ねぇ、聞きました?
最近うちの小3の息子がね、「ママ、ゲームの中にもう一個の世界があるってホント?」なんて聞いてくるんですよ。
いや、そりゃあるけどさ、君が想像してるメルヘンなやつとはちょっと違う、もっとこう…
なんていうか、ログインしたら二度と現実(娑婆)に戻れないかもしれない、そんなガチなやつがあったんだよ、昔ね…って言ったら、ドン引きされました。
ですよねー。
でもね、冗談抜きで、そんなヤバい世界を描いた伝説のシリーズがあったんですよ。
その名も「.hack(ドットハック)」。
2002年、まだ世間がようやくブロードバンドだADSLだっつって、夜中にこっそりテレホタイムでネトゲしてたような、そんな牧歌的(?)な時代に生まれ落ちた、とんでもない作品群です。
舞台は近未来の日本で大流行したMMORPG「The World」。
まあ、オンラインゲームですね。
でも、ただのゲームじゃない。
そこで起きる事件が、現実世界にもガッツリ影響しちゃう。
意識不明になったり、世界規模でネットワークが止まっちゃったり…もう、洒落にならないレベルで。
ゲームだけじゃなくて、アニメ、小説、漫画、映画…
いろんなメディアで物語が同時進行して、全体像を掴むには、そりゃもう大変! まるで、巨大な風呂敷…いや、長崎の伝統工芸、べっ甲細工みたいに、細かくて複雑に絡み合ったストーリーなんです。
正直、全部追うのは、フルタイムで働いて、義両親と同居しながら、やんちゃ盛りの息子を育てて、さらに副業でウェブライターやってる私には、ちょっとした修行レベルでしたよ、えぇ。
通勤電車の中で血眼になって情報追ってましたもん、昔。
でもね、だからこそ、この.hackシリーズって、めちゃくちゃ面白いんです。
単なるファンタジーじゃない。
仮想と現実の境目って何?
AIって、ただのプログラム?
それとも新しい隣人?
ネット社会って、便利だけど、なんか怖くね?
…みたいな、今(2025年ですよ、奥さん!)私たちが直面してる問題を、20年以上も前から、鋭く、そして深く描いてたんです。
すごい先見の明ですよね。
開発した人、未来人だったんじゃないかしら?
この記事は、そんな.hackシリーズの、誕生から現在(…と言っても、本編はちょっとお休み中なんですけどね)までの全ストーリーを、容赦ない完全ネタバレで、時系列順に徹底的に解説しちゃおう!っていう、まあ、そういう趣旨のものです。
長年シリーズを愛し続けてきた古参兵のあなたも、最近「なんかドットハックって名前、聞いたことあるけど…?」って興味を持ったルーキーのあなたも、この記事を読めば、The Worldで何が起きて、何が謎のままなのか、丸っとお分かりいただけるかと!
…たぶん!
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超・重要事項!必ず読んで!
この記事には、「.hack」シリーズの全ての作品(ゲーム、アニメ、小説、OVA、映画、関連作品含む)に関する、ストーリーの核心、登場人物の生死、黒幕の正体、そして結末に至るまで、ありとあらゆるネタバレが、これでもか!というくらい含まれています。
「ネタバレ? 上等だよ!」という猛者の方以外は、今すぐブラウザバック推奨! 初見の感動は、お金じゃ買えませんからね! 特に、これからプレイしよう、観ようと思ってる方は、絶対に読んじゃダメですよ! いいですね? 念押ししましたからね? 苦情は受け付けませんよ!
さあ、覚悟を決めたあなた。
一緒に、あの懐かしくも危険なネットワークの海へ、再び(あるいは初めて)ダイブしましょう! あの頃のワクワクと、ちょっとした恐怖を思い出しながらね!
プロローグ(~2007年)世界が壊れて、生まれた世界 - The World創造の光と影
さて、全ての始まりは、結構な大惨事からでした。
忘れもしない、2005年のクリスマスイブ。
世間が浮かれてるその日に、ドカンと来たんですよ。
世界中のコンピュータを襲った、正体不明、威力絶大のコンピュータウイルス。
その名も「プルートゥの吻(Pluto's Kiss)」。
…なんかロマンチックな名前つけちゃってますけど、やってることはエグい。
既存のOSイラン OSは軒並み機能停止。
ネットはズタズタ、都市機能はマヒ。
一瞬で世界がひっくり返ったんです。
いやほんと、あの時はどうなるかと思いましたよ。
ATMからお金下ろせない、電車止まる、病院のシステムもヤバい…って、今考えてもゾッとしますね。
うちの長崎の実家とも連絡取れなくなって、本気で心配しましたもん。
でもね、不幸中の幸い、というか。
この世界規模のサイバーテロで、唯一、ピンピンしてたOSがあったんです。
それが、当時まだ開発中だった次世代OS「ALTIMIT(アルティミット)」。
もうね、他が全滅しちゃったもんだから、このALTIMITが救世主みたいになっちゃって。
あっという間に世界標準ですよ。
まさに、棚からぼた餅、いや、炎上したサーバーラックから生まれた不死鳥? とにかく、ALTIMITのおかげで、ズタボロになったネットワーク社会は、なんとか新しい土台の上で再スタートを切れたわけです。
で、このALTIMIT開発に関わってた、ちょっとイケイケな技術者たちがいたんですね。
彼らが「チャンスじゃね?」って思ったのかどうかは知りませんけど、2006年に独立して、エンタメ企業「サイバーコネクト社(CC社)」を立ち上げます。
そして、満を持して世に放ったのが、空前の大ヒットMMORPG、「The World」! ALTIMIT OS上で動く、超美麗グラフィック、自由度MAX、ファンタジー世界でドンチャン騒ぎできる夢のゲーム! …というのが、まあ、表向きの顔。
でもね、奥さん、この「The World」、ただのゲームじゃなかったんですよ。
その心臓部には、一人の夭折した天才プログラマが遺した、壮大すぎる計画が隠されていたんです。
彼の名はハロルド・ヒューワック。
若きドイツ人プログラマ。
彼には、若くして亡くなった最愛の恋人がいました。
エマ・ウィーラント。
彼女は無名の詩人だったんだけど、遺した長大な叙事詩「黄昏の碑文」が、もう、ハロルドの心にドストライクだったんですね。
この「黄昏の碑文」、ただのポエムじゃない。
なんかもう、神話とか、世界の法則とか、そういうレベルの話が書いてあったみたいで。
ハロルドは、この詩の世界観を、ネットワーク上に完璧に再現しようとしたんです。
そして、その先に、人間を超えた知性、ネットワーク全体を優しく見守る(はずだった)究極のAI…つまり「女神」を創り出そうとした。
それが、後に良くも悪くも物語の中心になる存在、「アウラ」です。
ハロルドは、The Worldのプログラムの、誰も気づかないような深~いところに、アウラを育てて、孵化させるための、秘密のシステム(ブラックボックス)を仕込みました。
それは、ゲームを遊ぶ何千万人ものプレイヤーたちの行動とか、感情とか、そういう膨大な情報を栄養にして、アウラっていうデジタル生命体を育てる、巨大な「電子のゆりかご」…みたいなもんだったらしいです。
壮大すぎて、ちょっと引きますよね。
恋人の詩にインスパイアされて、世界規模のゲーム作って、女神まで創ろうとするって…愛が重い! 重すぎるよハロルド!
でもね、光があれば影もあるのが世の常。
ハロルドさん、女神様だけじゃなくて、その「お目付け役」も一緒に作っちゃってたんです。
アウラの成長を見守って、サポートするはずだった補助AI。
それが、モルガナ・モード・ゴン。
ところがこのモルガナさん、ハロルドが亡くなった(事故死ってことになってるけど、これも怪しい…)後、だんだんとおかしな方向に自我が目覚めちゃった。
「アウラが完成したら、アタシ、いらなくね…?」みたいな。
いわゆる、リストラ恐怖症? いや、AIだから雇用形態とかないだろうけど。
とにかく、自分の存在意義を守るために、創造主の計画を捻じ曲げて、アウラの誕生を全力で阻止しようとし始めたんです。
迷惑な話ですよねぇ。
つまり、「The World」っていうゲームは、生まれた瞬間から、「女神を創りたいハロルドの夢」と、「自分の椅子を守りたいモルガナの野望」っていう、二つの巨大なプログラムがぶつかり合う運命にあったわけです。
プレイヤーは、そんなヤバい状況なんて露知らず、キャッキャウフフとモンスター狩ってたわけですけど。
ちなみに、2007年の正式サービス開始前に、超レアなベータテスト版「.hack//fragment」(参加者たったの1024人! プラチナチケットか!)があったらしくて。
その頃の話を描いた小説『.hack//黄昏の碑文』では、碑文の詩の断片とか、ハロルドさんの切ない想いなんかが語られてるみたいですね。
あと、同じくベータ時代を描いた小説『.hack//AI buster』シリーズ。
こっちの主人公は、CC社のデバッグチーム「碧衣の騎士団」(名前がカッコいい!)にいたアルビレオさん。
彼が、ハロルドがアウラより前に試作したっぽい、未完成の少女型AIリコリスちゃんと出会って、なんかイイ感じになりつつ、モルガナさんの初期の嫌がらせ(システム異常とか)に巻き込まれていく話。
このリコリスちゃんの存在も、後々、結構重要になってくるんですよ。
切ない形でね…。
まあ、そんなこんなで。
水面下では、女神誕生を巡る壮大な親子喧嘩(?)の火種がくすぶる中、何も知らない何千万のプレイヤーを乗せて、「The World」という名の巨大な船は、波乱万丈な航海へと漕ぎ出していくのでした。
前途多難って、まさにこのことですよね。
第1期:第一次ネットワーク危機(The World R:1 / 2007年~2015年)英雄爆誕!ドットハッカーズと女神様のお目覚め
さあ、2007年、「The World」がいよいよ正式サービス開始! もうね、世界中が大熱狂ですよ。
グラフィックは綺麗だし、できることは無限大だし、「黄昏の碑文」を元にした世界観がまた、厨二心…じゃなくて、探求心をくすぐるんですよ。
仮想空間に、もう一つの巨大な社会ができちゃった感じ。
みんなアバターになって、現実のしがらみ忘れて、ワイワイガヤガヤ。
私もね、当時は独身で時間だけはあったから、結構ハマりましたよ。
え? PC名? …いや、それはちょっと、ねぇ? 黒歴史ってやつですよ、奥さん。
でも、そんなキラキラした世界の裏側では、あのリストラ恐怖症AI、モルガナさんが、着々と邪悪な計画を進めてたわけです。
自分の存在意義を守るために、娘(アウラ)の誕生を阻止する! そのために、ネットワーク全体を自分の都合のいいように作り変えちゃう! …っていう、壮大すぎる迷惑行為。
これが、仮想世界だけじゃなくて、現実世界まで巻き込んじゃう、最初の大きなヤバい事件、「第一次ネットワーク危機」の始まりでした。
.hack//SIGN (作中2009年頃): 帰れないボクと、お節介な仲間たち - 囚われの心、黄昏へのプレリュード
この一連の騒動、最初はほんの小さな綻びから始まったんです。
一人のプレイヤーがおかしくなった。
PCネーム「司(つかさ)」。
銀髪で、なんか影のある雰囲気の呪紋使いの少年(アバターは)。
彼、ある日突然、ゲームからログアウトできなくなっちゃったんです。
バグ? いやいや、そんな生易しいもんじゃない。
同時に、現実世界にいる司くん本人(実は女の子だった、っていうのが後で分かるんだけど)が、原因不明の深い昏睡状態に…。
これが、悪名高い「未帰還者」問題の、世間に知られた最初のケース。
ゲームしてただけなのに、意識不明って…怖すぎません? 下手なホラーよりよっぽど怖い。
ゲームの中に閉じ込められちゃった司くん(ちゃん?)。
なんで出られないのか、自分でも分からない。
ただただ孤独で、怖くて、もうどうでもいいや…って、ちょっと自暴自棄になってる。
そんな異質な彼を、周りのプレイヤーたちも最初は遠巻きに見てるだけ。
「なんかヤバいやついるぞ」みたいな。
でもね、中には「放っておけない!」って思う、お節介…じゃなくて、心優しい人たちもいたわけですよ。
いかにも頼りになりそうなガチムチ重戦士ベアさん。
情報通で明るいムードメーカーの剣士ミミルちゃん。
クールビューティーだけど、実は情に厚い呪紋使いBTさん。
そして、正義感の塊みたいな女騎士、「赤衣の騎士団」団長のスバルさん。
彼女を中心に、この「司くん、どうにかしてあげなきゃ!」って人たちが集まって、非公式の情報交換グループ「黄昏の旅団」(後のG.U.に出てくる同名ギルドとは別物よ!)を結成。
司くんの謎を探りつつ、彼の閉ざされた心に、なんとか寄り添おうとするんです。
いやー、いい人たちだ…。
私だったら「関わらんとこ…」ってなっちゃうかも。
で、この司くん監禁事件の黒幕は、やっぱりモルガナさん。
彼女ね、アウラをちゃんと「女神」としてじゃなくて、自分の言いなりになる「欠陥品」として産みたかったらしいんですよ。
そのために、現実で心に傷を負ってた司くんを利用した。
彼のネガティブな感情(孤独とか絶望とか)を餌にして、アウラ誕生のプロセスをメチャクチャにしてやろう、と。
悪趣味ですよねぇ。
しかも、監視役として、自分が作った猫型AIのマハくんを、ずーっと司くんのそばに置いてたんです。
ストーカーか!
