注意ポイント
この記事は『地面師たち ファイナル・ベッツ』のネタバレを含みます。
未読の方はご注意ください!
こんにちは、月曜から金曜まで朝7時の満員電車で吊革に掴まりながら、視界が揺れてもなお読書に勤しむアラフォーライターです!
今日は話題の『地面師たち ファイナル・ベッツ』を徹底解説しちゃいます。
Netflix化で一気に知名度が上がった『地面師たち』の続編が出たと聞いて、わたし、即座に本屋に駆け込みましたよ!実はわたし、詐欺モノのサスペンスにめっぽう弱いんです。
まぁ、昔一人暮らしの頃、しつこい勧誘電話に
「ウチはモルモット14匹と暮らしてるけん、そういう商品は要らんばい」
って言って切った経験があるからでしょうか(注:実際には飼ってません)。
今回は新庄耕さんの『地面師たち ファイナル・ベッツ』を読み終えた感想とネタバレ解説をたっぷりお届けします。
息子が学校に行ってる間に書き上げて、同僚には「締め切り厳守の仕事」だと言い訳して、こっそりトイレでこの記事の校正をしたほどの熱の入れよう!
夫には「また変なブログ書いてるの?」と白い目で見られましたが気にしません!
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国際化した地面師詐欺の舞台シンガポールから北海道へ
『地面師たち ファイナル・ベッツ』は、前作で東京から逃亡を果たした詐欺師ハリソン山中が、再び巨大な不動産詐欺を企む物語です。
前作が実在の「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルにしていたのに対し、今回はシンガポールや北海道を舞台に大胆なフィクションとして展開され、スケールが格段にアップしています!
元Jリーガー稲田健次の転落人生
物語は「もう一人の主人公」とも呼べる稲田健次から始まります。
元Jリーガーだった彼は、裏カジノ通いがバレてチームを解雇され、タイのクラブ入団テストにも失敗。
最後の望みも絶たれ、経由地のシンガポールのカジノで残りの資金を全て溶かしてしまいます。
正直、この展開を読んだとき
「うわ、わたしの小遣いで買ったロト6も当たらなかったけど、そんなレベルじゃないなぁ...」
と思いました。
まぁ、わたしの場合は夫の両親に
「くじなんか買ってるの?」
と会計簿をチェックされるリスクがあるので300円分だけですけどね(苦笑)。
ハリソン山中の新たな野望
シンガポールで絶望する稲田を見つけたのが、前作で100億円規模の詐欺を成功させた悪の帝王・ハリソン山中。
彼は稲田を「新生地面師チーム」に勧誘し、日本へ連れ戻します。
最初の標的は北海道・苫小牧のカジノ構想(IR)でしたが、市長選で反対派が当選して計画が頓挫。
そこでハリソンは
「北極海航路によって釧路港が世界的ハブになる」
という新たな筋書きを考案します。
実際に国交省の研究レポートがあるという半分は現実味のある話を膨らませて、シンガポールの投資家を騙す作戦です。
この辺りを読みながら、わたしも思わず
「へぇ〜、北極海航路かぁ。地球温暖化の影響で...」
と検索してしまいました。
仕事中なのにスマホをチラ見する不審な30代女子社員がこちらです。
義母に「あんた仕事中にスマホなんか見てるの?」って怒られそう...。
騙す者と騙される者の心理戦
シンガポール御曹司ケビン・ウォン
今回の詐欺ターゲットは、シンガポールの大手不動産開発企業の御曹司ケビン・ウォン。
父親に
「お前はまだ力不足だ」
と言われて育ったコンプレックスの持ち主で、自分の手でビジネスを成功させたいという野心があります。
ハリソンはケビンに近づくため、美女マヤを使ってハニートラップを仕掛け、さらにケビンの大学時代の親友リュウを脅迫して共犯に仕立てます。
プライドと欲望に突き動かされたケビンは、釧路を訪れて「広大で将来性がある」と思い込み、最終的に200億円以上の土地買収を決断するのです。
これ、会社の飲み会で先輩が
「絶対儲かるから」
って誘ってくる怪しい投資話より何倍もスケールがデカいですよね。
わたしなんか
「あ、ごめんなさい!息子の習い事のお迎えがあるので...」
と逃げるのに必死なのに、200億円ですよ!
