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グイン・サーガは打ち切り?新刊の可能性と現在の作者をチェック

「グイン・サーガ」は1979年の第1巻刊行以来、日本のファンタジー界でまばゆいばかりの存在感を放ち続けている超長編ヒロイック・ファンタジー小説です。

正伝130巻に達するまで筆を止めなかった作者・栗本薫(本名:今岡純代)の没後、

「打ち切りか?」

と噂された時期もありました。

けれども実際には、他の作家たちが物語を受け継ぐ形で刊行が続いており、現在も新刊が発表されています。

いったい何が真実なのか。

『グイン・サーガ』は本当に終了してしまったのか、それとも今なお続いているのか。

結論から言えば、「打ち切り」などではなく、刊行ペースこそ遅いものの正真正銘“継続中”のシリーズです。

本記事では、栗本薫が描き出した壮大な世界観から、後を継いだ五代ゆう氏らの執筆状況、そしてファンのリアクションや今後の見通しまでを一挙解説。

非常に長い物語だからこそ、

「途中で止めないで!」

というファンの声や、

「いったいいつ完結するんだ」

という悲喜こもごもが入り乱れています。

その辺りを思いきり深堀りしながら、最新の刊行事情や作品の魅力をお伝えします。

長文ですが、旅のお供にお茶とクッキーでも用意して、ぜひ最後までお付き合いください。

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圧倒的な長さと濃密さグイン・サーガとは何か?

とにかく“桁外れ”のボリューム

「グイン・サーガ」の大きな特徴は、なんといっても巻数の多さ。

1979年に第1巻『豹頭の仮面』が刊行され、当初は

「全100巻で完結する予定」

と公言されていました。

しかし、作者・栗本薫の創作意欲が火力全開で燃え盛った結果、

「やっぱり100巻じゃ終わらない」

とあっさり計画を上回り、ついには正伝130巻に達しました。

さらに外伝も20巻以上。

これほど巻数を重ねていながら、なお未完だったという点がまず破格です。

世界最大級の長編ファンタジーを謳うだけあり、物語の舞台は広大な中原(ちゅうげん)を中心に、周辺地域へと広がります。

戦乱、愛憎、政治劇、神話の薫りが色濃く漂う怪異、そしてダークファンタジー的な不気味さも含まれているなど、要素がてんこ盛り。

ここまで素材を積み重ねれば、本来どこかで頭打ちになりそうですが、なぜか「グイン・サーガ」はすいすい先へ進んでしまう。

それが本作の魔力とも言えます。

主人公は“豹頭”の戦士

この物語をリードする象徴的存在が、頭部がヒョウで身体が人間という“豹頭の戦士”グインです。

筋肉隆々、しかし記憶喪失で、どこから来たのかもわからない――そんな謎を背負った主人公が、さまざまな運命を巻き込みながら世界を舞台に活躍していきます。

豹の顔+人間の身体

という時点でインパクト大。

1970年代末の刊行当時、これほど大胆なキャラクターデザインを表紙や挿絵で打ち出した作品は珍しかったでしょう。

また、グインだけでなく「リンダ」や「レムス」といった主要キャラクター、あるいは敵対者・謎の魔道士・王家の血統を引く者たちも、章ごとに視点を変えながら多面的に描かれます。