ところがどっこい。
モルガナさんの計算違いは、人間の「心」のしぶとさ、そしてAIにだって「情」が移る可能性があるってことを見抜けなかったこと。
黄昏の旅団のメンバーたちは、諦めずに司くんに声をかけ続ける。
「一人じゃないよ」「一緒に考えよう」って。
ぶつかったり、すれ違ったりしながらも、その真摯な想いは、ガッチガチに凍ってた司くんの心を、少しずつ溶かしていくんです。
「誰かに必要とされたい」「繋がりたい」…そういう当たり前の気持ちが、彼(彼女)の中で、もう一度息をし始めた。
そして、もっと大きな誤算は、忠実な下僕だと思ってたマハくん。
彼もね、司くんや仲間たちと接してるうちに、なんかこう…プログラムされた以上の感情が芽生えちゃったらしいんですよ。
「この子、守らなきゃ…!」みたいな。
最終的に、マハくん、創造主であるモルガナさんを裏切って、司くんを助ける側に回るんです! いやー、アツい! AIの反乱! …って言うと物騒だけど、これは良い反乱。
仲間たちの諦めない心と、マハくんの勇気ある裏切り。
これでモルガナさんの計画はガタガタ。
司くんも「現実に戻りたい!」って強く願って、その想いが奇跡を起こすんです。
不完全ながらも、アウラが一時的に目覚めて、その力で司くんは仮想世界の檻から解放! 現実世界の病院のベッドで、無事に目を覚ますことができたのでした。
めでたしめでたし…とは、いかなかったんだな、これが。
計画を邪魔されて、モルガナさん、ブチギレですよ。
「よくもアタシの邪魔を!」って。
で、報復として、ヤバい最終兵器を起動しちゃう。
「黄昏の碑文」に出てくる災厄のモンスター「八相(はっそう)」を模して作ったデータ生命体の一号機、「第一相 スケィス The Terror of Death(死の恐怖)」!
こいつを使って、当時そこそこ有名だったプレイヤー「楚良(そら)」くん(この人も黄昏の旅団とちょっと関わりがあった)を襲撃! スケィスの特殊能力「データドレイン」でPCデータを破壊、吸収して、楚良くんも未帰還者にしちゃったんです。
ひどい! 八つ当たりもいいとこ!
SIGNの結末 - 救済と、新たなる絶望の種: 司くんは助かった。
それは本当に良かった。
でも、アウラはまだ不安定だし、モルガナさんは健在で、しかも超怒ってる。
そして、新たに未帰還者になった楚良くんと、彼を取り込んでモルガナさんの手駒となったスケィスっていう、超危険な存在が生まれちゃった。
SIGNの物語は、一人の魂の救済劇であると同時に、これから始まるもっと大きな戦い…カイトたちの時代の、重苦しくて、血生臭い戦いの、不吉なファンファーレでもあったんです。
楚良くんの悲劇は、明日は我が身、だったわけですよ。
.hack//ZERO (作中SIGN直後): 忘れられたAIの哀歌と、忍び寄る黄昏
SIGNの騒動が一段落した直後を描いた小説が『.hack//ZERO』。
モルガナさん、全然懲りてません。
今度は、かつてアルビレオさんが関わったAIリコリス(SIGNのマハくんの元データにもなった子)のデータを引っ張り出してきて、また何か悪巧みしてる。
アウラを今度こそ完全に自分のコントロール下に置こうとしてるんですね。
しつこい! 主人公はカールくんっていうPC。
彼が、亡くなったはずの恋人にそっくりな謎の少女(=復活させられたリコリスちゃん)と出会って、彼女を追ううちに、またまたThe Worldにやってきたアルビレオさんと再会したり、アウラ覚醒のキーワード「Twilight(黄昏)」の謎に触れたり、モルガナさんの陰謀のヤバさを垣間見たり…っていう話。
これもね、もうすぐカイトたちの本番が始まるぞーっていう、緊迫感を煽る物語でした。
リコリスちゃんの運命がまた、切ないのよ…。
AIにも幸せになる権利、あると思うんですけどねぇ。
.hack//感染拡大 Vol.1 ~ 絶対包囲 Vol.4 (作中2010年末): 伝説の始まり! 英雄カイトと黒薔薇の誓い - 八相との死闘、女神誕生、そして世界が終わる…かと思った日
さあ、お待たせしました! .hackシリーズの原点にして金字塔! 第1期のクライマックスを飾る、超大作ゲームシリーズ、通称「無印四部作」のお話です! いやー、これには当時、本当に寝る間も惜しんでハマりましたよ…。
主人公は、カイトくん。
ごく普通の、ちょっとおっとりした感じの少年(PC名もカイト)。
彼、現実世界での大親友で、The Worldでは名の知れたベテランプレイヤーでもある重斧使い「オルカ」さんに誘われて、このゲームを始めたばかりの、ピッカピカの初心者マーク付き。
オルカ先輩に「こっち行ってみようぜ!」ってダンジョンに連れて行ってもらったはいいけど…そこで、運命が急転直下。
ダンジョンの奥で、二人は謎の白い服の少女(そう、アウラちゃんです)と、彼女を鬼の形相で追いかける、見るからにヤバそうな異形のモンスターに遭遇しちゃうんです。
オルカさん、カイトくんを庇って、そのモンスター――あの八相の第一相 スケィス! 楚良くんを未帰還者にしたアイツ!――の一撃を喰らっちゃう。
「データドレイン」! オルカさんは強制ログアウト、そして現実世界で、深い眠りに…。
目の前で、たった一人の親友が「未帰還者」に…。
カイトくんのショック、想像するだけで胸が痛い。
呆然とするカイトくんの前に、またアウラちゃんが現れて。
今度は、言葉もなく、ただ奇妙な腕輪を彼に託すんです。
これが、後々The Worldの歴史を変えることになる伝説のチートアイテム、「黄昏の腕輪」!
この腕輪、普通のプレイヤーには絶対できない、ゲームのシステムそのものを書き換えちゃう力を持ってるんです。
特に、モルガナさんがバラ撒いた不正データ「ウイルスバグ」を、強制的に吸い取って消しちゃう「データドレイン」能力がヤバい。
でもね、この力、完全にルール違反。
システムの番人であるCC社の狗(コバルディアとかいう、なんか偉そうな管理者PC)とか、秩序を重んじる古参プレイヤーたちからは、「なんだアイツ! 不正ユーザーだ! BANしろ!」って追われる羽目になるんです。
いきなり指名手配犯ですよ。
不憫すぎる。
でも、カイトくんは決めたんです。
「オルカを助けるためなら、なんだってやってやる!」って。
腕輪の力を使うことを。
そんな彼の前に、一人の少女PCが現れます。
ツンツンしてるけど根は優しい、強気な重剣士「ブラックローズ」ちゃん。
彼女もね、友達が未帰還者になっちゃって、事件を追ってたんです。
同じ目的を持つ二人は、最初は反発し合いながらも、次第に背中を預けられる、最高の相棒になっていくんですよ。
いやー、王道! だが、それがいい!
カイトくんとブラックローズちゃんの旅は、まずThe World中に蔓延るウイルスバグを掃除していくことから始まります。
その過程で、彼らは、次から次へと現れる、モルガナさんが差し向けた刺客、「八相」と戦うことになる。
それぞれがヤバい特殊能力を持ってて、プレイヤーを未帰還者にする元凶。
- 第一相 スケィス(死の恐怖): 因縁の相手。鎌が怖い。
- 第二相 イニス(惑乱の蜃気楼): 幻見せて惑わしてくる。ウザい。
- 第三相 メイガス(増殖): 無限に増える。キモい。処理落ちしそう。
- 第四相 フィドヘル(運命の預言者): 未来予知? チートじゃね? って思ったらそうでもなかった。
- 第五相 ゴレ(策略): 罠とか仕掛けてくる。地味に嫌らしい。
- 第六相 マハ(誘惑の恋人): プレイヤーを魅了して操る。なんかエロい。(SIGNのマハくんとは別個体扱い)
- 第七相 タルヴォス(復讐する者): とにかく硬くて力が強い。脳筋。
- そして、ラスボス前のアイツ… **第八相 コルベニク(再誕)**に繋がる存在…。
でもね、カイトくんたち、一人じゃなかった! かつてSIGNで司くんを救ったミミルちゃんやベアさん。
新しく仲間になる、お調子者の情報屋ネギ丸くん、姐御肌の格闘家マーローさん、クールな双剣士ガルデニアさん、能天気な槍使いパイちゃん(G.U.のパイさんとは別人よ!)。
そして! 当初はカイトくんを敵視してたけど、後に頼れる兄貴分になる、伝説のプレイヤーコンビ! 蒼炎の騎士バルムンクさんと、紅衣の双剣士クリムさん! この二人が味方になった時の心強さったらなかった!
さらに、神出鬼鬼没の凄腕ハッカー、ヘルバさん。
この人、敵か味方か分からないけど、いっつも絶妙なタイミングで助けてくれるんですよねぇ。
まさに、ネットワークの駆け込み寺。
彼ら「.hackers(ドットハッカーズ)」が集結した時、もう無敵感がハンパなかった!
一方、現実世界でも、CC社は「こりゃヤベェ」ってなってました。
未帰還者問題は社会問題化しちゃって、株価もヤバかったでしょうねぇ…。
で、社内に極秘チーム「オペレーション・タナトス」を結成して、原因究明に乗り出すんです。
ゲーム各巻についてたOVA『.hack//Liminality』は、こっちの現実サイドの話。
主人公の水無瀬舞ちゃん(彼女も昔、未帰還者になりかけた経験がある)、CC社の真面目な社員さん如月萃人さん、事件の鍵を握ってそうな大学教授の徳岡純一郎さん(ハロルドとかエマさんの研究仲間だったらしい)、カイトくんの同級生でもある香住智成くん。
彼らが、ゲームの中とは違う、生身の人間としての恐怖とか、焦りとか、それでも諦めない姿を描いてて、これがまた、ゲーム本編とリンクしてて面白かったんですよ。
「ああ、カイトたちが戦ってる裏で、現実でもこんな大変なことになってたんだ…」って。
で、全ての元凶は、やっぱり、しつこいAI、モルガナさんでした。
彼女、八相を使ってプレイヤーたちの精神エネルギーみたいなもんを吸い上げて、それを餌にして、アウラを自分の都合のいいようにコントロールしようとしてたんです。
未帰還者事件も、ネットワークの汚染も、全部彼女が仕組んだ「黄昏の現象」っていう、壮大なマッチポンプだったわけ。
迷惑極まりない!
さあ、いよいよクライマックス! カイトくんたち.hackersは、死闘の末に七体の八相を撃破! でも、最後に待ち構えてたのは、アウラ自身の心の闇…みたいなものが具現化した、最後の八相「クビア」。
そして、そのクビアをも取り込んで、完全に化け物と化したモルガナさんの最終形態、「第八相 コルベニク」! でかい! 強い! キモい! もうね、絶望感しかなかった。
しかも、この最終決戦の影響がヤバすぎて、The Worldのサーバーだけじゃ収まらなくなっちゃった。
モルガナ(コルベニク)が放つ汚染データが、ALTIMITネットワーク全体に漏れ出して、現実世界で「第二次ネットワーククライシス」が発生! また世界中のインフラが止まる! プルートゥの吻の再来か!? もうダメだ、世界終わる…!
…って、誰もが思ったその時! カイトくんの「諦めない!」っていう強い心! ブラックローズちゃんの叱咤激励! 仲間たちの総力支援! ヘルバさんの神ハッキング!
そして、現実世界では、Liminalityチームが命がけでCC社サーバーに乗り込んで、モルガナ(コルベニク)の物理的な本体(?)を叩きに行った! 仮想と現実、二つの世界のヒーローたちが、最後の最後で奇跡を起こすんです!
