』発売時にスクウェア・エニックスのプロデューサーが「VPシリーズというIP(知的財産)を今後も大切にしていきたい」とコメントしたことなどから、可能性が完全に潰えたわけではないと信じたいファンは世界中に多く存在します。しかし、現時点では具体的な続報はなく、ファンはやきもきしながらも、新たな神話の幕開けを待ち続けている状況です。
  • 私の勝手な未来予想図(祈願度MAX!!!!!!):
    • 出る! 絶対出る! 信じる者は救われる!説: もうね、これは理屈じゃないんです! 信じるしかない! これだけ多くのファンが熱望してるんだから、きっと、きっと水面下で開発が進んでるはず! …と信じたい! VP3が出たら、私、有給取って3日間くらい寝ずにプレイしますよ!
    • どんな話になる?: もしVP3が出るとしたら…やっぱり「シルメリア救出」と「三姉妹の和解・共闘」は鉄板でお願いしたい! そこに「創造主レナスの新たな戦い」とか、「冥界の女王ヘルの逆襲」とか、「ブラームスの謎解明」とか、「転生レザードの暗躍(?)」とか、そういう要素が絡んできて、シリーズ全体の伏線が一気に回収されるような、壮大な集大成になるんじゃないかな!? …ああ、想像するだけで、ご飯3杯いける!

…とまあ、私の勝手な考察と願望、いかがでしたか?(笑)
これらの未解決な謎や、答えの示されない問いは、時にファンを焦らし、もどかしい気持ちにさせます。

しかし同時に、それらは我々の想像力を無限に広げ、物語が終わった後も長く作品世界に心を遊ばせ、仲間たちと「ああでもない、こうでもない」って語り合う楽しみを与えてくれる、かけがえのない「余白」なのかもしれませんね。

VPシリーズが持つ独特の「余韻」と「奥行き」は、この未完結性の中にこそ、存在するのかもしれません。

あなたの心に刻まれた神話と共に魂の響きは、永遠に

ふぅーっ!
長い長い、魂の旅路にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
ここまで、VPシリーズの複雑怪奇で、時に胸が張り裂けそうで、でもどこまでも美しく、そして深い感動が魂を震わせる、壮大な物語の全てを、その起源から現在(2025年4月時点)までに明らかにされている情報、そして残された謎と共に、私の持てる知識と情熱(と妄想)の限りを尽くして、語り尽くしてきました!

北欧神話という骨太な世界観をベースにしながらも、そこに「人間の生と死の尊厳」「愛と裏切りの連鎖」「抗いがたい運命と、それに立ち向かう意志の力」「神とは何か、人間とは何か? そして魂とは?」…そんな、私たちが生きていく上で誰もが一度は考えるであろう、普遍的で、深遠で、そして時に答えの出ない問いを、繊細なシナリオと、忘れがたいキャラクターたちの魂の叫びを通して、私たちの心に、強く、深く、そして優しく投げかけてくる…それが『ヴァルキリープロファイル』シリーズなんですよね。

初代『VP』が描いた、記憶を失った戦乙女レナスが、死せる英雄たちの魂(エインフェリア)との出会いを通じて自らの過去と愛を取り戻し、絶望の淵から奇跡の力(創造主)へと覚醒する、「再生」と「愛」の物語。

『VP2』が示した、歴史のIF(もしも)の世界線で、運命に翻弄されながらも自らの道を切り開こうとするシルメリアと仲間たち、そして時空を超えて実現した三女神の奇跡的な邂逅。

『VP咎』が突きつけた、神々の英雄譚の裏側にある、残された者たちの悲しみ、怒り、そして救いのない復讐の連鎖という、目を背けてはならない「影」の物語。

『アナトミア』が垣間見せた、全ての始まり、神話の時代の混沌と、もしかしたら今も繰り返されているのかもしれない「世界ループ」の謎。

そして『エリュシオン』が提示した、レナス達の物語とは異なる、新たな終末と、神々からの自立、そして人間の手による未来創造という「再生」の可能性。

それぞれの作品が、異なる時代、異なる視点、異なるゲームシステムでありながらも、VPという豊穣で、複雑で、そしてどこまでも魅力的な世界の、異なる側面を鮮やかに描き出し、私たちプレイヤーに、忘れられない体験と、深い問いかけを残してくれました。

複雑に絡み合う時間軸、並行世界の存在、そして公式設定とファンの熱い考察が入り混じる未解明の部分…それら全てが、このシリーズならではの、一筋縄ではいかない、だからこそ何度でも触れたくなり、語り合いたくなる、独特の深みと奥行き、そして「沼」のような魅力を形作っているんですよね!

この記事を通じて、あなたがヴァルキリープロファイルの世界への理解をさらに深め、改めてシリーズの持つ色褪せない魅力に触れるきっかけとなれたのであれば、ライター冥利(副業だけど!)に尽きます!
そして、もし万が一、未プレイの作品が残っているのであれば…ぜひ! ぜひ一度、ご自身の魂で、戦乙女たちが紡ぎ出す、美しくも哀しい魂の物語を、じっくりと体験してみてください。

きっと、あなたの人生観を少しだけ変えるかもしれない、忘れられない体験が待っているはずです!(そして一緒に沼にハマりましょう!)

今後、この愛すべきシリーズに、新たな展開があるのかどうか――多くのファンが待ち望む続編『VP3』が制作されるのか、あるいは過去作のリマスターやリメイク(VP2とか、グラフィックそのままでいいから現行機で遊びたい!)、または全く新しい形の物語が紡がれるのか――それは、残念ながら今の私たちには分かりません。

でも、これだけ長く、深く、多くの人の心を掴んで離さない物語が、このまま完全に「過去の遺産」になってしまうとは、どうしても思えないんですよね。

いつかまた、新たな神話の扉が開かれ、残された謎に光が当てられ、そして戦乙女たちの、あるいは新たな英雄たちの魂の物語が、私たちの前に再び現れる日が来ることを、心の底から信じて、そして楽しみに待ち続けたいと思います!

その日まで、私たちはこれからも、美しく、強く、気高く、そしてどこまでも哀しい戦乙女たちの物語を、繰り返し紐解き、語り継ぎ、そしてその魂の響きに、静かに耳を澄ませていくのでしょう。

あなたの心の中で、ヴァルキリーたちの物語が、時を超えて永遠に輝き続けることを願って。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

またどこかでお会いしましょう!

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