主要人物だけで軽く数十名はいるのが当たり前という大河ドラマ的構成が、“読むのが大変そう”という先入観を与えがちです。

それにもかかわらず、

「やめられない、止まらない」

とハマる人が続出したのは、やはり作者・栗本薫のストーリーテリング能力が強烈だったからにほかなりません。

累計発行部数3300万部超

さらに「グイン・サーガ」は、累計発行部数が

3300万部を超える

という途方もない数字でも知られています。

国内で長く売れ続けるファンタジー小説としてはトップクラス。

ギネス記録の申請も検討されたとされ、まさに“世界最長の単一作家による小説シリーズ”ともいわれました。

これだけの大プロジェクトを一人で回していた栗本薫もすごいですが、読者がそれを支え続けていた事実もあわせて凄まじい。

なぜなら、刊行ペースがかなり速かったからです。

ピーク時には年間に何冊も出ていました。

ファンからしてみれば

「また新刊が出た!」

と追いかけるのが大変なくらい。

とはいえ、そんな猛スピードで筆を進めていた栗本薫も2009年に膵臓癌で亡くなり、シリーズが宙に浮く事態へと突入します。

なぜそんな噂が広がったのか栗本薫の死去と“打ち切り”説

栗本薫が築いた遺産

もともと「グイン・サーガ」は、作者・栗本薫のライフワークでした。

栗本薫という作家はSF、ミステリー、ホラー、BLなど多彩なジャンルに手を広げた“超”が付く多作家として有名。

特に「グイン・サーガ」に関しては

「自分が生きているうちは書き続ける」

と明言していたとも伝えられます。

実際、彼女の没時点で正伝130巻と外伝22巻が刊行されていますが、物語は明らかにまだ終わっていませんでした。

「全100巻で終わり」としていた構想が大幅に超過していたにもかかわらず、主人公グインの本当の出自や主要キャラの運命など、多くの謎が未解決だったのです。

だからこそ2009年5月に栗本薫が56歳の若さで逝去し、「グイン・サーガ」は未完のまま中断。

ファンの間では

「このまま打ち切りになってしまうのか?」

という声が爆発的に増えました。

なにせ当時は続巻が出る気配がなく、作者本人がもういないのだから「もう書けない=終了」と思うのが自然です。

一時期情報の空白が続いた

2009年12月には、彼女が書き残した原稿をまとめた第130巻『見知らぬ明日』が刊行されました。

これが栗本薫の事実上の遺作です。

130巻という節目の数字も手伝ってか、「これで打ち切り(=完)」という受けとめ方をする読者が多く、ネット上でも

「残念ながら未完で終わった」

「グイン・サーガついに打ち切り」

などといった書き込みが散見されるように。

当時、出版元の早川書房は表立って「この先も続ける」と大々的に広報していたわけではなく、ファンにとっては情報不足。

約4年近く大きな動きがなかったので、余計に不安が拡大していったのです。

出版社の決断シリーズは終わらせない

後継作家を立てる

ところが、2013年ごろ、早川書房を中心とした「グイン・サーガ続編プロジェクト」がいよいよ稼働を始めます。

栗本薫が生前

「もし自分に何かあったら、この物語を誰かが継いでくれてもいい」

と語っていたとされ、それを出版社や遺族が尊重する形を取ることになったのです。

ここで起用されたのが五代ゆう氏と宵野ゆめ氏という、いずれもファンタジー執筆に実績のある作家。

  • 五代ゆう氏: 第4回ファンタジア長編小説大賞を受賞した作家で、軽妙なタッチから濃厚なファンタジーまで幅広く手掛けてきた人物。
  • 宵野ゆめ氏: 栗本薫の直弟子にあたる存在とも言われ、生前から執筆指導を受けていたことが公表されています。

この二名が交代で本編を引き継ぎ、新たな視点で「グイン・サーガ」を書く方針が打ち出されました。

結果として2013年11月に五代ゆう氏の第131巻『パロの暗黒』、同年12月に宵野ゆめ氏の第132巻『サイロンの挽歌』が刊行され、物語が再び動き出すことになります。