買い物依存症の私でも、高島屋のセールで散財するのは月に2万円が限度なのに(これも夫には言ってません...)。
警視庁捜査二課の女性刑事サクラ
東京では前作でハリソンに加担したものの逮捕された辻本拓海が服役中。
警視庁捜査二課では若手女性刑事・佐藤サクラがハリソン追跡の担当になります。
サクラは辻本との面会を通じてハリソンの潜伏先がシンガポールと突き止めますが、在シンガポール日本大使館職員の川久保がハリソンの内通者として虚偽情報を流すため、捜査は難航。
この辺り、わたしも
「あー、仕事でミスしたときに『部長、資料探してます!』って言いながら、実はパソコンで慌てて作り直してるのと同じような...」
と思わず共感してしまいました(こんなこと書いたら会社にバレるかな...?)。
さらに驚きなのが、サクラの行方不明だった父親がハリソン一味の協力者だったという衝撃展開!ここ、電車の中で読んでいて思わず「えぇっ!」と声を出してしまい、隣のサラリーマンに変な目で見られました。
まぁ、わたしの場合は義父と仲が良いので(料理を褒めてもらえると嬉しい)、そんな裏切りはありえませんけどね。
熊出没!?予想外の展開と衝撃のクライマックス
ヒグマ襲撃と命の危機
釧路での詐欺計画遂行中に思いもよらぬ事件が発生します。
なんと釧路近郊の森で巨大なヒグマに遭遇!菅原とその部下が殺され、稲田も重傷を負います。
ハリソンが猟銃で熊を射殺して辛うじて生き延びるという衝撃の展開です。
この場面、もう電車で読んでて「うわぁっ」ってなりました。
通勤電車で隣に座った人が「どうしました?」って声かけてきて恥ずかしかったです。
東京暮らし10年以上ですが、せいぜい都会の害獣と言えば、キッチンに現れたGくらいですよ!(夫がいない時にスリッパで必死に叩きます)。
北海道怖すぎ...!
クルーズ船での最終決戦
ハリソンは大型クルーズ船で契約の最終段階を行うようプランを変更。
ケビン・ウォンとハリソン一味は釧路港発のクルーズ船に乗り込み、船上で詐欺の"クロージング"を実行します。
契約成立後、ケビンはマヤに「付き合ってほしい」と告白しますが、マヤに拒絶されてショックを受けます。
そこでリュウが「実は俺は脅されて詐欺に加担していた」と白状。
大切な人たちに裏切られたケビンは絶望します。
そこに警視庁捜査二課のサクラら刑事たちが船に突入!匿名の通報により北海道警が察知していたのです。
マヤや宏彰は逮捕されますが、稲田は辛うじて船から逃げ出すことに成功します。
わたしもこのあたり、「あぁ〜通勤ラッシュの山手線で降りる駅を乗り過ごして必死に人混みをかき分けて逆方向に向かう時の気持ちに似てる」と妙に共感。
でも警察に追われるスリルはさすがに経験したくないですね。
丘珠空港での「ファイナル・ベッツ」
稲田は札幌市の丘珠空港でハリソンと合流し、ロシアなどへ逃亡する予定でした。
そこで稲田は「宏彰やマヤの取り分も含めて、コイントスで勝負しよう」と提案します。
タイトルの
ファイナル・ベッツ(最後の賭け)
を象徴するこの場面、稲田はコイントスに勝利しますが...ハリソンは手錠を取り出して稲田の手首をフェンスに繋ぎ、そのまま全額を持って逃亡してしまいます!