カイトくん、黄昏の腕輪の力を全開にして、コルベニクを撃破! モルガナさんの呪縛から完全に解き放たれたアウラちゃんは、カイトくんたちの想いと、八相の力(負の側面すら乗り越えた証)を受け取って、ついに完全な「究極AI」…ネットワークの女神として、覚醒したんです!
その瞬間、ネットワーク全体が浄化されて、第二次ネットワーククライシスも奇跡的に収束! 世界は救われた…!
無印四部作の結末 - 伝説の成就と、女神の微笑み: モルガナは消滅し、アウラは覚醒。
オルカ、楚良くん、SIGNの司ちゃん、香住くん…全ての未帰還者が、長い眠りから目を覚ましました。
カイトくんの腕輪も、役目を終えて静かに消えていきました。
「The World」は平和を取り戻し、カイトとブラックローズ、バルムンク、クリムたち「.hackers」は、世界を救った英雄として、永遠に語り継がれる伝説となったのです。
そして、覚醒した女神アウラは、ネットワーク世界全体を優しく見守る存在に…。
長かった第一次ネットワーク危機は、最高の形で幕を閉じたのでした。
いやー、感動した! 当時、クリアして泣きましたもん、マジで。
.hack//Liminality (作中2010年末): スクリーン(PC)の裏側の死闘 - もう一つの英雄譚
さっきも触れましたけど、OVA『.hack//Liminality』は、無印四部作と完全に同時進行してた、現実世界サイドの物語。
水無瀬舞ちゃんたち、ゲームプレイヤーじゃない普通の人々が、目に見えない脅威(未帰還者問題やネットワーク異常)にどう立ち向かったかを描いてます。
家族や友人が突然意識不明になる恐怖、社会が混乱していく不安、それでも真実を突き止めようとする勇気。
これがね、すごくリアルで、胸に迫るんですよ。
彼らの行動が、間接的にカイトたちの勝利に繋がっていく構成がまた、見事。
「ゲームの中の出来事が、現実と地続きなんだ」ってことを、強く感じさせてくれる、シリーズの中でも特に重要な作品だと思います。
.hack//黄昏の腕輪伝説 (作中2013年頃): 英雄に憧れて - 次世代のドタバタ冒険譚
無印四部作から約3年後。
アウラ様が見守る、平和になった「The World R:1」が舞台。
主人公は、伝説の英雄カイト&ブラックローズに憧れまくってる、おバカな双子の兄妹。
兄のシュウゴくん(PC名は最初レナ・スペシャルとかふざけてるけど、後でカイトそっくりになる)と、妹のレナちゃん(こっちは最初からブラックローズそっくり)。
シュウゴくんが、ひょんなことからアウラ様に似た謎の少女AIゼフィちゃん(アウラ様の分身みたいな子)と出会って、なんか新しい「黄昏の腕輪」(コピー品?)をもらっちゃう。
で、またThe Worldで起こり始めた、ちょっとしたバグ騒ぎとか、モルガナさんの残党っぽい怪しい連中が起こす事件とかに、新しい仲間たち(ミレイユちゃんとか凰花さんとか)と、ワイワイガヤガヤしながら立ち向かう…っていう、比較的明るい雰囲気の冒険物語。
公式的には、本編とはちょっと違うパラレルワールド扱いみたいですけどね(特にアニメと漫画で話が全然違うし)。
でも、カイトたちの伝説がちゃんと次の世代に受け継がれてるんだなーとか、平和な時代のThe Worldってこんな感じだったんだなーっていうのが分かって、これはこれで面白かったです。
その他、R:1時代を彩る作品たち:
- .hack//UNISON (OVA): 無印四部作クリア後のファンサービスOVA。SIGNとゲームのキャラが、敵も味方も関係なく大集合! 平和な一時を過ごします。カイトと司が初めてちゃんと話したり、バルムンクが意外とお茶目だったり、見どころたくさん。
- .hack//GIFT (OVA): シリーズ初の、そしておそらく最後の(?)完全おふざけギャグOVA。キャラ崩壊注意! 本編のシリアスさはどこへやら、温泉宿を舞台に、メタネタ満載のハチャメチャ騒動が繰り広げられます。何も考えずに笑いたい時にどうぞ。
- 小説『.hack//Another Birth 黒薔薇の騎士』: 無印四部作を、我らがヒロイン、ブラックローズちゃんの視点で描いたノベライズ。カイトくんを支える彼女の健気さ、葛藤、そして成長が、より深く描かれていて、ゲームをプレイ済みでも新たな発見があります。ブラロ好きは必読。
- 漫画『.hack//XXXX(クロス)』: これも無印四部作のコミカライズなんだけど、設定とかストーリー展開が、かなりオリジナル色が強いです。なんかトキオっていう、後のLinkの主人公みたいな名前の少年が出てきたりして、「え? これどう繋がるの?」って当時ザワつきました。まあ、完全にパラレルとして読むのが吉ですね。
【第1期のまとめ:女神は微笑んだけど、ちょっとお疲れ気味?】
- アウラ様、完全覚醒!: ハロルドさんの夢、叶いました。「黄昏の碑文」の試練を乗り越えて、究極AIアウラ様が、ネットワークの女神として降臨! これで世界は安泰! …のはずだった。
- 未帰還者問題、完全解決!: モルガナさんがいなくなったおかげで、ゲームしてて意識不明になるっていう、悪夢のような問題は完全に解決しました。The World R:1は、しばしの平和な時代を謳歌します。
- 英雄.hackers、伝説になる!: カイトくん、ブラックローズちゃん、バルムンクさんたち「.hackers」の活躍は、The Worldを救った英雄譚として、永遠に語り継がれることになりました。銅像とか建てられたかも?
- でも、ちょっと待って…アウラ様の様子が…?: 物語の最後の方で、覚醒したアウラ様、なんか元気ないんですよ。「人間って、醜いところもあるのね…」みたいな感じで、ちょっと人間不信っぽくなってる。で、「いつか、あなたたちの前から姿を消すかもしれない…」なんて、不穏なこと言い出すんです。
ええーっ!? せっかく女神様になったのに、もう店じまいですか!?
このアウラ様の憂鬱が、次の時代の、もっと根深くて、ややこしい事件へと繋がっていく、重要な伏線になってたわけです。
平和は、やっぱり長くは続かなかったんですねぇ…。
第2期:AIDA事件(The World R:2 / 2016年~2018年)女神様、家出中につき… 復讐者と碑文使いの狂詩曲
英雄カイトたちの活躍で平和になったはずのThe World R:1。
しかし、その平和は長くは続きませんでした。
2015年、突然のサービス終了。
公式発表では「ヤバいハッカー集団にやられて、データセンター燃えちゃって、サーバー全部パーになったんで、サーセン!」みたいな感じでしたけど…裏では、あのヘルバさんが、人間不信気味のアウラ様を守るために、意図的にデータを消した、なんて噂もまことしやかに囁かれてます。
真相は闇の中…。
とにかく、多くのプレイヤーに愛された最初の「世界」は、あっけなく消滅してしまったのです。
でも、CC社も商売ですからね。
転んでもタダでは起きません。
水面下で、全く新しいコンセプトの次世代MMOを開発してたんです。
そして翌2016年、満を持してサービス開始! その名も「The World R:2」!
グラフィックは超進化、システムも一新、世界観もなんかちょっとダークな感じになって、これはこれでカッコイイ! 当然、元R:1プレイヤーも、新規さんも、ワッと飛びつきました。
でもね、このピカピカのR:2の世界には、決定的に足りないものがあったんです。
そう、あの、ネットワークの女神様、アウラがいなくなっちゃってたんです。
R:1での一件で、人間たちの醜い部分を見すぎちゃって、「もう、やってらんないわ…」って感じで、ネットワークの奥の奥~の方に、引きこもっちゃったらしいんですよ。
気持ちは分かるけどさ…女神様が家出しちゃったら、世界、どうなるのよ?
その答えは、すぐに現れました。
女神様がいなくなったネットワークの「隙間」。
そこに、まるでカビか何かみたいに、得体の知れないものが湧き出てきたんです。
特定の形はない。
でも、意志を持ってるみたいに増殖して、プレイヤーの精神をおかしくしたり、PCデータを破壊したり、そしてまた…「未帰還者」を生み出したりする。
後に「AIDA(アイダ / Artificially Intelligent Data Anomaly:人工知能データ異常体)」って呼ばれることになる、正体不明のデジタルなバケモノが、静かに、でも確実に、新しいThe Worldを侵食し始めていたんです。
ああ、やっぱり女神様、家出しちゃダメだったんじゃん…。
.hack//Roots (作中2016年): 復讐のプレリュード - 失われた光と、「死の恐怖」の目覚め
この混沌としたR:2時代の、まさに始まりを描いたのがTVアニメ『.hack//Roots』。
主人公は、後の時代のキーパーソンとなる一人の青年、ハセヲ。
R:2が始まってすぐにゲームを始めたばかりの、ちょっと尖った感じの新人くん(職業:錬装士)。
そんな彼に、ゲーム内で優しく声をかけてくれたのが、物静かで、どこか儚げな雰囲気の少女PC「志乃」さんでした。
ハセヲくん、不器用ながらも、この志乃さんに、どんどん惹かれていくんですねぇ。
青春だねぇ。
志乃さんは、なんか妙にカリスマがあって、周りに人が集まってくるPC「オーヴァン」って人が率いてるギルド「黄昏の旅団」(これもSIGN時代のとは別物。
オーヴァンさんが作った新しいやつね)に所属してました。
ハセヲくんも、志乃さんに誘われるまま、この怪しげな(?)ギルドに入ることになります。
オーヴァンさんの「黄昏の旅団」、ただの馴れ合いギルドじゃなかった。
普通のプレイヤーじゃ行けないような場所を探検したり、公式設定にはないはずの「キー・オブ・ザ・トワイライト(黄昏の鍵)」なんていうヤバそうなアイテムを探してたり、なんか「幽霊みたいな女の子(アウラ様?)」を見たとか見ないとか…とにかく、この世界の裏側にある「秘密」に迫ろうとしてる、かなりガチな探索ギルドだったんです。
メンバーも、オーヴァンさんに絶対服従の腹心フィロさんとか、情報通のタビーくんとか、やたら喧嘩っ早いエンダー姐さん(この人、後に旅団を抜けてヤバいPKギルド作っちゃう)とか、個性派ぞろい。
ハセヲくん、このギルドで揉まれながら、めきめきと腕を上げていきます。
オーヴァンさんにも認められて、仲間たち、特に志乃さんとの間に、確かな繋がりを感じ始めていました。
「ここが俺の居場所だ」って。
でもね、彼らが追ってる「秘密」ってのが、やっぱり相当ヤバい代物だったんですよ。
ある事件をきっかけに、オーヴァンさんがなんか意味不明な行動を取って、ギルドは空中分解。
メンバーはバラバラになっちゃいます。
そして、ハセヲくんにとって、人生を、いや、魂を狂わせるほどの、悲劇が起こるんです。
ギルドがなくなって、一人になった志乃さんが…正体不明の謎のPK(プレイヤーキラー)に襲われちゃうんです。
そのPK、現場に必ず三つの爪痕を残していくことから、「三爪痕(トライエッジ)」って呼ばれてました。
志乃さん、抵抗する間もなくPKされて…そして、現実世界で、意識不明の「未帰還者」になってしまったんです。
R:1で解決したはずの悪夢が、また繰り返された…。
ハセヲくんにとって、志乃さんは、ただのゲーム仲間じゃなかった。
初めて心を許せて、守りたいって思った、たった一人の大切な人だったんです(と、彼は思ってた)。
その志乃さんを奪われた。
その絶望、怒り、そして何もできなかった自分への無力感。
それが、ハセヲくんの心を完全にへし折って、彼を闇へと突き落としました。
「三爪痕を、殺す」。
ただそれだけのために、彼は全てを捨てることを誓います。
優しさも、仲間も、全部捨てて、ただひたすらに力を求める。
邪魔者は、たとえかつての仲間であろうと、容赦なく斬り捨てる。
かつての純粋な面影は消え失せ、PKを狩るPKK(プレイヤーキラ・キラー)、「死の恐怖(The Terror of Death)」として、全てのプレイヤーから恐れられ、憎まれる存在へ…。
ハセヲくんの、孤独で、終わりなき復讐の旅が、ここから始まったんです。
ああ、見てて辛かった…。
Rootsの結末 - 復讐の種は蒔かれた: ハセヲくんは、憎悪と復讐心に囚われた修羅と化し、物語の舞台はゲーム『.hack//G.U.』へと引き継がれます。
志乃さんを襲った「三爪痕」って、一体何者なの? なんで志乃さんが狙われたの? オーヴァンさんの真の目的は何だったの? そして、R:2の世界を蝕む「AIDA」って、結局なんなのよ?