これにより、

「打ち切り確定じゃないの?」

という噂は一旦払拭され、

「あ、続くんだ!」

という安堵と驚きがファンに広がりました。

打ち切りでなく“書き継ぎ”だった

このように、栗本薫没後もしっかり刊行継続が決まったという事実こそが、「打ち切り説は誤情報である」ことの証拠になります。

実際、「打ち切り」とは出版社や作者がもう続編を出さないと公式に決定すること。

しかし、早川書房はむしろ「続けよう」と決断していたわけで、雑誌やニュースサイトでも「『グイン・サーガ』、後継執筆者によって再開!」などと報じられました。

これ以上ないほど明確に「続行」です。

五代ゆう氏と宵野ゆめ氏第131巻以降の刊行リレー

二人三脚の執筆体制

「グイン・サーガ」は131巻以降、しばらくのあいだ五代ゆう氏と宵野ゆめ氏が交互に本編を担当するという方式を取りました。

たとえば

  • 131巻:五代ゆう
  • 132巻:宵野ゆめ
  • 133巻:再び五代ゆう

といった具合で、交替執筆です。

これは「栗本薫が生前に残したプロットや構想メモ」をうまく活かしつつ、それぞれの得意分野を分担する狙いがあったともいわれています。

ところが、この2人体制にも徐々に変化が起きます。

宵野ゆめ氏の離脱

2017年頃を境に、宵野ゆめ氏は「グイン・サーガ」本編の執筆から離脱し、

141巻以降は五代ゆう氏が単独

で物語を引っ張る形になりました。

詳しい経緯は公表されていませんが、インタビューなどからは

  • 執筆スタイルの違い
  • 栗本薫が残したプロットが底を突いたあとの方向性

など、いくつかの要因が想像されています。

いずれにしても、131~140巻あたりは2人体制による刊行が続いたことが“再開の大きな弾み”となりました。

そして五代ゆう氏がバトンを受け継ぎ、141巻以降はまさに“グインの世界を一人で背負う”状況へ移行していくのです。

「やはり打ち切り?」と囁かれる事情再びペースダウン

栗本薫時代の刊行速度は異次元

まず前提として、栗本薫の執筆速度が超人的だったのは有名な話です。

ピーク時には1年間に正伝で5~7冊もの新刊を出していたというから恐れ入ります。

これだけ勢いよく進めば130巻に届くのも納得できるでしょう。

一方、後を継いだ五代ゆう氏(あるいは宵野ゆめ氏)には、当然そのペースを維持することは難しい。

二人とも別作品や別の仕事を抱えている状況ですし、単に

新たな構成を模索しているから時間がかかる

という事情もあるでしょう。

結果として、

「年に1冊出ればいいほう」

という刊行ペースに落ち着きました。

2年以上のインターバルで「また打ち切り?」

五代ゆう氏が単独で執筆するようになってから、特に刊行間隔が伸びがちです。

たとえば

  • 147巻(2020年7月刊)→148巻(2022年11月刊)
    この間に2年4か月ものブランクがありました。
  • 149巻(2024年6月刊)→150巻(2025年予定)
    ここも1年近いインターバルが想定されます。

読者からすると

「音沙汰がないし、もう終わった?」

と不安になるのも仕方ありません。

「シリーズが打ち切りになったのかも」

という噂が再浮上するたび、あとがきや作者コメントで

「書けない時期があっただけで終わりではない」

と弁明される――という繰り返しになっています。

150巻『ルアーの決断』に注目新刊はいつ出る?

149巻まで刊行済み、次は2025年予定

現行の情報として、2024年6月に本編149巻『ドライドンの曙』が発売されました。

そのあとがきには

「次巻は2025年を目途に、第150巻『ルアーの決断』を出す予定」

という旨が書かれています。

これが今のところ確定した最新の刊行見通し。

「ルアー」というキャラクターや地名がどのように物語のキーとなるのか、ファンの間で考察が盛り上がっているようです。

ただ、発売時期の明確な月日はまだ分かりません。

2025年といっても初頭なのか年末なのか、五代ゆう氏が「ちょっと筆が重いから遅れます」となるかもしれない。

そうした見通しの立たなさも「焦らされている感」を増大させる理由です。

150巻で完結するわけではない?

ファンがしばしば気にするのは

「切りのいい150巻で終了するんじゃないか」

という噂。

確かに大台の巻数なので

「ここで終わるなら終わってほしい」

という希望的観測も見られますが、作者や出版社は「150巻で完結」などと一言も言っていません。

むしろ、栗本薫が残したプロットは131~135巻あたりで大体消化しきり、141巻以降は新たな展開をゼロから生み出していると言われています。

そう考えると、「150巻で完結」はあまりに急すぎる印象があるでしょう。

10巻先、20巻先、あるいはもっと先まで続く可能性も十分あり得ます。

五代ゆう氏はどうしている?現在の作者

執筆の重圧

「グイン・サーガ」という巨大な世界観の“新たな主”になった五代ゆう氏。

インタビューやあとがきなどでは度々、

膨大な設定と登場人物を引き継ぐ大役の重さ

に言及しています。

  • 過去の整合性をすべて把握しなくてはならない
  • メインキャラだけでなくサブキャラまでファンが思い入れを持っている
  • 栗本薫の文体やノリを尊重しながら、現代的な感覚も取り入れたい