わたし、このシーンを読んで「えぇ〜!そんなの反則じゃん!」って夜中にベッドで叫んでしまいました。
夫が「どうした?悪夢か?」って起きてきて、「いや、本の話...」って言ったら「またか...」ってため息つかれました。
でもここすごい!ギャンブル狂いの稲田、最後に勝ったのに大金も自由も失うなんて...。
登場人物たちのその後と『ファイナル・ベッツ』の真の意味
逃げ切ったハリソン山中
事件発覚後、宏彰やマヤは逮捕されますが、ハリソン山中は逃亡に成功。
物語のラストでは南アフリカに渡り、新たな日本人男性に近づく姿が描かれています。
「ファイナル」と言いながら全然終わらないというこの皮肉な結末。
わたしも「え、ファイナルって言ったのに続くの?」と思わず突っ込みたくなりました。
まるで「これで最後ね!」って言いながら、毎月のボーナスの度に高級バッグを買ってしまうわたしの買い物癖みたいですね(これも夫には黙ってます...)。
賭けに勝っても人生に負けた稲田健次
コイントスに勝ったのに裏切られ、フェンスに繋がれたまま逃げられなかった稲田は警察に捕まります。
元Jリーガーだった彼の転落人生が、これ以上ない形で幕を閉じるという皮肉。
これって、子どもの頃「勝ったら買ってあげる」って言われたおもちゃのために必死にがんばったのに、親に「冗談よ〜」って言われる感覚を大人版にしたみたいな...。
まぁ、わたしが息子にやったことはないですよ!(たぶん)
詐欺被害者・ケビン・ウォンの悲劇
大金を失い、父親に顔向けできなくなったケビン。
恋も事業もすべて崩壊した彼の末路が痛々しいです。
「父を超えたい」という一心から無謀な投資に走り、すべてを失った彼の物語は、現代社会の「承認欲求の怖さ」を象徴しているようです。
正直、わたしもSNSで「いいね」がもらえないとちょっと落ち込むくらいの承認欲求はありますが、200億円の詐欺に引っかかるレベルではないです。
せいぜい息子の運動会写真を義両親に「すごく速かったでしょ!」って自慢するくらいですよ。
『地面師たち ファイナル・ベッツ』から学ぶ「騙される心理」
この小説の魅力は、詐欺の手口そのものより「人はなぜ騙されるのか」という心理描写の丁寧さにあります。
- ケビンのような「周囲から認められたい」という承認欲求
- 稲田のような「一発逆転の快感を求めるギャンブル狂い」
- リュウのような「弱みを握られると逃げられない」状況
正直、こういった弱みって誰にでもあるんじゃないでしょうか?わたしだって、30代後半からアラフォーになった今でも「いつかブログで大成功して会社辞めたい!」なんて夢見てますからね(言わないだけで)。
実は前作『地面師たち』が実在の「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルにしていたのに対し、今回はより国際的で大胆なフィクションになっています。
作者の新庄耕さんが「フィクションの度を高めてスケールアップしたい」と意図して書かれたそうです。
ただ、ヒグマが出てきて菅原らが食い殺されるシーンは「ちょっと行き過ぎでは...?」という声もあるみたいですね。
わたしなんか、東京の自宅で本を読みながらも「今日本の裏にヒグマいないよね...?」って怖くなりました。
小学2年の息子が「ママ、なんでドア二重ロックしてるの?」って不思議がるほど...。
ドラマ化への期待と最終考察
Netflixで『地面師たち』(Tokyo Swindlers)としてドラマ化された前作の評判は上々でした。
この『ファイナル・ベッツ』がシーズン2としてドラマ化されるなら、北海道ロケや熊のシーン、クルーズ船のセットなど見どころ満載になりそうですね!
個人的には、「熊のシーンをどう撮るの?」って気になります。
CGか着ぐるみか...。
着ぐるみなら、夫が会社の夏祭りで着させられたウサギの着ぐるみみたいに中の人が熱中症になりそう...。
本作の結末はカタルシスよりも後味の悪さが際立ちますが、それこそ「地面師シリーズ」の魅力なのかもしれません。
ハリソン山中は南アフリカでまだ次の詐欺を企んでいて、辻本拓海は獄中からの復讐を誓い、サクラはリベンジを狙う...。
この「まだ終わらない」感じが、続きを読みたくなる一番の理由ですね。
実は先日、副業のウェブライターとして仕事をいただいた企業の方から
「うちの不動産投資セミナーに来ませんか?」
って誘われたんですよ。
この本を読んだ後だったので、思わず
「ハリソン山中さんじゃないですよね?」
って冗談言っちゃいました(幸い笑ってくれましたが...冷や汗)。
そんなわけで、『地面師たち ファイナル・ベッツ』は一度読み始めると止まらない、スリリングな展開と人間ドラマが魅力的な作品です。
でも結末の後味の悪さに注意してくださいね!わたしなんて、読了後に
「ハリソンってほんとに捕まらないの?」
って夫に愚痴ったら
「それ、フィクションだよね?」
って呆れられました...。
みなさんも、「大金が転がり込む話」には要注意ですよ!あ、でもこのブログ経由で広告収入が大量に入ってきたらちょっと嬉しいかも...(これって詐欺願望?)。
あとがき
この記事を書いている間に3回も電車が止まって、スマホのバッテリーが10%を切る危機的状況でした。
長崎から出てきて東京暮らし10数年、いまだに通勤電車のドラマは尽きないものです。
次回は『地面師たち』ドラマ版の感想も書きたいと思います!それでは皆様、詐欺にはくれぐれもお気をつけて!
この記事は『地面師たち ファイナル・ベッツ』の内容をネタバレしながら筆者なりの解釈でまとめています。
より詳細な情報は書籍本編をお読みください。