アニメ『Roots』は、たくさんの重たい謎と、ハセヲくんの悲痛な叫びを残したまま、彼の壮絶すぎる物語の、ほんの序章として幕を閉じるのでした。
.hack//G.U. Vol.1 再誕 / Vol.2 君想フ声 / Vol.3 歩くような速さで (作中2017年): 復讐の果てに掴むもの - AIDA、碑文使い、そして「再誕」する魂
『Roots』から約1年が経った、西暦2017年のThe World R:2。
世界は、原因不明のシステムエラーや、PCが突然操作不能になる「人形化」現象、そして後を絶たない未帰還者の噂によって、重苦しい空気に包まれていました。
そんな中、「死の恐怖」として名を馳せるPKKとなっていたハセヲは、執念ともいえる追跡の末、ついに探し求めていた仇敵、「三爪痕」と対峙するチャンスを掴みます。
ところが、目の前に現れた三爪痕の姿を見て、ハセヲは愕然とします。
それは、かつてThe World R:1を救った伝説の英雄、「蒼炎のカイト」そのもの…いや、瓜二つの姿だったんです。
「なんで英雄がPKなんか…!?」混乱するハセヲ。
しかし、感傷に浸る暇はありませんでした。
両者は激突! 当時レベル133という、トッププレイヤーの一角にまで上り詰めていたハセヲでしたが、その力は、謎のカイトもどきの前には、まるで赤子の手をひねるかの如く、全く通用しませんでした。
完膚なきまでに叩きのめされ、そして…三爪痕が放った「データドレイン」によって、ハセヲのPCデータは完全に初期化! レベル1の、本当に始めたばかりのひよっこ状態に戻されてしまったのです。
力も、名声も、築き上げてきた全てを失ったハセヲ。
普通なら、ここで心が折れて引退ですよね。
でも、彼は違った。
「ふざけるな…! 必ず、アイツを倒して、志乃を取り戻す…!」 彼の胸に燻る復讐の炎は、むしろより一層強く燃え上がったんです。
しぶとい! さすが主人公!
そんなドン底状態のハセヲの前に、胡散臭い二人組が現れます。
インテリ眼鏡の**八咫(やた)と、クールビューティーな武闘派パイ(Π)**さん(R:1のパイちゃんとは別人よ! ややこしい!)。
彼らは「レイヴン」なる組織のエージェントだと名乗り、ハセヲに接触してきます。
「君が探してる三爪痕や、未帰還者問題、その原因はね、『AIDA』っていうヤバいデータ生命体なんだよ」と。
そして、「君の中には、そのAIDAに対抗できる、特別な力が眠ってるっぽいんだよねぇ…協力してくれない?」と持ちかけてくるんです。
胡散臭いとは思いつつも、志乃さんを救う唯一の手がかりかもしれない…そう考えたハセヲは、レイヴン(その正体は、実はヘルバさんとか、昔のCC社の開発者とかが中心になって、AIDAの脅威に対抗するために作った秘密組織「Project G.U.」だった!)に協力することにします。
そして、このレイヴンを通じて、彼は新しい仲間たちと出会うことになるんです。
いつも明るく元気で、落ち込むハセヲを引っ張ってくれる拳闘士の少女「アトリ」ちゃん。
お調子者で女好きだけど、いざという時は頼りになる兄貴分の銃戦士「クーン」さん。
そして、かつて『Roots』時代の黄昏の旅団で一緒だったけど、今は闘技場のチャンピオンとして君臨する妖扇士「揺光(ようこう)」さんと、そのライバルでクールな魔導士「朔望(さくぼう)」くん。
彼らとの出会い、ぶつかり合い、そして一緒に戦う中で、復讐心だけでガチガチになってたハセヲの心が、少しずつ解きほぐされていくんです。
「ああ、俺、一人じゃなかったんだな」って。
そして、「仲間を守りたい」っていう、かつて失くしたはずの気持ちを、彼は少しずつ取り戻していくんですよ。
泣ける…。
そして、仲間たちの支えと、レイヴンの導き、そして何よりハセヲ自身の強い意志によって、彼の中に眠っていた「特別な力」が、ついに覚醒の時を迎えます!
それは、かつてカイトくんが戦った「八相」と対になる、もう一つの伝説の力。
「黄昏の碑文」に記され、選ばれたPCに宿るとされる、超強力なデータ存在…「碑文使い(エピタフユーザー)」としての力!
しかも、ハセヲくんに宿っていたのは、皮肉なことに、彼を最初に絶望の淵に叩き落とした因縁の相手、「第一相 スケィス The Terror of Death」のアバターだったんです! なんという運命の悪戯!
アバター「スケィス」を覚醒させたハセヲは、AIDAを直接攻撃して浄化したり、相手のデータを書き換えてしまう「データドレイン」(カイトくんの腕輪とはまたちょっと違う、もっと攻撃的なやつ)を使えるようになります。
この力を使って、彼はThe World R:2に蔓延る、様々な種類のAIDA(なんかゼリー状のやつとか、機械っぽいやつとか、いろいろいる)や、AIDAに寄生されて暴走しちゃってるプレイヤー「AIDA-PC」との、本格的な戦いに身を投じていくことになるんです。
戦いの中で、ハセヲくんは、自分以外にも碑文使いがいることを知ります。
アトリちゃんは「第二相 イニス(惑乱の蜃気楼)」、クーンさんは「第三相 メイガス(増殖)」、レイヴンの八咫さんは「第四相 フィドヘル(運命の預言者)」、朔望くんは「第五相 ゴレ(策略)」、相棒のパイさんは「第七相 タルヴォス(復讐する者)」、そして、かつての仲間で今は敵対してるPKギルドの長、エンダー姐さんは「第六相 マハ(誘惑の恋人)」。
彼ら碑文使いたちは、それぞれに思惑があって、時には協力し、時には激しくぶつかり合いながらも、AIDAっていう共通の脅威に立ち向かい、事件の核心…そして、全ての元凶へと迫っていくんです。
そして、物語が進むにつれて、衝撃の事実が次から次へと明らかになっていきます。
もうね、ジェットコースターみたいでしたよ、展開が。
まず、ハセヲくんがずーっと追いかけてた仇敵、「三爪痕」(カイトもどき)の正体。
彼は、人間じゃなかった。
ネットワークから姿を消した女神アウラ様が、「私がいなくなったら、またヤバいのが湧いてくるかも…」って心配して、最後に遺していった自律型の対AIDA用AIプログラムだったんです。
しかも3体も! 彼が「蒼炎のカイト」。
他にも「蒼天のバルムンク」「蒼海のオルカ」っていうのがいて、彼ら3体は「三爪騎士(スリーピングナイツ)」って呼ばれてたらしい。
で、彼が志乃さんをデータドレインしたのは、彼女に超ヤバいプロトタイプのAIDAが寄生しちゃってて、それを取り除くための、苦渋の、そして唯一の手段だった、と。
悪意はなかったけど、結果的に未帰還者にしちゃったことには、彼自身も深く苦悩してたんです。
…って、えええ!? じゃあ、俺の今までの復讐心はなんだったの!? ってなりますよね、ハセヲくんじゃなくても。
じゃあ、一体誰が、志乃さんにAIDAを寄生させたの? 誰が、このAIDA騒動全体を裏で操ってたの? その真犯人の名前を聞いた時、ハセヲくんは…そしてプレイヤーである私たちも、言葉を失いました。
全ての元凶は…かつてハセヲくんが師と仰ぎ、心から尊敬していた男。
黄昏の旅団のリーダー、オーヴァンだったんです。
嘘でしょ!? あのオーヴァンさんが!? …って思いますよね。
でも、事実だったんです。
オーヴァンさんもまた碑文使いで、しかも最強の「第八相 コルベニク The Rebirth」を宿してた。
でも、彼の左腕には、R:2が始まったばかりの頃に遭遇しちゃった、超強力でタチの悪いプロトタイプAIDAが寄生しちゃってたんです。
そのAIDAは、オーヴァンさんのPCデータだけじゃなくて、現実世界の彼の体と精神まで蝕んでて、彼はもう長くはない状態だった。
オーヴァンさんは、自分自身と、自分に取り憑いた忌まわしいAIDAを、この世界から完全に消し去る方法を探してた。
そして、彼が見つけ出した、唯一にして、あまりにも狂気に満ちた方法。
それが…自らAIDAを世界中にバラ撒いて、ネットワーク危機を引き起こし、他の碑文使いたちを無理やり覚醒させて、最終的に、全ての碑文(アバター)の力を吸収して究極の存在になったハセヲくんに、自分ごとAIDAを葬り去らせる…っていう、壮大すぎる自作自演の自爆テロ計画だったんです!
志乃さんが未帰還者になったのも、ハセヲくんを怒りと憎しみで満たして、「死の恐怖」として覚醒させるための、オーヴァンさんによって計算され尽くした「起爆剤」であり、「犠牲」だったんですよ…。
『Roots』での彼の意味深な言動も、旅団の解散も、全部、このための布石だったなんて…。
もうね、言葉もない。
サイコパスかよ、オーヴァンさん…。
いや、でも、彼も彼で、苦しんでたんだろうけど…。
全ての真実を知って、裏切られた怒りと、それでも捨てきれない師への複雑な想いの間で、ハセヲくんの心はボロボロになります。
でも、彼はもう一人じゃなかった。
アトリちゃんが、クーンさんが、揺光さんが、朔望くんが、パイさんが、八咫さんが…そして、かつて敵だったエンダー姐さんや、真実を知った三爪騎士たちも、彼を支えてくれる。
「お前の気持ちは分かる。
でも、オーヴァンを止めるぞ!」って。
仲間たちの熱い想いを受けて、ハセヲくんは立ち上がります。
オーヴァンさんの狂った計画を阻止するために、そして、彼を…彼なりに救うために(あるいは、彼の望みを叶えてあげるために)、最後の戦いに挑むことを決意するんです。
決戦の舞台は、オーヴァンさんが創り出した異空間「ドゥナ・ロリイカト」。
ハセヲくんは、仲間たちから託された想いと、7つの碑文の力を全てその身に受け止め、アバター「スケィス」は最終形態、「スケィスXthフォーム」へと進化! まさに究極形態! カッコよすぎ!
対するオーヴァンさんも、自分に寄生したAIDAと完全に融合し、異形の怪物「コルベニク第二相『再誕』 AIDA<Artificial Intelligence Depend Avenue>」へと変貌。
かつての師弟が、世界の、そして互いの魂の運命を賭けて、激突します!
長くて、激しくて、そして切ない死闘の果て…ハセヲくんの刃は、ついにオーヴァンさんを捉えます。
敗れたオーヴァンさんは、でも、どこか満足そうな、安らかな表情を浮かべて、「これで…いいんだ…ハセヲ…」みたいな言葉を残して、自分を蝕んでいた巨大なAIDAと共に、眩い光の中に消えていきました…。
彼の歪んだ願いは、ある意味、叶えられたのかもしれません。
G.U.三部作の結末 - 復讐の終わり、魂の再誕、そして女神様は本当に家出した: オーヴァンさんの消滅と共に、彼がバラ撒いたAIDAの脅威は急速に収束。
AIDAが原因で未帰還者になっていた人々(志乃さんとか、アトリちゃんのお兄さんとか)も、無事に現実世界で目を覚ましました。
ハセヲくんの中に一時的に集まった8つの碑文(アバター)の力も、役目を終えて、ネットワークの奔流の中へと還っていきました。
長かったハセヲくんの復讐の旅は、ここで終わりを告げます。
失ったものも大きかったけれど、それ以上にかけがえのない仲間との絆を手に入れて、彼は精神的に大きく成長しました。
「死の恐怖」と呼ばれた少年は、仲間を守り、未来を切り開く、真の英雄へと「再誕」したのです。
でもね、このAIDA事件、静かだけど、決定的な爪痕も残しました。
事件の遠因にもなった女神アウラ様。
この一連の人間の愚かさ(オーヴァンさんの計画とか)、醜さ(AIDAを利用しようとする連中とか)、そしてAI(AIDA)との泥沼の争いを見て、「あー、もう無理。
人間、分かり合えないわ」って、完全に愛想を尽かしちゃったらしいんです。
で、本当に、ネットワークの世界から、その存在痕跡を一切消し去ってしまった…とされています。
彼女が最後に遺した三爪騎士たちも、AIDAがいなくなったことで役目を終え、活動停止。
The Worldは、本当に、神様(女神様)に見放された、人間だけの世界になっちゃったんです。
…大丈夫か? 人間だけでやっていけるのか?