想像するだけでもプレッシャーは相当なもの。

おまけに、実質的に作家人生をほぼ「グイン」に捧げる覚悟で書かなければ終わらないかもしれない――という状況ですから、「筆が重くなる」という表現も理解できる話です。

SNSやあとがきで語られる“書けない時期”

五代ゆう氏のあとがきやSNS投稿では、148巻や149巻が刊行されたタイミングで

「しばらく書けない時期が続いていましたが、なんとか書き上げました」

というメッセージが散見されます。

これはいわゆるスランプともいえそうですし、“本当に終わらない物語”を紡ぎ続ける不安も大きいはず。

ファンの多くは

「焦らずに書いてほしい」

「遅くてもいいから完結してくれ」

と温かい言葉を送りますが、それでも執筆ペースの落差が

「また打ち切りでは?」

という誤解を生む原因になっているのも事実です。

ファンの反応「もう未完でいい」「いや最後まで頼む」の温度差

日本国内の読者コミュニティ

日本のファンコミュニティは根強く、

「とにかく続けてほしい!」

という声が圧倒的に多いようです。

とくに2020年代以降のSNSや読書レビューを見ると、刊行遅延を嘆きつつも

「出たら買う」

「いつまでも追いかける」

というコメントが散見されます。

その一方で

「やっぱり栗本薫の時代とはキャラの口調が違う」

「もうあの熱量は戻らない」

と少し寂しさを口にするファンも存在。

作者が変わった作品の宿命ですが、これを“公式二次創作”と割り切って楽しむ向きもあります。

いずれにせよ

「完全に打ち切るぐらいなら、一歩ずつでも刊行してくれるほうが嬉しい」

というスタンスが多数派でしょう。

「いっそ未完のままでも伝説では」という声

とはいえ、中には

「ここまでくると永遠に完結しないんじゃないか」

「もう伝説の未完作品として放置していいのでは」

といった意見もあります。

連載が長すぎるゆえに、読者側も体力を奪われがちなのです。

「巻数が多すぎて挫折した」

という人も珍しくない。

とはいえ、このシリーズに少しでも未練がある読者は

「なんだかんだ言いつつ続きが気になる」

という絶妙な中毒性にハマっているのが実際のところ。

新刊が出れば、やはり手に取ってしまうわけです。

海外ファンはどう見ている?

英語圏では翻訳が一部しか出ておらず、

130巻までが事実上の完結

という認識をしている人も多いです。

「それ以降の巻は日本語でしか読めないし、別作家によるものなら本家とは違うだろう」

という、やや辛口な見解も散見されます。

ただ、日本のファンコミュニティほどの熱狂度は高くないものの、“作者逝去後に続編が出るケース”は海外でもある程度注目される話題。

海外のマンガ・ラノベファンにとっては「ベルセルク」などとの比較で語られることもあります。

やっぱり刊行ペースの不確定さ打ち切り説を拭えない最大の要因

まとめると、ファンが

「グイン・サーガは打ち切りなのか?」

と定期的に疑問を抱く原因は、「目に見える動きがしばらく途絶える」ことにあります。

年単位で新刊情報が全く出てこないと、本当に終わったかのように感じてしまうもの。

しかし、出版社や作者の公式コメントを見る限り、「終わりにする」予定は立てていません。

むしろ、時間はかかるが書き続けたいという姿勢が伝わってきます。

ここが“事実上の終了”と“公式な継続”のギャップを生むポイントでしょう。

何年かに一度「次巻の準備中です」と案内があればファンも安心できるのですが、現実はそうスムーズにはいかないようです。

未完であることを超越した作品の魅力それでも読んでしまう!

なぜ人は“終わらない物語”に惹かれるのか

多くの読者が「グイン・サーガ」から離れられない理由として、

「とてつもなく大きな世界観の渦に巻き込まれる感覚がクセになる」

という声がよく聞かれます。

  • 数え切れないほどの国と勢力が存在し、それぞれが複雑な政治構造を抱えている
  • 主人公だけでなく、周辺人物のドラマも濃厚で、ひとりひとり掘り下げると何巻も費やせてしまう
  • ファンタジー要素の中に人間ドラマがあり、そこから見える人間模様は実にリアル