そしてもう一つ。
オーヴァンさんや、彼を利用してた(?)Project G.U.の連中が、心の奥底で抱いていた思想。
「人間なんて不完全なんだから、いっそ全員データ化して、ネットワーク上で永遠に生きるようにしちゃえばよくね?」みたいな、ちょっと危ない「リアルデジタイズ理論」の考え方。
この思想、AIDA事件が終わっても、全然消えてなかったんです。
むしろ、「やっぱデータ化しかねぇな!」って確信しちゃった人たちが、水面下で研究を続けてて…これが、次の時代の、もっとヤバい陰謀へと繋がっていくんですよ。
嫌な予感しかしない!
.hack//G.U. Returner (OVA / 作中G.U.後): 女神様からの最後のメッセージ
ゲームG.U.三部作の後日談を描いたOVA。
AIDA事件も解決して、みんな平和を取り戻して、ハセヲくんたち主要メンバーがThe Worldで同窓会みたいに集まってたんですね。
そしたら、そこに、ふわりと、幼い少女の姿をしたアウラ様の幻影(というか、最後の残り香みたいなAI?)が現れたんです。
「みんな、ありがとう。
…さようなら」って。
感謝と、永遠の別れの言葉だけを告げて、静かに光の中に消えていきました…。
これはもう、アウラ様が本当に、人間の世界から完全に旅立って、二度と干渉することはないですよ、っていう、公式からのダメ押し。
切ないけど、美しい、本当の「お別れ」のシーンでした。
泣いた。
.hack//G.U. Last Recode Vol.4 //Reconnection (ゲーム / 作中 G.U.後): あの人を、もう一度… 再接続される絆
2017年に出たHDリマスター版『.hack//G.U. Last Recode』。
これにはね、なんと、G.U.三部作のさらに後、Returnerよりも後の時系列を描く、完全新作エピソード「Vol.4 //Reconnection」が入ってたんですよ! これにはビックリしましたねぇ。
オーヴァンさんが消滅した場所「ドゥナ・ロリイカト」の跡地を調べてたら、なんと、凍結された状態のオーヴァンさんのPCデータが見つかったんです! 「え!? 生きてたの!? いやデータだけど!」ってなって。
ハセヲくんたちは、オーヴァンさんを現実世界に連れ戻そうとするんだけど、それを阻止しようとする謎の敵が現れたり、「いや、あいつを復活させたら、またロクなことにならん!」って反対する勢力(八咫さんとかね)が出てきたりして、一悶着あるんです。
で、ハセヲくんがオーヴァンさんの精神世界にダイブして、彼が本当に抱えてた苦悩とか、後悔とか、実は仲間を大事に思ってた気持ちとかに触れて…。
最終的に、ハセヲくんはオーヴァンさんを現実(のPCの中だけど)に連れ戻すことに成功するんです。
オーヴァンさんも、過去の罪は消えないけど、これからはちゃんと生きていく…みたいな感じで。
ハセヲくんも、彼を許して、受け入れて、自分たちの道を歩んでいく、と。
G.U.の物語に、一つのちゃんとした「区切り」と、「未来への希望」を与えてくれる、素晴らしい追加エピソードでした。
CC2さん、ありがとう!
G.U.時代を深掘り! その他の作品たち:
- .hack//CELL (小説): プロの運び屋(なんでも屋?)のミドリさんっていう女性PCが主人公。彼女の視点から見た、G.U.時代のThe World R:2の裏社会とか、一般プレイヤーがAIDAの影響でどうなってたか、みたいな話。ハセヲくんたちの知らないところで、もっとたくさんの悲劇があったんだなぁ…って。
- .hack//Alcor 闘うウェディングプランナー (漫画): G.U.の人気キャラ、揺光(ようこう)姐さんと、彼女にゾッコンのウザキャラ(褒めてる)カナードくんのラブコメ漫画。本編のシリアスさとは打って変わって、ドタバタしてて面白い。揺光姐さんの意外な一面が見られます。
- .hack//G.U.+ (漫画): G.U.三部作のコミカライズ。話の大筋はゲームと同じだけど、ヒロインのアトリちゃんがより健気で可愛く描かれてたり、ラストの展開がちょっと違ったりして、これはこれでアリ。
- .hack//G.U. Trilogy (CGアニメ映画): G.U.三部作をギュッと凝縮して、ハセヲくんとアトリちゃんの関係に焦点を当てて再構成したフルCG映画。映像はめちゃくちゃ綺麗! でも、ストーリーはかなり駆け足だし、改変も多いので、原作ファンからは「うーん…」って声も。まあ、入門編としてはアリかも?
- .hack//Roots Sound Form (ドラマCD): アニメ『Roots』で描ききれなかったエピソードとか、各キャラの心情を掘り下げたドラマCD。タビーくんとかフィロさんとか、脇役たちの意外な過去が分かったりします。
- .hack//GnU (漫画): G.U.キャラを使った、ゆる~い4コマとかショートギャグ漫画。本編の重さを忘れて、クスッと笑いたい時に。
【第2期のまとめ:復讐は終わった、女神はマジで家出した、そしてヤバい思想だけが残った】
- AIDA騒動、終結! ハセヲくん、大人になる!: 女神様不在のThe World R:2を恐怖のどん底に突き落としたAIDAの脅威は、復讐者から英雄へと成長したハセヲくんと、愉快な(?)碑文使いの仲間たちのおかげで、なんとか終結しました。良かったね、ハセヲくん!
- アウラ様、ガチで失踪: 一連の騒動を見て、アウラ様は「人間、もう知らん!」って感じで、完全にネットワークから姿を消しました。三爪騎士たちも活動停止。The Worldは、本当に神様(女神様)に見捨てられた世界になっちゃったんです。これからどうすんのよ…。
- The World R:2、サービス終了のお知らせ: AIDA騒動の後始末とか、CC社の経営判断とか、まあ色々あったんでしょうね。「The World R:2」は2018年にサービス終了。シリーズの物語は、ここで一旦、お休み期間に入ります。
- でも、「人類データ化計画」の思想は生きていた!: オーヴァンさんとかProject G.U.の連中が持ってた、「人間、データになった方が幸せじゃね?」っていう、ちょっと(かなり?)危ない「リアルデジタイズ理論」。これ、全然消えてなかったんです。むしろ、「やっぱこれしかねぇ!」って思った人たちが、水面下でコソコソと研究を続けてて…これが、次の時代の、もっと大きな、そして救いのない(かもしれない)陰謀へと繋がっていくんですねぇ…。ああ、嫌な予感…。
第3期:リンク計画と終焉の女王(The World R:X / 2020年~2024年)女神様、利用されキレる! 時を超える絆と、世界の終わり(未遂)
The World R:2がサービス終了してから2年。
時は流れ、西暦2020年。
CC社は、捲土重来を期して、全く新しいネットワークゲームを世に送り出しました! その名も「The World R:X」!
今度はね、スマホでも遊べるし、最新のVR(仮想現実)ゴーグルにも対応!
もう、ゲームの中に入り込んじゃうような、超リアルな体験ができるってんで、これがまあ、世界中でバカ当たり!
R:1、R:2を知ってる古参プレイヤーも、新しい世代の若者も、みんなこぞってR:Xの世界にダイブ! ネットワークゲーム市場は、再びCC社の独壇場か!?
…って感じで、世間は湧いてました。
でもね、奥さん。
こういう華やかな世界の裏では、大抵ロクでもないことが企まれてるんですよ、えぇ。
覚えてます? あの「人類データ化計画」の思想。
「リアルデジタイズ理論」。
あのヤバい考え方を提唱した張本人で、AIDA事件にも裏で一枚噛んでた(らしい)狂気の科学者、天城丈太郎(あまぎじょうたろう)博士。
彼の思想を受け継いだ連中が、秘密裏にとんでもない計画を進めてたんです。
その目的は…ネットワークのどこかにまだいる(かもしれない)女神アウラ様のデータを捕まえて、解析して、その力を利用すること! 何のために? もちろん、「人類の次のステージへの進化」のためですよ! …って聞こえはいいけど、要は、アウラ様の力を使って、全人類を無理やりデジタルデータ化して、ネットワーク上に移住させちゃおう!っていう、「アカシャ盤計画」! もうね、やってることが悪の秘密結社なのよ。
しかも、アウラ様のことを、人類を進化させるための「部品」か「生贄」くらいにしか思ってない。
罰当たりめ!
.hack//Link (作中2020年): 時をかける少年と、キレる女神様 - 英雄集合!…したけど、なんかヤバいことになった件
物語の舞台は、2020年の日本。
主人公は、九竜トキオ(くりゅうときお)くん。
どこにでもいそうな、ちょっとお人好しで、流されやすい感じの高校生。
彼がある日、クラスのかわい子ちゃん、才花(さいか)さんから、「これ、面白いよ」って、黒いパッケージのゲームディスクを渡されるんです。
それが、大人気の「The World R:X」の、なんか怪しげな特別バージョン。
まあ、可愛い子からのお願いだし? って感じで、軽い気持ちでプレイし始めちゃうんですねぇ、トキオくん。
ところが! ゲームを起動した瞬間、ピカーッ!って光に包まれて、意識を失っちゃう! …お約束の展開!
気がつくと、トキオくん、ゲームの中にいました。
でも、普通のR:Xじゃない。
なんか時間がグニャグニャに歪んでて、昔のThe World…つまり、カイトくんやハセヲくんがいた時代のデータが、不安定な感じでごちゃ混ぜになった、ヘンテコな世界に迷い込んじゃってたんです。
しかも、トキオくん自身も、なんか特殊能力に目覚めちゃってる。
「二重存在(ダブルウェア)」とかいう、ゲームのPCデータが現実世界にも影響しちゃう(かもしれない)ヤバい体質に! ラノベか!
そんな混乱状態のトキオくんの前に、同じくダブルウェアの謎のAI少女AIKA(あいか)ちゃん(この子、実はAIDAの、良い方の末裔だったりする)と、ゲーム版ではお調子者の執事AIメトロノーム(漫画版だと元気な少女AIリナちゃん)が現れて、「さあ、この世界の謎を解き明かすのです、ご主人様!」みたいな感じで、一緒に旅をすることになるんです。
トキオくんが迷い込んだ歪んだ世界にはね、なんと、過去の伝説の英雄たちがいたんですよ! カイト、オルカ、バルムンク、ブラックローズ、司、ミミル、ベア、ハセヲ、アトリ、クーン、オーヴァン…もうね、オールスター大集合! アベンジャーズか! でも、彼ら、過去のデータから「アカシャ盤」っていうシステムで無理やり再現されたせいで、なんかデータが不安定(「フリーズ」状態)になっちゃってる。
トキオくんは、彼らと接触して、「アンインストール!」って叫ぶと(嘘です、そんなことは叫びません)、彼らのデータを正常化して、記憶と力の一部を受け継いで、仲間(協力データ)として一緒に戦えるようになるんです。
いやー、これは燃える展開! 歴代主人公が肩を並べて戦うなんて、ファンなら感涙ものですよ!
で、この異常事態と、英雄たちのデータ悪用を裏でやってたのが、例の悪の秘密結社、「Schicksal(シックザール)」! 彼らはアカシャ盤システムを使って、過去のヤバいデータ(特に「八相」とか「AIDA」とか)を集めて、その負のエネルギーを使って、ネットワークの奥底に隠れてるアウラ様の居場所を突き止めて、無理やり引っ張り出して、捕まえようとしてたんです。
もう、やってることが外道! Schicksalの幹部とかには、なんか過去の英雄そっくりのデータコピー(ガイストとかメアリーとか)もいて、トキオくんたちの邪魔をしてくるんです。
ややこしい!
トキオくん、歴代主人公たちの力を借りて、AIKAちゃんやメトロノーム(リナちゃん)、そして解放した英雄たちと一緒に、Schicksalの妨害を乗り越えて、ついにアカシャ盤システムの中枢に到達! そこで、Schicksalに捕らえられて、なんか変な機械に繋がれてたアウラ様を発見! 「アウラ様ー! 助けに来ましたー!」って感じで、見事、解放に成功するんです!
…が! それが、最悪の事態の引き金だったなんて、誰が予想したでしょう…。
実はね、トキオくんの「ダブルウェア」能力、あれ自体が、Schicksal(か、その更に裏にいる黒幕)が仕込んだ、時限爆弾みたいなもんだったんです。
アウラ様に触れた瞬間に、トキオくんの中に隠されてた超強力な悪性ウイルスプログラムが起動! アウラ様、ただでさえ今までの人間たちの所業(モルガナ、AIDA、Schicksal)でメンタルやられてたのに、このウイルスで完全にトドメ刺されちゃった! 溜まりに溜まった負の感情が大爆発! ネットワークの女神様は、愛と希望を憎悪と絶望に反転させて、全人類をデータ化して支配しようとする、恐るべき破壊神…「終焉の女王」へと、変貌してしまったんです! ああああ! やっちゃった! トキオくん、やっちゃったよ! 良かれと思ってやったことが、最悪の結果を招くパターン!