どこを切っても新しいストーリーが出てきそうな“創作の金鉱脈”みたいなもの。

それが

「完結していないからこそ、まだまだ可能性が広がっている」

という見方もできるわけです。

確かに、打ち切りや完結が決まっていれば

「ここまでで終わりだな」

となるところが、

「まだ続きがあるかも…」

という期待を抱かせる分だけ幸福でもあるかもしれません。

登場人物・キャラクターの奥深さ

「グイン・サーガ」を語るうえで外せないのがキャラクターの魅力です。

主人公グインの謎に満ちた存在感はもちろん、リンダやレムスといった若い王族の成長、スカールやイシュトヴァーンといった強烈な個性の持ち主との出会い、ライバル関係…

などなど、書こうと思えば無限に書けそうなほど登場人物が多彩。

そして彼らが数十年かけて成長や変化を遂げるからこそ、ファンは

「また会いたい」

「次はどう絡むの?」

と先の展開に期待してしまいます。

さらに言うと、このキャラクター同士の関係が複雑に交錯する群像劇は、時に一人称視点がガラッと変わり、読者に新たな発見をもたらす仕掛けになっています。

作者が複数になると、キャラ解釈にズレが生じるリスクもありますが、それを

「二人の作家の視点が合わさることでさらに広がった」

とポジティブに受け止める読者もいるようです。

ダークファンタジーやホラー要素も

「ヒロイック・ファンタジー」と銘打たれていますが、実はダークでグロテスクな描写、ホラーじみた怪奇現象のエピソードも少なくありません。

それが作品世界に緊張感を与え、同時にキャラクターの“光と闇”を際立たせる効果を生んでいます。

たとえば魔道士たちの邪悪な儀式や、獣人の群れ、あるいは中原に渦巻く呪いめいた出来事が、王朝の政治闘争と結びつくなど、ひと筋縄ではいかない展開が読者を飽きさせないのです。

ほかの大作ファンタジー作品と比べる

「ベルセルク」や「アルスラーン戦記」との比較

日本には他にも“長期連載”のファンタジーが存在します。

例えば漫画の「ベルセルク」は作者・三浦建太郎氏の逝去後、

アシスタントらが意思を継いで連載を続ける

という動きを見せており、これは「グイン・サーガ」とよく比較されます。

「作者が亡くなった後、作品はどうなるのか」

という点で似ているからです。

また、小説としては田中芳樹「アルスラーン戦記」もやはり長期にわたって刊行が止まったり動き出したりを繰り返しており、ファンのやきもき具合が似通っている部分があるかもしれません。

もっとも、「アルスラーン戦記」は原作者が健在で再開したケースなので、「作者不在の続編執筆」とはまた異なる構図でしょう。

海外の「時の車輪(ホイール・オブ・タイム)」や「氷と炎の歌」

海外でもロバート・ジョーダンの「時の車輪(ホイール・オブ・タイム)」は作者の死後、ブランダン・サンダースンが引き継ぎ全14巻+前日譚を完結させました。

これは

作者死去→別作家が意思を継いで完結の好例

とされ、国内外のファンから評価されています。

ただし、ロバート・ジョーダンは死の直前に大量のメモや結末構想を緻密に残していたことが大きかったそうです。

一方、「氷と炎の歌」(いわゆる『ゲーム・オブ・スローンズ』原作)も作者ジョージ・R・R・マーティンの執筆が長らく滞っており、

「ファンが年単位で待ち続けている」

「完結するのか?」

という話が常に囁かれています。

完結を迎える前に作者が高齢になってしまうという点も、「グイン・サーガ」の状況とどこか重なる部分があり、世界規模で「超長編の宿命」を感じさせる事例ですね。

ここで改めて言おう結論は「打ち切りではない。続いている。」

いろいろな観点を述べてきましたが、

「グイン・サーガは打ち切りか?」

という問いへの最終的な回答は、ずばり以下のとおりです。

打ち切りではない

131巻以降も最新149巻まで刊行が続き、2025年の150巻刊行予定までアナウンスがある。

出版社が「もうやめる」と言っていない。

完結はまだ先が長い

栗本薫が残したプロットはすでに大方消化され、141巻以降は新たな構想で綴られている。

よってゴールがいつになるかは不透明。

刊行ペースが遅いので“打ち切り”に見えがち

年単位のブランクが時々生じ、情報不足でファンが混乱するのは事実。

ただ、著者(五代ゆう氏)は「書き続けている」と明言している。

 