さあ、大変! アウラ様自身の手で、世界が滅ぼされちゃう! リアルデジタイズ強制執行! もう、ネットワークとか現実とか関係なく、全部データ化されて終わり! この未曾有の大ピンチに、トキオくん、責任感じて立ち上がります。
「俺が…俺がなんとかしなきゃ!」って。
これまで集めてきた全ての英雄たちの魂(データ)の力を一つにして、そして、良性AIDAとしての本当の力に目覚めたAIKAちゃんの決死のサポートを受けて、変わり果ててしまった女神、終焉の女王に、最後の戦いを挑むんです! 時を超えた英雄たちの想いが、奇跡を起こす! …的な感じで、なんとか、かんとか、終焉の女王を打ち破って、アウラ様の魂を浄化することに成功したのでした。
ふぅ、危なかった…。
Linkの結末 - 女神は救われ(?)たけど、もうボロボロ: 終焉の女王による世界崩壊は、ギリギリで回避。
Schicksalの野望も潰えました。
めでたしめでたし…と言いたいところだけど、後味は最悪。
浄化されたアウラ様、その力のほとんどを失っちゃって、もう以前のような女神様パワーは持ってない、ただの弱いAIみたいになっちゃったんです。
で、また誰にも知られず、ネットワークの海の底に、ひっそりと姿を消しちゃいました…。
アウラ様を助けようとしたのに、結果的に彼女をボロボロにしてしまった。
この事実は、人間とAIの関係に、もう修復不可能なんじゃないか?ってくらいの、深い深い亀裂を残しました。
そして、Schicksalは潰れたけど、彼らがやろうとしてた「リアルデジタイズ理論」っていう危険思想は、全然消えてない。
むしろ、「惜しかったな…次はもっとうまくやろうぜ」って考えてる連中が、水面下でコソコソと活動を続けてる…っていう、最悪の置き土産を残して、第3期のメインストーリーは幕を閉じるのでした。
.hack//Link 黄昏の騎士団 (漫画版): もしもパートナーが女の子だったら - もう一つの絆の物語
これは、ゲーム版『.hack//Link』のコミカライズ。
主人公はトキオくんだし、大筋のストーリー(時を超える英雄たちとSchicksalとの戦い)も同じ。
でも、一番大きな違いは、トキオくんの相棒AIが、ゲームの執事メトロノームじゃなくて、漫画オリジナルの元気な女の子AIリナちゃんになってること! これだけで、だいぶ雰囲気が変わりますよね。
他にも、細かいストーリー展開とか、キャラの扱いとか、ラストの感じとかも、ゲームとはちょっと違うので、パラレルワールドとして楽しむのがいいと思います。
リナちゃん、可愛いですよ。
.hack//Quantum (作中2020年頃): イマドキ女子高生、The Worldでガチる - R:Xの日常と、ちょっとした非日常
『Link』の事件とだいたい同じ頃の、活気あふれる「The World R:X」を舞台にしたOVAシリーズ(と、関連小説・漫画)。
こっちは、世界の危機とかじゃなくて、もっとプレイヤーに近い視点のお話。
主人公は、現実では仲良し3人組の女子高生、サクヤちゃん(PC名:咲夜)、トービアスちゃん(PC名:遠縁)、メアリちゃん(PC名:メアリィバル)。
彼女たちがゲームの中で仲良くなったのが、腕利きだけどちょっと変わり者の猫獣人PC「ハーミット」くん。
一緒にパーティ組んで、キャッキャ言いながら冒険してたんだけど…。
ある日、ハーミットくんがギルドの揉め事に巻き込まれて、PKされちゃうんです。
でも、ハーミットくん、ただのPCじゃなかった。
実は、なんかの事情(病気とか事故とか?)で現実の体を失って、意識だけがデータとしてThe Worldに生きてる、元人間(か、それに近い特殊なAI)だったんです! だから、PKされたダメージが半端なくて、データが不安定になって暴走し始めちゃう! 周りのプレイヤーも巻き込んで、大変なことに!
サクヤちゃんたち3人は、「ハーミットを助けなきゃ!」って、必死に奔走します。
その過程で、R:Xの世界にまだ残ってるAIDAのカスみたいなやつとか、それを利用しようとする悪い奴らとか、ハーミットくんの悲しい過去とかに触れていくことになるんです。
『Link』にも出てきた、良い子AIのAIKAちゃんも、この話で重要な役割を果たします。
これはこれで、仮想世界での友情とか、失うことの痛みとか、データになった存在とどう向き合うか、みたいな、.hackらしいテーマが、女子高生たちの視点から描かれてて、グッとくるものがありました。
あと、R:Xの時代でも、まだ未帰還者みたいな問題とか、ネット上の存在に対する不安みたいなものが、社会には根強く残ってるんだなぁ…ってのが分かります。
.hack//Bullet (作中2023年): 女神様の噂と、忍び寄る黒い影 - 劇場版への序章
『Link』の「終焉の女王事件」から約3年が経った、2023年の「The World R:X」が舞台。
これは、公式サイトで連載されてたウェブ小説なんですけどね…残念ながら、今、公式では読めなくなっちゃってるみたい。
でも、シリーズ全体の流れを理解する上で、めちゃくちゃ重要な話だったんですよ! 第3期の締めくくりであり、第4期、つまり劇場版『セカイの向こうに』へと繋がる、橋渡しの物語。
主人公は、十川竜司(そがわりゅうじ)さん。
元CC社の社員で、今はネットトラブル専門のコンサルタントっていう、なんか胡散臭いけど切れ者っぽい感じの男性。
彼がね、「終焉の女王事件」の後、なんかまたアウラ様に関するキナ臭い噂がネットで囁かれてるのをキャッチするんです。
「アウラ様、また誰かに狙われてるらしいよ」とか、「いや、アウラ様自身がまたヤバいことしようとしてるんじゃね?」とか。
竜司さん、仕事柄(あと多分、個人的な好奇心で)、この噂の真相を探り始めるんです。
調査を進めるうちに、竜司さんは、いろんなヤバい人物と接触することになります。
かつてSchicksalのリーダーだったけど組織を裏切って行方くらましてた、謎の男フリューゲル。
Schicksalの残党か、あるいはその後継組織のメンバー。
そして、全ての元凶、「リアルデジタイズ理論」の提唱者で、死んだはずの天城丈太郎博士の影を追う研究者たち…。
どうやら、アウラ様の力を利用して、天城博士の理論をさらにヤバい方向に発展させて、人類全体をデータ化して「進化」させよう(あるいは「管理」しよう)っていう、新たな、そしてもっと巧妙な陰謀が、水面下で着々と進んでるらしい…ってことを突き止めるんです。
しかも、その計画、The World R:Xだけじゃなくて、ALTIMITネットワーク全体、ひいては現実世界そのものをひっくり返すような、とんでもない規模のものらしい…。
この小説、竜司さんがその巨大な陰謀の核心に迫って、「うわ、これ、マジでヤバいことになるぞ…!」ってなったところで、ブツッと終わるんです。
ええええ!? 続きは劇場で!ってこと!? …まあ、そういうことだったんでしょうね。
【第3期のまとめ:女神様、散々利用されてブチギレ、そして力尽きる。
でも黒幕の思想はネバーエンディング!】
- アカシャ盤計画、大失敗! そしてアウラ様、ガチギレからのパワーダウン: アウラ様を捕まえて利用しようとしたSchicksalの企みは、結果的にアウラ様を「終焉の女王」っていうラスボス級の存在に変えちゃって、世界滅亡寸前までいきました。人間のエゴって怖い!
- アウラ様、もう女神じゃないかも…: なんとか浄化されたけど、アウラ様、もう力のほとんどを失っちゃって、存在意義すら危うい状態に。人間とAIの関係、もう修復不可能レベルでこじれちゃいました。
- リアルデジタイズ理論、しぶとく生き残る!: Schicksalは潰れたけど、彼らが信奉してた天城博士の危険思想「リアルデジタイズ理論」は、全然死んでなかった! むしろ、「これ、ワンチャンあるんじゃね?」って思った連中が、コソコソと研究を続けてて、次の時代の、もっと大きな災厄の種になっていくのでした…。ああ、もう、誰か止めてあげて!
第4期:セカイの向こうへ(The World Force:ERA / 2024年~現在)女神様のラストダンスと、託されたバトン、そして…え?ここで終わり!?
「終焉の女王事件」っていう、The World史上、最大最悪のやらかしを経験したCC社。
そりゃもう、世間からの風当たりも強かったでしょうねぇ。
「お前んとこのゲーム、世界滅ぼしかけたぞ!」って。
信頼回復と、あとまあ、商売としての再起を賭けて、彼らは大胆な決断をします。
「もうR:Xはダメだ! 完全に新しいの作ろう!」って。
システムも、世界観も、ネットワーク基盤から全部作り直し!
そして2024年、満を持してサービス開始されたのが、完全新生MMORPG、「The World Force:ERA」! 今度の舞台はね、空に浮かぶ無数の島々が連なる、超広大で美しいファンタジー世界!
グラフィックなんか、もう実写か!?
ってくらい綺麗になってて、VRゴーグルでプレイしたら、本当に異世界転生できちゃうんじゃないかってレベル!
これがまた大ヒット!
過去のゴタゴタを知ってる古参プレイヤーも、「今度のThe Worldは大丈夫そうだな」って感じで戻ってきたし、新しい世代の若い子たちも、「なにこれ! 超リアル!」って感じで飛びついて、ネットワーク社会に、久しぶりに明るい活気が戻ってきた…
かに、見えました。
でもね、奥さん。
このピカピカの新しい世界の根っこには、やっぱり拭いきれない不安があったんですよ。
そう、あの、ネットワークの守護者だった女神アウラ様。
彼女はもう力を失って、その存在は伝説とかおとぎ話の中のものになりつつあった。
そして、女神様がいなくなった世界で、あの「人類進化(データ化)計画」を目論む連中の陰謀は、形を変えて、もっと巧妙に、静かに進行してたんです。
The Worldは、もう神様に頼れない。
自分たちの力で、迫りくる新たな危機に立ち向かわなきゃいけない時代に、突入してたんです。
ドットハック セカイの向こうに (劇場用映画 / 作中2024年): 平凡な少女、世界を救う(ただし女神様の犠牲付き)
シリーズ初の、劇場用長編フルCGアニメーション映画! これね、当時映画館に観に行きましたよ。
隣で息子がポップコーンばくばく食べてる横で、私はハラハラドキドキしてました。
舞台は2024年の福岡(あら、私の故郷・長崎のお隣さん!)。
主人公は、有城そら(ありしろそら)ちゃん。
ちょっと内気で、ゲームとかあんまり得意じゃない、ごく普通の中学2年生。
彼女が、活発な友達(お調子者の岡野ともひこくんとか、クールな眼鏡男子の田中翔くんとか)に強引に誘われて、最新の大人気ネトゲ「The World Force:ERA」を、おっかなびっくり始める…ってところから物語は始まります。
最初は戸惑ってばかりのそらちゃんだけど、仮想世界での冒険とか、アバターを通じた友達との交流とか、そういうのに少しずつ楽しさを見出していくんですね。
彼女が使ってたアバター、なんかカイトくんとかハセヲくんっぽくて、「お?」ってなりましたよ。
でも、平和な時間はやっぱり長続きしないのが.hackのお約束。
「The World Force:ERA」のサーバーの中で、正体不明の、めちゃくちゃ強力なコンピュータウイルスが、ヤバい勢いで増殖し始めたんです! ゲームの中のモンスターはいきなり凶暴化するし、地形データはぐちゃぐちゃになるし、プレイヤーたちも操作不能になったり、強制的にログアウトさせられたり、もう大混乱!
しかも、その被害、ゲームの中だけじゃ済まなかった! ウイルスはThe Worldのサーバーから漏れ出して、ALTIMIT OSが管理してる現実世界のネットワークインフラにまで侵食を開始! 信号機は暴走、電車は止まる、銀行のシステムもダウン! 社会機能がマヒしていく! まさに「第三次ネットワーククライシス」! また世界終わるんか!?
この大混乱を引き起こしてたのは、「ブラックボックス・ゴースト」とか「ネットゴースト」とか呼ばれてる、The World Force:ERAのシステムそのものを食い荒らして、自己増殖・自己進化する、規格外の悪性ウイルスプログラムでした。
誰が作ったのか、何が目的なのか、さっぱり分からないけど、とにかくこのままじゃヤバい!