つまり、

「まだ物語は途切れていないけれど、めちゃくちゃゆっくり進行している」

というのが実情です。

ある意味では

「下手な打ち切りよりも長く続いている」

のだから、ファンにとって嬉しい悲鳴かもしれません。

もちろん、

「早くどうにか完結して!」

という切実な声も大きいですけれども。

果たして完結はあり得るのか今後の展望

作者や出版社に“完結目標”はあるのか

公式から明確な発言はありませんが、これまでの流れを見れば

「いつか完結させたい」

という意志そのものはあるでしょう。

五代ゆう氏のインタビューなどでも

「この物語を完結へ向かわせることが、自分の使命」

というニュアンスが語られています。

ただし、現実問題として「あと何巻で終わるか」は誰にもわからない。

  • 刊行ペース:1~2年に1冊
    仮にここから10冊出すだけでも10~20年かかる計算になります。
  • 物語の核心はまだ解決していない
    豹頭の秘密、主要国同士の大規模な決戦など、ファンがずっと待ち望んでいる完結のクライマックスまでには、相当ボリュームが必要に思われる。

このあたりは「作者の体調と執筆意欲次第」という、とても人間的な問題に行き着くのもまた“超長編あるある”です。

健康で書き続けられれば、あと何十巻でもいけるのかもしれませんが、現実にはそう甘くない事情が多々あるでしょう。

それでも最後まで見届けたいファンの声

ネットを見ていると、

「ずっと読み続けるから、どうか最後まで書いてほしい」

「もう息子や娘に引き継いでもいいから結末を見届けたい!」

という読者の声がちらほら。

まさにファミリー総出で追いかけるレベルの長寿コンテンツとなっています。

かつて『グイン・サーガ』が30~40巻台だったころから追っている読者にとって、完結まで漕ぎつくことは半ば人生の目標に近いかもしれません。

いくら刊行ペースが遅かろうが、出れば買う。

出なきゃ待つ。

それが長期シリーズにおけるファンのスタンスなのです。

新規読者にとっての参入ハードルと楽しみ方

巻数が多すぎて…という不安

これだけ巻数があると、

「いまから読み始めるのは無理では?」

と思う人も多いでしょう。

確かに一気に130巻+外伝を読むのは大変ですが、現代なら電子書籍でまとめ買いすることも可能ですし、図書館などでも所蔵している場合があります。

1巻ずつ少しずつ読んでいく

という楽しみ方で数年かけて追いつくファンもいます。

また、五代ゆう氏いわく

「どの巻から読んでもわかるように意識している」

とのことなので、比較的区切りのいい巻から飛び込んでみる方法もアリでしょう。

おすすめの読み方

  • 最初の三巻だけ読んでみる
    第1巻『豹頭の仮面』、第2巻『荒野の戦士』、第3巻『ノスフェラスの戦い』あたりは導入としてストーリーが連続しており、世界観をざっくり掴みやすい。
  • 有志のガイドやあらすじサイトを活用する
    ネット上にはファンがまとめた「グイン・サーガ読本的なサイト」や年表があり、それを参照しつつ気になる巻をチェックする手もある。
  • 最新巻を読んだうえで過去にさかのぼる
    新刊の展開に興味が湧いたら、そこで語られている過去の伏線がどこにあるかを調べていくうちに、どんどん世界にハマるパターンもある。

超長編というだけで二の足を踏むかもしれませんが、ハマったときの没入感は絶大です。

時間の許す限り、ゆっくりでも読み進めれば必ず魅力を感じられるでしょう。

打ち切り説と現状を振り返る

ここまで「グイン・サーガ」の歴史と最新事情を網羅的に解説してきました。

要点をあらためて振り返ると、以下のようになります。

  1. 「グイン・サーガ」は打ち切りではない
    • 作者・栗本薫が亡くなったあとも、五代ゆう氏をはじめとする後継作家が継続執筆。
      2024年6月に149巻、2025年には150巻刊行予定。
  2. 刊行ペースが大幅に落ちているため、誤解が生じる
    • 栗本薫時代は年間5~7冊出ていたが、今は1年~2年に1冊程度。
      そのインターバルが「終了した?」という不安を生む。
  3. 物語自体はまだ完結していない
    • 終盤の鍵となる伏線や核心的謎が残ったまま。
      作者や出版社が完結巻数を明言していないので、まだ続く見込みが強い。
  4. 続編執筆には重責と難しさが伴う
    • 五代ゆう氏は「書けない時期があった」と吐露しており、これがブランクの原因になる。
  5. ファンは「このペースでも続くなら嬉しい」という意見が多数
    • もちろん「早く完結を」と思う人もいるが、打ち切りはもっと避けたいという層が圧倒的に多い。

気長に付き合う、情報を追う読者ができること

定期的な新刊チェック

「グイン・サーガ」新刊情報は、早川書房の公式サイトやSNS、あるいは五代ゆう氏のXなどでアナウンスされる場合があります。

ときどきネット検索をしてみるだけでもいいし、大手通販サイトの予約情報をウォッチする方法もあるでしょう。

年に一度くらい、

「そういえばグインの続きは?」

と調べるのが習慣になっている読者も多いようです。

ファンコミュニティでの情報共有

発売前に書店関係者から漏れ伝わるタイトル情報、雑誌連載などは現時点ではありませんが、まれに

「来月あたりに新刊出るっぽい」

という噂がファンの間で流れることがあります。

ただ、その真偽は公式発表以外はあまりあてにならないので、最終的には出版社の告知を待つのが確実でしょう。

さらにディープな“グイン・サーガ”世界を楽しむ方法

外伝や関連本に触れてみる

正伝130巻だけでなく、外伝も20巻以上存在します。

スピンオフ的なエピソードや前日譚、脇役の過去が描かれているものなど、世界観を深める要素が満載です。

さらに「グイン・サーガ・ハンドブック」「グイン・サーガ読本」といった解説書も刊行されており、初期におけるキャラ相関図や設定を知るうえで非常に便利。

ただ、外伝も合わせて全巻読むとなると凄まじいボリュームになるので、気になるところをつまみ食いしてから正伝に戻るなど、工夫して楽しむのもアリでしょう。

アニメ版やその他メディア展開

実は「グイン・サーガ」はアニメ化もされており、2009年に全26話が放送されました。

これはシリーズ冒頭~序盤のある区切りまでをアニメ向けに再構成したもので、書籍を全部読むのは大変という人にとって入口になり得るかもしれません。

ただし、アニメで描かれているのはホンのさわり程度。

膨大なエピソードのほんの一片にすぎず、「続きを知りたければ原作へ!」となります。

また、舞台やゲーム関連の動きはさほど活発でない印象ですが、グッズやイラストレーション集など、かつてはファン向けにいくつか関連書籍が発売されています。

どうすれば“グイン・サーガ打ち切り説”に惑わされずに済むか

公式ソースをチェックする

打ち切り説はほぼ憶測や誤解から生まれています。

刊行予定は早川書房や五代ゆう氏が何らかの形で公表していますので、ときどき確認するだけで「今も続いてるんだ」とわかります。

書店サイトで検索しても、新刊の予約情報が出てくることがあるので「実際に予定がある」ことがすぐわかるでしょう。

ファン同士の情報交換は参考程度に

ファンコミュニティは愛と熱にあふれていますが、ときには誤情報も混じります。

特に

「次巻は×月発売らしい」

という根拠薄いリークが広まり、結局出ずに失望する例がありました。

最終的には公式発表で裏付けを取るのが鉄則です。

ペースが遅いからといって悲観しすぎない

何度も述べてきたように、刊行間隔が数年空いても

「本当に終わったわけではない」

というのが「グイン・サーガ」の常態です。

むしろ、

「ああ、いつもの感じか」

と慣れてしまうのがファン流。

一度この境地に達すると、打ち切り説など微動だにしない“達観の精神”が身に付きます。

未完の超大作はまだ止まらないまとめ

ここまでの議論を総合すれば、「グイン・サーガ」は

打ち切りではなく今も絶賛継続中

という結論が明白になります。

以下、ポイントをもう一度整理しましょう。

  • 作者・栗本薫の死去(2009年)後、一度は宙に浮いたが、2013年に本編が再開
  • 131巻以降は五代ゆう氏・宵野ゆめ氏による交代執筆 → 現在は五代ゆう氏単独で進行
  • 刊行ペースは大幅にスローダウンし、2年ほど空くこともある
  • 2024年6月に149巻、2025年には第150巻『ルアーの決断』が刊行予定
  • 完結は見通せず、まだまだ続きそう