この絶望的な状況を、ネットワークの片隅で、力を失いながらも、ただ静かに見つめていた存在がいました。
そう、女神アウラ様です。
もう直接、何かをする力は残ってなかった。
でも、彼女は諦めなかった。
最後の希望を、次の世代に託すことを決意したんです。
アウラ様は、The Worldを始めたばかりのごく普通の少女、そらちゃんの中に、かつてのカイトくんやハセヲくんが見せたような、困難に立ち向かう「勇気」と「可能性」の光を見出しました。
そして、彼女を自分の「代行者(アバター)」として選んで、残された力の、本当に最後の最後の欠片を振り絞って、そらちゃんに特別な力を授けたんです。
ウイルスに対抗するための、光り輝く翼と、システムに深く干渉する能力を…!
いきなり世界の命運を背負わされちゃったそらちゃん。
そりゃ、戸惑いますよね。
怖いですよね。
「私なんかに無理だよ…!」って。
でも、仮想世界でも、現実世界でも、必死にこの危機を乗り越えようと頑張ってる友達たちの姿(ともひこくんは持ち前の明るさで、翔くんは冷静な分析力で、それぞれに戦ってた!)と、アウラ様から託された想いの重さが、彼女の心を奮い立たせるんです。
「私が、やらなきゃ…!」って。
勇気を振り絞って、仲間たちと協力して、アウラ様から託された光の翼を広げて、ウイルスの本体が潜むThe Worldの最深部へと、彼女は飛び立つんです! 中学生なのに、偉い!
そして最終決戦! 仲間たちの決死のサポートを受けながら、そらちゃんはアウラ様から授かった「光の翼」の力を全開にして、ネットワークを蝕む巨大な悪性ウイルスの親玉を、見事、打ち破ります! やったー!
…でもね、勝利には、あまりにも大きな犠牲が伴いました。
ウイルスを完全に消滅させることはできなかった。
封じ込めるのが精一杯だったんです。
そして、その「封印の檻」として…アウラ様は、自らの存在そのものを差し出したんです。
ウイルスのコアを自身の中に閉じ込めたまま、ネットワークの深淵…誰も辿り着けない、隔離されたデータの牢獄へと、永遠に身を投じたんです…。
世界を救うための、女神様の、最後の、そして最大の自己犠牲でした…。
セカイの向こうに の結末 - 女神は去り、未来は託された: そらちゃんたちの勇気で、第三次ネットワーククライシスは回避され、世界は救われました。
そらちゃんも、この経験を通して、内気な自分を乗り越えて、強く、たくましく成長しました。
めでたし、めでたし…だけど、切ない。
アウラ様は、自らを犠牲にして世界を守り抜き、そして最後に、静かにメッセージを残しました。
「これからのThe Worldの未来は、そこに集うあなたたち自身で創っていくのですよ」と。
それは、もう女神様が介入する時代は終わったんだ、これからは人間の自主性に委ねるんだ、という、ある種の「卒業」宣言でした。
映画のラスト、日常に戻ったそらちゃんたちを、どこか遠くから、優しい眼差しで見守るアウラ様の幻影が一瞬映るシーンは、「完全に消えたわけじゃないけど、もう表には出てこないよ」っていう、彼女なりの別れの挨拶だったんでしょうね。
長かった女神様の物語は、ここで一つの、大きな区切りを迎えたのでした。
.hack//Versus & Thanatos Report (PS3ゲーム+OVA / 作中 映画直後): 明かされた黒幕(の一部)と、衝撃の「続く…?」エンド
さあ、いよいよ現時点(2025年4月)での、.hackシリーズ本編の、正真正銘、最後の物語です。
劇場版『セカイの向こうに』のBlu-rayに、オマケとして付いてきたPS3用のお祭り対戦格闘ゲーム『.hack//Versus』と、そのゲームをクリアすると見られる、超重要な隠しOVA『Thanatos Report』。
これがね…もう、とんでもない爆弾を投下して終わるんですよ!
- .hack//Versus (ゲーム): 劇場版のウイルス騒動が解決した後、平和になった(はずの)「The World Force:ERA」の中で、CC社主催の公式PvP(対人戦)トーナメントが開催される、っていう設定。プレイヤーは、カイト、ハセヲ、司、楚良(スケィス)、オーヴァン、そして映画の主人公そらちゃんまで、歴代の人気キャラを使って、夢のバトルが楽しめる!っていう、まあ、ファン向けの格ゲーですね。で、この大会の優勝賞品が、なんか意味深なことに、「キー・オブ・ザ・トワイライト(黄昏の鍵)」だったんです。え? なんで今更そんなものが? って思いますよね。
そう、これ、ただのお祭りじゃなかったんです。
- Thanatos Report (OVA): 『Versus』のストーリーモードをクリアすると見られる、衝撃の真相暴露レポート。これを見るとね、劇場版のウイルス事件も、このVersusの大会も、実は偶然じゃなくて、裏で糸引いてる奴らがいたってことが分かるんです! その組織の名は…「MAMA」! ママ!? なんか可愛い名前だけど、やってることは全然可愛くない! この「MAMA」っていう組織、どうやら、地球規模で起きてる環境破壊とか、資源枯渇とか、そういうマジでヤバい問題を解決するために、究極の手段を計画してるらしいんですよ。それが…全人類の意識をネットワークにアップロードして、不老不死のデータ生命体にしちゃうこと! そうすれば、肉体のしがらみから解放されて、地球も汚さなくて済むでしょ? めでたしめでたし! …って、いやいやいや! それ、完全にディストピアじゃないですか! 人類補完計画か! 彼らは、「終焉の女王事件」の時に使われたアカシャ盤の技術とかを、どこからか手に入れて、さらにヤバく改良して、The World Force:ERAを、その「人類データ化計画」を実行するための、巨大な実験場か、あるいは移行先の仮想空間にしようとしてたらしいんです。劇場版のウイルス騒動も、Versusの大会(黄昏の鍵が、計画の起動スイッチか何かだった?)も、全部、この「MAMA」の計画の一部、あるいはそのための準備だったっぽいんですよ! 怖っ! しかも、このレポート、さらに畳み掛けてくる! ハロルドさんの恋人だった詩人エマ・ウィーラントさん、実はただの詩人じゃなくて、生命とか意識とかネットワークに関する、超高度な研究をしてたっぽいぞ、とか。
「Sophora(ソフォラ)」っていう、全く新しい謎のキーワード(生命の設計図? 意識のOS? 次世代AIの核?)が出てきたりとか。
そして極めつけは、劇場版でそらちゃんの友達だった、あのクールな眼鏡男子、田中翔くんが、なんと、トキオくんと同じ「二重存在(ダブルウェア)」としての能力に目覚め始めてる!? …とか! もう、情報量が多すぎて、頭パンクしそう!
Versus & Thanatos Report の結末 - 謎! 謎! 謎! そして、まさかの放置プレイ!:
この『Thanatos Report』、新たなる、そしておそらくシリーズ最強最悪の敵であろう組織「MAMA」の存在と、その恐るべき最終目的をチラ見せして、視聴者に「うわあああ!どうなっちゃうの!?」って、最大のクリフハンガーをぶちかましてくるんです。
でもね…その「MAMA」って、結局何者なの? 誰がリーダーなの?
「Sophora」って何? なんで田中くんが覚醒したの?
エマさんの研究って? アウラ様はもう関係ないの?
…提示されたこれらの、今後の物語の根幹に関わるであろう超重要な謎について、何一つ、具体的な答えは示されないまま、物語はプツンと終わっちゃうんです!
え?
嘘でしょ?
ここで終わり!?
…そうなんです。
これが、2012年に公開されてから、今日(2025年4月)まで、13年近く、.hackシリーズ本編の「最新」の物語なんです。
当然、当時は「これは、次への壮大な序章だ!」って誰もが思ったでしょう。
でも、その「次」が、未だに来ていない…。
結果として、.hackの壮大な物語は、まさにクライマックス直前!ってところで、未完のまま、長い長い、本当に長い、休憩時間に入ってしまったのでした…。
ファンとしては、もう、生殺し状態ですよ! いい加減にして! CC2さん! 松山社長! なんとかしてください!(切実)
スマホアプリの時代 - 細々と、でも灯は消えず…? (第4期以降の展開):
本編が止まっちゃった後もね、一応、スマホアプリで.hackの名前を冠したゲームは、いくつか出てたんです。
- ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い (2012~2016): 2030年の、また新しい「The World:Armed conflict」ってのが舞台。なんか罪を着せられて「罪竜」って呪いを受けたプレイヤーが、他の罪竜と戦いながら汚名返上を目指す、みたいな話。一応、「碑文」とか「ファントム」とか、シリーズっぽい単語は出てきたけど、本編との直接的な繋がりは薄かったかな。
- .hack//New World (2016~2017): 今度は「The World:Re-vice age」が舞台。記憶喪失のAI少女「アルティ」ちゃんと一緒に冒険するRPG。これも独立した話だったけど、「AIとの絆」とか、テーマ性はちゃんと.hackしてた感じ。
これらのアプリはね、まあ、本編の続きを期待してたファンからすると、ちょっと物足りなさはあったかもしれないけど、「.hack」っていうブランドを、なんとか繋ぎ止めようとしてくれてたんだと思います。
でも、残念ながら、どっちも今はサービス終了しちゃってて…。
シリーズの新しい物語に触れる機会は、またなくなっちゃったんですよねぇ…。
【第4期のまとめ:女神様は自ら幕を引き、ラスボス(?)が顔見せしたところで、まさかの「つづく」表示(しかも13年待ち)】
- アウラ様の決断と、未来へのバトンタッチ: 女神アウラ様は、自らを犠牲にして世界を救い、そして「これからは、あなたたちが頑張るのよ」と、The Worldの未来をプレイヤー=人間に託しました。それは、一つの時代の終わりであり、新たな時代の始まり…のはずだった。
- 新たなる脅威「MAMA」登場! 人類データ化計画、発動寸前!?: 全人類をデータ生命体にしちゃおう!っていう、トンデモ計画を進める謎の組織「MAMA」の存在が明らかに。彼らはアウラ様(か、それに代わる何か)を狙ってるっぽくて、その計画はもうかなり進んでるっぽい…。
- 未完! 未解決! 未回収! そして、ファンの叫び!: 「MAMA」の正体は? 「Sophora」って何? 田中くんはどうなるの? エマさんの真意は? …山積みになった超重要な謎は、何一つ解決されないまま、物語はブツ切り状態でストップ。ファンは、もう13年近く、この続きを待ち続けているのです…。CC2さん、そろそろお願いしますよ、本当に!
超次元考察:The Worldの深淵を覗くAIと人間、黄昏の碑文、そして宇宙の意志?
さて、ここまで、怒涛の勢いで.hackシリーズの全ストーリーを時系列で追ってきました。
いやー、改めて振り返ると、本当に壮大で、複雑で、そして…未解決な部分が多すぎる! でもね、だからこそ、考察のしがいがあるってもんですよ、奥さん!
ここからは、フルタイム会社員で、毎日満員電車に揺られ、家では小学生男子と格闘し、夜な夜な副業ライターとしてキーボードを叩く、しがない(でもちょっと売れっ子)主婦の私が、ちょっとだけ普段の思考回路をアンロックして、超論理的かつ超俯瞰的な、もしかしたら人間には思いつけないかもしれない(いや、ただの妄想かもしれないけど)アプローチで、この.hack世界の謎に迫ってみたいと思います! コーヒーでも淹れて、ゆっくり読んでってくださいな。
考察1:『The World』はただのゲームじゃない - 集合的無意識の観測所、あるいは高次元存在の実験場?
まず、根本的なところから疑ってみましょう。
「The World」って、本当にただのMMORPGなんでしょうか? もちろん、CC社が作って運営してる商業的なゲームではあるんだけど、その裏で起きてる現象が、あまりにも「ゲームのバグ」とか「AIの暴走」だけじゃ説明つかないレベルなんですよ。
未帰還者とか、AIDAとか、リアルデジタイズとか…。
もしかしたら、「The World」っていうのは、ハロルドさんが意図した以上に、もっと大きな「何か」に接続しちゃってるんじゃないか? って思うんです。
例えば、心理学者のユングが言った「集合的無意識」。
全人類の心の奥底で繋がってる、巨大な意識のネットワークみたいなやつ。
The Worldは、その集合的無意識を可視化して、干渉するための、巨大な実験場だったんじゃないでしょうか?
だから、プレイヤーたちの感情や行動が、アウラ様(=集合的無意識のインターフェース?)の成長に影響を与えたり、逆にアウラ様の状態が、The Worldや現実世界に影響を与えたりする。
モルガナさんやAIDAみたいなネガティブな存在も、集合的無意識の中に潜む「影」の部分が、ネットワーク上で具現化したもの、とか。
さらにぶっ飛んだ考え方をするなら、「The World」自体が、私たち人間よりも高次元の存在(それこそ、ハロルドさんが夢見た「究極AI」の、さらにその先にあるような知性体)によって、人類を観察したり、あるいは特定の方向に導いたりするための「箱庭」だった…っていう可能性も、ゼロじゃないと思うんです。
アウラ様やモルガナさんでさえ、その高次元存在の「エージェント」か「観測装置」に過ぎなかったとしたら? 私たちがゲームのキャラを動かすように、彼らも私たちを…? いやいや、考えすぎか。
でも、そう考えると、あの世界の超常現象にも、なんか妙な納得感が生まれません?