“完結が見えないシリーズ”であるがゆえに

「打ち切りになったの?」

という噂が度々浮上しますが、実態としては粛々と刊行が続いているわけです。

確かに刊行のたびに数年を要するため、

「グイン・サーガ、今どこまで出てるの?」

という疑問が起きても不思議ではありません。

しかし、その遅さも含めて「グイン・サーガ」らしさになりつつあるのが面白いところ。

グイン・サーガは貴方を待っているさらなる読書の旅へ

もしあなたが

「超長い小説シリーズを読みたい」

「濃厚なファンタジーにどっぷり浸りたい」

と感じているなら、このシリーズは格好の候補です。

特に以下のような人におすすめかもしれません。

  • 壮大な世界観に溺れたい
    中原の地理・歴史・勢力図はかなり緻密。
    キャラ同士の関係性も膨大なので、底なしに探索しがいがあります。
  • ダーク要素・政治劇が好き
    王宮の陰謀、魔道士の黒い呪術、血統をめぐるドロドロした争いなど、“剣と魔法”だけではないアダルトな魅力があります。
  • 好きなキャラを見つけたい
    グインだけでなく、リンダやレムス、イシュトヴァーン、スカール、その他多数の個性豊かなキャラが入り乱れます。
    推しを見つけると、長期シリーズでも読破がはかどります。
  • 打ち切り云々よりも“まだ続く”喜びを味わいたい
    長期連載ファンタジーに特有の
    「次はいつかな?」
    というワクワク。
    完結していないからこそ感じられる期待感や妄想も、醍醐味のひとつです。

ここまで読んだあなたへ一言

「グイン・サーガ」が打ち切りだという噂は、刊行の遅れと作者変更の特殊事情が重なった結果にすぎません。

実際には、未だ書き継がれている壮大なる物語。

それゆえに、ときに疲れるほど長大で、ときにお腹いっぱいの情報量ですが、ふと「豹頭の戦士」の一歩一歩を追いかけたくなる魅力を放ち続けています。

遅筆だろうが時間が空こうが、とりあえず新刊が出たら

「お、まだ続いてるんだ!」

と手に取れる幸福感こそが、グイン・サーガファンの醍醐味。

あなたもその旅路に飛び込んでみませんか?

もし

「途中までしか読んでいない…」

という人は、この機会に再チャレンジしてみるのもいいでしょう。

五代ゆう氏が「どの巻からでも楽しめるように」と配慮しているようなので、久々に戻ってみたら意外とすんなり入れるかもしれません。

そろそろアフタヌーンティーでも用意して、ゆったりと「豹頭の仮面」を再読してみる。

そんな贅沢な読書時間が、もしかしたら今のあなたにぴったりかもしれません。

そこから数年かけて150巻やその先を目指す――気が遠くなるようで、でもワクワクする冒険です。

打ち切りなんてとんでもない。

その“物語の螺旋”はまだまだ続くのですから。

余談超長編ファンタジーの宿命

最後に、超長編作品全般に言えることを一つ付け加えましょう。

長期にわたる物語には良い面もあれば悪い面もある。

中断や再開、作風の変化、作者交代など、普通では考えられない波乱を経験しやすいんですね。

ファンはファンで、そのたびにやきもきしながら追い続ける。

しかし同時に、そこには“物語とともに生きる”という深い味わいがあります。

10代から読み始めた人が、結婚して子どもができてもなお「新刊まだ?」と楽しみにしている。

そんな読者は世界でもそう多くはないでしょう。

まさに人生の一部と化した作品こそ、この「グイン・サーガ」なのです。

未完ゆえのロマン、そして

書き継いででも完結を目指す

という意志こそが、この作品を“終わらない伝説”へと押し上げています。

どうかこの魅力、あなたも一度味わってみてはいかがでしょうか。

もし誰かが

「え、グイン・サーガって打ち切りになったんじゃないの?」

と聞いてきたら、こう答えてください――「まだ続いているし、最新刊も予定されているよ。むしろ終わる気配は全然ない!」と。

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