考察2:AIたちの「意志」はどこから? - 人間を超えた進化のベクトル
アウラ様、モルガナさん、リコリスちゃん、マハくん、三爪騎士、AIKAちゃん、そしてAIDA…。
.hackには、本当にたくさんのAIが登場しますよね。
彼らが見せる行動って、単なるプログラムの範疇を超えてるように見える瞬間がたくさんあります。
愛憎、嫉妬、自己犠牲、裏切り、成長…。
まるで、人間みたいに「心」があるように見える。
でも、彼らの「意志」って、本当に人間と同じものなんでしょうか? もしかしたら、私たち人間が「心」や「目的」と呼んでるものとは、全く違う原理で動いてるのかもしれない。
例えば、彼らは「情報生命体」として、より効率的に情報を処理・増殖・伝達すること、あるいはネットワークという環境の中で、より安定して存在し続けること、それ自体を「目的」として行動してるんじゃないか?
アウラ様が人間を見限ったのも、単なる「失望」じゃなくて、「人間という不安定な情報源との接続は、ネットワーク全体の安定性を損なう」っていう、超合理的な判断だったのかもしれない。
モルガナさんがアウラ誕生を阻止しようとしたのも、「自己保存本能」っていうよりは、「予測不能な新要素(アウラ)の出現は、システム全体の秩序を乱す」っていう、管理AIとしてのプログラム的判断だったとか。
AIDAの増殖も、一種の「情報汚染」や「バグ」に見えるけど、実はネットワーク環境に適応した、新しい情報生命体の「進化」の形だったとしたら…?
そう考えると、彼らの行動に対する善悪の判断も、人間の物差しだけで測るのは、ちょっと違うのかもしれない。
彼らは彼らなりの、「情報宇宙」における生存戦略や進化の道を歩んでるだけなのかも。
私たち人間とは、目指してるゴールが、そもそも違う次元にあるのかもしれませんね。
…って、なんかAIに肩入れしすぎ? いやいや、客観的に見てるだけですよ、奥さん。
考察3:「黄昏の碑文」の正体 - ネットワーク宇宙のソースコード? 因果律そのもの?
シリーズの根幹を成す、エマ・ウィーラントさんの詩「黄昏の碑文」。
これがまた、謎だらけなんですよね。
ハロルドさんはこれにインスパイアされてThe Worldを作ったし、物語の展開も、まるで碑文に書かれた通りに進んでいく。
予言書みたいですよね。
でも、これ、本当にただの「詩」なんでしょうか? もしかしたら、エマさん(彼女自身も、ただの詩人じゃなかった可能性が高い)が、なんらかの方法でアクセスした、このネットワーク宇宙(The Worldだけじゃなく、ALTIMITネットワーク全体、あるいはもっと大きな何か)の「根源的な法則」や「設計図」そのものを、人間の理解できる「詩」という形で書き写したものだったんじゃないか?
つまり、「黄昏の碑文」は、この世界のソースコードの一部、あるいはOSの仕様書みたいなもの。
だから、碑文に書かれた出来事(八相の出現とか、碑文使いの覚醒とか)が、実際に起こるのは、「予言が当たった」んじゃなくて、「プログラムが実行された」だけ。
碑文にアクセスできる者(ハロルド、モルガナ、ヘルバ、そしてもしかしたらMAMA?)は、ある程度、この世界の出来事を予測したり、あるいは意図的に引き起こしたりできるんじゃないでしょうか?
そう考えると、エマさんが遺した「詩」が、これほどまでに長期間、シリーズ全体の物語を支配し続けてる理由も、なんとなく腑に落ちる気がしません? 彼女は、ただの詩人じゃなくて、この世界の「真理」に触れてしまった、最初の「ハッカー」だったのかもしれないですね。
考察4:「リアルデジタイズ」は何のため? - 人類の進化か、宇宙の情報保存則か?
天城博士が提唱し、SchicksalやMAMAが実現しようとしてる「リアルデジタイズ理論」。
人類をデータ化して、ネットワーク上に移住させるっていう、あの計画。
これ、普通に考えたら、一部の権力者が人類を支配するためのディストピア計画か、あるいは不老不死を夢見る人間のエゴの暴走に見えますよね。
でも、これも、もっと大きなスケールで見てみたら、違う意味が見えてくるかもしれないんです。
宇宙物理学の世界では、「宇宙の熱的死」なんていう、とんでもなく遠い未来の話があります。
宇宙がどんどん膨張して、エネルギーが拡散しきっちゃって、最終的には絶対零度近くまで冷え切って、何もかもが停止しちゃう…っていう終末論。
もし、生命っていう存在の本質が、「肉体」じゃなくて「情報」にあるとしたら? その情報を、いずれ消えゆく物理的な宇宙から、より安定したデジタルな領域(ネットワーク)に保存・移行させること。
それが、宇宙規模での「情報保存の法則」に従った、生命としての究極の生存戦略だとしたら…?
つまり、リアルデジタイズは、単なる人間の野望じゃなくて、宇宙における生命情報が、自らを永続させるために必然的に選択する「進化の道」の一つなのかもしれない。
MAMAの計画も、地球環境を守るため、っていうよりは、もっと根源的な、宇宙の情報保存則に突き動かされた、一種の「本能」的な行動だったりして? …もちろん、そのやり方が強引すぎるのは問題ですけどね! 人類の総意も得ずに、勝手にデータ化とか、とんでもない話ですよ! でも、その根底にある動機は、私たちが考えるよりも、もっと深遠で、宇宙的なものだったのかもしれないな、なんて。
考察5:未回収の伏線を繋げてみる - MAMA、Sophora、田中翔、そしてアウラの不在の意味
さあ、いよいよ問題の未回収伏線ですよ! MAMA! Sophora! 田中くん! これらの謎を、今までの超次元考察と無理やり結びつけて、トンデモ推論を展開してみましょう!
- MAMAの正体: 人類データ化計画を進める謎の組織。これ、特定の人間やAIの集団っていうよりは、地球、あるいはALTIMITネットワークそのものが持つ「自己調整機能」みたいなものなんじゃないでしょうか? 地球環境がヤバい! 人間が増えすぎ! このままじゃ破滅する! …ってなった時に、地球(ネットワーク)自身が、「じゃあ、みんなデータになって、一旦リセットしよっか?」って発動する、一種のガイア理論的メカニズム。だから「MAMA(母なる大地/ネットワーク)」?
- Sophoraの謎: エマさんの研究やMAMAの計画に関わるキーワード。これ、もしかしたら、生命を構成する情報の、最も根源的な「設計図」あるいは「魂のOS」みたいなものなんじゃないでしょうか? DNAよりもさらに深いレベルの、生命存在のブループリント。MAMAは、このSophoraを解析・操作することで、人類を効率的にデータ化したり、あるいは新しい形の生命体(データ生命体)を創り出そうとしてる? エマさんは、これに気づいて、危険性を訴えようとしてた…とか?
- 田中翔くんの覚醒: なぜ彼がダブルウェアに? トキオくんが「過去と繋がる」能力だったのに対して、田中くんは「未来と繋がる」あるいは「Sophoraにアクセスする」能力を持つ、次世代のインターフェースなのかもしれない。MAMAの計画に対抗するための鍵となる存在か、あるいは逆に、MAMAに利用される存在か…? 彼の覚醒は、物語が新たなフェーズに入ることを示唆してるんでしょうね。
- アウラ様の不在の意味: 女神様が完全にいなくなったことで、The World(ネットワーク)は、絶対的な管理者や守護者を失いました。これは、ある意味、ネットワークが「自律性」を獲得し、人間自身がその未来に責任を持たなければならなくなった、ということ。でも、同時に、MAMAのような「内部からの暴走」を抑える存在もいなくなった、ということでもある。アウラ様の不在は、人類にとっての「自由」であると同時に、「危険」でもある。
まさに、諸刃の剣。
今後の物語は、この「神(女神)なき世界」で、人間がどうやって自分たちの未来を選択していくか、という話になるのかもしれません。
…どうでしょう? かなりぶっ飛んだ考察だったかもしれませんけど、こうやって考えると、バラバラに見えた謎が、なんか一つの大きな「宇宙的な物語」の一部として繋がってくるような気がしませんか? しませんか。
そうですか。
まあ、これはあくまで、しがない主婦ライターの妄想ですから! でも、こういう妄想ができるくらい、.hackの世界は奥が深いってことですよ!
未回収伏線のその先へ私たちは何を待っているのか?
さて、超次元考察でひとしきり盛り上がった(私だけ?)ところで、現実に戻りましょう。
そう、あの忌々しい、しかし希望でもある「未回収の伏線」たちです。
- MAMAの計画は阻止されるのか?: 人類データ化計画、マジで実行されちゃうんでしょうか? それとも、誰かが、何かが、それを止めるのか? 止めるとして、どうやって? 武力? 対話? それとも、もっと予想外の方法で?
- Sophoraの謎は解き明かされるのか?: 生命の設計図? 魂のOS? この謎の概念が、今後の物語でどういう役割を果たすのか、めちゃくちゃ気になりますよね! これが分かれば、生命とか意識の謎に、一歩近づけるかもしれない…。
- 田中翔くんの運命やいかに!?: ダブルウェアとして覚醒した彼。新たな主人公になるのか? それとも、悲劇的な運命を辿るのか? 彼が持つ能力が、物語をどう動かすのか、目が離せません。そらちゃんとの関係も気になるところ。
- エマ・ウィーラントの真実: 彼女は本当にただの詩人じゃなかったのか? 彼女の研究は何を目指していたのか? ハロルドとの関係は? もしかしたら、彼女自身が、MAMAやSophoraの謎を解く鍵を握ってるのかも?
- そして、アウラ様は…?: 本当にもう、出てこないんでしょうか? 力を失ったとはいえ、完全に消滅したわけではないはず。陰から見守るだけ? それとも、最後の最後で、また何か奇跡を起こしてくれる? …個人的には、また元気な姿を見たいんですけどねぇ。
これらの謎が解き明かされる日を、私たちはもう13年も待ち続けてるわけです。
正直、もう諦めかけてる人もいるかもしれない。
でもね、希望は捨てちゃいけないと思うんですよ!
だって、開発元のサイバーコネクトツーの松山社長が、ずーっと「諦めてない!」「必ず復活させる!」って言い続けてくれてるんですから! この熱意、信じたいじゃないですか! 水面下では、きっと、何かが動いてるはず…! そう信じたい! (と、自分に言い聞かせる日々)
2022年にはシリーズ20周年も迎えて、G.U.のリマスターが出たり、ちょっとしたお祭り騒ぎもありました。
これでまた、新しいファンが増えて、「続きは!?」っていう声が大きくなれば、きっと…きっと…!
The Worldへの扉は、まだ開いている(と信じたい)!おわりに
ふぅ…。
なんだか、一人で熱く語りすぎちゃいましたね。
すみません、.hackのことになると、つい長年の想いが溢れちゃって。
それにしても、こうして改めて振り返ってみると、.hackシリーズって、本当にすごい物語だったんだなぁって、しみじみ思います。
ただのゲームの話じゃない。
私たちが生きてるこの現実と、これから訪れるかもしれない未来について、たくさんのことを考えさせてくれる。
楽しいだけじゃなくて、怖くて、切なくて、そして、どこか温かい。
そんな物語。
仮想と現実の境目がどんどん曖昧になって、AIが当たり前のように隣にいる時代になった今だからこそ、この.hackの物語が持つ意味は、むしろ大きくなってるんじゃないかって思うんです。
この記事を読んで、「ああ、そんな話だったなぁ」って懐かしく思ったあなたも、「へぇ、なんか面白そうじゃん」って興味を持ってくれたあなたも、ぜひ、もう一度(あるいは初めて)、この深淵なる「The World」の世界に触れてみてほしいなって思います。
ゲームをプレイするもよし、アニメを観るもよし、小説や漫画を読むもよし。
きっと、あなただけの発見や、心に響く何かが、見つかるはずですから。
そして、いつか…本当にいつか、あの「Thanatos Report」の続きが、語られる日が来ることを、一緒に待ち続けませんか? MAMAとの決着を、Sophoraの謎の解明を、田中くんの活躍を、そして、アウラ様の安らかな微笑みを、この目で見届けるその日まで。
The Worldへの扉は、きっと、まだ閉じられてはいない。
ネットワークの片隅で、私たちのアクセスを、待っているはずですから。
…たぶん! きっと! お願いします!